転職で中国語のスキルはどこまで有利に働くか?
転職活動は順調に進んでいますか?
転職活動の成功のカギは、仕事を通じてどれだけ実績や経験を積んだのかということです。
これらの要素が他の求職者よりも上回っていれば、必然的に転職活動を有利に進めることができます。
では、転職活動で自分の武器になる『スキル』とは具体的にどのようなものがあるでしょうか。
一時期の日本では資格ブームがあり、何らかの資格を取得しているという求職者の方も多いかと思います。
今回の記事の目次
転職活動で資格を超えるスキルとは?
しかし、今の転職市場では資格以上に求職者を救済してくれるスキルがあります。『語学』です。
ここ最近企業のグローバル化が進み、多くの外国人が日本の企業で働き、外国資本の企業が日本で事業展開するようになっています。
また、日本の企業の海外へ事業展開することも増えています。
このように今の時代は、世界を舞台にビジネスを行うことが当たり前になっています。
語学のなかで英語はもちろんスキルとしては十分に活用できるものですが、最近は、『中国語』が有利なスキルと言われています。
中国語が有利とされる背景
言うまでもないことですが、中国は世界でも人口がトップで国内総生産(GDP)は世界2位となっています。
中国経済が発展すると、中国系の企業は日本も含めた海外に事業を展開します。
日本を含めた海外の企業は、経済の発展が著しい中国でビジネスチャンスを狙って中国へ進出します。
私の友人のあるベンチャー企業は、中国でビジネスを行うとして現地法人を立ち上げています。
中国の物価は日本よりも安いため、製造業を中心に現地に工場を立ち上げて中国人を採用し、コストを下げることが大きな目的の一つです。
そうなると、当然、中国語はビジネスにおいては必要不可欠なスキルになります。
転職市場の中国語の優位性
先述の通り私は転職エージェントとして活動していますが、かつては企業の人事担当として中途採用に従事した経験があります。
人事経験と転職エージェント経験を対比しながら転職市場での中国語の優位性をご紹介したいと思います。
かつての転職市場における中国語の立ち位置
1990年代から2010年ぐらいまでは、中国語はどの企業もそこまで魅力的に感じていなかったと思います。
この年代で私は人事担当として当時、勤めていた企業の中途採用を担当していました。
他社の採用情報を情報交換会などで把握していましたが、求人の求めるスキルに中国語を必須とする企業はゼロに等しかったです。
どちらかと言うと英語の方が重宝されていたと思います。
ここまで中国市場が経済の中心になると先読みしていた日本国内の企業はほとんどなかったのではないかと思います。
中国語は当時の転職では本当に日の目を浴びない状況で、履歴書に話せることを記載したとしても特に武器になることはない時代だったと思います。
むしろ、中国語を話せると記載しても、仕事で使わないのにもの好きな人だなと思われることもあったと思います。
中国語が日の目を浴びないと同じように・・・
人種差別は絶対にあってはいけないことですが、中国人を採用したがらない企業が多かったです。
当時の日本では、中国人に対して『自己中心的な思考』というイメージがありました。
日本の企業はどちらからと言うと個人よりも組織を重視する傾向が強く、組織を乱すとして敬遠することが多くありました。
企業のなかに中国人がほとんどいないため、社内のコミュニケーションツールとしても中国語を使う必要もありませんでした。
現在の転職市場における中国語の立ち位置
中国語がここまで重宝される時代になったのは、中国の経済成長が著しいここ数年のことです。
今は、中国へ進出する日本企業が増えているため、中国語が転職市場では中心の一つになっています。
中国語を話せる求職者は転職市場にどれだけいると思いますか?
私の転職エージェントには3000名ほどの求職者に登録いただいており、その中でビジネスコミュニケーションレベルの中国語を話せるという方は数名だけです。
ほかの転職エージェントにも聞いてみたことがありますが、ビジネスコミュニケーションレベルで中国語を話せる求職者の割合は3%前後ということです。
一方、ビジネスで中国語を話せる求職者を求め、中途採用をしている企業の数は非常に増えています。
私の転職エージェントで取引する企業もビジネスコミュニケーションレベルで中国語を話せる人材のニーズは高いです。
『経験がなくても良いので、中国語を話せる人材を急募で集めている』という声があるぐらいです。
ビジネスコミュニケーションレベルで中国語を話せる求職者の方は、今ビジネスにおいて非常に有利な立場にいますので強気に転職活動してもまったく問題ないと思います。
多少中国語以外のスキルや業務実績や経験が劣っていても、中国語によりすべてがカバーされます。
特に製造業や観光業については、ビジネスコミュニケーションレベルで中国語を話せる求職者のニーズは強くなっています。
転職市場に中国人も増えている
日本の転職市場には近年、中国人の求職者も急増しています。
この背景には中国人の留学生が日本の大学などで学び、そのまま日本で働くという流れがあるためです。
中国人の印象も最近では大きな変化があり、組織になじめる人材がいると判断して採用するケースも増えています。
私が企業の人事として新卒採用に従事していた頃も、中国人留学生が応募することが非常に多かったです。
日本語も流ちょうで文化も理解し、もちろん中国語も話せるため、非常に魅力的に感じたことを覚えています。
今の転職市場では中国語を話せる人材は非常にニーズが高く、日本人は転職市場であまり価値が高いとは言えない状況になっています。
私が人事担当として面接した中国人の特徴は、一言で言うと非常に優秀で勤勉家が多いということです。
日本の学生は勉強をあまり意識していないことが多いのですが、中国人の場合は留学費用を親から捻出してもらっていることもあり、遊びより勉強という意識が強いようです。
中国人はこのハングリー精神が非常に強く将来のビジョンを明確に持っているため、日本企業は優秀な人材として採用することが多いです。
中国語を生かす仕事とは?
以下の業界については、特に中国市場への進出が目立っています。
中国のマーケットを狙う主な業界
- 製造業界
- サービス業界
- IT業界
この三つの業界を中心に中国語を話せる人材は必要不可欠になっているのが現在の労働市場です。
私の転職エージェントで抱える中国語を生かせる求人内容は多岐にわたっていて、その数は約400件です。
恐らく大手の転職エージェントではこの何倍もの案件を持っているかと思います。
しかし、この求人はすべて『中国語をビジネスコミュニケーションレベルで中国語を話せる』という条件が必須になっているのです。
案件は多くあるものの、中国語を話せる人材がいないため悩ましい状況になっています。
中国語を話せる中国人で十分カバーできると考える方もいると思いますが、日本の企業はやはり日本人を採用して現地に赴任させる動きが強いです。
あるベンチャー企業の社長に同じような提案したことがありますが、「中国人だけを採用してしまうと、日本経済が衰退してしまうリスクがあるため日本人も採用したい」とのことでした。
中国語を身に付けよう
今の時代は、英語と中国語が求職者を強力な援軍となることは紛れもない事実です。
転職後に中国語を話すスキルがあれば、存在価値は高くなり立場や報酬も高くなると思います。
日本語以外話せないという求職者は英語以上に中国語を勉強して良いように思います。
これは大げさな話でもなく、日本の企業は英語圏よりも中国への進出をしている場合が多いですし、今後もこの傾向は続くと言われています。
大学で中国語を専攻する学生も増えていると聞きますし、企業でも社内研修に中国語を取り入れている場合が増えています。
転職エージェントとしてアドバイスさせていただくと、転職市場ではいかにほかの求職者が持っていないスキルを持っているのかが重要なポイントです。
ヘッドハンティングの対象にもなる中国語力
ヘッドハンティングされる人材になる方法があります。
それが今回のテーマの中心である中国語を話せる人材です。
何度も言うように日本の企業は中国語を話せる人材が欲しくて仕方ないのです。
むしろ、ヘッドハンティングされる人材の方が少ないと思います。
選ばれた人材が受けることができる人材紹介。
一般的な転職活動とは違い、企業から必要な人材としてオファーを受けるため、相応の役職や年収が保証される。
どの企業も中途採用を行っていますが、中国語を話せる求職者が少ないためなかなか採用に至らず事業そのものに後れを取っているのが実情です。
そこでヘッドハンティングです。
ヘッドハンティングは一般の中途採用よりも高いコストが発生しますが、それを度外視しても中国語を話せる人材を早急に採用する必要があるのです。
中国語を話せる人材であれば、自分から転職市場に出て転職活動をせずとも、企業の方からオファーがあります。
中国語さえできれば、その他のスキルや経験は多少劣っていても十分です。
企業は中国語教育に力を入れている
ヘッドハンティングでもなかなか採用できない今の状態を踏まえて、企業では社内教育で中国語を必須科目にしている場合もあります。
また、社内公募として中国語に興味のある既存社員を集めて中国語教育に前向きに取り組んでいる企業もあります。
教育には多少の時間は必要としますが、自社の従業員を教育して中国事業に投資しようとする考え方です。
求人を公開する企業が社内教育に目を向けてしまっては、求職者としてはかなり打撃を受けることになるでしょう。
転職エージェントでは英語や中国語、その他の語学を無料で勉強会を開いてくれる場合があります。
インターネットなどで検索してその勉強会に参加したり、その転職エージェントに登録したりすることは絶対に得策です。
観光と通訳は鉄板!!
数ある職種で中国語を必要と求人となり求職者に紹介される機会がありますが、その求人のなかでも観光と通訳については、特に目立って多いです。
中国人の観光客が日本に来ることが増えていますので、観光についてはこの影響は大きいと思います。
バスガイドという職種にも中国語を必要とすることが最近増えています。
顧客である相手が、中国人である場合が多い観光業については、中国語のスキルは必須に近いと思った方が良いです。
通訳についても同様です。
中国国内で事業を行うためには、中国語で現地人とコミュニケーションを図り自分の考えを伝える必要があります。
通訳という職種は今注目されていて、中国語の通訳は年収も高く企業からの引き合いもかなりあるようです。
中国語は転職のキーワード!!
転職エージェントとして最近思うことは、仕事は語学だということです。
今まで日本国内だけでビジネスが完結することが多く気付きませんでしたが、仕事の基本は語学でありコミュニケーション能力だと思います。
中国には日本に限らず世界各国の企業が巨大マーケットを目指して進出しています。
現在、いくつか転職成功のキーワードがありますが、その中でも中国語はトップクラスのキーワードです。
転職成功=中国語と言っても過言ではないと思います。
中国語に限らず英語を中心に語学は仕事の基本になりますので、今後の成功を考えて中国語や英語を中心に語学力を身に付けた方が良いです。
なかなか自分の描くビジネス人生を歩むことができなかった方が中国語で一発逆転ということもあると聞いています。
最後になりますが、求職者のみなさんが最高のビジネスライフを送れることを祈り『転職で中国語のスキルはどこまで有利に働くか?』という今回のお話をこれで終わりにしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうとございました。