ADへの転職は、地獄の生活が待っている!しかし、その生活を耐えると…!!

転職活動をしている求職者のみなさんは、個人で転職軸を持って自分も希望条件に沿う求人に応募し、選考を受けて転職すると思います。

転職軸は経験を生かして設定することが理想ですが、求職者の方の中には、自分の憧れや今後、挑戦してみたい業界、業態、職種で転職したいと考えている方も多くいます。

憧れの仕事については少し慎重に進めていただきたいのですが、今まで経験したことがない職種に挑戦するということは応援したい決断だと思います。

現在私は転職エージェントとして求職者の方の転職支援をしているのですが、未経験の職種を生涯の仕事にしたいと考える求職者の方も大勢います。

今回のテーマは?

未経験の職種に応募することは全く問題ないですし、応援したい部分が大きいのです。

ただ、今回の主役となるADという職種については、何度も何度も検討して周りの人に相談した方が良いと思います。

AD

正式にはアシスタントディレクター。

テレビ番組の制作に関わるディレクターのアシスタント。

日本は職業選択の自由ということで、誰でも自分の好きな仕事に就くことができますし、本人が希望する職種について周りの人は妨げることはできません。

ただ職業を選択するのが自由だとしても、ある程度は周りの人が意見・サポートしてあげることも大切なことだと思います。

ADへの転職後は地獄の生活が待っていることも・・・

ADという職種に転職したいと考えている求職者の方は、地獄の生活が待っていると思っておいた方が良いです。

その覚悟がなければその選択は浅はかなので、ADでの転職は絶対にやめた方が良いです。

ADを希望する求職者の方自身も、仕事内容や労働環境について詳しく知らずに転職しようとしているのではないかと、転職エージェントである私はかなり危惧しています。

転職活動をする以前に、求職者の方はまずADの働き方や労働環境を確実に押さえた方が良いと思います。

ADはテレビ業界に属し、その立場は外側から見ると華やかなイメージを持つと思います。

あるキー局でディレクターをしている友人に話を聞くと、話を聞くと確かに会社の廊下で芸能人とすれ違ったり、タレントと番組の打ち合わせをしたりといったこともあるらしく、そういった面では確かに華やかと言えるかもしれません。

しかし、ADは人でありながら人として扱われません

これは『可能性があります』というレベルではなく、どこに転職してもADは雑巾のように扱われるのです。

ADという職種は立場としてテレビ業界の一番下に位置し、言葉を選ばず言いますと「最底辺」です。

ADの労働環境

労働時間 24時間労働に近い
休日 あってないようなもの。ほとんど家に帰れません。
休憩 あってないようなもの。休憩=おにぎりを食べる時間。
給料 激安

私の友人はADの頃、1年のほとんどは会社に寝泊まりして自分のデスクの下を寝床にしていたと言っています。

睡眠は断続的にしかとることができず、1日の合計で3時間程度。
毎日睡魔との闘いだそうです。

実家への帰省はできませんし、プライベートな時間もないと思った方が良いです。

仕事のためにすべての時間を費やすと思った方が良いでしょう。

こういった生活スタイルで曜日感覚がなくなり、毎日がオンタイムのような錯覚を起こすことが、『ADあるある』だそうです(笑)

テレビ業界の給料は他の業界に比べて高いイメージがありますが、ADは別格です。

ADの給料は他業界の新卒入社の労働者とほぼ変わりません。これは年齢に関係なく転職の場合も同じです。

私の転職エージェントでADの求人を見ましたが、20万円を少し超えるぐらいのものでテレビ業界としては衝撃の求人内容でした。

ブラック企業で働いたほうがまだマシだと思うぐらい、本当に厳しい労働環境です。

ADからのステップアップ

ADへ転職する方は、将来ディレクターになりたいためにADへ転職する方がほとんどです。

テレビ業界では、ADからディレクターに昇格するというのが常識になっていて例外はありません。

ADからディレクターになるために決められた年数はありませんが、ADとして5年から10年程度テレビ制作の現場を知ることでようやくなれるそうです。

私の友人は3年程度でディレクターになってしまったようですが、テレビ業界では特別優秀な人だったようですね。

ディレクターは、ADからすると神様や仏さまに匹敵するぐらい位の高い立場になります。

言い換えるとADの上司になりますが、その立場はあまりに違いすぎて上司と部下という関係では言い表せない何とも言えない関係だということです。

ADから脱却してディレクターになると?

一気にその立場は変わりますし、また、今までぼろ雑巾のように接してきた周りの人間が一変するそうです。

よくタレントの方が、ADが将来出世してディレクターなったときのためにコミュニケーションを取っているという話を聞いたことがないでしょうか。

ADの大半はテレビ業界を去っていくのですが、必死に働きディレクターに昇格する人ももちろんいます。

自分で番組を持つこともできますし、部下としてADを持つこともできます

そして、労働条件が一気に変わり年収は一気に桁が変わります

私の友人はAD時代は常に「お金がない」と嘆いていましたが、ディレクターとなった今は毎度私にごちそうしてくれます。

ADの転職市場

ADという職種を希望する方は転職エージェントを利用した方が良いと思います。

転職サイトにも求人の掲載がたまにありますが、転職エージェントとの相性が良いとされています。

また、転職エージェント以上に転職しやすい方法は人脈を使った方法です。

しかしテレビ業界は狭い世界で、関わりを持ちづらい業界の一つと言われています。

人脈を使うことでテレビ業界へかなりスムーズに転職できますが、誰もがテレビ業界とのネットワークを持っているということはないと思います。

そうならば、一般的な転職方法で最も生産性が高い転職エージェントを利用するのが良いと思います。

転職エージェントでも特に大手のほうがADの求人が拾えるように思います。

ADの求人数

ADの求人数には他の職種に比べるとそこまで多くありません。

現在の転職市場は、求職者が有利な売り手市場になっています。

しかしテレビ業界は基本的に毎年新卒採用を行い、新卒者で人材を確保するのに積極的です。

そのため、転職市場が売り手市場や買い手市場であっても、テレビ業界の転職求人は少ないです。

あくまで個人的な意見ですが、異業界からADへ転職するのが難しいという状況は求職者にとって非常にラッキーだと思います。

ADへの転職後はぼろ雑巾のように扱われますし本当に大変な労働環境ですので、できれば控えた方が良いのではないかと思うからです。

ADの離職率

友人であるディレクターから聞いた話ですが、どのような転職方法であれ過激な労働環境に耐えることができず、早い人だと1週間程度で何も言わずに辞めてしまうそうです。

1年後にそのままADとして在籍している人は、100人中数人程度と言っています。

ADはそれだけ厳しく、憧れだけで続けていくことができる職種ではありません。

かなりの覚悟と、自分を人だと思わない前向きな錯覚を持てなければ転職してもすぐに退職してしまうと私は思います。

同じテレビ業界でも、ADとその他の職種では労働条件や労働環境など全てのことが違います。

ADとして転職することは人生をテレビにささげること

ADを取り巻く環境はご理解いただけたかと思います。

大げさにお伝えしたこともありませんし、実際にあることをご紹介したつもりです。

この内容を読んでも決意が変わらないという求職者の方はよほど、テレビが好きなのだと思います。
私の友人であるディレクターもテレビが大好きです。

ADとして我慢して成功するためには、何よりもテレビが好きだということが第1条件です。

テレビが好きという理由以外に向いている要素はないと言っても良いと思います。

好きだから頑張れるという言葉もある通り、ADとして転職し、将来ディレクターを目指す求職者の方は、覚悟を持って頑張ってほしいと思います。

今回のテーマである、『ADへの転職は、地獄の生活が待っている!しかし、その生活を耐えると…!!』は、これで終わりにしたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうとございました。

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