再就職が決まらない中高年に共通する6つの致命的欠点
日本には若い人を採用して育てたいと考える企業が多いため、中高年の転職は難しいと言われています。
しかし、上手に転職活動をして、条件を下げずに転職を成功させる中高年の人も大勢います。
同じ中高年なのに転職を成功させる人とそうでない人がいるのは、なぜなのでしょうか?
実は、なかなか再就職が決まらない中高年の人たちには、ほぼ共通した致命的な欠点があるのです。
それは何なのかを、ここでは詳しくご紹介しましょう。
今回の記事の目次
真面目でアピールすることが下手
40代から50代にかけての中高年の人たちは、ほとんどが最初に入社した企業に在籍し続けていた人たちだと思います。
何もなければこれからもずっとその企業で定年まで働くつもりだったけれど、景気の悪化によるリストラや給料の大幅カットで退職を余儀なくされた、という人も少なくないでしょう。
一つの会社で働き続けた中高年の人たちには、「真面目でアピールが下手」な人が多いのではないでしょうか?
真面目なのはもちろん良いことなのですが、アピールが下手だと転職では致命的な弱点になってしまいます。
転職の成否は、面接でのアピールでほぼ決まってしまうからです。
真面目でアピール下手な可能性がある人
- 会社でつらいことがあっても不満を言わずに、黙々と働いた
- 自分の希望で部署変更や転勤を願い出たことがない
- 周りの人は、自分が言わなくても自分の頑張りを理解してくれている
- 実績を見て評価してもらえれば良いと思っているから、あえて自分からアピールすることはない
いわゆる「多くは語らず、仕事で結果を出すタイプ」です。
このような人は優秀な人材なため、多くの企業が採用したいと思うはずです。
このタイプは一つの企業に長く在籍して周りの人に人柄や実力を理解されていれば実力を発揮できるのですが、転職となるとうまくいかないことが多いようです。
言うまでもなく、転職では面接や書類審査でどれだけ実力をアピールできるかがポイントです。
しかし、真面目でアピール下手な人は今まで「自分を売り込む」という行為をあまりしたことがないため、面接でつまずいてしまうのです。
このケースに該当する場合は、アピールスキルを向上させることができれば本来の実力を企業に上手にアピールすることができ、採用への可能性が高まるでしょう。
アピールスキル向上方法の具体例
- 転職に関するセミナーや勉強会などに参加する
- 転職エージェントの面接リハーサルサービスを活用する
ぜひ、活用してみてください。
自分より若い人の話を聞かない
中高年の転職希望者の中で必ずいるのが自分より若い人の話を聞かない人です。
今まで長い間、若い人たちの上に立って指導する立場にいたため、そうなってしまうのも仕方が無いことかもしれません。
しかし、転職するということは転職先の会社では「入社1年目」の立場になる、ということです。
自分より若い人が上司になる可能性も非常に高いのです。
中途採用をする企業が気にすることはその人の仕事の実力ですが、次に気にするのは「人柄」です。
今まで全く違う会社で働いていた知らない人が自分の会社に入ってくるのですから、やはり気になるのは「この人はうちの会社でうまくやっていけるのだろうか?」ということなのです。
特に、中高年の人を採用するにあたって企業が1番気にするのは「この人は自分より若い人の下で働けるのだろうか?」ということです。
いくら実力があって仕事のノウハウをたくさん持っていても、一緒に仕事をしている人が言うことを聞けないのでは仕事になりません。
「転職したいと思っているのだから、若い人の下で働くことぐらい理解していますよ!」と言う人もいるでしょう。
しかし、頭で理解しているのと、それを実践するのとでは全然違います。
あなたが「若い人の下で働けますよ」と思っていても、実際に周りの人があなたから受ける印象は全く逆かもしれません。
若い人と接するための具体的な努力をしているでしょうか?
若い人に対して次のような事ができますか?
転職後に望まれる年下への態度
- あなたの方からあいさつする
- わからないことを聞くことができる
- 機嫌が悪い時も、態度に出さない
- ささいなことでも何かしてもらったら必ず「ありがとう」と言う
- 気さくに話しかける
もちろん、年の差があれば話題や会話のテンポも違うでしょう。
無理に若い人に合わせても、相手に気を使わせてしまいます。
「年の差はあっても仕事には関係ない」、という気持ちで若い人と一緒に仕事ができる人が、転職を成功させることができるのではないでしょうか。
不満を言うことが多い
中高年の転職希望者の中で意外と多いのが、日頃から不平不満ばかりを言っている人です。
「確かに不満は多いけれど、面接でそんなこと言うわけ無いでしょう」と言う人もいるかもしれません。
しかし、面接でいくら注意していても、面接官に深く突っ込まれると、意外とボロが出てしまうものなのです。
転職理由を聞かれた時
例えば、前の会社では人間関係がうまくいってなかったとします。
面接で転職理由を聞かれた時に、それをそのまま言う人はあまりいないと思いますが、たまにぽろっと出てしまうこともあります。
「前の会社ではあまり自由にやらせてもらえなかったもので・・・」
「上司の頭が固くて・・・」
などと前職への不満をもらしてしまうと、面接官に「この人は転職した後も会社への不満ばかり言う人なのかな」と思われてしまうかもしれません。
また、不平不満が多い人は「○○はダメだ」「そんなやり方じゃ、うまくいかない」などという、ネガティブな言いまわしを使うことが多くなりがちです。
普段から不平不満ばかり言っているので、何事も「否定モード」でとらえる癖がついてしまっているのです。
面接でも「否定モード」で話してしまうと、面接官があなたから受ける印象は悪いものになってしまうでしょう。
人間性が見える質問
例えば、面接官に「部下が仕事で大きな失敗をしたときに、どのように対応しますか?」と質問されたとします。
否定モードの人だと、
- 皆の前で部下を叱る
- 何が悪かったのかを教える
- 次に同じ失敗をしないように注意する
などという「その部下がダメなやつなんだ」という考えに基づいた答えしか出てこないかもしれません。
しかし、肯定モードの人なら、
- チーム全員で部下の失敗をリカバリーする
- 部下と一対一で話しあう
- 部下が失敗を恐れず仕事ができるように、フォローする
などといった、部下の将来を考えた前向きな答えが返ってくるでしょう。
否定モードと肯定モードのどちらの人材がほしいのか?は、考えるまでもないですよね。
スマホやパソコンを使えない
スマホやパソコンなどIT関連のことに疎いのは、転職する上で致命的な弱点になります。
なぜなら、ほとんどの仕事でスマホやパソコンを使うからです。
もちろん、今までいた会社でもスマホやパソコンを使う必要があったでしょう。
でも、もしかしたら「あの人は使えないから」「一から説明するのが大変だから」などと周りの人が気を使ってくれたおかげで、使わずにすんでいただけなのかもしれません。
しかし、転職するとなると話は別です。
今までは周りの人に甘えることができたかもしれませんが、転職先では絶対に甘えることはできません。
面接で「スマホやパソコンはちょっと・・・」などと言おうものなら、それを理由にすぐに不採用になってしまうかもしれません。
IT関連に疎いと仕事の効率が悪くなりますし、スマホやパソコンが仕事をする上で最低限必要なツールである場合は、そもそも仕事になりません。
さらに、IT関連に疎い人は、仕事ができないだけではありません。
そのような人は、IT関連のことに限らず、仕事に必要だと言われていることに対して「苦手だからできません」と平気で言う人だと思われてしまうのです。
体力的な問題などで、いくら努力してもできないことであれば仕方がないでしょう。
しかし、頑張ればできるようなことでも、初めから「無理です」「苦手です」というような人は、「わがままだ」と思われて当然なのではないでしょうか?
若い人と同じレベルで使いこなすのは無理だったとしても、少しでも使えるようになるための努力をすることが重要なのです。
今まで苦手なことからうまく逃げていたとしても、転職をするにあたってその壁を乗り越えるべく努力してみてはいかがでしょうか?
中高年向けのパソコン講習などはいくらでもあります。
お金はかかるかもしれませんが、転職のための必要経費だと思ってください。
企業の下調べが不十分
「なかなか採用がもらえないどころか、書類審査すら通らない」という中高年の転職の話をよく聞きます。
そんな困難を極める中高年の転職活動で多いのが、
「なかなか内定がもらえない中やっと内定をくれた企業のことをよく調べずに転職したら、ブラック企業だった」
という失敗です。
苦しい転職活動を続けていると、「採用しますよ」と言われればすぐに飛びついてしまう気持ちもわかります。
しかし、企業の下調べをせずに安易に転職を決めてしまうのは、考え物です。
次のようなケースは、転職した後に不都合が起きる可能性が非常に高いです。
怪しい条件 | 条件の裏側 |
---|---|
簡単に採用される | 待遇が悪い、給料が安いなどというブラック企業なため、辞める人が多い |
休日や手当について求人情報に明記されていない、問い合わせてもはっきりと答えてくれない | 休日や手当が極端に少ない |
「みんな和気あいあいと仕事をしています!」などと、職場の雰囲気の良さをやたらとアピールしている | その企業には、他にアピールするポイントがない |
求人情報に書いてある給与の例が高い | 実際はそんなに高くなく、一番高い人の給与例が載っている |
「未経験者歓迎!」とあるが、研修制度など未経験の人が安心して働ける根拠が求人情報に書いてない、または、問い合わせても明確な回答が無い | 未経験で入ると、かなり苦労する |
求人情報に書いてある情報は、書いてあることを疑うくらいの気持ちでしっかり確認すべきです。
「入社してみたら、求人情報に書いてある仕事内容とは全く違う仕事を指示された」、などということはよくあることなのです。
わからないことや確認したいことがあれば、必ず企業に直接確認しましょう。
しっかり確認せずに安易に転職を決めた結果、「思っていた仕事と違った」「待遇が悪すぎた」などと言って、また転職をする羽目にならないようにしましょう。
ハローワークや転職エージェントをうまく使いこなせない
転職活動をする際に、あなたはハローワークを使っていますか?
それとも、転職エージェントを使っているでしょうか?
転職のアドバイスをする転職のプロがつく転職エージェントではなく、エージェントなしの転職サイトを活用している人もいるかもしれません。
これらの転職のためのサービスには、それぞれメリットとデメリットがあることをご存じでしょうか?
それを知らずに使ってしまうと、大きな損をしてしまうかもしれません。
ここでは、ハローワークと転職エージェントの特色をそれぞれご紹介しましょう。
ハローワーク
ハローワークは行政による職業斡旋サービスです。
そのため、ハローワークに求人情報を登録する企業は無料で利用できるという点が、民間の転職エージェントサービスとは大きく異なります。
ハローワークを利用するメリットとデメリットはそれぞれ以下のようになります。
メリット
- 企業が無料で登録できるため、中小企業から幅広く自分に合った企業を探すことができる
- 地域密着の情報が豊富なため、自宅に近い企業を探しやすい
デメリット
- 行政のサービスなので職員の対応に限界があり、職員が企業の情報を把握していないこともある
- 各種保険に加入していない企業も、多数登録されている
転職エージェント
転職エージェントの場合、転職者側は無料で利用でき、転職が成立した際に企業がエージェントに報酬を支払う仕組みです。
その報酬は転職者の年収の3割程が相場で、決して安いものではありません。
転職エージェントのメリット、デメリットは以下のようになります。
メリット
- 転職が成立しないと報酬が得られないため、エージェントによるサービスは充実している。企業の情報をしっかり把握しており、企業への問い合わせもきちんとしてくれる。
- ハローワークよりも、条件の良い企業が多い
デメリット
- 自分に合っていない転職エージェントにあたってしまうと、希望していない企業ばかりすすめられるなど、自分の思う通りに転職活動ができない
- エージェント側の審査に通らないと、企業を紹介してもらえない場合がある
一見、転職エージェントの方が良いように見えますが、ハローワークにもメリットはあるので、必要に応じてハローワークも併用するのが良いでしょう。
大事なのは、それぞれの特色を理解して上手に使い分けることです。