賃貸不動産の営業職は離職率が低い

一般的に、ハードワークで離職率が高いとされている不動産業界ですが、その中にもいくつか種類があり、やりがいのある面白い仕事もあります。

今回は、不動産業界では珍しく離職率が低く、求職者に人気のある「賃貸不動産の営業」についてご紹介したいと思います。

求職者のみなさんにとってもなじみのある業界と職種

家やマンションを借りる際は賃貸不動産から物件の紹介を受けて気に入る物件を探しますよね。

みなさんも一度は利用したことがあるのではないでしょうか?

家やマンションを借りるシーズンは4月までがピークになっていて、12月~3月ぐらいは賃貸不動産のCMが目立つと思います。

私も現在は賃貸マンションに住んでいますが、必ず賃貸不動産にはお世話になってきました。

私の友人にも何人か賃貸不動産の営業として働いている友人がいますので、その友人から聞いた情報を交えながら賃貸不動産の営業についてご紹介できればと思います。

営業職の転職状況

さて、求職者のみなさんは気になることがあると思います。

  • 離職率が高い不動産業界
  • 離職率が最も高い職種と言われている営業職

どちらの要素も含んでいる「賃貸不動産の営業」が人気というのは本当かなと思うと思います。

そこで、不動産業界と営業職、どちらも世間的にはあまりイメージが良くない要素を持つ「賃貸不動産の営業」がなぜ人気なのか、ご紹介したいと思います。

いかにもブラックくさいが……実は人気の理由とは

私は転職エージェントとして、何度か賃貸不動産の求人を受けたことがありますが、どこも営業体質であることは変わりなく、私も離職率が高いと予測していました。

しかし、その企業の採用支援をしていると、あることに気付いたのです。

賃貸不動産の営業はカウンターのみで行われるので、顧客獲得のために外出して営業するということがないのです。

賃貸不動産の営業はマーケティング担当が行うことになり、顧客対応する営業職の場合は、まず配属された店舗で顧客の来店を待つというスタンスになります。

もし来店数が上がらない場合は、賃貸不動産のマーケティング担当が責任を負うことになります。

営業職の離職率が高いとされる一番の要因は顧客獲得のための営業活動が非常に苦しいということですが、賃貸不動産の営業はこの一番苦しい新規営業を行う必要がないのです。

賃貸不動産の営業は、営業職というよりも接客職という表現の方が適切だと私は思っています。

営業職としての責任

賃貸不動産の営業はカウンターセールスということで、来店した顧客の希望に合わせて賃貸物件を紹介することが最初の仕事になります。

そして、紹介した物件を顧客が気に入れば内見という形になります。

そこで物件の説明をして契約したいとなれば、そのまま契約が完了です。

契約本数のノルマはありますが、そもそも新規顧客の開拓が仕事の範囲になっていないので何より見込み顧客の新規数が重要なのです。

新規顧客の開拓という、大きな部分を仕事の範囲としないので、通常の不動産業界ように厳しい姿勢を持つということはありません。

賃貸不動産の営業というとイメージが悪いかもしれませんが、実際の仕事は接客業とほぼ変わらないのです。

アパレル業界の販売員も、個人のノルマや目標はありますが、カウンターセールスになりますので、厳しい姿勢はありません。

イメージ的にはアパレル業界の販売員を考えてもらえれば、賃貸不動産の営業はイメージしやすいと思います。

伸び調子の業界

賃貸不動産業界は、今伸びています。その理由は、新規参入する企業が多いためです。

賃貸物件の大本は持ち主である大家にあり、賃貸不動産はあくまで、委託を受けて管理や契約を代行するという立場です。

また、誰でも持ち家を持つということはないと思います。

持ち家よりも賃貸物件を住居にしている人の方が多いのではないでしょうか。

賃貸と言っても、人の生活に欠かせない衣食住の一つですので、需要が減ることはありません

業界として今後も需要が増える予測がありますので、転職後は安定した働き方ができると思います。

転職のハードルはあまり高くない!

賃貸不動産の営業は、転職エージェントではなく転職サイトを利用して中途採用活動をしている企業が多いです。

また、地域やエリアに密着した賃貸不動産が多いので、地域やエリアの転職情報誌から探した方が効率は良いと思います。

求人数は多いのですが、選考基準や選考内容はどうでしょうか。

それぞれご紹介したいと思います。

よく見られる選考基準

近年、賃貸不動産の営業の実態を把握する方が増えているので、採用基準は相対的に上がりつつあります。

しかし、それでも現在は基準が高いと言えるほどの状況ではありません。

もともと不動産業界の営業職の選考基準は低くく、採用基準としては低いものでした。

ここ最近になり、賃貸不動産の営業を志望する求職者の方が増えているため、それによりもともと低い選考基準だったものが上がりつつあるということになります。

私の友人が賃貸不動産の営業をしているのですが、最近は、昔に比べて明らかに応募数が増えていると言っていますし、今後も、増えることは容易に想像できると思います。

そのため、私は今こそチャンスだと思っています。

賃貸不動産の営業に特別なスキルは不要ですが、不動産関係に特化した資格があれば優遇されると思います。

特別なスキルよりも、接客業に近い営業職となりますので、顧客への対応力が必要です。

それと、来店した顧客の内見周りは基本的に自社の社用車で行いますので普通自動車免許は持っておいた方が良いです。

やる気アピールを認めてくれる選考内容

選考内容としては書類選考、面接2回ということが一般的です。

また、不動産業界では適性検査を導入する企業が少ないです。

実質的な仕事内容は接客業になりますが、適性検査はほぼないと思って問題ありません。

実際に転職サイトからいくつか求人を見ましたが、適性検査を導入しているものはありませんでした。

私の友人が言うには仮に適性検査があったとしても選考に影響するほどではなく、あくまで形式的に行う程度だそうです。

面接についても、ごく普通の面接内容になると思います

ただ、

  • なぜ賃貸不動産の営業をやりたいのか
  • 賃貸不動産が多いなかで、なぜその賃貸不動産を希望するのか

などの理由は用意した方が良いです。

先述の通り、賃貸不動産の営業は選考基準が上がりつつありますので、準備をしないとしっぺ返しを食らうかもしれません。

一応お伝えしますと、賃貸不動産の営業は学歴偏重主義ではなく、やる気を一番に考えているそうです。

自分の学歴に自信がない求職者の方も、十分勝機のある職種だと言えます。

働き方はどうなるの? 労働時間は? 休日は?

賃貸不動産の営業の働き方は、顧客の希望があれば一緒に内見に出掛けるという内勤半分、外勤半分という、良い意味でバランスが取れた働き方になると思います。

また、勤務時間については朝9時から夜の19時という具合が多く、そのうち1時間は休憩ということで普通の働き方ができます。

また、顧客がいない場合は19時で閉店となり、ほとんど残業がないことが賃貸不動産の営業の特徴だと思います。

不動産業界=残業というイメージが世に浸透している状況ですが、賃貸不動産については残業の意味があまりありませんし、会社として残業抑止を推進している企業が多いです。

私の友人は賃貸不動産の営業として長年働いていますが、最近は他社も含めて残業をする文化が減りつつあるとのことでした。

土日出勤、水曜日が休日

不動産業界=休日は平日、そして年間の休日日数が少ないというイメージがありますが、この点については不動産業界の特徴を踏襲している形となっています。

土日が休日ということはほとんどなく、水曜が定休日で、隔週で火曜も休日になるといった具合が多いようです。

年間の休日日数は100日前後が平均です。

ただ、夏季休暇と年末年始休暇は長くなっていて、年末年始休暇は10日前後が平均となっています。

10日前後の連続休日は、他の業界や企業に比べても長いと思います。

引っ越しシーズンは賃貸不動産の営業は繁忙期になり、1月の後半から3月までは、休日に出勤することもよくあります

ただ、その際は、振替休日という仕組みで他の閑散期に休日を取得することができます。

私の友人いわく、賃貸不動産の営業は、1年の売り上げの半分をこの繁忙期に稼ぐぐらい忙しいとのことでした。

賃貸不動産の営業の場合、年間の繁忙期と閑散期が明確になっていますので、プライベートの計画も立てやすいと個人的には思っています。

気になる給料体系は?

賃貸不動産の営業の働き方については、不動産業界・営業職でありながら、安心して仕事ができる環境にあると思います。

これで、給料もそこそこ高いようであれば、求職者のみなさんにとっては、転職希望の一つに入れてみようかと考える方もいると思います。

では、早速、賃貸不動産の営業の給料についてご紹介しましょう。

転職サイトや私の友人の情報をもとにご紹介すると、後述でご紹介する資格を持っていれば、毎月2万円の手当が別途支給され、月給としては30万円前後が相場となっています。

そこに個人業績が入る賞与が年2回あり、年収で考えると450万~500万円が相場となっています。

ただし、企業ごとに賃金テーブルは異なりますし、役職に応じて年収は上がります。

私の友人の年収は900万円前後とのことで、不動産業界では決して高いとは言えませんが、安定した仕事内容や働き方から考えると十分高い年収だと思います。

実は低い離職率! その理由は?

賃貸不動産の営業の離職率は不動産業界や営業職でありながら、それに比べると奇跡に近いぐらい低いです。

この理由は、これまでお伝えしたような労働条件などが多分に影響しているのですが、何より店舗内が殺伐とした環境でなく、人間関係が非常に良いということがあるようです。

特に地域密着の小規模の賃貸不動産の離職率は10%を切るぐらい低いです。

日本の平均離職率は10%を超えています。
つまり賃貸不動産は平均よりも離職率が低いということになります。

賃貸不動産の場合は、離職率という意味では不安要素はないと思います。

女性も多く活躍している

離職率も低く残業も少ない、しかも仕事内容が営業職でありながら目標やノルマに追われることがほとんどない。

そんな賃貸不動産の営業ですので、女性の労働者も多く活躍しています。

結婚してもそのまま働き続ける女性も多くいます。

家庭を持ち育児も行うワーキングマザーや将来、結婚や育児を想定している女性の求職者には良い環境だと思います。

資格があればより活躍できる!

賃貸不動産の営業は宅地建物取引主任者という資格があればさらに活躍できるとされています。

難易度はそれなりに高いですが、頑張れば取得できる資格です。

資格手当も含まれますので、ぜひチャレンジしてみてはいかがかと思います。

これまでの不動産業界や営業職のイメージを覆す賃貸不動産の営業は、転職に安定を求める方にとってはオススメできる仕事だと思います。

最後になりますが、求職者のみなさんの転職活動が有意義なものであることを祈り、これで話を終わりにしたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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