採用担当者の選考面接体験談から見たよく陥るミス

執筆者の情報
名前:三浦 佐知子(仮名)
性別:女性
現在の年齢:38歳
面接の経験人数:約6,000人
面接経験時の役職:採用教育係
企業・業種:貿易業界

私は年間2,000名以上と、とてつもなく膨大な数の面接をこなしています。今回は書類に使う写真の重要性や、面接に臨む際の心構え等をお話しします。

願書提出時の証明写真

転職しようと思い立ったり、特に現職に不満がある訳ではないが、なんとなく他の会社を見てみたい・・・、転職における選考活動の第一歩はまず願書を書くことから始まるでしょう。

願書を書く際には指定のフォーマットを持つ企業もあるが、書式自由の場合が多い。

書式自由と言われても何を書けば良いか、悩む人は多くいるはず。

企業側が願書を求めるには、書類を通して
「どのような人であるか」
「会社に入ってどのように活躍するか」の2点を知るに尽きる。

願書提出には証明写真の添付を必須とする企業が多い。ひと昔まではスマートフォンがなかったので、応募者は駅近の自動証明写真撮影機で撮るか、写真屋で本格的に撮るかの2パターンに別れる。

しかしスマートフォンの流行に伴い、証明写真の撮影は手軽になってきている。スマートフォンで撮影しては無料の画像編集ソフトまである。

編集済みの自撮り証明写真データをコンビニへ持って行けば、安く手軽に印刷ができる。

実に便利な世の中である。次第には願書はWEB化となり、証明写真もデータでアップロードして企業に提出をする。

企業にとっては手軽にデータで応募者管理ができるメリットあるし、応募者にとってもコストを削減し、手間がかからなくなる、まさに一石二鳥の話だ。

スマートフォン文明の進歩により、自撮りが流行り、気が付けば願書に添付する証明写真でも片手カメラ持ちの斜め65度撮影がものすごく増えている。

テーブル越しにスマートフォンを置き、白いカーテンを背景に自動撮影を設定する丁寧な方もいる。証明写真はその方のお顔を表す写真であると同時に、写り方によって、その方の取り組み方を見ることもある。

業界によるが、多くの企業では証明写真を求めては、まだ従来昭和式の証明写真を求める採用担当者が多いので、できればスマートフォン撮りでなく、きちんと機械または写真屋での撮影をオススメする。

面接時の心構え

面接では自己紹介や自己PR、過去成し遂げたことについて上手に話せる方はよくいる。

「僕は過去売上を1千万あげたことがあります」
「周りのモチベーションをあげるために〇〇に心がけてきました」
など、どんな質問をしても、

「待ってました!」と流暢に語りはじめる応募者がいる。

しかし、「わかりました。では具体的にどのようなことをしましたか?」と問いかけると、3割の方はその場で固まる。

そして、「もう一つ表すエピソードを挙げるとしたら、どのようなことがありますか?」と問いかけると半数の方は先程の方は流暢さがなくなり従来の話し方に戻る。

企業採用担当の面接では、いかに流暢に話す人、いかに華やかな経歴がある人を欲しがる訳ではなく、人それぞれの個性を知り、自社に合うかどうかを見たいので、言わば一番最初の自己PRや自己紹介は始まりに過ぎない。過度な暗記は禁物だ。

採用応募する際のオススメ

新卒や転職を考える際に、まずは「自分が働く上で何を一番大切にしているか」を自問自答してみると良い。

金銭、名誉、地位、環境、権力、影響力、自己実現、自己成長・・・など、価値観によって異なることは多いにあるでしょう。

複数の価値観を欲張りたい所ではあるが、できれば最も重要な一つ、或いは二つまでしておくと良い。その後には、その価値観を満たしてくれる会社を見つけると良いでしょう。

そして自分が生まれた年から現在まで、一直線で年表を書き、それぞれのターニングポイントを思い出してみる。またそれらターニングポイントにはどのような思い出があり、場合によってはトラブルなどエピソードでも良い。

魚の背骨のように、太い背骨(年表)の周囲にはたくさん細い骨(出来事)があり、仕上げると立派な自己分析となる。

また願書や面接時によく質問される過去の功績やエピソードについても、年表を書くことによって、体系的自己の過去なる事実やそれぞれに置かれた時の気持ちを引き出しのように瞬時に出せるので、ぜひオススメしたい。

この記事の筆者

三浦 佐知子(仮名)
1978年生まれ。
貿易業界にて採用教育業務に従事し、年間50名程の新卒・キャリア採用を推進。新卒採用・キャリア採用それぞれ求める人材像を策定し、年間2,000名以上の面接を行う。
現在はより「求職者がフィットする会社選びをモットー」に学生・転職希望者が自分に合う会社を見つけるための支援を行っている。

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