喫煙が転職に影響??喫煙者の転職活動はどうなのか?
求職者のみなさんのなかには、たばこを自分のストレス発散のツールとして趣味や趣向にしているという方はいませんでしょうか。
転職エージェントとして転職支援をする立場で言うならば『絶対、喫煙はやめてください』と強く言いたいです。
今の日本は、非喫煙者が不快に感じるとして喫煙にはかなり厳しくなっています。
また、税金との兼ね合いでたばこの価格が値上がりして肩身の狭い世の中になったと思います。
私はかつて喫煙者でしたが、お金と健康のために禁煙し、今では一切たばこを吸いたいと思いません。
禁煙をするとこれまでとは逆で、たばこの煙が非常に苦痛に感じて気持ち悪くなることもあります。
今回の記事の目次
面接官がたばこを嫌う場合
面接官も人ですし、何を良しとして何を悪いとするのかはそれぞれです。
面接のアイスブレークでたばこの話題で盛り上がったという経験を持つ求職者はいますか?
私は人事時代、求職者時代ともに、たばこの話題で会話が弾んだことは一度もありません。
面接官がたばこを吸わない人であれば、面接を受ける求職者がたばこを吸うかどうかすぐ分かりますし、匂いを非常に嫌がります。
面接は、空気の流れがない企業内の小部屋で行われることが多く、たばこを吸わない面接官は不快に感じますし、匂いにより面接に集中できないこともあります。
相手の面接官がたばこを好むか好まないかは分からない訳ですから、好まないということを前提に考えた方が配慮力はあると思います。
緊張を和らげるために面接前の一服
交通安全の『その一杯が命取り』を転職活動に当てはめると、『その1本が命取り』ということになります。
ほとんどの喫煙者は、面接前に緊張をほぐす意味で一服する方が多いのではないかと思います。
現在、たばこを吸わない私も、転職活動をしていたときに面接前の一服は転職活動のルーティンのようなものでした。
毎回『勝利前の1本』とか『勝利を引き寄せる一服』という意味の分からないゲン担ぎで、たばこを吸っていました。
面接前の1本は勝利の1本になるのか?
当時の私のように、リラックスを目的として一服する喫煙者は多いと思います。
しかし、これはあくまで求職者個人に関する目的であり、面接官には一切関係がないことです。
今の時代、たばこを吸わない人が増えていますし、以前は吸っていても今はたばこをやめたという面接官も多いと思います。
『勝利の1本』ということでたばこを吸って面接に向かい、その面接官がたばこを嫌う人だとすれば、どうでしょうか?
たばこの匂いは服装に付着しているので、面接官は一発で求職者がたばこを吸うかどうか分かります。
面接前にたばこを吸わなくても面接できると思いますし、気軽な趣味や趣向の範囲ですから、面接を終えてから違う場所で喫煙すれば良いと思います。
『勝利の1本』ではなく、『頑張った自分へご褒美の1本』で良いのではないでしょうか?
昔は、喫煙が面接や選考に影響することはほとんどありませんでしたが、今の日本はたばこを吸わない人が多いですので、喫煙が面接や選考に影響を及ぼすことがあります。
応募資格に喫煙が影響!?
求人には必ず応募資格があり、経験などがその一つです。
実は最近、応募資格のなかに『喫煙者は応募NG』と記載されている求人も増えています。
よく質問を受けるのですが、応募資格に宗教、信条などを記載するのは禁止事項ですが、趣味や趣向については問題ないとされています。
私の転職エージェントを利用している求職者にも同じような回答をして理解はしていただきましたが、納得までは至っていないようでした。
喫煙者が応募できない求人企業
喫煙という一点だけで応募資格すらないという場合は、その企業にとって喫煙が何らかの影響を与える可能性があるという判断だと思います。
転職エージェントとして企業に聞いても、そのような回答をする場合が多かったです。
では、喫煙者に応募資格を与えないとする求人企業はどのような企業がおおいのでしょう。
それぞれのタイプに分けてご紹介したいと思います。
美と健康をテーマにする事業を行う企業
中途採用を行う企業のなかには、『美と健康』をテーマにして事業展開している企業もあります。
例えば、健康食品やサプリメントを商品として事業を行う企業です。
消費者に分からなければ良いという問題ではなく、企業としての姿勢を問題にしているのです。
『美と健康』に対して誠実に向き合い、消費者に誠実に対応する企業姿勢があるということです。
この場合、喫煙に限らず『美と健康』を損なう恐れがある行動は禁止にしている企業が多いです。
転職エージェントとして実際にそういった企業と取引がありますが、説得力のあるプロフェッショナルな企業姿勢だなと感じますし、応援したくなります。
女性が多い企業
一般的に喫煙者の割合を性別ごとに見ると、圧倒的に男性の方が喫煙者の割合は高いです。
また、喫煙を不快に感じるのは女性の方が圧倒的に多いです。
最近、女性の社会進出と女性の能力を高く評価して、性別比率を見ても女性の従業員が多い企業もあります。
このように、女性が多い企業では喫煙者と一緒に働いても組織に良い影響を与えないと考えて、応募資格に喫煙者はNGという付帯条件をつける場合があります。
仮にそういった条件がなくても、女性の従業員が多い文化を持つ企業に喫煙者は相性よくなじめないと思います。
経営者がたばこを吸わない企業
企業の社風は、経営者の性格と一致することが大半です。
雇われ社長もいますので、企業のすべてが経営者の意向が強く影響しているとは言いませんが、総じて考えると企業の性格や経営者の性格とほぼ同じです。
経営者は、従業員に自分の考えや意見を浸透したいという気持ちが少なからずあり、喫煙についても同様です。
経営者がたばこを吸わないのであれば、煙や匂いに嫌悪感を抱くでしょうし、自分の会社でありながら社生活で嫌悪感を抱くことは避けたいと考えるものです。
選考基準にもたばこが影響する
求人の応募だけでなく、当然選考基準においても喫煙者かどうかは影響します。
求職者のなかには、喫煙はするものの内定が出た場合はたばこをやめると考えて、喫煙者であることを伏せて応募する場合もあります。
そのため、喫煙者はNGとする企業は必ず面接において喫煙の有無について確認しています。
そこで喫煙者であると分かれば見送りになる場合がありますし、優しい企業の場合は内定後の禁煙を条件に選考を進めるという企業もあります。
たばこ×女性の求職者
今でも女性の喫煙者はあまり快く思わない社会の目があります。
妊娠や出産にたばこはかなり悪影響を与えるということから、女性の喫煙者は敬遠する社会の目や男性の目があると言われています。
一応、喫煙は性別に関係ないですし、趣味や趣向も性別で判断することは一切ありません。
しかし、現在の社会の目は喫煙している女性にあまり良い印象を受けませんし、転職市場においても同様です。
それなりに多くの企業の人事担当者(男性)からは、『たばこを吸う女性に当社の求人は紹介しないでください』というオーダーがありました。
転職市場や採用活動を行う企業はこれが現実です。
喫煙者の転職後の状況
応募資格に喫煙を付帯していない企業に転職した場合の状況はどうでしょうか。
現職などで既に経験しているかもしれませんが、空調が弱い小さな喫煙スペースで喫煙することもあると思います。
社内やビルでは喫煙スペースがなく、ビル近くの喫煙スペースまで移動して喫煙することも多いと思います。
このように今の社会は喫煙者に対してかなり厳しい環境になりつつあります。
自宅でも一般社会でも、そして社内でも喫煙者は肩身が狭く、周りに良いイメージを与えません。
昔はたばこが上司とのコミュニケーションツールで、出世するための関係づくりに役立つという時代もありましたが、今の時代は役職上位になればなるだけ、禁煙している人やたばこをやめた人が多いです。
むしろ、たばこを吸わない上司から『出世したいなら、たばこをやめろ』と言われることもあるようです。
職種と喫煙者
喫煙者であっても応募資格や選考に全く関係ないとする企業は多くあります。
ただ、そのような企業であっても職種によっては採用に積極的ではない場合や、内定条件に禁煙を加える場合が多いです。
どのような職種が多いのか、それぞれご紹介したいと思います。
接客が仕事の職種
まずは、消費者と直接やり取りする接客の職種です。
求職者のみなさんも、飲食店の店員からたばこの匂いがした場合、おいしさが半減するのではないでしょうか。
飲食業を事業とする企業は社員教育の徹底を図っており、その教育内容にはたばこについても含まれています。
たばこについての教育をするまでもなく、採用する条件に禁煙を加える企業も増えつつあります。
営業系の職種
次に営業系の職種です。
営業系の職種も、接客の職種と同じように顧客と直接関わることが多い仕事です。
打ち合わせなどで相手に不快感を与えては営業損失につながるので、ここ最近営業マンの行動指針ということでかなり厳しくなっている企業が増えています。
それと、転職エージェントを利用されている求職者はキャリアアドバイザーからたばこの匂いがしたという経験はないと思います。
人材業界はイメージの良い業界ではないですので、イメージ脱却を含めてたばこも含めて清潔感についてはかなり高い意識があります。
私の転職エージェントでも、喫煙について制限はしていませんが、喫煙者が求職者や企業と会う前は必ず歯磨きすることを徹底指導しています。
喫煙者が多い業界
喫煙は文化になっていて、社内の喫煙スペースも衛生的で業務時間中の喫煙も前向きに考える業界があります。
その業界は、ズバリ不動産業界と建設業界です。
この二つの業界は男性文化が強くあり、減っているとしても喫煙率はだいぶ高いと言われています。
もし、喫煙を転職活動の一番の条件に考える求職者がいるのであれば絶好の労働環境だと思います。
ただ、人生に影響する転職活動の一番に喫煙を持ってくることは安易なことだと思いますので、全くおすすめできません。
喫煙は転職に影響します!
転職市場は、『人』に関わる市場であり、社会の風潮も人で形成されています。
今の社会は喫煙を排除する動きが強く、そうなると社会の風潮に合わせて転職市場でも喫煙者に応募資格を与えないことが増えます。
禁煙の意思はあってもなかなか行動に移せないことが多いと思います。
禁煙に至らない状況で転職活動する場合は、匂いについて神経質になっていただきたいと思います。
企業のなかには、どれだけ面接で評価が高くても、たばこの匂いだけで選考見送りにする場合もありますので、求職者としてはもったいないです。
最後になりますが、求職者のみなさんの転職活動が有意義なものであることを祈り、今回の話はこれで終わりにしようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!