ブライダル業界への転職は人の幸せに携わる最高の仕事なのか?
一般的に転職においては、憧れやイメージだけで転職活動をしてはいけないとされています。
ただ、働き方や労働条件については具体的なイメージがあればそれだけ良いとされています。
その仕事を通して、人の幸せに関わることができれば最高だろうと思います。
社会貢献ということにもなると思いますが、幸福という要素が含まれる業界の代表がブライダル業界です。
今回の記事の目次
ブライダル業界の特徴
ブライダル業界はだれもが人生に一度は関わるであろう、結婚式という大きなイベントに関わる業界であり仕事です。
今回はブライダル業界を主役にいろいろな視点からご紹介したいと思います。
ブライダル業界とは?
ブライダル業界は、まさに結婚関係を事業にする業界であり仕事です。
ブライダル業界の市場規模は、約2兆円から3兆円と言われています。
この市場規模は、結婚式場となるホテルなどの売り上げも含めてのことです。
結婚式をホテルの宴会場で行うことが多く、そのため、ホテルにはウェディングプランナーという職種があります。
- 景気に非常に左右されやすい
- 結婚式場の固定費が掛かり、利益率が低い
- 労働集約型
ビジネスをするにあたり多くの人が必要になること
結婚式を行うためには、その進行をスムーズに行うために、配膳係など多くの人が関わります。
市場規模としては大きな市場になりますが、利益率は低い業界となっています。
ブライダル業界を希望する求職者の注意点
求職者のみなさんは誰しも、市場規模が大きい業界には成長を期待すると思います。
この考え方は転職活動においては、王道であり正しい見解です。
ただ注意していただきたいのは、先ほどお伝えしたように「市場規模と利益率が一致しない業界もある」ということです。
その業界の一つが今回の主役であるブライダル業界です。
ブライダル業界は、しかも、景気に左右されすい業界であり不安定な要素を含みます。
また、多くの人がいなければブライダル業界は成立しないため、利益率が低いです。
企業の経営において最もリスクとなる要素はまさに人件費です。
ブライダル業界は労働集約型であるため、人件費を抑えると事業運営に支障が出ますし、人を増やすと経営リスクが大きくなります。
このさじ加減が、正常な経営、健全な経営をしているかどうかの判断基準になります。
ブライダル業界は人気業界
ブライダル業界は一般的に非常に華やかであり、人の幸せに直接関わることができるため人気が高い業界です。
特に年齢が若い女性の求職者には人気が高く、そのなかでもウェディングプランナーという職種は大人気です。
私は現在、転職エージェントとして求職者の転職支援をさせていただいている立場ですが、若い女性求職者のなかにはピンポイントに「ウェディングプランナーの求人を紹介してほしい」という方もいます。
このウェディングプランナーという職種はここ最近出始めた職種で、欧米諸国から輸入された言葉です。
横文字にするとイメージが明るくなり、実際の仕事内容や働き方などを超越して人気がでることがよくあります。
ウェディングプランナーという職業
ブライダル業界=ウェディングプランナーと言っても良いぐらい、ブライダル業界では代表的な職種です。
ウェディングプランナーという職業は新郎新婦と結婚式のプランを作り、確かに人の幸せに直接関わることができます。
若い女性の求職者は、華やかなイメージが強い業界・職種を希望する傾向がありますが、その典型がまさにウェディングプランナーです。
ただ、その働き方や労働環境は華やかなイメージとはかけ離れていることをご理解いただければと思います。
私の転職エージェントで実情を聞いて、いったん転職熱意がおさまる方も多いです。
憧れやイメージ先行で転職しても良い結果になりませんし、転職エージェントが転職者を不幸にしても意味がないので。
ウェディングプランナーの働き方
ウェディングプランナーは女性の方が向いていて、女性の方が明らかに多い職種です。
ただ、その仕事内容は非常にハードであり、体力面では女性に向かない職種だと個人的に思っています。
確かに肉体労働は少ないですが、労働時間が長く休日日数も少ないです。
間違いなく土日、祝祭日はないと思った方が良いです。
結婚式を平日に挙げるカップルはほとんどいないんですよね。
結婚式のプランを検討する日も土日祝祭日が多いです。
若い女性の多くは休日に友人との買い物や食事を楽しみたいと思いますが、これでは友人と休みが合わないことになります。
ウェディングプランナーの休日
若い女性が友人と休日に遊べないということは、想定以上に大きなストレスになるようです。
女性のなかには、転職先の企業に求める上位条件に土日祝祭日は休みの企業を希望する方が多いのですが、その理由は友人と休みが合わないためです。
ウェディングプランナーとして働いている途中に感じる『土日休みがうらやましい』という気持ちが勝ってしまい、退職することもあるでしょう。
実際、それを理由に他の職種に転職した女性の求職者を何人も知っています。
若い女性求職者は、ウェディングプランナーの実際の働き方をしっかり見極めてから転職しなければ自分に跳ね返ってきます。
ウェディングプランナーの労働時間
休日に加えて、ウェディングプランナーの労働時間もデメリットとして挙げられます。
ウェディングプランナーの労働時間は1日あたりの残業時間も含めて12時間から13時間が基本です。
これをほぼ毎日こなすのですが、みなさんはこの労働環境に耐えることができますか?
若い女性と休日の少なさ・長い労働時間は、非常にバランスが悪いです。
希望と転職後の現実に差異が大きければ、それだけ転職後の早期退職や転職失敗になる可能性が上がります。
いくら、人の幸せに関わることができる職種としても、自分が心身ともに疲弊し切った状態では人の幸せどころではないのが本音だと思います。
ウェディングプランナーを退職して転職活動する求職者が多い
ウェディングプランナーを現職・前職に持ち、他の職種へキャリアチェンジする求職者も多いです。
経験したことがない求職者からすると1度は経験したい職種である一方、経験すると二度とやりたくない職種となり、目まぐるしく人の入れ替わりがあります。
しかし、ブライダル業界が人材不足になるということはありませんし、中途採用において苦戦することもほとんどありません。
離職率が高い職種の場合は採用に苦戦することが一般的ですが、ブライダル業界はイメージが先行していますので求職者に困ることはないのです。
ウェディングプランナーの選考
こういった状況で、ウェディングプランナーという職種は労働者の視点で非常に買い手市場になっています。
面接回数を短縮することなどはありませんし、書類選考の基準が甘いということもありません。
至って普通の選考内容ということです。
面接では、どの企業も『忙しいですが、体力面は大丈夫ですか?』という質問があります。
ブライダル業界の企業は、自分たちの労働環境がハードである自覚があり、すぐに辞めてもらいたくはないため面接で警告を出しているのです。
しかし、求職者はその警告を軽視してしまい、内定が出たら何の迷いもなくウェディングプランナーとして転職することが多いです。
と言うよりも、転職エージェントとしての私の経験上、経験なしでウェディングプランナーで内定を得た求職者は100%転職しています。
ウェディングプランナーは魅力ある職業だとも言えますが、経験がない方は、人の幸せを考える前に、転職後の自分の幸せを考えるべきだと思っています。
ブライダル業界の求人
ブライダル業界の求人は転職エージェントや転職サイトを中心に利用した方が多く拾うことができます。
特にウェディングプランナーは転職エージェントと親和性が高いため、転職エージェントを中心に転職活動を展開した方が良いです。
人材業界でありながら、結婚情報誌を発刊している某大手の転職エージェントには中でもブライダル業界の求人が多いです。
同じブライダル業界でも企業ごとに特徴や社風が違いますので、すぐに応募せず、より自分の理想に合った求人を検討したほうが良いと思います。
女性で年齢が若い求職者はウェディングプランナーという求人を見るとそのすべてに応募してしまうことが多いのです。
冷静に求人内容を把握して、できればその求人企業のホームページなども参考情報にしてほしいと思います。
ブライダル業界にはブラック企業も多い!
ブライダル業界には、働く人を逆に不幸にするブラック企業もあります。
私は転職エージェントとして多くの情報を持っていますが、ブライダル業界は労働時間が長いことが当たり前のようになっていて、労働者は感覚がまひしてそれに気付かないこともあるようです。
求職者のみなさんは、誰しもブラック企業への転職を希望する方はいないと思います。
それは自分が不幸になることを意味します。
ウェディングプランナーは特にブラック的な労働環境が多いですから、希望する求職者のみなさんは特にご注意いただければと思います。
ブライダル業界への転職は慎重に!
ブライダル業界にはもちろん、ウェディングプランナー以外にも営業職やその他の一般的な職種があります。
一般的な職種を希望する求職者は、職種を中心に考えた転職先がブライダル業界だったという場合が多いです。
この場合はそこまで慎重になる必要はありません。
転職活動にイメージ先行の無鉄砲は一切不要です。
必ず自分や転職後の自分のイメージを俯瞰的に見て判断するようにしましょう。
最後になりますが、求職者のみなさんの転職活動が自分を幸せに導く活動であること、転職後も自分が何より幸せであることを心から祈り、これで話を終わりにしようと思います。
最後までお読みいただきありがとうとございました。