求職者のとっての幸せなキャリアの積み方とは?

みなさん、こんにちは。

求職者のみなさんは、転職活動で、これまでの経験やスキルを武器に自分以外の求職者と比較を受けながら転職活動をされていると思います。

転職市場では、経験、スキル、能力、そして取得している資格も含めて、それまでの社会人の経験を総称して『キャリア』と呼びます。このキャリアは、求職者それぞれに違います。

大手企業を中心に在籍した方もいれば、中小企業やベンチャー企業を中心に就業した方もいるでしょう。また、それまでの職種によっても、経験やスキル、能力も異なりますし、年齢によってもキャリアの違いはあります。

求職者のみなさんは、新卒採用となる就活生時代に、または、新卒時代に、自分のビジネス人生でどのようなキャリアを描いていましたでしょうか。そして、その思い描いたキャリア通りに、現在に至っていますでしょうか。

現在は、転職エージェントとして活動する私も、かつては、みなさんと同じように求職者として転職活動を経験しましたし、就活生として就職活動をした経験があります。私も、新卒時代に自分のキャリアを描いていましたが、まさか自分が今、転職エージェントとして活動しているとは想像していませんでした。

私の話で恐縮ですが、新卒時代の私は、いつかは自分で起業したいと言う思いがありましたが、人材関係のビジネスをするとは考えていませんでした。求職者のみなさんはどうでしょうか?当時描いたキャリアと今のキャリアは同じですか?

恐らく、大なり小なり違いがあるという求職者の方の方が多いと思います。私の転職エージェントを利用している求職者の方に聞いても、自分の描いたキャリアとは違いがあると答える方が圧倒的に多いです。

キャリアの積み方

今回は、『求職者のとっての幸せなキャリアの積み方とは?』というテーマで、いろいろな角度からご紹介したいと思いますが、まずは、キャリアの積み方について、今回の話を起こしていこうと思います。

そもそも、キャリアの積み方は、どのようにしたら良いのか求職者のみなさんは明確な答えを持っていますか?ちなみに、転職エージェントとして人材のプロである私も、明確な答えはありません。

キャリアの積み方は、その人の理想により、また、その人を取り巻く環境によりそれぞれ違いがあり、一概に言えるものではないです。しかし、企業視点で考えると、企業には採用する人材に対して、求めるキャリアがあります。

転職活動において、採用する企業のニーズに合わせることは大切なことで、そのニーズに合致したキャリアを持つことで、転職決定の確率は上がります。このキャリアとは、過去の求職者のみなさんの行動により産物ですので、今時点で、そのキャリアを変えることはできませんが、今回の転職活動を最後と考えている求職者の方は少ないと思いますので、次回以降の転職活動を視野に入れつつ、お読み頂ければ幸甚かと思います。

キャリアの積み方は、先程、お伝えしたように求職者ごとに違いがありますが、どのような行動を取ることで、自分の当初描いたキャリアや企業のニーズに違いキャリアを積むことができるでしょうか。また、企業が描く求職者のキャリアとはどのようなものかご紹介したいと思います。

自分の描いたキャリアの積み方

職種ごとにキャリアの積み方は異なりますので、職種単位(大きくは営業系と管理系)でご紹介したいと思います。営業系は、直接部門、管理系は間接部門となり、まったく違うキャリアパスになりますので、自分の理想をイメージして読んで頂ければと思います。

直接部門のキャリアの積み方

営業系となる直接部門のキャリアの積み方についてです。直接部門の場合は、仕事で必要なスキルや能力があります。

まずは、プレゼンテーション能力です。この能力は、持って生まれた感性や才能も若干は影響しますが、私も営業系の仕事を経験したことがありますが、努力で何とでもなります。

直接部門ではコミュニケーション能力を重要視する声がありますが、このコミュニケーションの意味をはき違えている方が多いです。学生時代に友人などから『話がうまいから、君は、営業が向いている』などと言われた求職者の方もいると思いますし、その周りからの声を素直に受け入れて、新卒時代に営業としてスタートし、今も営業職含めた直接部門の職種で転職活動をされている求職者もいると思います。

しかし、ビジネスにおけるコミュニケーション能力とは、他人と話をすることが好きとか得意とかではないです。いかに相手のニーズを聞き出して問題解決するプレゼンテーション能力があるかどうかです。

私は営業系の仕事を経験したあとに人事に異動して10数年の経験を持ちます。その間、色々な企業や色々な人事の方から情報収集していましたが、そのすべての方が、コミュニケーション能力はプレゼンテーション能力だと言い切ります。

私も転職エージェントとして求職者の転職支援を行うなかで、求職者の方が直接部門の職種の経験があり、その経験を踏まえて直接部門の職種で転職することを希望する場合、その求職者が、プレゼンテーション能力があるかないかを判断の基準にしています。

仮に、その求職者が、プレゼンテーション能力が低いと思えば、直接部門の職種以外の職種も紹介するようにしています。現在、転職活動をされている求職者の方で、コミュニケーション能力とプレゼンテーション能力を混同している方は、もしかすると、今、希望する職種が将来的な自分のキャリアにプラスに働く可能性が少ないこともありますので、是非、ご注意ください。

目標達成意欲とプロセス

直接部門の職種の場合、どのような企業でもどのような人でも目標が設定されます。企業によって、また、その人の立場により目標設定の基準は違いますが、定量的な目標設定は直接部門の宿命です。

この目標をいかに達成する行動を取るかにより、直接部門の職種のキャリアの積み方が適正となると言われています。この目標を達成する意欲を目標達成意欲、また、目標を達成する能力を目標達成能力と言いますが、目標はあくまで結果であり、大事なことは目標を達成するためにどのような行動やプロセスを踏んだかです。

どの企業も採用を行う際、直接部門の職種では、その求職者がいかに目標を達成したかよりも、どのような行動やプロセスを踏んでいたのかを大切にしています。目標達成することは確かに素晴らしいことですが、毎月、毎年、目標を達成できる直接部門の職種に従事する方はいないと思います。

それは、転職後の企業でも同じことですし、どの企業もどれだけ優秀な人材であっても目標を達成することができない時期もあると考えています。目標という結果を重視するのではなく、プロセスを採用基準と考えている理由は、目標達成しなかったあとに、その人材がどのような行動を取るのかを考えているためです。

どのような人でも最初から目標達成意欲を持たないという人はいないと思いますが、時間の経過と進捗具合により、途中で挫折して目標達成のためのプロセスがなくなる人は多くいます。

それでは、直接部門のキャリアを適正に積むことはできないでしょう。私の転職エージェントを利用する求職者もそうですが、企業へ提出する履歴書や職務経歴書の個人業績の欄に立派な成果がないと悩む方がいますが、作成するときのポイントは、企業が結果ではなくプロセスを重視していることを把握できていれば、どのようなプロセスを踏んだのかを記載することが重要です。

例え目標を達成することができなくても、適正なプロセスを踏むことで、将来的に十分なキャリアを積むことは可能ですので、求職者のみなさんはこの点をしっかり理解しましょう。企業では、直接部門に『結果』を求めることが多いのですが、転職市場の企業の選考では、『結果』ではなく、『プロセス』を重視しています。

現職と転職活動を同じく考えず、2つを切り離しておいた方が良いです。

間接部門のキャリアの積み方

間接部門の場合は、直接部門とはキャリアが違います。間接部門の場合は、直接、企業に利益貢献する役割ではなく、経営や従業員の働く環境を整備することも重要な仕事であり、キャリアになります。

事務処理能力

間接部門の職種のすべてに言えることは、直接部門とは異なり、事務処理にかかる時間が多いということです。デスクワークが多いことが間接部門の特徴ですが、事務処理能力を上げることは、間接部門での転職を目指す求職者にとっては大切です。

私は、営業職から人事職へ途中でキャリアチェンジしていますが、営業職の時代は、主な仕事内容は顧客相手の商談で外回りが多く、事務処理についてはほとんど行わず、事務処理については、内勤と呼ばれる営業事務の従業員が担当していました。そのため、人事へ異動した際に、最も苦戦し、最もギャップを感じたことが事務処理の多さです。

人事への異動当初は、PCスキルが足りず、事務処理に使う時間が長く、事務処理能力が低かったと思います。私は、当時、人事としてキャリアを積むことを考えていたため、人事でキャリアを積むためには、事務処理能力をあげることは絶対条件と考えて、仕事でももちろんPCスキルの向上に向けて取り組みましたが、自腹を切ってパソコン教室に通ったことがありました。

そのおかげもあってか、今ではPCスキルは上がり、どのような事務処理に関しても時間をかけずに対応することができています。

今の私は人事ではないですが、人事の採用という仕事内容と親和性のある転職エージェントとして活動していますので、この事務処理能力は役立っています。

間接部門で転職を目指す求職者のみなさんは、転職エージェントを利用している場合、キャリアアドバイザーから、PCスキルについてヒアリングを受けたことはありませんか?もちろん、直接部門の職種の場合も、同様にPCスキルのヒアリングはありますが、間接部門のように、中核的な意味ではないです。

直接部門の場合は、一般的なPCスキルがあれば問題ないとする場合が多いですが、間接分門となれば、PCスキルのレベルが高ければ転職活動では有利になります。今の時代、PCを活用する業務が多く、PCスキルが高いということが事務処理能力が高いと判断されます。

間接部門としてキャリアを積みたいと考えている求職者の方は、その職種の経験ももちろん大切ですが、まずは、PCスキルを身につけることが間接部門としてキャリアを積む前提条件になります。

ホスピタリティーの向上

現職を持つ求職者の方は、感じる部分や共感できる部分があると思いますが、企業内の力関係は直接部門の方が間接部門よりも強いということが一般的です。これは企業の特徴が影響しますが、どの企業でも利益がなければ経営を存続することはできません。経営において、最も重要なことである利益に対して直接貢献する直接部門の職種は企業内での立場が強く、間接部門は直接部門のサポートをするという要素があります。

このように力関係に差があり、また、間接部門の主な仕事は企業や従業員のサポートということである以上、間接部門の職種は、自分の意見を押し通すよりも相手の希望を叶えてあげることの方が大切です。

これがホスピタリティーです。このホスピタリティーは間接部門では本当に大切です。間接部門の職種を現職としている求職者や今後、間接部門の職種を希望する求職者の方は、自分の性格が自分の意見を押し通すタイプか、相手の希望を叶えようとするタイプか見極めてください。

これは悪い例で言いますが、先程お伝えしたように私は社内的に強い立場にある営業職から社内的に弱い立場にある人事職へキャリアチェンジしています。業務的なギャップは事務処理の頻度でしたが、行動という意味では、人事職は、ここまで我慢する必要があるのかと感じました。

『会社や組織を考えると本当はこうしたい』と思っても、直接部門の意見が違うのであれば、自分の意見や考えを押し通さずに、直接部門の希望を叶えることを優先するシーンが多かったです。

最初は正直、ストレスがたまりました。人事職への異動前は、営業職として、ある意味、言いたい放題、やりたい放題でしたが、異動後は全くの真逆の立場になったのですから。

このように、間接部門の職種の場合は、社内的には自分の意見を通さずホスピタリティー精神を持って、企業や従業員の希望を叶えることの方が多いです。

私の場合は、真逆の職種から真逆の職種への転職でしたので苦労しましたが、求職者のみなさんには、転職活動を機にキャリアチェンジしようとする方もいると思いますので、適正なキャリアを積みたいと考えているのであれば、考え方を変えなければうまくいかず、途中で元の職種へ戻りたいと思ってしまうと思います。

すべての職種に言えること

ここまでは大きく2つの分類でご紹介しましたが、分類することなくすべての職種で共通するキャリアの積み方についてご紹介します。これは、ビジネスマンとしての王道であり基本軸となると考えて頂ければと思います。つまり、転職活動においても、役立つ内容だと思います。

求職者のみなさんは、今の経験やスキルを新卒時代から既に持っていたという方は少ないと思います。ビジネススキルは新卒者は全員ゼロからのスタートです。もちろん、私もそうです。

F1のようなハイテクであり馬力のあるエンジン(=思い)はあっても、ハンドルやタイヤなど(=経験やスキル)については、新卒者は全員ありません。

全員、ゼロから少しずつ仕事を通じて経験やスキルを身に付けてキャリアを積むことになります。このキャリアは職種ごとに異なる部分はありますが、ビジネスマンとしては絶対に外せない基本的な経験やスキルがあります。

インプットの量を増やす

求職者のみなさんは、いつまでも役職のない一般社員を希望するという方は、今の時代少ないと思います。それは女性であっても同じだと思います。今の時代は、女性も仕事をすることが当たり前であり、就活においても女性の学生も当たり前のように就職活動を行う時代です。このように女性の社会で活躍する機会が多いため、性別に関係なく、将来的には誰しも経営に近い立場で部下をマネジメントしたり、部門や部署を管理したいと考える方の方が多いと思います。

そうするためには、役職を持たない時期にはとにかくインプットの量を増やすことが必要です。どのような求職者も先程、お伝えしたようにビジネスマン初期はキャリアはゼロです。このキャリアをいかに高めるかはインプットの量により差がでます。

同じ企業に入社した同期が2人いたとして、1人は、とにかくインプットの量を増やし、もう1人は、まったくインプットの量を増やそうとしなかったとします。この2人は、近い将来、また、30代以降になってからかなりの差が出ます。

私は人事として新卒採用に関わり、多くの新卒者を見てきていますが、若い時代にいかにインプットの量を担保したかにより、キャリアの積み方に違いが出ています。

このインプットの量が、転職活動でもかなり効果を発揮します。既に転職活動をされている求職者の方は、今回の転職活動で活かすことは難しいと思いますが、次回の転職活動のために、今からでもインプットの量を増やしてみてください。現職も含めて転職活動では威力を発揮します。

このインプットの量は、面接において、面接官の質問に対する回答の内容や質にも影響します。当然、質の高い受け答えができれば、面接官の評価も上がります。また、転職エージェントを利用されている求職者の方であれば、キャリアアドバイザーからの信頼を勝ち得て、優良な求人を優先的に紹介される場合もあります。

余談ですが、キャリアアドバイザーは、その求職者のレベルにより、求人を紹介したり、しなかったりと差を設けています。これは、キャリアアドバイザー、転職エージェントの保身になりますが、求職者は転職エージェントから見ると自社の商品とも言えます。

求人企業は、転職エージェントからすると顧客になります。自社の商品とも言える求職者を顧客となる求人企業へ紹介するのですから、その商品が優良であれば、顧客の評価は上がるでしょうし、その商品があまり良い質でなければ低い評価を受けることになります。

このような背景から、キャリアアドバイザーは企業へ紹介する前提として求職者を見極めています。もし、求職者のなかに、年齢的にも実績的にも、また、経験的にも十分な内容でありながら、キャリアアドバイザーからの求人紹介数が少ないと感じる場合は、求職者自身に問題があると思った方が良いです。この問題の根本は面談時のアウトプットの質が問題です。

仕事量を増やし仕事の質を上げる

インプットと同じく、誰しもビジネスマン初期はビジネスマンとして仕事をした経験がありませんので、仕事の質は低いです。しかし、仕事量を増やすことで自然に仕事の質も上がります。

特に20代のうちは、人の嫌がる仕事も積極的に引き受けてみた方が良いです。その仕事が将来的に自分の経験値になり、キャリアの一つになります。仕事量を増やすことで、仕事の質は上がり、質の高いキャリアを積むことができます。

この質の高いキャリアは転職市場では強い武器です。転職市場は多くの求職者が存在し、求職者である自分自身と同じように自分のキャリアを武器に転職を希望しています。自分が思うよりも他の求職者は高いキャリアを持っている場合もあり、そうなると、その求職者の転職市場の価値は高いとは言えないものになります。結果的には、転職活動に苦戦してしまいますので、仕事量を増やし、仕事の質を上げて、より高いより質の高いキャリアを積んでおく必要があります。

この仕事量を増やす最高の時期は、やはり20代だと思います。と言うのは、体力的にも20歳であれば多少の無理はできるでしょうし、20代であれば、周りの目線も低いです。仮に仕事で失敗したとしても『まだ20代だしな』とか『まだ若いからな』ということで許されることがあります。

しかし、年齢を重ねると、その年齢相応の目線になり、その目線は上がる一方です。20代の頃と同じ失敗をしても20代では許されたことが許されないということも当然にあります。周りの目線が低いうちにたくさんの失敗をして、その失敗を将来のキャリアにすることが得策だと思います。

私の友人には20代で怠けてしまい、その分を30代で取り返そうと頑張っている友人がいますが、周りはその友人を30代と考えますし、当然、30代であれば、30代なりのキャリアがあるだろうと仮説を立てますが、その仮説に比例する仕事の質がなければ、例え失敗でなくとも許されないこともあります。

キャリアを積むためには、若い年齢というそのときしか使えない武器を使って仕事量を増やし、ある意味、遠慮なくたくさんの失敗をすることです。その失敗はやがてキャリアになり、自分が部下のマネジメントや部署や部門の管理をする際に、十分活かすことができます。

視点を上げる

これまたビジネスマン初期は視点は低いです。自分の目の前にある仕事をこなすことで必死ですので、仕方ないことですが、企業内の評価はいかに高い視点を持って物事を判断し決断できるかです。

例えるならば、平地からみる景色と富士山からみる景色は当然違います。平地では見ることができなかった景色が富士山からでは見えます。この視点は、企業内でも同じです。みなさんも経験はないでしょうか?『自分のこの最高の意見をなぜ上司は取り入れてくれないんだ』とか思ったことはありませんか?

私はあります。しかし、その最高と思えた意見は、あくまで現場レベル、一般社員レベルの視点での話で、上司は自分より高い視点で物事を見ているため、当時の私が思った最高の意見は最高のものではなかったのです。今思えば、かなり視点が低かったなと思います。

視点が高ければ意見の内容や質も変わります。視点が低ければ、見える内容も限られて意見の内容や質も低いです。

最初は難しいと思いますが、この視点を上げるということは意識をすることで身に付くものです。視点をあげることで、意見などもかなり変わりますし、視点をあげることで質の高い仕事をすることもでき、最終的にはキャリアにも繋がります。

みなさんの企業の社長や上司は、経営視点を持つようアドバイスすることはないでしょうか?これは経営者が自分の考えや意見を理解してほしいという自己中心的な意味やエゴで言っているのではないです。

みなさんのキャリアを考えてのことだと思います。企業内における最高峰は経営者であり、経営者の考えることが経営者の視点で読み取ることができれば、必然的にその人の視点も上がり、高いレベルで判断や決断をすることができますし、高いレベルで仕事をすることができます。

新卒のうちから経営者視点を持つということ難しいと思いますが、経営者視点を意識することで、今まで考えることができなかったアイデアや考えを持ち行動することもできるようになります。今まで見えなかった世界を見ることができ、それがキャリアに繋がります。

求職者のみなさんは現職でどのような立場で仕事をされているのか人それぞれ違うと思いますが、どのような立場であっても経営者視点を持つことはできると思います。また、視点が高いとなれば、昇格することももちろん可能ですし、企業の人事制度の昇格項目には、経営視点というものがありますので、是非、経営者視点を持つことを意識してみてください。

人間力を高める

人間力とは、ビジネスマン以前に人として大切なことです。また、ビジネスマンであれば、全員が人です。つまり、ビジネスマンである前に人としての要素が大切です。転職エージェントとして企業と取引するなかで、それぞれの企業から良くこのような話を頂きます。『どれだけ実績や経験がある人でも、人間力がない人は採用しない』ということです。

この人間力とは、当たり前のことが当たり前にできるキャリアのことです。新卒時代に、入社研修で、ビジネスマナーとして挨拶や礼儀、言葉遣いについて学んだことはありませんか?名刺交換などビジネスで使うことももちろん研修したと思いますが、ビジネスマナーの研修内容のほとんどは、『人として必要なこと』です。

常識や普通のことが当たり前にできて、ビジネスマンとして成功することができますし、キャリアを積むことにもなります。キャリアには、経験、スキル、能力、資格も含めてすべてのこれまでのものとお伝えしましたが、人間力はその基本中の基本です。

転職活動においても、この人間力がない求職者は恐らく転職決定することはないと思います。人間力を高め、良いキャリアを積むためには、当たり前のことを確実に行いましょう。

当たり前の積み重ねが高い人間力となりキャリアに直結すると思います。

職歴としての正しい(理想の)キャリア

さて、ここまでキャリアについてご紹介しましたが、転職活動では、職歴というキャリアも重要です。職歴とは、どれだけの企業で在籍したのかを示すものです。年齢により職歴の違いはあると思いますが、転職エージェントとして、そして人事経験として企業受けする職歴という名のキャリアについてご紹介したいと思います。

20代で数社経験した方が良い!?

ある求職者が新卒時代に20代で数社経験した方が良いとアドバイスを受けたと言っていましたが、これは状況にもよるでしょうが、基本的にはあり得ないアドバイスです。

20代のうちに数社経験するということは、20代のうちに職歴が数回ということになります。職歴は、少なくそして1社あたりの在籍期間は長い方が見栄えは良いのです。その観点から考えると20代の若いうちに数社経験した方が良いとはどの転職エージェントも思わないことだと思います。

どうやら同じ企業で経験を積むよりも数社で経験した方が幅広い経験が積めるという意味のようですが、この考えは多くの求職者や多くの採用企業をみている転職エージェントとしての私の立場としては賛成できるものではないですし、共感もできません。

できることなら20代1社、多くても2社、しかも転職する年齢は20代後半が良いと思います。今の時代は転職が文化の一つになっていますので、30代以降で同じ企業に在籍するということはあまり考えにくいです。

30代以降で転職すると想定すると20代で数回もの転職は30代での転職活動では企業受けするものではないです。

私が思う、理想の、そして、企業受けする職歴というキャリアの積み方は、20代では転職せず、30代前半で1回目の転職、30代後半で1回の転職が良いかなと思います。その年齢までキャリアを積むことで、40代以降は一般の転職活動を行わなくても企業から声が掛かるヘッドハンティングを受けるぐらいになれると思います。

とにかく、20代では転職することは消極的な姿勢を持った方が、その後のキャリアにはプラスに働くと思います。

求職者のとっての幸せなキャリアの積み方とは?

求職者にとって、幸せなキャリアの積み方とは、年齢ではなく経験と共に求職者の担当する仕事で役職や年収を上げていくことだと思いますし、経験と共に企業内の中核的な仕事をすることができる環境だと思います。

また、このように幸せなキャリアを積むためには、インプット量と視点を上げる意識です。そしてその基盤となることは人間力です。職種によりスキルなどのキャリアは異なりますが、ビジネスマンとしてはこの部分は絶対に必要不可欠な要素です。

求職者のみなさんが幸せなキャリアを積むためには、今の転職活動では身に付けることができない、これまでの時間から得たことが大切です。次回以降の転職活動のためにも、今から幸せなキャリアを積むための努力を続けましょう。

自分の思い描くキャリアを100%完璧に積める求職者は多くはないと思いますが、近づける努力は誰にでもできることです。また、途中で妥協すると近づくことはもちろん、絶対に描くキャリアでビジネスマンとして生きることはできないと思います。

最後になりますが、求職者のみなさんのビジネスマンとしての人生が転職を機に最高のものになるよう祈り、今回の『求職者のとっての幸せなキャリアの積み方とは?』というテーマをこれで終わりにしようと思います。最後までお読み頂きありがとうとございました。

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