高卒の転職と就職について

みなさん、こんにちは。

私も、かつては、3度ほど、転職活動を経て転職した経験を持ち、同じように感じたことがありますが、求職者のみなさんは、自分の職歴とともに、『学歴』について気にしたことはありませんか?

また、常に気になっているということはなくとも、ふとしたときに『自分の学歴は、あまり良くないかもしれない。』などと感じたことはないでしょうか?私の場合は、日頃は特に気にすることはありませんでしたが、履歴書を作成する際に、学歴と職歴を記入すると、その度に、感じることはありました。

『自分より学歴の高い人はたくさんいるんだろう』と、この点については過去のことで現在ではどうにもできないことですので、変な無力感を覚えたことがありました。

私の学歴は、一応、有名私立大学と言われる大学を卒業しているので、他から見ると十分と言われることもありますが、それでも自信を持てないということはありました。

みなさんは、どうでしょうか?転職活動では、求職者それぞれの学歴ではなく、これまでどのようなビジネスマン人生を送ってきたのか、そして、その人生からどのような実績や成果、そして経験やスキルを身に付けているのかが評価のポイントで、社会人になってしまえば、学歴は関係ないとすることが普通です。

しかし、残念ながら、就職活動と同じように転職活動においても学歴も少なからず影響することは言えます。私は、現在、転職エージェントとして求職者の転職支援を行っている立場にいますが、求人企業から、『大卒以上』とか、『早慶上智以上』とか、職歴は一切関係ない学歴で応募資格を絞るということは良くあります。

今回は、転職活動とともに就職活動の観点から、『高卒の就職について』というテーマでいくつかの視点でアドバイスなどをご紹介できればと考えています。

高卒という学歴について

まずは、『高卒』という学歴は、社会的に、そして転職市場としてはどのような評価を受けているのか、このあたりから今回の話を起こしていこうと思います。

高卒とは、その名の通り、そして、誰しもご存知の通り、『高校を卒業して、就職した人』のことを言います。昔の日本では、高卒は普通でしたが、今では、大学を卒業することが当たり前になっています。

私もこの当たり前の流れに乗っかり、高校を卒業すると次は大学へ進学と考えて当たり前のように大学進学しています。人によっては、専門性を身に付けるということで高校卒業後に専門学校に進学する人、または、短期大学へ進学する人も多いと思います。

私の高校時代に同学年の学生が、高校を卒業してそのまま企業へ就職するという人はほとんどいませんでした。みなさんの高校でも、また、みなさんの周りも高卒という学歴を持つ人よりもその他の学歴を持つ人の方が多いのではないでしょうか?

では、高卒という学歴は、社会的にそして、転職市場としてはどのような評価を受けているのでしょう。社会的なものと転職市場の評価は、多少の違いはありますが、ほとんど同じです。(転職市場では、社会的な評価と大きく違う評価を受ける場合もありますので、後述でご紹介します。)

高卒という学歴は、卑下するつもりでご紹介するのではないですが、一般的には、『大学に行けなかったんだなぁ』ということで、あまり良い印象を持たれていないことが現実です。

しかし、高卒の学歴を持つ求職者のなかには、家庭の事情で高校卒業後に就職を選ぶ人もいれば、少しでも早く仕事をして、大卒であれば4年間で差をつけておきたいと考えて高校卒業後に就職する人も多くいます。

私としては、何でもそうですが、結果だけみて人を判断することは、全く意味のないことで、問題にするべき点は、『なぜ、そのような結果になったのか』というプロセスの部分だと思います。

高卒という結果だけで判断されてしまう悲しい現状

今の履歴書には、学歴という結果だけしか記載する欄がありません。学歴の欄に、『なぜ、その学歴だったのか?』というプロセスも記載することができれば、随分、違いがあると思いますが、転職エージェントや転職サイト、その他の転職方法を使っても履歴書には結果しか書くことができません。

採用する企業には、書類選考において、履歴書の学歴だけを見て、選考を行う企業が多くあります。書類選考では、履歴書とともに職務経歴書を抱き合わせで提出して、その2つで書類選考となりますが、本来、転職活動では重要とする職歴の記載がある職務経歴書は一切、目を通さず、学歴が記載された履歴書だけで、しかも、『どのような学歴か』という一点だけ、書類選考が終わるという企業があります。

私が取引する企業のなかにも、このような書類選考を行う企業が少なからずありますが、転職エージェントとして、その企業に対しては、書類選考の方法を見直すよう依頼したりしていますが、企業の体質はなかなか変わることはありません。

求職者のみなさんは、企業の選考を受けるにあたり、一生懸命、履歴書や職務経歴書を作成すると思いますが、企業の書類選考にはこのようにある一点だけで判断する企業も
あるということを認識した方が良いかと思います。

プロセスを伝える転職エージェント

転職活動において、今の時代、最もメジャーな方法は転職エージェントを利用する方法ですが、求職者のみなさんは今、どのような方法で転職活動をされていますか?転職エージェントは、この1年、2年で非常に多くの新規企業が参入していて、どの転職エージェントもサービス内容は同じと感じるほどだと思います。

転職エージェントとして活動する私も、ほかの転職エージェントとの差別化を図ることの方が圧倒的に難しいと思えるほど、異常なぐらいの数の転職エージェントが存在しています。

しかし、転職エージェントのなかには、キャリアアドバイザーごとに転職支援の範囲や転職支援の質が異なります。同じ転職エージェントであっても、キャリアアドバイザーごとに範囲や質が異なりますので、求職者のみなさんは、キャリアアドバイザーなら誰でも同じと考えず、範囲や質の高いキャリアアドバイザーを担当にすることは大切です。

私の転職エージェントでは、学歴偏重主義を持つ企業もあることから、また、履歴書には学歴という結果だけしか記載できない状況を踏まえて、補足として、その求職者は、『なぜ、その学歴を持っているのか?』という理由も応募書類に添えて企業へ応募手続きをしています。

私の転職エージェントのような対応をする転職エージェントは他にもありますが、大手の転職エージェントであれば、キャリアアドバイザーの全員がこのような対応をするかと言うとそうではなく、どちらかと言えば、中小規模の転職エージェントの方がこのような細かい対応をしてくれる傾向があります。

プロセスを補足する理由

私の転職エージェントのアピールではないですが、なぜ、私が学歴について、このように、プロセスを補足する対応をするようになったのか、その背景を少し紹介します。

冒頭で申し上げたように一応は大学卒業で、良くも悪くも普通の学歴ですが、自分の学歴にそこまで自信や誇りを持っている訳ではないですし、また、私も求職者として転職活動するなかで、『転職エージェントが、なぜ、その学歴に至ったのか経緯も補足してくれたら良いのになぁ』ということを思っていたためです。

高卒という学歴を持ち、結果だけみれば、『今時、高卒!?』という見方をされることもある場合、転職エージェントが高卒という結果と、高卒に至った経緯を補足してくれれば、高卒の求職者の転職活動も良い意味で随分違いがあると思っているためです。

また、高卒も含めてどのような学歴であっても、面接で学歴について問われることはほとんどありませんし、問われなかった場合、自分の学歴に自信を持っていない場合、自ら、『この学歴に至った背景は、~です。』というように、わざわざ自己紹介することも何か違和感があると思います。

面接では学歴について、問われることはほとんどありませんが、どの企業の面接官も、大なり小なり、学歴については気にしていることはあります。そんななかで、自分の学歴がなぜ、そうなったのか理由を聞いて欲しいと思うでしょうし、説明したいとも思うでしょう。

この点を事前に解決することができるのは、転職エージェントだけだと思います。転職サイトの場合は、求人を紹介するだけの場ですから、書類応募やその他の転職活動は求職者がすべて一人で行うことになりますので、事前に補足することは難しいです。

このように、私は、自分が求職者として転職活動をした際に、『こんなサービスがあったら良いな』ということを転職エージェントとして実現しているので、学歴については、補足するようにしています。

ちなみにですが、職歴は、事細かく補足することができる職務経歴書がありますが、学歴については補足することができる書類はありません。そのようななかで、書類選考などにおいて、学歴も選考基準に含まれるということはあまりに不公平だと私は思っています。

高卒の転職活動状況

高卒の学歴を持つ求職者の方の転職活動は、実際にどうかと言いますと、もちろん、人それぞれ違いがありますし、その求職者の職種によっても差異がありますが、転職市場でありながら学歴偏重主義を持つ企業も多いので、厳しい場合があります。

転職活動で企業の選考を受ける場合、書類選考と面接の大きく2つの項目がありますが、書類選考では苦戦する高卒の学歴を持つ求職者が多いです。私の転職エージェントにも高卒の学歴を持つ求職者はいますが、やはり、全体的な傾向を見ると、書類選考の結果はかなり悪いです。

そもそもとして、書類選考は、面接やその他の選考に比べてもかなり通過率が低く、人のよっては書類選考を『鬼門』と考える場合があるぐらいですので、更に選考結果が悪いとなれば、よっぽどだと思います。

もし、今この記事を読んで頂いている方の中に、高卒の学歴を持ち、これから転職活動を始めようとしている方がいましたら、それなりに覚悟は必要ですし、また、それを打開するために、書類選考において、補足を加えてくれる転職エージェントを探した方が絶対に良いと思います。

高卒の学歴を敬遠する傾向にある企業の特徴

これは、企業というよりも、企業内で中途採用に関わる人事担当者を含む関係者と言った方が良いかもしれません。企業としては、それほど高卒かどうかを気にすることはなくとも、中途採用は、採用に関わる関係者の意向が強く影響します。

それぞれの企業の採用基準も企業ごとに違いはありますが、その採用基準の骨組みを作るのは、人事担当者が中心です。基本的に、経営者は採用基準の骨組みについて、また、現場でどのような基準を持っているのか、あまり口出しをすることはありません。

そのため、採用に関わる人事担当者を中心とした関係者次第と言えると思います。ですので、人事担当者を中心にどのような考えを持った関係者がその企業の採用に関わっているかがカギになりますが、学歴を気にする採用に関わる関係者の特徴は、自分も学歴がそこまで高い訳ではない場合や、過去の採用において、高卒を採用して失敗した経験を持つ場合が多いです。

転職エージェントとして、企業からなぜ、学歴偏重主義を持っているのか、聞いたことがありますが、そのほとんどの企業から、同じ答えとして『過去の採用で、学歴を無視して採用して成功したことがない』ということでした。

この回答理由は、正直、求職者自身には全く関係のないことで、その企業の過去の失敗が影響しているため、求職者からするとかなり迷惑な話だと思いますが、誰しも過去の失敗の経験をもとに『今、どうするか?』を考えると思いますので、止む無しと捉える必要もあるかと思います。

しかし、高卒の求職者のみなさんにとっては朗報があります。それは、『今の転職市場』です。今の転職市場は、空前の売り手市場で、求職者が有利の転職市場です。どの企業も中途採用では、かなり苦戦をしているため、それまでの選考基準では採用はもちろん、母集団を形成することも難しい状況ですので、それぞれの企業は採用基準を下げたり、応募資格を広げたり対応しています。

それまでは、高卒は不可とする企業も、この売り手市場により高卒も応募可能とする企業が少しずつ増えています。学歴偏重主義を持っている企業はそれでもまだまだありますが、その他の企業に目を向けた方が良いと思います。

同じ時間であれば、悩んでいるよりも、前向きな時間とした方が良いと思います。

高卒の求職者と適正検査

学歴偏重主義を持っていない企業で、通常の選考フローには、適正検査がない場合、高卒の学歴ということで、適正検査を受けてもらうということがあります。一見、この対応は差別ではないかと思うかと思いますが、企業の採用方法については、特段、法的なルールはありませんので、求職者によって選考フローを変えることは特に問題になりません。

高卒を敬遠する企業の多くは、高卒の求職者は、基本的な学力に欠けると考えるため、基本的な学力があるかどうかを測定するために、適正検査を個別に受けてもらうという場合があります。

若干、不公平感もあるように感じるところもありますが、逆を言えば、適正検査で基本的な学力が十分にあると証明することができれば、その後の面接でも、高卒という学歴は一切関係なくなり、むしろ、適正検査の結果でプラスに働くことがあります。

高卒の学歴を持つ求職者の方は、適正検査についても意識を上げて日頃の転職活動から勉強しておいた方が良いでしょう。私の転職エージェントでは、この傾向を把握しているため、高卒の学歴を持つ求職者には特に、適正検査の勉強を強く推奨しています。

今の転職エージェントでは適正検査への対策として解き方も教えて貰えるようになっているので、転職エージェントを利用している求職者は、遠慮はいりません。積極的に活用しましょう。

ちなみに、私もそうですが、転職エージェントのキャリアアドバイザーは適正検査を教える立場にあるため、適正検査の言語や非言語をかなり得意としている人が多いです。

私は、訳あって勉強で大学に入った訳ではないですので、基本的な学力はありませんでしたが、適正検査は日頃から慣れていることもあり、問題を解くコツを知ったため、かなり得意になりました。適正検査の出題は、応用問題はなく、本当に基本的な問題だけですので、日頃から勉強さえしておけば、誰でも高得点を狙える内容になっています。

高卒でも優遇される職種がある!

一般的には、高卒という学歴を持つだけ書類選考の通過率が低かったり、そもそもとして応募資格に満たないということがありますが、このような状況のなかで、高卒の学歴でも全く関係ないとされる職種があります。

それは、今の転職市場、そしてどの企業でも人材不足となっている職種になりますが、IT分野の職種です。特にシステムエンジニアやプログラマー、デザイナーの職種は、高卒という学歴は一切関係なく、完全に職歴だけで転職市場では勝負することができます。

『じゃあ、自分もIT分野の職種で応募したい』と思っても、この職種は経験が非常に重要になりますので、なかなか難しいものがありますが、高卒という学歴を持つ求職者で、自分の学歴を何とかしたいと考える求職者の方は、今後の転職活動に向けて、IT分野の職種のスキルや知識を身に付けておくと良いでしょう。

と言うのは、このIT分野の職種は、転職市場や企業のなかでは、かなり人材不足となっていて、企業のなかには、未経験でもスキルや経験さえあれば、学歴が高卒でも、また、経験がなくても採用するということが増えています。

経験は職業から得るものですが、知識やスキルは、独学でも十分な範囲となりますので、現職で忙しいかと思いますが、将来の自分のために、IT分野の知識やスキルを習得する時間を増やしても良いと私は思います。

高卒の就職活動

ここまでは高卒の学歴を持つ求職者の転職活動について現状の紹介やアドバイスをさせて頂きましたが、ここでは、高卒の就職活動についてお伝えしたいと思います。

最近は高卒という人は少なくなっていますが、高卒の学歴を持つ人は、都心部よりも地方に多いという特徴があります。都心部では、どこかしらの大学にとりあえず進学という考え方が強いですが、地方は都心部ほど、この傾向はありません。

最近のニュースで紹介されていましたが、高卒の就職率が上昇しているとありました。求職者のみなさんは、かつては自分も就活生としてナビサイトなどを利用して就職活動をされた経験を持っていると思いますが、都心部の企業の新卒採用は、高卒も応募可能とする求人は少ないです。

しかし、地方にいくと、高卒も応募可能とする企業が多いです。これは地方の文化が起因しているようです。

私の地元の友人でも、少しでも早くお金を稼ぎたい、もう勉強はしたくないという理由などで、地元の地方銀行に就職する友人もいますし、高卒の就職と親和性が高い企業は都心部よりも地方の方が高いように感じます。

地方での転職は高卒の学歴を持つ求職者も有利

最近、都心部で仕事をしていた人が田舎暮らしを希望して地方へ流れるケースが増えつつあります。また、地方の企業の地方活性化ということで、積極的にUターン転職を推進する動きが強くなっています。

このような状況と、そして、先程、新卒の就活でお伝えしたように地方の企業は学歴に対して偏見を持つことがなく、高卒の学歴を持つ求職者も大卒の学歴を持つ求職者も一切関係なく採用することがほとんどです。地方の企業は慢性的な人材不足であり、特に20代、30代の働き盛りの若手人材の雇用が大きな問題になっています。

このような事情もあり、積極的に新卒採用、中途採用を進めていて、応募資格も学歴は高卒以上でも問題ないとする企業が多いです。

私は都心部で転職エージェントとして活動していますが、元々は地方出身でいつかは地元で仕事をしたいと考える求職者もおり、そのような求職者には、高卒の学歴でも十分に勝負することができる地方での転職活動も選択肢としてはあるということを伝えています。

また、地方活性の動きがあり、それに伴い、大手の転職エージェントは、地方に拠点を持ち、求職者の転職支援を行うことも増えています。このような状況を鑑みつつ、自分の将来的な希望と対比して、このまま都心部で転職活動を進めて都心部の企業で転職するのか、視点を地方にドライブさせて地方での転職活動で地方の企業へ転職することを選ぶのか、それは求職者が決めることですので、熟慮した上で、決めても良いと思います。

ただ、懸念点は、都心部で転職活動がうまくいかないということで、地方へ『逃げる』という意味の地方での転職活動はあまり得策とは言えませんので、転職活動は何でもそうですが、前向きな気持ちで行動した方が良いと思います。

高卒の学歴を持つ求職者とハローワーク

高卒の学歴を持つ求職者は、他の求職者と同じように転職エージェントや転職サイトを利用して転職活動をしていますが、いくつかの転職方法のなかで、ハローワークとの親和性が高いように感じます。

この話はあまり良いとは言えないのですが、実情としてご紹介しますので、ご了承頂ければと思います。

求職者のみなさんは、ハローワークと聞くとどのようなイメージを持ちますか?結構、年輩の求職者が利用する職業を紹介してくれる機関というイメージはないでしょうか?このイメージはイメージだけで終わらず、実際にハローワークを利用する人の年齢的な属性は、中高年が多いです。

ハローワークは、国が管轄する公共機関で、職業安定所という名称が正式な呼称ですが、このハローワークは無料の職業紹介の機関ですので、誰でも気軽に利用することができます。しかし、ハローワークが職業を紹介するためには、転職エージェントと同じようにハローワークに企業が求人を公開することが前提になりますが、企業の多くは若手世代の利用が少ないハローワークに積極的に求人を公開することはあまりありません。

また、ハローワークにある求人を見て頂ければ分かりますが、ハローワークにある求人の質は、企業として中小企業や零細企業が比較的多く、都心部でも地域密着の老舗企業なども多くあります。

イメージの世界で構いませんが、これからビジネスマンとしてキャリアを積みたいと考える若手世代の求職者が、地域に密着した中小企業や零細企業に積極的に転職したいと思うと思いますか?

あまり良い話ではないと言ったのは、この点です。高卒の学歴を持つ求職者は、一般の転職市場では、応募資格すら持てないことにより転職活動に苦戦する傾向があり、そこで、地方の企業と同じように応募資格が学歴は関係ないことや学歴で採用する傾向が少ない地域に密着した中小企業や零細企業に応募するため、ハローワークを利用する頻度が高くなっています。

この傾向は転職エージェントとしては、あまり良い傾向にあるとは思えません。学歴という一点だけで、その求職者の選択肢が狭くなり、本来は成長企業などで働きたいと考えても、それを実現することが難しいため、地域に密着した中小企業や零細企業に仕方なく転職する高卒の学歴を持つ求職者が多くいます。

また、ハローワークには、ホワイトカラーの職種ももちろんありますが、ブルーカラーと呼ばれる現場仕事の求人の方が多いように感じます。ブルーカラーの職業は、絶対とは言い切れませんが、力仕事が多く、休日日数も少なく、給料も安いということで、成長企業などに比べると労働環境や労働条件ではどうしても見劣りしてしまいます。

これからビジネスマンとしてキャリアを積みたいと考えることは高卒の学歴を持つ求職者もまったく同じで、そのような労働環境や労働条件の企業を自らの意思で積極的に転職しようと考える求職者がどれだけいるのかということです。

あくまで個人的な意見ですが、今の転職市場は学歴偏重主義を持って、その求職者の職歴や人間性を見ることなく、学歴の一点だけで判断する傾向もありますので、これでは求職者の可能性が過去の決断により、今、そして将来の可能性を狭くしてしまうことになります。

大きな話をすると、このような偏重主義を少しずつでも変えていくことが求職者の転職支援や企業の採用支援を行う転職エージェントや転職サイトを運営する企業の社会貢献になるのではないかと思います。

私の転職エージェントでも、そして、他の転職エージェントでも採用する企業に対して学歴という一点で採用するかどうかを決めることは控えて欲しいと提案していますし、少しずつですが、変わりつつあります。

企業の人事だった私が思うこと

現在、転職エージェントとして活動する私も、かつては十数年に渡り企業の人事として中途採用や新卒採用に関わったことがあります。当時の私が在籍していた企業では、高卒も問題なく採用していましたし、高卒の求職者でも十分、活躍していました。

また、逆に高学歴の求職者が活躍することなく、早期に退職してしまうということもありました。結局、仕事は学歴ではなく、『今』のやる気に掛かっていると思っています。

また、どれだけ素晴らしい実績や経験で誇れる職歴を持っていても、『今』の段階でやる気がなければ、まったく意味がありません。人事として多くの求職者と接してきた経験上、学歴や職歴よりも『今のやる気』が最も大切なことであり、もっというと、学歴や職歴よりも『人間性』が何より大切だと思います。

『やる気』と『人間性』こそが、転職後に活躍するかどうか決まると思っています。

新卒の就職活動も求職者の転職活動も、学歴で仕事をすることはありません。学歴と仕事における実績はイコールにならないと思います。変な話になりますが、仮にある人が一生懸命に勉強して日本の最高峰の大学である東京大学に入学して卒業したとします。

確かにその努力は物凄いと思いますが、東京大学に入学するために、または在学中に得た学力は、社会に出ると、利用価値は低下すると思います。と言うよりも使わないことの方が多いと思います。

中には、高学歴を自慢げに話す人もいますし、学歴偏重主義を持つ企業もありますよね。しかし、社会に出て活用する機会が少ない、『二度と使うことがないかもしれない学力という刀を、社会に出てからも磨き続けることほど意味のないことはない』と私は思います。その学歴や学力という刀を磨くよりも社会に出てからの業務経験やスキルや知識という刀を新たに身に付けてそれを磨いた方が良いと思います、採用する企業もそのような人材を積極的に採用することが企業繁栄に繋がると私は思っています。

この部分の話は、学歴に誇りを持っている求職者の方には不快に感じることもあるかと思いますが、あくまで私の個人的な意見ですので、ご容赦頂ければと思います。

高卒の転職と就職

高卒の学歴を持つ求職者の方は、昔ほど学歴を重視する転職市場は消えつつありますが、そうは言ってもまだまだ学歴を重視して、書類選考でも学歴以外の部分は一切見ることなく、学歴だけで書類選考を行う企業もあります。

このような企業は、今の時点ではどうすることもできませんし、違う企業で気持ち新たに転職活動をした方が良いと思います。

人は、24時間、平等に与えられた権利をどう使うかは自由ですし、転職活動に限られた時間を使うのであれば、今の時点ではどうにもできないことに時間を使うよりもどうにかなりそうなことに時間を割いた方が良いです。

高卒の学歴を持ち、転職活動で苦戦されている方も、今の転職市場と少しずつ転職市場の仕組みも変わっていることがありますので、諦める必要はありません。転職はどのような求職者であっても平等であり、転職は、人生の大きなターニングポイントになりますので、妥協のないようお願いしたいと思います。

地方や地域密着の中小企業や零細企業も選択肢としてありますし、ハローワークという方法ももちろんありますが、今の転職市場はやはり都心部の成長企業であり、その成長企業は転職エージェントや転職サイトを利用して採用活動をしていることが多いです。

やはり、ビジネスの中心的な企業で転職したいと考えているのであれば転職エージェントや転職サイトを利用した方が可能性は高いと思います。

最後になりますが、学歴に関係なく、求職者のみなさんの転職活動が有意義なものとなり、転職がその後の人生に良い影響を与える存在であることを祈り、今回の『高卒の転職と就職について』というテーマをこれで終わりにしようと思います。

最後までお読み頂きありがとうとございました!

このページの先頭へ