街中で見かける似顔絵を書く画家は今、熱い職種!!!
今回の主役は『似顔絵画家』です。
もしかすると求職者のみなさんも、プライベートで利用したことがあるのではないかと思います。
最近、非常に店舗数が増えていて、街中や観光地にはよくあります。
今回の記事の目次
似顔絵画家の知られざる働き方
画家という職種は、昔からありますが似顔絵画家という職種はここ最近、特に目立ってきている職種です。
求職者のみなさんは、どのような働き方になるのかイメージが湧かないと思いますので、まずは似顔絵画家の働き方や労働条件について今回の話を起こしていこうと思います。
似顔絵画家という職種は、特殊なスキルを必要とする職種です。
そのため、デザイナーという表現をされることもあります。
似顔絵画家は、顧客となる人の似顔絵を書く職種で、その活躍の幅は広がりつつあります。
基本的には、転職した企業の労働者として店舗に配属され、労働時間のほとんどを店舗で仕事をします。
似顔絵画家の店舗を利用したことがある求職者の方であれば分かると思いますが、店舗で自ら営業活動をするということはありません。
基本的にはアパレル店員と同様に、店舗に来店した顧客に対してサービスの説明をした上で、似顔絵を書くということになります。
店舗には、大体2名から3名の画家が在籍していて、顧客はどの画家に似顔絵を書いてもらうか選択することは基本的にできないようです。
画家ですので、似顔絵を書くことが仕事のメインになりますが、視点を変えるとサービス業です。
顧客の似顔絵を書いている時間、無言で対応するということはサービス業としては不足します。
そのため、画家としてのスキルはもちろんのこと、ある程度のコミュニケーション能力を必要とします。
似顔絵の出来が良くても、あまりに不愛想な接客をしてしまうと、リピートされたりするこはありません。
似顔絵画家の苦手分野
似顔絵画家は先述の通り顧客を相手にするサービス業になりますので、ある程度の話術も必要になります。しかし、このトーク力については、苦手としている場合が多いです。
似顔絵画家で転職を目指す求職者の方は、似顔絵の技術はもちろんのこと、ある程度のコミュニケーション力は必要だと思ってください。
現在、私は転職エージェントとして求職者の方の転職支援をさせていただいています。
私の転職エージェントでは規模としては小規模でありながらも、似顔絵画家の求人を受けています。
似顔絵画家の求人に興味を持つ求職者の方は、デザイナーの経験を持つ方や、絵を描くことが得意という方がほとんどです。
そのすべての求職者の方に共通していることは、専門性の高いデザインをすることには長けていても、人と話すことは不得意だということです。
転職エージェントとして、面談をする際も、『この不愛想な対応で、面接に受かるかな』と少し心配するぐらい口下手であり、愛想があまりよくありません。
企業のなかで制作物のデザインをするデザイナーの場合は、社外とのコミュニケーションはほとんどありません。
技術さえしっかりしていれば問題ないのです。
しかし、似顔絵画家は顧客相手の職業なので、技術さえあれば良いという訳にはいかないのです。
似顔絵画家への求人企業の要望
似顔絵画家で転職を希望する求職者の方は、今からご紹介する内容を特に覚えていただきたいです。
先ほど、私の転職エージェントでも似顔絵画家の求人を持っていますとお話しました。
似顔絵画家の求人を公開する企業から、募集要件を聞いていますので、ここで紹介したいと思います。
似顔絵画家の求人は、
- 経験者枠
- 未経験枠
の二つあります。
- デザインスキルは必須
独学よりも、美術大学や専門学校でデザインや絵について学んだ経験 - 似顔絵画家としての実績
給与にも反映される。 - 愛想よく人と話すコミュニケーション能力
- デザインスキル
独学でも問題ないが、美術大学や専門学校で学んだ経験があればなお良い。 - モチベーション
似顔絵という特殊な分野での意欲があるかどうか。 - コミュニケーション能力
愛想よく人と話すことに抵抗を感じないこと
通常、他の専門職については、似顔絵画家のようにそこまで高いコミュニケーション能力を必要とする職種は珍しいです。
似顔絵画家については顧客商売になりますので、コミュニケーション能力は必要とのことです。
経験者については、業務経験・専門スキル・コミュニケーション能力が求められ、選考ハードルは高いと思います。
未経験者については、まずはやる気。できれば専門知識も必要で、コミュニケーション能力はもちろん必須要件になります。
英語力があればさらに活躍の場は広がる
最近、日本には外国人観光客が来訪する方が増えています。
世界にも似顔絵画家という職業はありますが、多くの外国人観光客が日本への来訪記念として、日本の似顔絵画家の店舗を訪れて似顔絵を書いてもらっています。
外国人観光客のなかには、日本語を話すことができる方もいますが、基本的には英語でコミュニケーションを図ります。
似顔絵画家は英語力があれば、外国人観光客への対応もスムーズであるため転職後に活躍の場は広がると思います。
実際、私の転職エージェントで抱える似顔絵画家の求人企業からは語学力がある求職者の方がいれば、ぜひ積極的に紹介してほしいというリクエストをもらっています。
似顔絵画家を抱える企業には、外国人観光客をターゲットとするため社内の教育制度の一つに英会話がある企業もあります。
また、既存の似顔絵画家の方々は外国人観光客への対応をスムーズに行えるレベルの英語力を持っていないです。
もしかすると、似顔絵画家は未経験であっても、外国人観光客への対応担当として店舗へ配属されて英語力を生かすことができると思います。
似顔絵画家としては未経験であるため、店舗に配属され外国人観光客への対応をしながら上司や先輩の絵画力を学ぶということもできると思います。
似顔絵画家の育成プログラム
いま、似顔絵画家は外国人観光客の影響をもありひそかなブームになっています。
店舗に顧客が来店して似顔絵を書く場合、所要時間は約30分から1時間かかります。
店舗運営の基本は、いかに多くの顧客を対応するかという顧客回転率が肝になります。
しかし、一つの店舗に多くても3名程度の画家しか在籍していないため、顧客の数が増えると対応することができずチャンスロスになっています。
現状は、それだけ似顔絵画家は顧客商売という意味で人気がありますが、一方ではその人気を支えるだけの似顔絵画家がおらず、慢性的な人材不足に陥っています。
似顔絵を事業とする企業は、転職エージェントなどに求人を公開してもなかなか応募数を担保することができていません。
世間的に似顔絵画家の働き方や労働条件が、転職市場の求職者の方に伝わっていないということがあるのかもしれません。
先ほど、選考ハードルは高いとお伝えしました。通常の職種では、応募数が少ない場合に選考ハードルを下げて採用する傾向が普通です。
しかし似顔絵画家は顧客商売です。また、専門性が高い職種なので、応募数が少なくても選考ハードルを下げて採用するということはありません。
転職市場に似顔絵画家を目指す求職者の数がそこまで多くない。しかも、選考ハードルは高いとなれば、求人を公開してもなかなか採用決定に至るということはありません。
そこで似顔絵を事業とする企業は、デザインの経験や知識がない方でも似顔絵画家になれる育成プログラムを持っています。
ただし、このプログラムは有料になります。
今回は似顔絵画家の転職についての話になりますので、育成プログラムの詳細については割愛しますが、興味のある方は問い合わせしてみてはいかがかと思います。
似顔絵画家の労働条件
求職者のみなさんは、似顔絵画家の求人を直接、拾ったことはありますでしょうか?つい先日、私は転職サイトで似顔絵画家の求人を見たのですが、その内容は、企業は違っても私の転職エージェントで抱える求人の内容とほとんど同じでした。
転職後の働き方は先述の通りとなりますが、似顔絵画家の労働条件はどうなのでしょうか?求職者の方の中には、似顔絵画家という職種に興味はあっても、労働条件があまりに不明であるため、転職となれば、ちょっと不安が大きいと思う方が多いと思います。
転職エージェントとして、私も積極的に求職者の方に求人の紹介をしていますが、求人にある労働条件を見ても、あまりイメージが湧かないということで、応募するには至らないという状況です。
似顔絵画家の労働条件で、求職者の方が気になる部分は労働時間、休憩、休日、賃金だと思います。この項目を中心にご紹介したいと思いますが、労働条件のうち、働く場所については、転職後にその企業と本人が相談の上で、どの店舗に配属になるか決まります。
店舗で働く職種の場合、転職後に企業から指令を受けて配属店舗が決まることが多いのですが、似顔絵画家という職種については例外的に、企業と労働者が相談した上で配属店舗が決まる形になっているようです。
労働時間について
労働時間については、店舗に配属されて働くため、また、顧客を相手にする職種ですので、店舗運営時間が労働時間ということで、比較的長いと思った方が良いです。
似顔絵の店舗の営業時間は11時から20時となっていますが、その間、シフト制で対応するというよりも、2名から3名のスタッフが同時に出社し、同時に帰社するという形になっています。
残業時間については、ほとんどないと思って大丈夫です。たまに、閉店ギリギリに来店する顧客がいますが、その場合は、対応する形を取りますが、それでも残業は1時間程度とのことです。
1日の標準労働時間が比較的長いため、その分、残業は少ないという形に環境になっています。
労働時間が長いと似顔絵画家には問題がある!
似顔絵画家という職種は、店舗で働く職種になりサービス業というくくりに入ります。
このくくりは労働基準法上、労働時間の特例が認められている職種に該当していますので、1日10時間、週に52時間までは所定労働時間の範囲となります。
そのため8時間を超えても残業代の支給はなく、労働時間についても通常よりも長いということになります。
これは似顔絵画家を目指す以上、仕方ないことですので似顔絵画家を転職希望にする求職者の方はこの点も踏まえて判断した方が良いと思います。
これは私の個人的な考えですが、今後、恐らく似顔絵画家の職種の労働時間は短縮されると思っています。
というのは、ある似顔絵を事業にする企業の役員の方が
『似顔絵は、長時間、休みなく書き続けると集中力がなくなり、似顔絵そのものの精度が下がるため、人材が確保でき次第、労働時間は8時間程度に収めたい。』
と仰っていたからです。
確かに、1日中似顔絵を書き、しかも似顔絵を書きながら顧客とのコミュニケーションも取らなければならないとなれば、サービス業とは言えなかなかタフなことだと思います。
この観点からしても人材の確保ができ次第、そう長くない間に短縮されると思います。
休憩について
休憩はかなり特殊です。
私の転職エージェントで抱える求人の似顔絵画家の休憩では、1日の労働時間中に2時間の休憩があります。
1日に2時間の休憩をどう考えるか求職者のみなさん次第になりますが、私だったら休憩を1時間にしてもらい、帰社時間を1時間早めた方がありがたいと思ってしまいます。
1日2時間の休憩には、ちょっとグレーな話があります。
店舗運営時間中は店舗で働いてもらわなければならないということで、、休憩時間を多めにして似顔絵画家の従業員へ配慮しているのです。
ただし実際の店舗では、1日中顧客の来店がおさまらない場合は、休憩時間を1時間に短縮したり、ランチを食べて休憩が終わる場合もあります。
休憩については企業の配慮と現場の忙しさに差異が生じているため、企業は改善の余地があると考えているようです。
人材が増えれば、店舗運営については一斉出勤ではなくシフト制にして、1日8時間の労働で休憩は1時間に短縮したいとのことです。
これは私の転職エージェントでお付き合いしている、似顔絵を事業としている企業の人事の方に聞いた話です。
今は慢性的な人材不足になっているため、なかなか改善できていないとのことでした。
休日について
顧客サービスになりますので、土日、祝祭日は必ず労働日となり休日になることはありません。
似顔絵画家は店舗で働きます。顧客が休日である日が稼働日となります。似顔絵画家の休日は基本的には平日で、一週間あたり1日から2日ということです。
月間にならすと8日から9日ということが一般的です。
また、年間の休日日数については100日弱という場合が多いです。日本企業の年間の平均休日日数120日より20日ほど少ないです。
ただし、夏季休暇と年末年始休暇は比較的長く確保することができるため、似顔絵画家は、夏季休暇や年末年始休暇を利用して旅行などをすることが多いとのことです。
給料について
問題は給料だと思います。
労働時間は平均より長く、休日日数も少ないとなればある程度の給料は担保したいと考える求職者の方が多いと思います。
残念な話になりますが、似顔絵画家は経験者であっても30万円前後の月収です。
そこに年間の賞与が乗る形になりますので、その企業の業績が良ければ賞与も計算に入れて良いと思いますので、約450万から500万ほどになるようです。
また、未経験者となれば20万前後ということで、アパレル業界の販売員と変わらない給料です。
似顔絵画家は、企業の業績に直接関わる職種です。
個人の売り上げに応じて毎月、インセンティブがあっても良いと思いますが、この部分は賞与の評価項目に入るとのことです。
月間のインセンティブはないと思った方が良いと思います。
実際の現場の働き方としてヒアリングしたことがあり、
「給料はそこまで高いとは言えず、労働時間も平均よりも長い、そして休日日数も少ないなかで、何をモチベーションに仕事をしているのですか?」
と聞いたのですが、その方は、
『絵を描くことが何より好きで、趣味を仕事にできているため、高い給料というよりも充実した時間を過ごせることがモチベーションです。』
と言っていました。
こんな人は似顔絵画家に向いている!
似顔絵画家に向いている方は、まずは絵に興味があること、絵が好きであることが重要です。
世の中には、自分の趣味や好きなことを仕事にしている労働者は少ないと思います。
似顔絵画家を職業とする場合、絵が好きということが前提になりますので、結果的に趣味を仕事にすることができると思います。
また、集中力が高い方は性格的に向いているとのことです。
一つの似顔絵を描き上げるまで約30分から1時間を使います。
現在は似顔絵ブームになっていて、多くの顧客が1日に来店しますので、集中力がなければ似顔絵の質を担保することもできません。
それと、向いているという言い方が適切かどうか分かりませんが、コミュニケーション能力は高い方が良いと思います。
先述でお伝えした通り、顧客を相手にするサービス業となりますので、専門職とは言えコミュニケーション能力は必要です。
似顔絵画家の休日
ここでちょっと話のテイストが違うように思いますが、似顔絵画家の休日の過ごし方についてご紹介します。
似顔絵画家として実務につながる話になります。
似顔絵画家は休日に何をしているかと言いますと、基本的に絵を描いているそうです。
と言うのは、社内で似顔絵のコンテストがあり、コンテストで賞を取ると給料にも反映されます。
また、何より自分が好きな絵という分野で成長するために、休日も絵を描いているようです。
やはり趣味を仕事にしているため、休日に仕事の要素が含まれることをしていても十分、リフレッシュできるという背景があるようです。
似顔絵業界の将来性
求職者のみなさんは、転職において将来性のある業界であれば転職後も安定した働き方ができると思います。
この観点で似顔絵業界の将来性についてご紹介すると、似顔絵というサービスは、店舗で似顔絵を描くだけではなく、結婚式などイベントでも重宝されています。
結婚式に出席したことがある方はイメージがつくと思いますが、新郎と新婦の似顔絵が式場の入り口に飾ってあるのを見た経験はありませんか?
まさに、あの絵が似顔絵です。あの絵も似顔絵事業を行う企業の似顔絵画家が描いています。
今後も店舗で描く似顔絵だけではなく、その他のイベントでもかなり需要があると言われています。
街中で見かける似顔絵を描く画家は今、熱い職種!!!
似顔絵業界は、最近、業界としてとても成長しています。
転職市場では求職者の方になじみが少ないためあまり人気はありませんが、絵が好きという方や絵に興味があるという方には最高の職種だと思います。
選考ハードルは高いと思いますが、ぜひ、チャレンジしてみる価値はあると思います。