求人の応募資格にある英語力とは?

今は多くの外資系企業が日本市場に参入し、日系企業も海外へ事業展開することが増えています。

それにひもづく形で多くの外国人が日本国内で仕事をし、日本人も当たり前のように海外で仕事をすることが増えています。

私は現在、転職エージェントとして求職者の転職支援や企業の採用支援を行っていますが、外国人も求職者が急増していること、英語力を必要とする求人ことを身をもって感じています。

英語力を応募資格とする求人は外資系企業が多いというイメージがあるかと思いますが最近では日系企業も英語力を応募資格に取り入れるケースが増えています

業界的には、製造業やIT業界は特にその傾向が強くあります。

今回は、『求人の応募資格にある英語力とは?』というテーマに沿って、いくつかの視点でご紹介したいと思います。

2010年ごろから英語力を求める企業が急増

英語力のある人材を求める求人は2010年前後ぐらいから急に増えたように思います。

2010年前後が英語力のターニングポイントになった理由は、各企業がリーマンショックから抜け出し業績回復の兆しが見えたことでしょう。

優秀な新規人材の獲得を積極的に行う余裕が生まれたのだと思います。

世界的な人口を見ると英語圏の人口がやはり多く、ビジネスにおいても英語力は必須として世界から認知されています

これだけ企業が海外進出し外国人の求職者も増えているなかですので、今の転職市場では英語力がなければ逆に差別化を図られてしまいます

転職市場における企業が求める英語力

企業は利益集団であり、人が企業を支えています。

企業が利益でなく社会貢献を一番に考えていれば遅かれ早かれ倒産するでしょう。

社会貢献を行うまえに事業を成長させる必要があり、利益を追求する必要があります。

最近、この利益の確保が日本国内だけでは難しくなっているため、安定的した業績を確保するために海外進出する企業が増えているのです。

企業の動向は求職者や労働者に直結する!

企業が海外展開を積極的に行うようになると、新規人材にも英語力を求めるようになります。

求人の応募資格に英語力があれば、英語力のない求職者は応募することすらできないのです。

企業の中途採用活動は限られた人的リソースで書類選考や面接対応を行う必要があり、誰でも応募できる状況を作ってしまっては費用対効果が悪くなってしまいます

応募数を絞るためにニーズが強い英語力を付帯することで、理にかなった絞り込みが可能になるのです。

応募資格の英語力とは?

求人に付帯されることが増えた『英語力』とは具体的にTOEICを指しています。

TOEICとは国際的な英語の測定試験で、受験者全員にスコアが出されるものです。

私の経験上、大体の企業はTOEICのスコアの基準を600点~650点にしていることが多いです。

この点に満たない場合は、いくら実績や経験があっても応募することすらできないのです。

今後はますます、英語力を必須とする企業が増えると予測されています。

日本人の求職者は外国人の求職者とも対等に渡り合える能力を身に付けておかなければ、優良求人からの内定は難しいと思います。

企業がプラス評価するTOEIC 点数とは?

転職市場では平均的に600点前後のTOEIC点数があれば応募資格を満せますが、応募資格があることと評価を受けることは別です。

600点前後の点数を持っている求職者は結構いるため、応募資格は持っているものの高い評価を受けるとは言い切れません。

私の経験上、TOEICでプラスに評価される点数は700点以上ではないかと思います。

特に高いTOEIC点数を求める業界は製造業IT業界です。

製造業は有形の商材を輸出入でビジネスモデルを成立することが可能で、世界を舞台にビジネス展開することができます。

IT業界は優秀なIT人材が海外に多くいるため、海外へ拠点を置きビジネス展開している傾向があります。

TOEIC 点数の割合

日本国内の転職市場で転職活動をする求職者で、どれぐらいの求職者がどれぐらいのTOEIC を保有しているかご存じでしょうか?

あくまで現時点での話で、今後はもっとレベルが上がると思いますが、TOEIC点数が500点以下の人材は全体の5割ほどです。

500点~700点の割合は全体の3割ほど、700点以上は2割程度と言われています。

企業はより高いTOEIC点数を保有する求職者を求めています。

現在は仮に経験がそれほどなくとも、TOEIC点数が高ければ優先して採用される傾向もあります

英語力を求める求人企業の社内環境

もちろん内定を得ることは大切なことですが、もう一つ大切なことは転職後の話です。

転職後に実務としては英語を使わなくとも、社内的な人事制度に英語力が反映されるということもあります。

私の知る英語力を求める企業の多くは、昇格基準に実績のほか「TOEIC○○○点以上」という基準を設けています

どれだけ実績を残しても英語力がなければ昇格することはできません。

私の友人には、TOEICの点数を極端に重視する文化を嫌い、その企業を退職した人もいます。

転職後に英語を重要とする文化が合わなければ社風になじめないと思いますので、内定が出たとしても転職しない方が将来的には良いと思います。

英語を文化にしたいと考えている企業は、ベンチャー企業に多いです。

ベンチャー企業は小さい資金力で大手企業と勝負する必要があり、従業員一人ひとりの能力を高めておく必要があるからです。

職種ごとの英語力

企業は英語力に一定の基準を持っていますが、深くみると職種ごとに求める英語力は違いがあります。

恐らく求職者の方は知り得ないことだと思いますが、企業の求人には表の内容と裏の内容があります

英語力を示すTOEICの点数についても同様です。

転職エージェントなどから紹介を受けた求人に記載されているTOEICの点数は表の内容であり、裏の内容としてはより高い点数を基準にしている場合があります。

企業はTOEICの点数により母集団形成ができない場合があるため、裏のTOEICの点数を持っているのです。

人事、総務、経理、法務などの管理部門と英語力

どちらからと言えば取引先と交渉を行う営業系の職種が英語力を必要とすると思われがちですが、人事や総務などの管理部門についても英語力を必要とする場合が多いです。

人事で言えば、説明会や面接で外国人と英語を用いてコミュニケーションすることが増えています。

この場合、裏のTOEICの点数が採用され、私が知る範囲では求人の基準は600点以上であるにも関わらず実は800点以上だったということがありました。

法務は、取引先とのやり取りで英語でコミュニケーションを図ることがほとんどです。

どれだけ法的な知識があっても、相手の話を理解する英語力がなければ意味がありません。

文書でのやり取りも多く、文書も問題なく書けるレベルの能力が必要になっています。

この場合も人事と同様にTOEIC800点以上が必要とされる場合があります

直接部門と英語力

営業職を筆頭に、直接部門に属する職種の場合はダイレクトに英語力が必要になります。

相手が海外の方である場合は、ビジネスシーンでは日本語よりも英語を使うことの方が多いようです。

私の転職エージェントは、貿易事業をしているある企業と取引を行っています。

そこの営業職の採用には、TOEICの試験とは比較にならないほど難しい企業独自の英語の試験があります

私が支援していた求職者でTOEICの点数は問題なくとも、その難しい試験で見送りになった求職者は結構います

英語力を応募資格とする企業の履歴書と職務経歴書

一定以上の英語力を必須とする企業は、履歴書と職務経歴書に英語版のものを提出することが義務付けられています。

私もかつて英語力を必要とする企業へ応募したことがありますが、履歴書や職務経歴書を英語で記載するまでの英語力がなかったため辞退した記憶があります(汗)

ビジネスにおいての英語力とは、コミュニケーションだけではなく文章力も含まれます。

この場合、ぜひ活用していただきたいのは転職エージェントのキャリアアドバイザーです。

最近、英語力を必要とする企業が増えているため、転職エージェントのキャリアアドバイザーも英語力を持っている方が増えています。

私の転職エージェントにも外国人の求職者がいますし、私もコミュニケーションを図るためにある程度の英語力は保有していると自負しています。

20代のころはまったく英語に興味がなく仕事でも使いませんでしたが、TOEICの受験をきっかけに気付くとある程度の英語力が身に付いていました。

求人の応募資格にある英語力とは?

近い将来は日本企業の海外進出が強くなり、それに比例する形で企業も高い英語力を保有する求職者を優先的に採用するはずです。

転職エージェントとして活動している私は転職市場の動向を非常にリアルに感じていますし、他社の転職エージェントも同じように「転職成功の秘訣は実績と同じくらい英語力」と言っています。

実務で使わない職種の求人も英語力は必須になるように思いますし、英語力がない求職者は不利になることは絶対です。

最後になりますが、英語力を身に付けて求人の応募資格を勝ち取り、自分の選択肢を広げていただければと思います。

最後までお読みいただきありがとうとございました。

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