デザイナーは今、転職市場で価値が高い!

今回の主役になるデザイナーという職種は、今の転職市場では高い経験がなくても転職しやすい状況にあります。

今の転職市場が売り手市場であることに加えて、デザイナーという職種のニーズが非常に高いため、経験を持つ求職者の方にとっては最高の転職市場になっています。

これはWEBデザイナーかそうでないかに限らず、どちらにも需要があります。

デザイナーの経験を持つ求職者の数は圧倒的に少なく、企業は採用に苦戦しているのです。

デザイナー経験を持つ求職者の数が少ない理由

クリエイターやデザイナーという職種は専門知識を強く必要とされ、理系寄りの職種です。

今の日本の労働市場は、IT技術を使ってビジネスを行う企業が増えたため、理系に近い職種のニーズが高くなっています。

インターネットを活用して事業を行うことで、それまで商圏範囲とすることができなかった地域やエリアに踏み込むことができますし、対面に必要な職種が少しずつ不要になっています。

対面式のビジネスで最も代表的な職種が営業職です。

かつての日本では事業を拡大するために何より必要不可欠な存在でしたが、今の時代はインターネットで営業職の力を使わずとも事業拡大ができるのです。

営業職の低迷とデザイナー職の台頭

昔はどの企業でも花形と言われ、最も企業に貢献することができるとされた営業職は今低迷しています。

低迷しているとはいえ、まだ全ての職種のなかで一番多いのが営業職ですが、IT技術の進展により、営業職の割合は明らかに減っています。

営業職の低迷とともに、最近台頭している職種がデザイナーです。

先ほど言ったように、理系に近い職種と言ってもデザイナーの経験を持つ求職者は理系だけではありません。

専門学校や大学でデザインの専門的な勉強をしていた経歴を持つ求職者も当たり前のように多くいます。

日本の学歴文化

日本の文化は間違いなく学歴社会です。

ビジネスの世界でも少しずつ学歴偏重主義は減っているとは言いますが、転職エージェントとして採用活動を支援している私としては、まだまだ学歴社会であることには変わりないと感じます。

エントリーシートや書類選考の段階で一定の学歴以外はすべて不採用という企業もありますし、応募資格に4年生大学を卒業する見込みがあることを条件にしている企業も多くあります。

こういった背景があり、特に目的はなくても四年制大学への進学を決める学生は多いです。

そのため、デザインの専門学校に通う学生は少ない状況になっているのです。

また、理系の人材も研究が優先でコミュニケーション力が低いという偏見により、採用において優先度が下げられることが多かったです。

今の企業はデザイナー職はもちろん、IT人材が枯渇していて、どの企業も中途採用で苦戦しています。

デザイナー職の転職状況

転職エージェントである私のところにも多くの求人がありますが、デザイナーの求人は企業が採用に苦戦してなかなかクローズすることがありません。

クローズとは転職エージェントの用語で、すでに内定が決まり採用活動を終えることを言います。

転職エージェントを利用しているとキャリアアドバイザーからこの言葉がよく出ますので、把握しておくと良いと思います。

デザイナーとしての経験値

企業は採用に苦戦しているため、デザイナー職の応募資格を広げたり、賃金などの労働条件を引き上げることを行うことが増えています。

転職活動初期に紹介を受けた求人が、かなりの期間を経過してもまだ募集をしている場合、間違いなく採用活動に苦戦している求人です。

『一度見て、応募資格がなかった』『労働条件が悪かった』『選考基準が高かった』と思って、そのまま再確認することをしないと損をすることがあります。

長期化している求人は変更箇所があることが多いのです。

デザイナー職は特にこの傾向はありますので、長期化求人を狙って転職活動することはありだと思います。

経験が浅い求職者でもチャンスの時代

デザイナー職の求人を公開している企業は、妥協という意味での変更をせざる得ない状況になっています。

自分の経験が浅かったり、これまで経験が全くない求職者の方も内定を勝ち取ることができる状況にあります。

私の転職エージェントに登録に来たある求職者は未経験でデザイナーへの転職希望を持っていましたが、ある時は応募資格がなかった求人が、しばらくすると未経験可となっていました。

それを見た私はすぐに応募してはどうかと提案し、結果的に未経験でありながらも転職することができています。

他の転職エージェントでも、このような事例は採用しにくい求人でよく聞きます。

応募資格や選考基準を変えた求人は、スピードに注意する必要があります。途中で応募資格や選考基準に変更を加えた求人は、複数の転職エージェントで公開されています。

転職エージェントも、変更があった求人については応募することができなかった求職者の方に再度、提案するのが普通です。

先ほどお伝えした私の実体験がそれになります。

そうすると、企業は応募が殺到して書類選考をさばき切れなくなりますので、一定数の応募があったタイミングで募集を止めます。

企業からするとこれは最終手段である場合が多いので、『次にまた再募集するだろう』という楽観的な考えはしないほうが良いです。

WEBデザイナーは特に人気

WEBデザイナーは、デザイナーのなかでも特に人気です。

個人消費向けの消費財を扱う事業を行う企業は、今の時代は店舗を閉鎖してネット通販に注力していることが多いです。

ネット通販用の専門サイトが店頭になりますので、訪問する消費者がより購買意欲を高めるサイトデザインにする必要があります。

インターネットは特殊な言語や技術を活用して形を作っていく仕事で、即戦力という意味では高い経験は必須です。

一般的に転職市場では35歳中盤を過ぎると応募できる求人数が一気に減ると言われていますが、WEBデザイナーについては何歳の求職者の方であっても転職することが可能と言われています。

実際、私の同僚は48歳でしたがWEBデザイナーとしてかなり優れた人材で、特に苦戦することなくすぐに転職決定しています。

転職活動で内定数は10社を超えていました。

WEBデザイナーと紙面デザイナー

どちらかというとWEBデザイナーの方が企業からのニーズが高いのですが、紙面デザイナーもニーズは高いです。

企業の多くは、ネット通販と並行して雑誌通販も行っています。

会社側は記事を作りたいのに、求めるレベルの人材がいないので今ものすごく取り合いをしていますね。

この二つを担当することができるデザイナーがいれば、相当引き合いがあると思います。

先ほど、私の友人であるWEBデザイナーの話を軽く触れましたが、その友人はまさにWEBデザイナーと紙面デザイナーの両方のスキルを持っている人材でした。

どの企業に面接に言っても面接回数を省略されたりしているようでした。

個人的にWEBデザイナーの経験やスキルさえあれば、今後一生食べていけるのではないかと思っています。

デザイナーという職種は専門性があり、高度な知識を要する職種ですので、誰もが参入できるような職種ではありません。

デザイナーの需要は今後も伸びることは分かっているものの、転職エージェントとして『今すぐデザイナーの勉強をしましょう』と軽々しく言えるようなレベルの仕事ではないのです。

デザイナー職の選考内容

変更求人の選考は例外的な話にですので割愛して、経験者の選考内容に特化してご紹介したいと思います。

デザイナー職は、これまで在籍してきた企業でどのような経験をしてきたのかを制作物を通して知ることができます。

通常の転職は履歴書や職務経歴書から面接官は経験を読み取ることになりますが、デザイナーの場合は制作物という形で確認することができるのです。

そのため、書類選考の段階から制作に携わった作品も提出物となります。

紙面デザイナーの場合は紙面を切り取り提出しますし、WEBデザイナーの場合はインターネットからプリントアウトして提出となります。

変な話、履歴書や職務経歴書の内容よりも制作物だけで判断することがありますし、確実にその求職者の方の技量が分かるのです。

人事はその道では素人で制作物を見ても正確な判断ができないため、デザイナーの書類選考については現場の責任者が書類選考を行うことが多いです。

面接においても制作物が中心

面接も書類選考同様に、これまで制作した制作物を持参して「転職後はどの範囲まで制作することができるのか」などを聞かれます。

デザイナーの場合、『これまでどのような仕事をしてきたのか?』というような愚問はないと思った方が良いです。

制作物を見れば、これまでどのような仕事をしてきたのかは分かりますので。

あいさつや礼儀、言葉遣いがしっかりしているかどうかという最低限度のマナーさえあれば、人物面の選考基準もクリアできます。

技術的なスキルが何より重要な職種ですので、制作物が大きな合否基準になります。

面接後半になると企業から課題が出され、その課題に沿った制作物を制作して面接を受けることもあります。

私も企業の人事としてデザイナー職の面接官を担当したことがありますが、実際の業務を想定してコミュニケーションが取られますので、ほとんど何を言っているか分からない状態で、同席した現場責任者の方が中心で面接が終わりました(笑)

デザイナーが働く環境

デザイナーの経験を持つ方は、転職とともに独立という道もありますし、実際に多くのデザイナーが企業で経験を積んだ後に独立します。

デザイナーは専門性が高く、高い技術さえあれば、少ない初期投資で独立することができる職種です。

他の職種よりも高い給料が出ているとしても、「独立しているデザイナーは自分が受けている給料よりも明らかに高い給料を得ている…」と比較するようになります。

こういった影響もあり、転職市場にデザイナーが少なくなっています。

今、デザイナーとして転職活動をされている求職者の方も、転職活動と同時に独立を視野に入れている方は多いのではないかと思います。

デザイナー職の働き方

働き方は企業の社風によりますが、比較的ラフな格好で仕事をすることができますし、ベンチャー企業などの場合は集中力を高めるためにイヤホンなどをして周りと遮断して仕事をすることもあります。

労働時間はデザイナー次第のところがあり、制作が順調であれば定時で帰ることもありますし、制作が追い付かない場合は深夜まで仕事をすることもあります。

年間通じて忙しいというよりも繁忙期と閑散期がかなりはっきりしています。

給料については先述の通り、その企業の中でも高いです。

デザイナーでの転職は人生の好転確率が高い!

冗談半分ですが、現在転職エージェントとして活動する私も、新卒時代にデザイナーの道を選んでいたら今どうなっていたのかな?と夢を持ってしまいます(笑)

将来的な視点で先々を見ても、デザイナーという職種、特にWEBデザイナーは今後も十分な市場価値を得ることができると思います。

転職市場の景気が良くなるだけ、どうしてもニッチな職種は取り合いになってしまうんですよね。

今ものすごくヘッドハンティングの対象になっています。

私も転職エージェントとしてデザイナーの経験を持つ求職者の転職支援をしてきましたが、デザイナー経験者で転職活動において苦戦したという方は1人もいません。

採用する企業としては採用に苦戦しているので、転職エージェントにかなり強いプレッシャーがありました。

最後になりますが、求職者のみなさんが最高の転職活動を行えることを祈り、今回の話を終わりにしようと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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