採用を決める時に面接官が見ている「この人ならば」というポイント解説!

執筆者の情報
名前:奥田 茂(仮名)
性別:男性
現在の年齢:35歳
面接の経験人数:1,500人
面接経験時の役職:-
企業・業種:大手経営コンサルタント会社

転職活動をすすめる上で、よく陥りがちな誤りや、絶対に面接で話すべきこと、意外と気づきにくい「転職を成功させるためのちょっとした工夫」は幾らでもあります。

今回は人事のプロが、そんなポイントを丁寧に解説します。

履歴書は写真しかほぼ見ていない

転職する際に、何か1つでも資格を増やしておかなければいけないのでは?

と考えて、お金をかけてスクールに通い、資格を取得する方も多いかと思います。

しかし実のところ専門職(弁護士、技術職)以外の場合。例えば営業職や企画系の仕事の場合はほとんど意味がありません。

面接官が履歴書で見ているポイントは写真だけです。

つまり資格取得のために大金を使うのであれば、プロの写真家に撮影してもらう。最高の写真が撮れるまで、何度も取り直すなどの方がよっぽど内定は出やすいでしょう。

特に大手企業の場合、人事担当者は年間に数百人、数千人の面接をこなしています。

そのため事前に履歴書を読み込む時間などはなく、面接当日、あなたの入室直前になって初めて目を通すことがほとんどです。

「おっ!?こいついい顔してるな」と履歴書で思わせて、自分に興味を持たせるのが一番内定率が高まるポイントでしょう。写真は思っている以上に重要です。

エージェントの紹介より自分でエントリーする方が好感を持たれる

転職活動をする場合、ほとんどの人が転職媒体やエージェントを使います。

実際に面接官の手元にある資料にも、どこの転職媒体やエージェントを通して面接に来ているのか記載されています。

大手転職支援会社やエージェントを通して来る応募者はあまりにも多いので、その他大勢としてカウントされてしまいます。

理由は、「この人はとりあえず今の会社が嫌で、転職支援会社にエントリーし、うちの会社を紹介されただけ。どうしてもうちの会社に転職したいわけじゃない」と面接官はどうしても思ってしまうからです。

おすすめは、直接その会社のホームページから自分でエントリーすることです。

人事部に直接電話するなどの方法も好感を持たれるでしょう。

何をやってきたか、よりも入社後何ができるかを明確に語れるか

正直申し上げますと、新卒の面接と転職者の面接は全く視点が異なります。

新卒面接ですと「今まで何を、どうやって、どれくらい頑張ってきたか」という自己PRを重点的に見るわけですが、転職者にそれは求めません。

前職で何をどれだけ結果を出したのかは、面接時間の1/10程度で説明した方が良いでしょう。それ以上に大切なのは、自分がこの会社に入社した場合何ができるか。

それも具体的に「どれくらいできるか」をしっかりPRするといいでしょう。

転職者を裁く面接官にも大きな責任があります。

自分が選んだ人物が入社後なかなか結果を出さなければ、「お前は見る目なし」として降格や減給ということがありえます。

だからこそ「こいつは間違いない」と面接官に思わせるほど入社後のイメージを固めて面接に挑むことが重要です。

世の中のために!というのは新卒だけで十分

長年面接官をしていると、「私は世の中のためになりたい」だとか「女性ならではの経験を活かして」とか言う方が多いですが、あまりにも聞き飽きたので全く効果的ではありません。

逆に「自分は2年以内に年収を800万円まで上げたいのでこの会社を選んだ」と言われる方が、正直者だし、覚悟があると高い評価を得るでしょう。

新卒組が特に「世のため、人のために」ということを言うので、転職組がまだそんなことを言ってると逆効果に受け止められることがあるでしょう。

企画力か推進力のいずれかを見ている

転職者の面接の場合、この人には「企画力」があるのか「推進力」があるのか。

という視点で見ています。割合で言うと企画力があると思える人は1割程度で、9割は推進力がある人です。

つまりそれだけ企画力を面接の場で表現するのは難しいことだと思えます。

内定率を高めたいのであれば、自分がいかに推進力があるのか。を前職までの経験を通して語るほうが懸命でしょう。

例えば、前職で任された長期間に及ぶプロジェクトをプロジェクトリーダーとして最後までやりきったストーリーなどは高い評価を得ます。

先月転職者の面接をしていた時に、こんな人がいました。

銀行に勤めており、中小企業の再生案件を任された。

あまりにも債務が多く、コスト削減のために苦渋の決断を経営者にさせる必要があった。

突然現れた1人の銀行マンが長年大切にしていた社員や設備の削減を経営者に依頼し、実行に移してもらうためには信用を得る必要があったため、毎日通いつめた。

時には3泊4日経営者と一緒に過ごすこともあった。おかげで経営者からの信頼を得て、2年8ヶ月におよぶ長期プロジェクトが無事に着地し、経営者もそのご家族も倒産の危機を脱した。具体的に実行したことは・・・

このストーリーを面接の場で聞いた面接官は、その彼を全員一致でマルしました。

ゼロからやり直すつもりで頑張ります!は禁句

転職者が面接の時点で決して口にしてはいけない言葉の1つは「ゼロからやり直すつもりで頑張ります!」これです。

第二新卒(24歳~26歳)まではギリギリ許されたとしても、それ以上の年齢になるともはやこの言葉を口にした時点でアウトです。

前述した通り面接官には採用した責任があります。にも関わらずゼロから新卒の様にやり直されては困ります。

なぜかこの言葉に対する美しさを信じている人が多く、未だに転職者面接の場でも1年に10回ほど聞くことがあります。

当然のことですが転職者は即戦力です。決して新卒とは違います。

最低限ホームページは全て読み込んで欲しい

「入社後、あなたが志望する部署はありますか?」

「我が社が手がけたプロジェクトのうち、あなたが最も興味のあるのはどれですか?よければその理由も教えてください」

という質問に絶句する人がいます。しかも50%もいます。

特に転職エージェント会社からの紹介で面接に挑む人はこれが多いです。

うちの会社が何をしているのかも全く知らずに、何となく応募し、いざ面接の日を迎えたということでしょう。

正直こういう人には面接官もガッカリしますし、時間を無駄にした。お互いに。と思わざるを得ません。

今やインターネットを叩けば、小さな会社でも情報が膨大に出てくる時代です。

ビジネス雑誌に掲載されていたり、書籍を出版している会社も増えました。

これだけ情報が溢れているのにも関わらず、何も知らないというのは志望意欲が低いと思います。

せめて面接に挑む会社のホームページは隅々まで読み込んでおくこと。

そして社長や社員のブログも時間があれば読み込んでおいて欲しい。

これは転職者だけでなく新卒組も同じですが、最低限の行動です。

最後に質問は?に答えないと内定出ません

面接の場でよくあるのが、一通り面接が終わった後に面接官から「最後に質問ありますか?」という台詞。

これはその場で考えるというよりも、事前に準備しておくのが常識です。

質問が全く無いということは、うちの会社に興味が無いということと同じとして受け止められてしまいます。

本当に入社意思があり、興味があるのであれば質問の1つや2つは出てくるでしょう。

どうしても質問が思いつかない場合は、当日の会話を振り返り、「質問したいと思っていた~~~の件については先ほど明確になりましたので十分です」という言葉を選択した方が賢明です。

この記事の筆者

奥田 茂(仮名)
1980年生まれ35歳。大手経営コンサルティング会社で管理職として新卒・キャリア面接を年間300人近く行う。自身も総合商社からの転職経験者であり、早期に実績を上げた実力者。キャリア面接の最終先行を一任されており、入社後の即戦力キャリアを数多く採用してきた。現役コンサルタントとしても書籍出版やメディアへの露出などコンサルティング業界でも注目を置かれている人物。

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