商品先物業界への転職は地獄!!

ブラック企業が多い業界とクリーンな企業が多い業界というものがあります。

ホワイト企業が多い業界は今回は割愛させていただきますが、ブラック企業が多い業界は何と言っても金融業界です。

金融という商品は利益率が高いですが、商品が高額でありなかなか受注することが難しいため、どうしても労働時間が長くなってしまいます。

常識的な範囲の長時間労働であればブラック企業が多い業界とは言われないと思いますが、金融業界には常識の範囲をはるかに超える労働時間ときついノルマがあります。

金融業界のなかでも抜群のブラック企業率を誇る業界

金融業界に含まれるジャンル

  • 生命保険
  • 証券
  • 銀行
  • クレジット

ここで誤解がないように補足しますが、今ご紹介したすべての事業にブラック企業が多いということではありません。

金融業界は範囲が広いため、業界がさらに小さい事業ごとに分類されています。

その小さく分けた業界で、ブラック企業が多い業界は商品先物業界です。

私が今求職者だったとしたら、真っ先に自分の転職希望業界から消し去りますし、絶対に転職したくない業界です。

転職支援しても求職者がすぐに辞めてしまうことが非常に多いため、商品先物業界の企業の求人を扱わない転職エージェントも多くあります。

転職エージェントからの求人拒否が多いため、商品先物業界の企業は転職サイトを利用するケースが多いです。

ハローワークと商品先物業界

ハローワークは何のルールもなく企業から求人を受け付ける機関ではありません。

これまで労働関係や社会保険関係で違法行為をし、罰則を受けたことがある企業などの求人は受け付けないことがあります。

転職サイトと同じく、興味があればハローワークに訪問して求人を確認いただければと思うのですが、商品先物業界の求人はほとんどないと思います。

先日、私は今回のテーマに向けて実際にハローワークに訪問して求人を見てきましたが、商品先物業界に属する企業の求人はゼロでした。

求職者のみなさんは、危機管理の情報収集で、どのような業界にブラック企業が多いのか判断する指標の一つとしてハローワークを活用してみるのもありだと思います。

商品先物業界とは?

商品先物業界についてあまりご存じない方も多いのではないでしょうか。

転職エージェントには商品先物業界の求人はかなり少ないですので、当然その求人を手にすることは少ないと思います。

日常的に金融商品を買ったり売ったりすることもあまりないと思うので、その意味でもよく分からないという方が多いと思います。

商品先物に消費者として接することはリスクですので、もしかすると詳しく知らないという方が人生という観点では良い気もしています…。

商品先物業界の事業内容とビジネスモデル

最近はアフィリエイトなどルーティンで体を使わなくても稼げるサイドビジネスが人気ですが、同じように体を使わずともできるサイドビジネスが金融商品です。

金融商品の代表は株、FXなどですが、今回のテーマである商品先物も含みます。

サイドビジネスとして行う内容はすべて投資が前提で、リスクがあることです。

金融商品や投資関係の知識を積むことでリスク回避することはできると思いますが、金融投資の怖いところは投資したお金がゼロになるという可能性があるということです。

人によっては金融投資で一度、おいしい思いをしたため次も同じ思いができるとして、次から次へと借金をして金融投資する人もいます。

そして、数ある金融投資のなかでも金融投資に詳しい方々が最も敬遠する金融商品が商品先物です。

商品先物は仕組みとしては株と同じ

商品先物は、正式には商品先物取引と言います。

株の場合、株価が安い時期に購入して購入時より高いときに売却することで、その人のもうけになります

商品先物取引も株と仕組みは同じですが、扱う金融商品は物です。

取引商品となる物を価格の安いうちに株と同じ要領で買っておいて、高い価格がついたときにそれを売却して差額をもうけとする仕組みです。

商品先物業界の企業の労働環境

商品先物業界の企業にもいくつかの職種がありますが、そのなかで最も過酷と言われる職種が営業職です。

営業職はどの業界のどの企業においても一番労働時間が長く、労働環境が厳しいと言われています。

世の中にあるすべての職種のなかで最も離職率が高い職種は営業職であり、最も中途採用を行うことが多い職種も営業職です。

この営業職は世の中でも労働人口としては一番多い職種と言われていて、営業職の求人数は他の職種の2倍、3倍の数があります。

離職率が高いということは退職する人が多いということになり、その願いがかなわない環境であるがゆえ転職サイトに多く求人を掲載しているということはよくあります。

労働時間が非常に長い

商品先物業界の企業の営業職は、他の業界と比べてもかなり労働時間が長いです。

企業は上場する基準に労働環境の適正化の項目もあり、もちろん商品先物業界の企業には上場企業もあるのですが、上場のために一定期間まともな労働時間をキープして、しばらくしてから元に戻るということがあります。

上場企業ではない商品先物業界の企業は、とにかく会社業績を上げることだけを考えていますので、営業職にかなり強いプレッシャーとノルマが課せられます。

ノルマを達成できなければ生活が厳しくなりますし、何より人として扱われない激しい叱責が待っています。

これを逃れるために、営業職は活動量を増やし、当たり前のように労災認定を超える月100時間以上の残業をすることがあります。月150時間ということもよくあります。

それでもノルマ達成できない月があり、上司からの激しい叱責を受けることになります。

この叱責は日常的にありますし、叱責を今風の言葉で言い換えるならばパワハラということです。

ノルマが何よりきつい

営業職へ与えられるノルマは本当に厳しく、頑張っても絶対に達成しないのではないかという基準だそうです。

商品先物業界の企業は、ノルマを達成しなければ一円たりとも歩合給を支払うことはありません。

つまり、高いノルマを設定しさえすれば、達成することはなくてもそれなりに数字は上げてくるだろうと考えているのです。

他の業界でも無理なノルマを設定して、達成しなければいくら受注を多く獲得しても1銭も歩合を支払わないという企業はあります。

パワハラは文化!?

商品先物業界の企業には、

「部長は神様、課長は仏様、係長や主任は平民、一般社員は奴隷」

という言葉があるそうです。

こういった言葉は強豪校と呼ばれる体育会系の部活ではたまに聞きますが、ビジネスの世界でもこの言葉があるとはなかなか恐ろしい労働環境だと思います。

上司は理不尽の塊のような存在ですが、その理不尽には絶対服従という地獄のような環境があります。

パワハラがレギュラーで通常の会話がイレギュラーという逆転現象が起きているそうです。

この強烈な環境により、肉体的にも精神的にも追い込まれてしまい体調を崩して休職ということもありますし、そこまでならなくてもあまりの恐怖に出社できずそのまま退職してしまう人もいます。

働き方の実際の話(私の友人の実話)

その友人は、ある私立大学を卒業後に商品先物業界のある企業に新卒で入社しています。

彼は家庭環境で生活が苦しいということで、頑張って早く生活苦から抜け出したいということで、ハードワークであることは分かっていても商品先物業界の企業へ入社しています。

就職活動の一番の軸は高収入ということでしたので、優良大手企業の内定も成長ベンチャー企業の内定も蹴って商品先物業界の企業へ入社しています。

その友人は後々、新卒で商品先物業界の企業に入ったことは一生後悔することだと言っていました。

その友人の職種は営業職だったのですが、働き方は先述の通りです。

ろくな入社研修もなく、入社日の翌日には営業に出されたと言っていました。

商品知識も全くないなかで営業するため、すぐに成果が出る訳もないのですが、帰社後にこう言われたそうです。

『まだ6時だけど、どうした?契約取ってきたの?まだ契約がないなら、今日も明日も明後日も契約取るまで家に帰れないよ?』と。

その企業はつい先日まで学生だった人間にいきなり契約を求めてきたようですが、これを求職者のみなさんは普通だと思いますか?

その友人は他の企業の働き方が分かっていませんし、会社はこれが普通なのだと思ったそうです。

新卒は社会人経験がないため、入社した会社で感じたことが普通や当たり前と思ってしまうことが良くも悪くもありますが、この友人もその典型です。

普通ではあり得ない出社時間

しばらくすると、比較対象がないなかでも若干の違和感を覚えたようです。

最初に違和感を持ったことが出勤時間だったそうです。

その企業の就業規則では朝の9時出勤だったのですが、入社日の翌週には朝6時出勤になっていたそうです。

企業から朝6時の出社指示が出ることは普通ではあり得ないことです。

その友人はそれから毎日、朝6時に出社して毎日終電に間に合うように帰宅するということだったそうです。

入社して1週間、2週間は当たり前ながら契約はなく、営業スキルが足りないとして自宅でも毎日勉強を義務付けられて、翌朝課題を提出するということが続いたそうです。

この労働環境が数カ月続き、その間の睡眠時間は毎日3時間あるかないかだったそうです。

その友人は契約数が足りていなかったため、入社月は1日も休んでいなかったようです。

営業活動量がすごい

私の友人は入社日から1日も休まず仕事を続け、営業活動量は異常なぐらいだったそうです。

電話帳などから『あいうえお順』に片っ端からテレアポをしまくったそうです。

1日100件から150件を超えて電話をかけたと言っていました。

夜は営業で外回りということで、営業活動の量は半端ではなかったと言っています。

その友人は、今大手の有名企業で営業部長として働いていますが、これまでのビジネスマン経験であのときよりしんどいと思ったことは一度もないと言っています。

その活動量の成果もあってか、少しずつ成果が上がり出したそうですが、その企業は途中で当初約束したノルマ達成の受注数を引き上げたそうです。

結局その行為により、毎月ノルマ達成することができず、高収入を得ることは在籍期間中に一度もなかったそうです。

在籍期間、1年

この友人は在籍期間中、自宅に帰ることすら面倒になってしまい、最長で2週間ほど会社に泊まり込んだことがあるそうです。

私も企業に在籍していた時代は繁忙期で会社に泊まったことはありますが、それでも1日ぐらいですし、私の周りで2週間も連続で会社に泊まったという人はこの友人だけです。

このような労働時間で無理な営業ノルマを立てられて、達成しかけると不当にノルマを引き上げられ歩合を払わない細工をされ、残業時間は自己啓発という名目で1銭も支払わない状態で1年間在籍していたそうです。

この商品先物業界の企業での働き方や労働環境はすべて違法です。

ちなみに、その企業は今でも存在しているのですが、風の便りで聞きましたが今でも変わっていないようです。

正月は絶好の営業チャンス

友人が1年在籍した商品先物業界の企業もそうですが、個人の方が自宅にいる時間帯が絶好の営業チャンスになります。

『営業にとって正月は休む日ではない。新年の始まりだから飛び込み営業をやれ』と正月の午前中に電話がきたそうです。

私はこれまでのビジネスマン経験で1度も正月に仕事をした経験がありませんが、商品先物業界の営業職については、正月に仕事をすることも多いようです。

この友人は、在籍1年であまりのひどさに退職して、違う業界の企業へ営業職として転職し、十分な成果を出し続け今では大手企業の営業部長です。

その友人は、新卒入社でつまずくとなかなか厳しい面が多いので、新卒入社と転職はつながりがあると言っています。

また、新卒入社も中途入社もお金を一番に考えると入社後にうまいかないことの方が多い気がするとも言っています。

友人は自分の経験を踏まえてこの話をしたのだと思いますが、商品先物業界へ入社して失敗したこの友人の話こそ成功へのヒントです。

商品先物業界へ転職したい方へ

この友人のような働き方や労働環境を数年でも続ける自信があるのであれば、商品先物業界への転職もありだと思います。

ちなみに、友人が新卒で入社した際の同期は30名ぐらいだそうですが、入社月の4月で20名が退職したそうです。

1年間在籍した同期はゼロで、友人ただ1人が1年間在籍したとのことです。

その企業は、新卒の離職率100%という年が普通で、2年か3年に1回だけ、離職率が99%という恐ろしい採用文化があるそうです。

中途採用でうまく人材を確保しているようですが、友人いわく

「商品先物業界は地頭が良いことが求められることもなく、とにかく馬車馬のように働き続ける体力と気力があればやっていける」

とのことでした。

商品先物業界へ向いている人

転職エージェントとして私が思うに、商品先物業界に向いている人は

「体力と気力が無尽蔵にあり、強烈な鈍感力を持ち合わせた方」

だと思います。

強烈な鈍感力により、強烈なパワハラも特に感じないでしょうし、理不尽さも強烈な鈍感力でカバーできると思います。

商品先物業界は大なり小なりこのような労働環境を持っている企業が多いですし、特に営業職は本当に地獄だと思います。

できれば良い面もお伝えしたかったですし、他の業界ではそれが普通ですが、正直なところ商品先物業界には良い部分が見当たりません・・・。

私は転職エージェントとして、商品先物業界はオススメできないです。

最後になりますが、求職者のみなさんの転職活動が有意義なものになることを祈り、今回の話はこれで終わりにしようと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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