飲食業界、飲食関係の職種の転職について
みなさん、こんにちは。
求職者のみなさんは、転職活動で自分の希望条件をしっかり設定していると思います。もしかすると、明確な希望を持っていないという求職者の方も中にはいるのかもしれませんが、是非、希望条件はしっかりと設定して欲しいです。そうでなければ、転職軸がぶれてしまい、良い転職をすることが難しいからです。
私も、かつては、今のみなさんと同じように転職活動をして転職した経験がありますが、その際、自分の希望条件についてはしっかりと設定しましたし、また、妥協することはなかったです。それが理由でもあり、苦戦したこともありましたが、しっかりと自分の希望に沿う企業へ転職することができています。
この希望条件は、業界、職種、役職、給料、福利厚生など、いろいろな要素がありますが、恐らく希望条件を設定するにあたり、基礎となるものは、それまで、どのような業界で、どのような職種で仕事をしてきたか、そして、どのような役職でどれぐらいの給料を得ていたのかが中心になると思います。
現在、転職エージェントとして求職者の転職支援を行う私としても、自分の経験を踏まえて希望条件を設定することは王道であり、正しい考え方だと思います。しかし、なかには、これまでの経験を、転職後は控えたいとして、業界や職種を一気に変えたいという希望を持っている求職者もいると思います。
今回のテーマは、『飲食業界、飲食関係の職種の転職について』ということになりますが、求職者の希望条件との兼ね合いの観点から飲食業界や飲食関係の職種の転職について具体的にいくつかの角度からご紹介したいと思います。
この飲食業界や飲食関係の職種は、転職市場に限らず、労働人口が多いことでも知られていて、比較的、転職しやすい業界であり職種と言われています。
『食』は、人の生活の三大要素の一つ
良く言われる人が生きていくなかで必要不可欠と言われる要素は、『衣食住』という三大要素です。『食』はそのなかでも中心的な存在です。この三大要素のなかで、人は食べなければ当然、生命を維持することができないため、『食』は絶対的に必要であり、この『食』という要素は日本だけではなく世界共通の重要な要素です。この重要な要素を事業とする業界や職業とする職種は、転職市場、そして労働市場のなかでも、かなりニーズが高い分野になっています。
転職市場での飲食業界、飲食関係の職種の状況を紹介する前に、この飲食業界、飲食関係の職種を希望する場合は、転職後に実際に働くことになりますので、その働き方や労働関環境についてご紹介したいと思います。
私が、転職市場のまえに働き方や労働環境を先にご紹介しようとする理由は、飲食業界、飲食関係の職種は、特にそうですが、働くイメージを具体的に持っていなければ、とんでもないことになってしまうリスクを大きく持っているためです。
ちなみに、私の個人的な意見や考えですが、飲食業界、飲食関係の職種で働きたいとは絶対に思いません。何となく分かった方もいらっしゃるかと思いますが、飲食業界、飲食関係の職種は、数ある業界、職種のなかでもかなり厳しい働き方であり、労働環境であることが多いです。
飲食業界とは?
まず、最初に飲食業界という視点です。飲食業界とは広い意味で使われ飲食関係の商材を扱う場合は、どの企業も広義の意味では飲食業界に属します。しかし、狭義の意味では、チェーン展開する企業も含めた飲食店を指します。
この狭義の意味での飲食業界の働き方は、なかなか理不尽なところが多くあります。
部活動の世界と似た縦社会の文化
求職者のみなさんは学生時代に体育会の部活動に所属していたという方はいませんでしょうか?どのような体育会の部活動でも少なからず先輩後輩の関係により理不尽な縦社会の文化を持っています。
特に高校野球については、私の友人も高校野球をやっていた友人がいますが、理不尽が当たり前で、感覚が麻痺するというぐらいの強烈な縦社会の文化を持っています。高校野球とまではいかなくても、飲食業界の働き方は、上司や先輩の言うことは絶対ということで、体育会の部活動の文化に良く似ています。
私も転職エージェントとして飲食業界の企業の求人を扱うことがあり、その企業から内部的な実情を聞いていますが、どの飲食業界の企業でも店舗の働き方は、かなりの縦社会があるということです。
この縦社会の文化であり、理不尽とも取れる文化は、営業体質の営業部門にも良くあることです。営業職の場合は、強烈な縦社会の文化や理不尽な環境があっても、自分の営業成績次第で高い報酬を得ることができるため、我慢することもできると思いますが、飲食業界の店舗で働く場合は、個人に特化した売上目標がないことが多く、縦社会の文化や理不尽な文化の見返りがほぼないと思った方が良いです。
休みが少ない!
飲食業界や飲食関係の職種の場合、まず、懸念されることが休日日数です。休日日数は、労働基準法上で規定がありますが、労働基準法は業種や職種によって事業の運営に支障がある場合は、特例を認めていて、通常の休日日数を下回る日数でも問題ないとしています。
その特例を認める業種はいくつかあるのですが、ポイントは商業や接客娯楽業です。飲食業界、または飲食関係の職種は、この2つの業種に合致しているため、特例を認められています。
そのため、通常よりも少ない休日日数で雇用契約を結んでも何ら問題ないことになっています。現在の日本の企業の年間の平均休日日数はご存知でしょうか?平均の休日日数は120日前後となっています。これは求職者のみなさんも何となくでも調べることができます。
現在、転職活動をされている求職者のみなさんは転職エージェントや転職サイトなどを利用して求人を拾うと思いますが、今、持っている求人ごとに休日日数の平均を算出してみてください。恐らく平均は120日前後となるかと思います。
また、私の転職エージェントで扱う企業の求人の平均の休日日数も120日から少し上回る日数になりますので、平均的なものだと思います。
しかし、飲食業界や飲食関係の職種では、年間の平均休日日数は100日前後が一般的です。年間で約20日もの違いがあります。週に換算すると飲食業界や飲食関係の職種の場合は、1日ないしは2日ということになり、週休1日制の場合が多いです。
また、通常の企業の場合は週休2日制であり、祝祭日は休日ということがほとんどですが、飲食業界や飲食関係の職種の場合は、商業であり、接客業ですので他の企業の労働者が休みのときに稼働率を上げて収益を確保する必要があり、飲食業界や飲食関係の職種で働く場合は、祝祭日が休日ということはないと思います。
シフト制での管理をすることから、休日も平日ということで、不規則になり、決まった曜日に休みを取れるという環境は店舗組織の下部にいる場合は、難しいと思った方が良いでしょう。
ここでも理不尽な体育会の文化が影響して、休日を優先的に決めることができる立場は、上司や先輩からとなります。
労働時間が不規則!
労働時間についても労働基準法では1日8時間、週40時間という基本的な規定を設けていますが、この労働時間についても業種により事業に支障がある場合は特例を認める規定があり、商業や接客業については、1日10時間、週52時間まで認められる特例があります。
通常よりも長い労働時間、所定労働時間として働いてもまったく問題はありませんし、法的に認められた所定労働時間になりますので、その間の残業代も支給されません。
また、飲食業界や飲食関係の職種は、営業時間が長いことが特徴です。11時から夜遅くまで営業していることが普通ですので、その営業時間に対応するために、店舗で働く従業員はシフト制を組み、早番、中番、遅番というような交代制のシステムを持っています。
当日が遅番で翌日は早番ということも当然にあり得る話で、下部にいる従業員は、この厳しいシフトを優先的に担当することも良くあります。遅番となれば、帰宅時間が深夜になることもあるでしょうし、店舗の近くに住居を構えることが必要にもなってきます。
女性の場合は、夜遅い時間帯の帰宅となれば、安全面も配慮しなければなりませんし、かなり厳しい労働環境にあると思います。
また、どの企業でも業務終了後に時々、飲み会のようなものがあり、店舗の営業時間が終わってからがスタート時間になりますので、その飲み会の終わり時間が翌朝になるということもあるようです。そうなると翌日の出勤が早番となれば、睡眠時間の確保が難しいです。
飲み会の当日は早番だった従業員はその飲み会に合わせてまた店舗に来る必要もあり、面倒と感じることもあるようです。飲み会を断れば良いのでは?と思う方もいるでしょうが、求職者のみなさんで現職をお持ちの方は、社内や部署の懇親を目的とした飲み会を何度も断りますか?
どの組織でもコミュニケーションを維持することは仕事をしやすくする重要なことで、コミュニケーションの場としては一番、手軽で一番身近なものが飲み会だと思いますので、何度も断っては、仕事に支障も出るでしょう。
これは飲食業界や飲食関係の職種でも同じことで、特に下部の従業員は飲み会の幹事に任命されることが普通ですし、立場的にもそう簡単に断ることは難しい環境にあります。
このように、飲食業界や飲食関係の職種は時間が不規則であるため、業務とは直接関係ない範囲に置いても厳しい環境になります。
給料が安い!
このように休日日数は少なく、労働時間も長く、シフトも不規則でありながら、給料も他の業界や職種よりも明らかに安いです。
これで給料が他の業界や職種よりも高ければ我慢ができ、やりがいも感じると思いますが、飲食業界や飲食関係の職種は安いのです。
店長クラスの従業員でも月給は30万前後ということが多いです。また、下部の従業員ともなれば、アルバイトでほかの仕事をした方が高いのではないかと思えるぐらいの安月給で、時給に換算してもかなり安い賃金となる場合がほとんどです。
店長クラスとは、通常は課長や部長の役職と同等ですので、そう考えると月給が30万前後という金額はあまりにも安いと思います。
このように飲食業界や飲食関係の職種の給料が安いことは、実は理由があり、どうにもできないことがあります。どの業界、どの業種でも労働集約型かどうかがビジネスモデルの基本になりますが、労働集約型とは、事業を行う上で多くの従業員の雇用が必要で、人件費の割合が高いビジネスモデルを言います。飲食業界で属する企業の経営コストは、店舗運営費、人件費、材料費の3つの固定費が極めて高く、利益率が低いとされています。つまり、労働集約型であり薄利多売ということになります。
このビジネスモデルで飲食業界に属する企業は運営しているため、多くの従業員を安い月給で雇用しなければ、事業として成立しないとなっています。
体力消耗の激しい仕事内容!
飲食業界や飲食関係の職種の場合、体力の消耗が激しく、特に女性の従業員の場合は、体力的な理由で長く就業することができないケースが多いです。私の友人にも、飲食業界や飲食関係の職種を仕事にしている友人がいますが、体力的に厳しいため、体調を崩してしまったり、数年単位で職場を変えているということが多いです。
労働時間が長く、休日日数も少なく時間も不規則で仕事内容としても立ちっぱなしの仕事が多く、体力を使うために、男性でも継続勤務が難しいなかで、体力的に男性よりも劣る女性が健康で継続勤務することはなかなか難しいのではないかと思います。
余談ですが、もし、私に女性の言葉がいて、就職活動や転職活動で飲食業界や飲食関係の職種を希望していると知ったならば、断固反対すると思います。
それだけ、女性には適応することが難しい仕事内容だと思います。
他の職種に対応できない仕事内容!
飲食業界や飲食関係の職種の仕事内容は主には調理と接客です。世の中には数多くの業界や職種がありますが、大体の業界や職種の場合、それなりに転職してもそれまでの経験が活きるということがあると思います。
しかし、飲食業界や飲食関係の職種の場合は、調理と接客が中心の仕事内容になりますので、転職を機にほかの業界や職種にキャリアチェンジするということが難しいとされています。
年齢が若いうちは未経験採用ということでその可能性はまだ残されていますが、年齢が上がると未経験採用の応募資格すらないという場合も多いです。
求職者のみなさんは総合職と専門職、そして一般職という言葉を聞いたことはありますでしょうか?一般職は今回の話とは違いますので省力しますが、総合職と専門職の意味をご紹介します。
総合職とは、その企業の将来の幹部候補として、その企業のあらゆる職種で異動の可能性があるということです。つまり、異動も前向きな理由になり、いろいろな可能性があるということです。
一方、専門職は、その企業に属している限り、一生、その職種に従事するということになります。総合職とは異なり、将来の幹部候補としての可能性が低く、1つの職種を深く極めるということになります。
飲食業界や飲食関係の職種の店舗で仕事をする場合の雇用契約は、この専門職であることが多いです。ただし、将来、本社勤務の可能性もある場合は例外として総合職となる場合がありますが、そう簡単に本社に異動することはできませんし、平均は、約5年前後は、店舗で仕事をして、その後、本社に異動することができる可能性があるというぐらいです。
約5年後も、あくまで『可能性がある』というレベルに過ぎず、もしかすると5年後もそのまま店舗で働くことになるかもしれません。しかし、このような労働環境で5年我慢できる人はどれだけいるのでしょう。
私としてはかなり疑問に感じます。求職者のみなさんはどのようなご意見でしょうか?是非、可能性や確率という意味で、考えてみて頂ければと思います。
異動が多い
先程、総合職の場合は前向きな異動があるとご紹介しましたし、専門職の場合も『数年後に本社勤務の異動の可能性もある』と言いました。
ここで言う異動とは、店舗間での異動を言います。つまり、昇格や栄転という意味での異動ではないです。労働条件や役職、給料など一切の条件はスライドで、単純に会社都合で働く場所が変わるということに過ぎません。
店舗展開している飲食業を事業とする企業ではこの店舗間異動は頻繁にあります。店舗勤務となる求人を見て頂ければ分かりますが、ほとんどの場合、異動ありと記載されていると思います。
店舗間異動にも、かなり可能性としては低いですが、将来的なことを考慮して1つの店舗の経験だけではなく、複数の店舗の業務経験を持たせるということもあり得ますが、通常の場合、また、大体の場合は単純に働く場所を変えるという意味での異動が多いです。
また、本社に異動するということはかなりの大抜擢であり、転職してすぐに異動対象となることはまずあり得ないと思った方が良いです。
離職率が高い
飲食業界や飲食関係の職種は、このように厳しい労働環境であるため、離職率が異常なぐらい高いです。離職率が高いと言えば職種としては営業職がありますが、営業職よりも離職率が高いかもしれないと転職エージェントのなかでは言われています。
また、業界的にも不動産業界や金融業界は離職率の高い業界とされていますが、最近ではこの二大巨頭に匹敵するぐらいの離職率を誇る業界が飲食業界です。
飲食業界、特に店舗で勤務する従業員の年齢が、20代前半が多く、また、店舗配属後、1年ぐらいで、店長になったり、役職がついたりしますが、それでも労働環境が厳しいことを理由に早期に退職してしまうことが多いです。
飲食業界では、この離職率はかなり問題視していますが、ビジネスモデルの特性上、そして飲食業界、独特の文化によりなかなか改善できていないとされています。
ちょっと余談になりますが、私はかつて、企業の人事として新卒採用にも従事したことがありますが、その際、ある数社の人事担当が、『新卒という武器は大事にして欲しい。離職率が高く、転職活動でも転職できる業界や職種に大事な新卒という武器を使うことはもったいない』と言っていました。
この言葉を聞いて、私は確かにと納得したことを覚えていますが、この人事担当は、離職率が高い業界や職種は、転職市場でも十分に求人を拾うことが比較的、容易にできるためだということです。
離職率が高いということが絶対にその業界や職種、または企業が悪いということではないですが、やはり離職率が高いということは、その業界や職種などで長く続ける環境がないということを証明する指標になりますので、離職率が高い飲食業界や飲食関係の職種は労働環境、その他の条件面では難しいのかなと思います。
飲食関係の職種の特徴
次に飲食関係の職種についてご紹介したいと思いますが、飲食関係の職種とは、飲食関係の事業を行う企業の本社であれば、総務や人事、経理、財務、広報、そして店舗開発などを担当する営業職もあります。
しかし、飲食関係の職種と言えば、やはり調理と接客だと思います。調理関係の職種は完全に専門職で、他の職種の内容とはほとんど重複がなく、調理の仕事内容が他の職種に活かせるということはほとんどないと思った方が良いです。
また、接客については、顧客対応という観点で身に付けることができると思いますが、あくまで来店した顧客への対応と範囲が狭いため、この接客という仕事内容からほかの仕事に転換するということも難しいと思います。
この2つの職種の経験を持つ求職者の方は、他の職種で転職を希望するのであれば、かなり職務経歴書の内容に困ると思いますし、面接でもこれまでの経験を転職後にどう活かすのかと聞かれた際に、回答に困ると思います。
是非、転職エージェントを利用してキャリアアドバイザーから的確なアドバイスを受けた方が良いと私は思います。
調理系の職種
調理系の職種は先述の通り、完全なる専門職であり、ほかの職種との親和性は極めて低いです。また、仕事内容も調理が中心でどちらかと言えば、無言でも仕事を進めることは可能の範囲だと言えます。
※最近は、キッチンスタッフもコミュニケーションを図り業務分担をする場合が多いですので、無口ですべてが完結するということはないと思います。
また、この調理系の職種は、まずは洗い物担当からスタートして実際に調理するまでには一定以上の期間が必要となり、多くの従業員は、労働環境の厳しさにより、調理を担当する前に退職してしまうケースが多いです。
ただ、チェーン展開する飲食業界の企業の場合は、ゼロから料理を作るという工程がないため、店舗配属後、スムーズに調理の担当をすることができるようです。
接客の職種
もう一つの職種となる接客は、アルバイトやパート雇用の従業員が多く、学生や主婦が同僚となる場合が多いです。そのため、短期間でいきなりホールのコントロールをする立場になることも多いのですが、その仕事はそこまで重要とは言えず、難易度も高いとは言えません。
名ばかり管理職という言葉が飲食業界ではありましたが、管理職ではないですが、名ばかりの役職ということが実際は多いとされています。これは違法行為でも何でもなく企業の従業員のモチベーションアップの施策です。
どのような人でも役職がつくと嬉しい気持ちになると思います。本社とは離れた環境で、しかも、厳しい労働環境で仕事をしている従業員のモチベーションを少しでも確保して長く働いて欲しいという願いが込められています。
ただ、役職がついたと言っても役職手当が支給されるレベルの役職ではないため、役職がついたことで給料が上がるということはほとんどないと思います。
飲食業界や飲食関係の職種の転職市場
ここまで飲食業界や飲食関係の職種の転職後の働き方や労働環境についてご紹介しましたが、求職者のみなさんはどのような感想をお持ちでしょうか?
誇張もしませんし矮小した内容でもありません。私が転職エージェントとして、そして実際に飲食業界や飲食関係の職種で働く友人や知人から聞いた情報をもとにお伝えしたものです。
次は、飲食業界や飲食関係の職種の転職市場についてご紹介したいと思いますが、転職活動で飲食業界や飲食関係の職種へ転職したいと考えている求職者の方は、憧れや短期的な視点で考えては本当に痛い目をみると思います。
『転職ではなく転落』になってしまう恐れもありますので、十分にご注意ください。
選考スピードが早く、選考内容も緩い
転職市場における飲食業界や飲食関係の職種はどの企業も共通していることがあります。ここでは本社勤務と後述で紹介するエリアマネージャー以外の職種についてご紹介します。
ぶっちゃけて言いますと、飲食業界や飲食関係の職種は、基本的にどの企業でも選考基準はかなり甘いです。先程の他の企業の人事の新卒話ではないですが、わざわざ正社員として転職活動して飲食業界や飲食関係の職種で転職する必要性はあまりないように個人的には思います。
転職後の働き方や労働環境についてご紹介しましたが、求職者のみなさんが転職したからと言って、その環境が変わることはありません。であれば、余程の理由がない限り、このように働き方や労働環境が厳しく離職率が高い飲食業界や飲食関係の職種にリスクを持って転職する必要性はあまりないように思います。
私個人の意見で、私が個人的に飲食業界や飲食関係の職種が嫌いだとかそういうことでお伝えしているのではなく、転職エージェントとしての経験や私の友人や知人の転職後の状況を見ると、人生に大きな影響をもたらす転職であえてリスクの高い業界や職種に挑戦する必要はあまり感じないです。
飲食業界や飲食関係の職種の選考は基準として緩く、選考スピードも恐ろしいぐらい早いです。中には、書類選考後、面接は1回という場合もありますので、その企業からすると、そのポジションがどれほどの重要性を持つか分かると思います。
もし、求職者のみなさんが企業の経営者や人事の責任者だとすれば、自社の重要なポジションに対して選考基準を緩くしたり、選考回数を面接1回で終わるという選考フローを持ちますか?
私だったら、重要なポジションであればあるだけ、選考フローは長くしますし、基準も厳しくします。
選考スピードや回数、基準からみても分かるように飲食業界や飲食関係の職種の場合は、そこまで重要なポジションとは考えていないのです。企業としても離職率が高い職種に対して、人的リソースや時間を使うことは費用対効果が低いと考えているようです。
本社勤務の職種
一方、本社勤務の場合は、飲食業界であっても、ほかの企業の同じ職種と同レベルの選考基準であり、選考内容やスピードです。
これは店舗などの現場で働く従業員の数と本社勤務の職種の従業員の数が影響しています。店舗などで働く従業員は多くいますが、本社勤務の従業員は少ないです。
また、本社勤務の仕事内容はその企業の重要な仕事であることが多く、優秀な人材を確保する必要があり、飲食業界の企業は、本社勤務の職種については厳正な選考を行う傾向があります。
ただし、現場従業員との不公平感を減らすため、休日日数は、店舗同様に少ないですし、労働時間も現場と同じです。
私が求職者として転職活動をした際に、転職エージェントから飲食業界の本社勤務の求人の紹介がありましたが、休日日数と労働時間の問題で優先順位は下げて考えていました。
恐らく求職者のみなさんも当時の私と同じ感覚を持っているのではないかと思います。同じ仕事内容の求人であれば、より労働条件の良い求人を優先するでしょうし、同じ仕事内容、同じ役職、同じ給料であるならば、労働時間が長いよりも短い方が良いでしょうし、休日日数も少ないより多い方が良いと思います。
ちなみに、求人を見る際に、考えて欲しいと言いますか、コツをご紹介すると、見た目の給料が高くてもそれだけで応募してはいけないです。必ず労働時間と想定の残業時間も同時にみてください。
給料と労働時間で時間給が算出されますので、見た目の給料が高くても労働時間や残業時間が長い求人は、場合によっては、見た目の給料が低い求人の方が時給は高いということもあります。
エリアマネージャーは花形
飲食業界の中でこのエリアマネージャーという職種は花形です。本社勤務であり、本社との連携も多く、また、各エリアごとに複数の店舗の管理監督もできるポジションです。
転職エージェントや転職サイトでもこのエリアマネージャーの求人は人気が高いとされています。もしかすると飲食業界や飲食関係の職種では唯一と言っても良いぐらいだと思います。
年収もかなり高いものがありますが、売上目標や利益目標がありますので、現場の従業員からはあまり快く思われない対応もしなければいけませんし、一方、本社からのプレッシャーもあります。つまり、中間管理職ということになります。
このエリアマネージャーは飲食業界の経験が必須の職種になりますので、飲食業界の何かしらの職種の経験がある方は応募しても面白いと思います。
飲食業界は覚悟が必要でリスクも多い!
飲食業界や飲食関係の職種は、消費者としては生活に欠かすことができない『食』という重要な要素を扱うため、なくてはならない存在ですが、実際に飲食業界や飲食関係の職種で働く側となれば、かなり厳しい条件の下で働くことになりますので、半端な覚悟では早期退職になる可能性が高いと思います。
求職者のみなさんは、転職活動をしながら、飲食業界や飲食関係の職種については転職後にどのような働き方、労働環境になるのかを具体的にイメージした方が良いですし、求職者のみなさんはそれぞれに希望条件があると思いますが、転職活動がうまくいかないということで希望条件を変えて、選考基準が緩い飲食業界や飲食関係の職種に容易に転職することは控えましょう。
飲食業界や飲食関係の職種への転職は好きだけではやっていけない厳しい世界です。飲食業界や飲食関係の職種を目指す求職者の方は今一度、考えてそれでも転職したいと思っても、それでもまだ甘いです。再度、再度、再度、考えるぐらい慎重に考えてください。
最後になりますが、求職者のみなさんの人生が転職を機に厳しい状況にならず、最高な人生を迎えることができることを祈り、今回の『飲食業界、飲食関係の職種の転職について』というテーマはこれで終わりにしようと思います。
最後までお読み頂きありがとうとございました。