葬儀業界への転職は安定志向の人向け?

世の中には、数多くの業界があり、どの業界にもそれぞれ特徴があり長所や短所があります。

私は現在、転職エージェントとして求職者のみなさんの転職支援をしている立場にありますが、なるべく業界は重視した方が良いと思っているタイプです。

転職エージェントは人材業界に属するのですが、正直なところ他の人にオススメできるほど良い業界とは思っていません。

今回のテーマは?

今回は、絶対になくならない業界と言われる葬儀業界を中心にご紹介したいと思います。

私は以前の転職活動経験で、葬儀関係の会社の面接を受けたことがあります。

当時の私は葬儀業界に

  • 暗い
  • 人の不幸を仕事にする

といったイメージがあり、あまり良い印象を持っていませんでした。

恐らく当時の私と同じように、前向きにこの業界に転職したいと考える方は少ないと思います。

しかし、今転職エージェントとして業界研究や転職に関する情報を多く集めている中では、葬儀業界が転職にかなり良い業界とされているのです。

既に、転職エージェントのキャリアアドバイザーからこの業界について話をされたという方もいるのではないかと思います。

では、なぜ、葬儀業界は転職に良いのかをご紹介したいと思います。

景気に左右されにくい業界が転職に向いている

求職者のみなさんは、転職する業界が右肩下がりで、将来的に成長が見込めない場合は不安になりませんか?

結論から言いますと、葬儀業界は経済や景気に左右されない非常に強い業界です。
この業界ほど経済や景気に強い業界はないと思っています。

人は誰しも必ずいつかは亡くなります。
命は永遠のものではないですし、日本の平均寿命は80歳前後と言われています。

そして、人が亡くなった際に葬儀は小さくても必ず行うものです。

その意味でかなり経済や景気に強い業界と言われていますし、今後も絶対になくならない業界の一つと言われています。

葬式とは逆に祝い事をビジネスにしているブライダル業界は、非常に景気に左右されやすい業界と言われています。

懐事情が悪い場合、結婚式費用を削る人や、結婚式を行わない人も多くいるためです。

葬儀業界について

葬儀業界の業界規模は年間で約3兆円ものマーケットです。

私は、転職エージェントとしてそれぞれの業界のマーケット規模を把握していますが、葬儀業界のマーケットがここまで大きいとは予想もしていませんでした。

一応、何となく『人の死に関わる葬式をメインにビジネスにしているので、結構大きいのだろう』とは思っていましたが、ここまで大きなビッグマーケットだとは思っていませんでした。

日本全国に拠点を持つ大企業もありますし、地域をマーケットとする中小規模の企業もあります。

その数は、6000~7000社あると言われています。

企業の採用活動

私の転職エージェントでも葬儀業界からの求人を受けていますが、労働条件は他の一般的な企業と何ら変わりません。

業界の抱える悩み

業界としては、成長マーケットで規模もかなり大きいのですが、事業が葬儀ということで人気は低いです。

誰しも仕事をするなかで、明るく楽しく元気に仕事をした方が良いと考えていると思います。

人の不幸をビジネスにしますので、明るく楽しくという社風がなじむでしょうか。

人の不幸で会社経営をして、従業員もその利益で給料をもらっています

こういったことから人気が出ないという側面は企業が一番理解していますし、どの企業も悩みを抱えています。

とある人事担当に関するエピソード

私が求人を扱っているある企業の人事担当者とのエピソードをご紹介したいと思います。

その企業は、自社の社風をどのようなものにしたら良いか非常に困惑していました。

その人事担当者も、入社した当時から人の不幸から利益を得るビジネスモデルが複雑だったと言っています。

その企業は 中途採用活動で、求職者の方から、『御社の社風を教えてください』との質問がありどう答えるべきか非常に悩んだそうです。

『明るく楽しい社内の雰囲気です』

と答えても微妙な感じになるでしょうし、

『自粛する精神で、社内の雰囲気は厳かなものです』

と答えると、暗い感じでつまらなそうだと感じると思います。

結局、人事担当者は、『ごく普通です』としか答えることができなかったそうです。

業界の新しい取り組み

葬儀業界は、業界として暗い印象を世間から持たれているため、テレビのCMで小さなかわいい女の子をイメージキャラクターにするなどしてイメージを変えようとししています。

その取り組みで最近、話題になっているのが、エンディングノートです。

エンディングノート

今の葬式業界では、葬式のことは「エンディング」と呼びます。

そして、亡くなることが分かっている人に対して、残された家族に対するメッセージや自分自身の人生の感想を残す遺書などが「ノート」となります。

何でもそうでしょうが、日本語で暗いイメージがあるものも、横文字にすると少しイメージが変わることがよくあります。

これを利用して、暗いイメージを変えようとしているのです。

私の転職エージェントで取引している、ある企業は「葬儀業界」ではなく、「エンディング業界」と求人に書いています。
それだけ見ると、どんな業界か分からない気がしなくもないです。

自社の業界名を変えるぐらい、その企業は採用活動に苦戦していますし、迷走してしまっているようにも思います。

今後も成長マーケット

転職や採用という観点では魅力を伝えることが難しい葬儀業界ですが、転職をイメージだけで決めてはいけません。

求職者だった頃の私はこの業界に良いイメージがありませんでしたが、今転職エージェントとして葬儀業界の特徴や情報を多く知るなかで、十分に転職先としてアリな業界だと思っています

葬儀業界は転職しやすい業界ですし、転職後にしっかりした労働条件、労働環境で仕事をすることができます。

しかも我が国の人口動態を見れば一目瞭然ですが、今後お葬式の件数は爆発的に増えていきます。

事業の成長、あるいはサービスの新展開なども見込めるため、私としてはオススメしたい業界です。

絶対になくならない業界

葬儀業界は今後も絶対になくなることはない業界ですし、事業的には全く関係ない大手IT企業が新規参入するという話も聞いています。

今後、この業界はイメージを変えていくと思いますし、お葬式の需要は存在しつづける訳です。

その意味では、社会貢献力が高い業界とも言えますし、ぜひ葬儀業界も転職希望の一つにしてみてはいかがでしょうか。

最後になりますが、求職者のみなさんの転職活動が有意義なものでありることを祈り、これで話を終わりにしようと思います。

最後までお読みいただきありがとうとございました。

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