【人事経験者が語る】職務経歴書に休職歴があると、IT業界は厳しい?
休職(歴)を持つ求職者はどれぐらいいるのか?
求職者のみなさん、こんにちは。
転職活動は、順調に進んでいますでしょうか。私は転職エージェントとして働いていますので、多くの求職者の方が、転職活動に不安を持ちながらも、前向きに活動していることを知っています。
求職者のみなさんの転職支援に関わる者としては、非常にうれしいことですが、しかし、求職者のみなさんのなかには、人には言えない悩み事などがあり、すべてを前向きに捉えることが難しいという方もいます。
その一例が今回のテーマの主役となる休職ということになりますが、今回のテーマは、『休職経験がある求職者は必読!転職活動と休職の関係性について』ということで、休職と転職活動の関係性や、休職を取り巻く転職活動の環境について、いくつかの視点などを通じてご紹介できればと考えています。
私は、転職エージェントとして活動する以前は、企業の人事として中途採用にも従事していた経験を持ちますし、また、求職者としても転職活動を何度か経験しています。
これらの立場から休職(歴)を持つ、求職者の方がどのように転職活動をすれば良いのか、また、法的な観点でどのような対応が求職者の方には必票なのかなども触れていきたいと思います。
今の転職市場は多くの求職者の方が存在していますが、求職者のみなさんは他の求職者の方の転職活動の動向を知る機会は少ないと思いますし、また、休職経験があるという求職者の方がどれぐらいいるかということも知らないと思います。
でも、表に出ないだけで、休職経験を持つ求職者の方は、それなりに多いというデータが転職エージェントの中ではあります。
今は健康な心身で転職活動ができているとしても、病気やケガは誰にでもあることで、いつそうなるか分かりません。
もちろん、休職はしないことが一番なのですが、万が一、自分がそうなったときに、どのような転職活動をすれば良いのか、今回のテーマはヒントにすることもできると思いますので、是非、自分ごととして捉えてお読み頂ければと思います。
休職歴を持つ求職者を企業はどう思うのか?
求職者のみなさんは、転職活動を通して、必ず企業に転職すると思いますので、相手である企業が休職歴を持つ求職者の方をどのように考えているのか、または、採用するかどうかについて触れておきたいと思います。
先述の通り、私は、かつては、人事として中途採用にも従事した経験を持ちますので、この経験も踏まえてご紹介できればと思います。
まず、企業は、採用活動において、病気やケガをしたことにより休職経験を持つ求職者と休職経験がない求職者の方では、後者の求職者の方を採用する意向があります。
理由については、健康面に不安がある求職者の方を、自社でわざわざ高い採用コストを投資して採用するでしょうか。
求職者のみなさんが企業の経営者や人事担当者であれば、今、私が記述したように健康な求職者の方を優先的に採用するのではないかと思います。
ただ、絶対ということはなく、病気とケガで見解は分かれます。まず、ケガです。
これについては、骨折などで完全完治し、完治後に日常生活や業務に支障がないということであれば、企業も安心感を持ち、ケガによる休職歴については、ほとんど選考に影響することはありません。
例外として数年にわたり治療を要してしまい、その間、企業に在籍していたとしても、業務に就くことができず、経験が浅く採用基準に満たないという場合は、休職歴が影響と言うよりも、ケガによるスキル不足ということになるかと思います。
問題は、病気になる訳ですが、最近、日本においては、過重労働やその他、私生活により精神疾患など心の病になる方が増えています。
これは、病院側にも大きな問題があるのですが、これについては、後ほど、触れるとしてここでは割愛します。
病気については、外傷ではないため、特に精神疾患については、完全治癒ということがなかなか判断しにくいということで、企業はそのような理由で休職歴を持つ求職者の方については、非常に神経質になり、採用を控える傾向が強いです。
書類選考にはかなりマイナス理由となる
精神疾患による休職歴は、企業の選考フローにおいて、特に書類選考ではかなりのマイナス理由になります。
私も企業の人事として書類選考の経験がありますが、書類選考は、当然、書類上で選考を決める訳ですから、応募した求職者の方を見た目や口頭で判断することができません。
しかも、転職エージェントを利用している場合、転職エージェントから企業に求職者の方を紹介する際に、推薦状というものが付け加えられますが、その推薦状に、これまでの簡単な職歴や休職歴がある場合は、その理由も明記されますが、企業の人事担当者は、書類選考で、転職エージェントの推薦状に『精神疾患により休職』という文言を目にした段階で、その後の履歴書や職務経歴書の内容を見ようとする気が減ります。
もっと言いますと、前職や現職においての労働環境が激務で、仕事により精神疾患になり休職したという文言があった場合、最悪のケースは、その段階で書類選考は見送りにされることもあるでしょう。
冷たいようですが、他の企業の人事担当者もそうですが、私自身も業務上における精神疾患による休職歴は、かなりマイナスイメージを持っていました。
その理由は、過去の休職歴というよりも、転職後、つまり、現在と未来にわたって考えると、入社してもまた同じように休職されてしまうと、戦力にならないことはもちろん、組織に大きな影響を与えてしまうリスクを持つからです。
転職エージェントとしての視点でお話しても、同様ですが、精神疾患、特に業務上が理由の精神疾患の休職については、ストレートに言いますと、『この求職者の方は、間違いなく転職活動が長期化するだろう』と思います。
その予測は、単なる予測ではなく、これまでの経験を踏まえてのことですので、かなり信ぴょう性が高いと私は自分で思っています。
私のこれまでの転職エージェント経験で、業務上が理由で精神疾患による休職の求職者の方で、転職活動が1カ月や3カ月という平均的な転職活動期間で転職が決定したというケースは、ゼロと言っても良いです。
しかし、精神疾患による休職をされた求職者の方も、好きでそうなった訳ではないでしょうし、では、どのようにすれば良いのか、このあと、ご紹介したいと思います。
簡単に病院に行ってはいけない
休職してしまってから転職活動しても、特別な対応策を取ることは難しいですので(例外的な飛び道具を除く。これについては後述でご紹介します。)、元人事であり転職エージェントとしての私の経験を踏まえると、簡単に病院に行ってはいけないということです。
今の日本は、ある意味、精神疾患ブームになっているので、精神科などの病院は非常に儲かっています。
これは、人が時代の流れに乗ってしまい、周りが病院に行っているから自分も行ってみようかなと軽い感覚で病院に行ってしまうからです。
この風潮は、非常に良くありません。特に転職活動を考える求職者の方にとっては、最悪なことです。病院に行くと、ほぼ100%の確率で、何かしらの病名をつけられて病気にされます。
大した症状でなくても、病院も何かあると病院の責任になっていまいますので、すぐに病名をつけて、休職するように指示し、会社に診断書を持っていくように言います。さらには、もっと大きな問題は、薬です。
大体の場合、薬の処方がありますが、この薬は劇薬であることもあり、なかには、睡眠導入剤的なものも含まれていることがあります。
私の友人に医薬品に詳しい友人がいますが、精神科などから処方される薬は非常に効果が強いことはありますが、その分、薬漬けになってしまい、なかなか元の体調に戻ることができないというデメリットがあります。
実際に、最初は大した症状ではなかったにも関わらず、薬によりさらに状態が悪くなるという事案も聞いています。
つまり、最初は軽い気持ちで病院に行き、薬によりさらに症状が悪くなるという錯覚に陥り、休職期間が長くなり、職場復帰や現場復帰が難しくなるというオチです。
私は精神疾患や休職を経験したことはありませんが、人事だった当時、何人か精神疾患という診断書を持参して、そのまま休職してた従業員を知っていますが、一度、休職してしまうと、本人の心のバランスがさらに崩れて、必要以上に療養が長引き、その後のビジネスマン人生に大きな影響を及ぼすことが良くあります。
ですので、私は思います。もし、多少の違和感ぐらいならば簡単に病院に行かずに、自宅療養を選択した方が良いと思います。一度の簡単な病院という選択が、その後に重たい影を落とすこともあります。
休職中に転職活動!?
次に、休職してしまった方が、転職活動をして良いのかということに触れたいと思いますが、結論から言いますと、全く問題ありません。
もし、休職されている方のなかで、現場復帰が難しく、転職をお考えだという方は、積極的に転職活動をしても問題ありません。
ただ、現職には当然のことながら、転職活動をするということは、絶対に伝えてはいけません。
もとより、企業からしても、一度、精神疾患による休職をした方は、職場復帰することはほとんどないと経験上、分かっていますので、復帰の期待はないのですが、そこは大人の事情ということで、企業も、特別、触れることはないと思います。
休職中に転職活動をしてはいけないという考えを持つ方もいるのですが、これは何を根拠にそのような思考をお持ちなのか良くわかりませんが、法令その他の規制は一切ありませんし、そもそもとして、転職活動をするかどうかは休職と一切、無関係ですので、気にすることはありません。
転職活動は、個人のタイミングですし、現職とは違った職場で仕事がしたいと考えるときが、そのタイミングな訳ですから、タイミングの理由については、特に考える必要はないと思います。
たまたまと言っては語弊があるかもしれませんが、偶然、休職したタイミングが転職活動を始めようとしたタイミングというだけです。
ここについては、フランクにライトに考えて問題ないことです。
求職者の方のなかで、『でも、転職活動中に生計維持が難しい。どうしたら良いのか?』という疑問や不安を持っている方もいると思いますので、その場合の対策について、ご紹介したいと思います。
パターンは2つあります。どちらも、法令上は全く問題ないことですので、ご安心頂ければと思います。
ちなみに、転職エージェントとしても、私は、この2つのパターンを推奨していますし、今まで、問題に発展したことは一度もありませんので、十分、ご活用頂けることかなと思いますので、是非、参考にして頂ければと思います。
副業をしながら転職活動
1つ目のパターンは、休職している求職者の方が、現職には伝えることなく、軽作業などの副業を行い、それで生計を維持して、転職活動を進めるというやり方です。これについては、気を付けて頂きたい点があります。
それは現職との兼ね合いです。最近は、日本の企業も欧米に習い、副業を禁止していない企業が増えつつあります。
ただ、そうは言っても、副業を禁止している企業もまだまだ存在しますので、副業禁止としている企業に在籍されている求職者の方は、就業規則でその内容を確認した方が良いと思います。
もし、現職の就業規則に副業禁止となっていても、現職に知られなければ特別、問題ありませんし、知られる確率はほとんどないと言えるでしょう。
ですので、仮に副業禁止となっていても、人の目に触れない仕事を選んで、副業を行い、自分の生計を維持しつつ、転職活動を行い、転職を狙うというやり方が良いと思います。
精神疾患による休職の求職者の方でも、軽作業であればできるという場合は、社会復帰がてらに副業は良いことだと思います。
精神疾患による休職をされた方は、本質的な問題は、自分自身の心の問題であり、社会に出ることを恐れているケースが見受けられますので、簡単な作業であれば、ある意味、気楽に社会と対応することもできるでしょうから、是非、お勧めしたいことです。
今の時代、軽作業系の仕事はたくさんあります。自宅近所にも恐らく何かしらあると思いますし、もし、ご家族や友人、知人の方で仕事をされている方がいるのであれば、自分が知っている方の仕事を手伝うだけでも違うと思います。
とにかく、休職期間中に転職活動をするという求職者の方は、生計維持と社会復帰のこの2つを目的にしなければ、休職歴は転職活動において、長期化する大きな原因ですので、短期で転職活動を終えることは難しいでしょうから、リスクヘッジの意味でも必要なことです。
傷病手当金を受給しながら転職活動
求職者のみなさんは、現職で健康保険に加入されていると思います。事業会社に在籍している方は、国民皆保険という制度がある以上、必ず何かしらの健康保険に加入する義務を負います。
もし、現職で健康保険に加入していないという方は、その企業は違法の企業ですので、休職云々は関係なく、退職すべきだと思います。
さて、話を戻しますが、現在、加入されている健康保険には、病気やケガで仕事をすることができない場合に、その生活保証として、傷病手当金という制度があります。
この制度を知らないという方も多いようですが、是非、この機会に傷病手当金について詳しく知って頂ければと思います。病気やケガになった際に必ず、ご自身のお役に立つと思いますので。
この傷病手当金は、健康保険に加入してる方であれば、誰でも受給することができるもので、月給の約3分の2の額を毎月、支給されます。
支給要件にはいくつか条件があるのですが、病気やケガで休職されている方であれば、かならず、その条件はクリアしていると思いますので、必ず支給を受けることができると思います。
この傷病手当金により毎月の生活は維持することができますし、その間を利用して転職活動をすれば良いと思います。
傷病手当金は、現職で仕事ができない場合に支給される仕組みですので、その間、転職活動をしてはいけないという規定はありません。
リハビリも含めて社会復帰を目指すために転職活動をしているということは、社会保険制度の大義名分であり、全く問題のないことです。
ただ、注意点として、傷病手当金は、支給開始から1年半という短期間になりますので、求職者のみなさんからすると、1年半以内に転職活動を終えて、転職することが必要になります。
1年半もあれば、何とかなるだろうと思うかもしれませんが、休職歴はそこまで甘いものではないですので、私個人のこれまでの転職エージェント経験としては、1年半でもぎりぎりぐらいかなという気はしています。
また、現職に関しても、傷病手当金を受給している期間に転職活動をしているということは、自ら触れる必要はないと思います。仮に現職に復職する意思があると現職に伝えているのであれば、なおさら、伝えてはいけないことです。
言っていることとやっていることがアンマッチして、ロジックがありませんので、現職も決して良い気はしないでしょうし、求職者のみなさん自らが、現職と波風立てるようなことはする必要はないです。
飛び道具の転職活動
まず、予めお伝えしますが、これからご紹介する方法は、私はあまりお勧めできないやり方で、転職エージェントとしても、求職者の方に一度も推奨したことはありません。
ただ、求職者の方から、休職歴をうまく伝える方法はないか?と相談があった際には、やむを得ない形で、これからご紹介するやり方を紹介しています。
とは、言え、正攻法のやり方ではないということはご承知頂ければと思いますし、なるべくならば、この方法は使わない方が良いかなと思います。
その方法とは、休職歴をかき消すやり方です。この方法は、何も休職歴を消す、抹消するということではないので、虚偽には該当しません。ギリギリのラインでグレーゾーンになるかなと思います。
求職者の方ならば、だれしも知っていると思いますが、企業へ応募する際に職務経歴書を提出すると思います。
職務経歴書とは、履歴書よりも細かく、それまで、どの企業で、どのような仕事を、どれぐらいの期間、従事してきたのかという内容を記載するものです。
これにより、企業は履歴書よりも、より具体的に求職者の方の経験やスキル、知識を把握し、書類選考を行う訳ですが、休職歴をそのまま職務経歴書に記載してしまうと、転職エージェントも推薦状にその事実をストレートに記載しなければなりません。
そこで、職務経歴書には休職歴は記載するとしても、休職した理由については、あえて書かないということを行う訳です。
聞かれた場合は、仕方なく事実を伝える必要はありますが、企業は書類選考において、職務経歴書の内容について、わざわざ、転職エージェントや本人に聞くということは、ほとんどありません。
休職の理由が気になっていても、その他の職務内容で魅力的な部分があれば、書類選考を通過させて、面接で聞くという流れを取ります。
求職者の方であれば、だれしも不得意とし、なかなか書類選考が通過しないということは課題になるかと思いますが、休職歴を持つ求職者の方はそれ以上に難関になりますので、まずは、鬼門とも言える書類選考をいかに通過するのかというところに重きを置いた方が良いと思います。
会って健康だということを証明する
書類選考は面接官と会うことなく、合否が出ますが、書類選考さえ通過してしまえば、今は健康で、今後についても支障がないということ、自らの言葉で、また、自らが証明することができる機会を求職者の方は得られます。
面接で談判しても、相手である面接官が納得しないため、見送りになるのであれば、ある程度の納得感もあるでしょうが、書類選考だけで判断され見送りになることは納得感も得られないと思います。
どのような方法を使ってもとは言いませんが、とにかく、休職歴のある求職者の方は、面接に進み、そして、面接で健康であることや仕事に支障がないということを自ら証明する機会を作らなければなりません。
その意味では、直接応募の範囲に含まれる転職サイトや自己応募よりも転職エージェントを利用した方が、求職者の方にとっては都合が良いと思います。
転職エージェントを利用することで、書類選考上、合否ギリギリという場合は、ケアーしてくれますし、そのケアーにより書類選考が通過するということも想定できます。
書類選考を通過すると、休職歴を持つ求職者の方でも、意外と選考を通過して内定を勝ち取るケースは可能性として上がります。
これは、私の転職エージェントとしての経験上もそうですし、他社の転職エージェントから話を聞いても同様の回答です。
つまり、休職歴を持つ求職者の方がなぜ、転職活動期間が長くなり、転職活動に苦戦するのかと言いますと、それは、書類選考との相性が非常に悪いからです。
この書類選考さえ通過してしまえば、あとは、面接ですので、多少のビハインドはあっても、大きなビハインドにはなりません。
企業のなかには、精神疾患により休職だったと面接で分かっても、医師の証明書があれば、完治したとみなし、そのまま次の面接や内定を出す企業も多いですので、医師との協力体制もしっかり整備しておいた方が良いと思います。
休職歴を嫌う業界・職種
転職市場には、多くの企業が求人を公開し採用活動を行っていますが、それらの企業はいくつかの業界に分けることができます。
業界ごとに特徴や傾向はありますが、とりわけ休職歴を持つ求職者の方、特に精神疾患により休職をした経験を持つ求職者の方を非常に敬遠する業界があります。
その業界についてお話するとともに、その理由についても触れておきたいと思います。
私は、以前、企業の人事担当として仕事をしていたことはお伝えした通りですが、転職エージェントとしても他の転職エージェントや取引企業との交流が良くあるため、色々な業界を知っていますが、こらからご紹介する業界については、精神疾患による休職歴を持つ求職者の方は転職活動は控えた方が良いかもしれません。
と言うのは、アンチ精神疾患歴を持つ求職者という文化が強く浸透していますので、他の業界以上に苦戦することは必至です。
その代表的な業界は、IT業界です。IT業界と聞くと、求職者のみなさんは、どのような労働環境をイメージされますか?IT業界で、しかも、ベンチャー企業と聞くと、さらに、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
私は、転職エージェントとして活動する以前から、IT業界やIT業界、かつ、ベンチャー企業と聞くと、激務、ハードワークを連想します。
それぞれの企業が独特の社風を持ち、福利厚生が充実しているとして、若手人材を積極的に採用するのですが、その理由は、若手であれば、体力もあり余っていて、激務やハードワークにも耐えられるだろうと想定してのことです。
この環境を普通に考えると、休職歴を持つ求職者の方はどうでしょうか。ご自身がIT業界に転職したあとに、自分が患った精神疾患が再発するのではないかと不安になりませんか?
ちなみに、補足情報として、IT業界出身の求職者の方のなかで業務上の精神疾患により休職した経験があるという方は非常に多いですし、他の業界に比べても、その数は頭一つ飛び出ています。
IT業界には、ブラック企業が多く存在するということは、今更、言うまでもないのですが、ベンチャー企業となれば、その確率は一気に高まります。
この業界は若いうちは良いのですが、長い期間、就業できる環境はあまりないと思った方が良いですし、業務により心のバランスを崩し、精神疾患のなるということも十分に考えられます。
せっかく転職しても、また同じように休職してしまったとなれば、元も子もない話ですので、私の転職エージェントとしての経験上、精神疾患を一度、過去に経験し休職歴を持つ求職者の方は、IT業界、特にIT業界のベンチャー企業は控えた方が良いと思います。
営業職は気を付けよう
次に職種です。職種単位でみると精神疾患により休職をしたという方の割合は営業職が最も多いです。やはり、仕事上のストレスが他の職種に比べると多いからだと言えます。
この営業職は、とにかく気力や精神面が強い求職者の方を期待していますので、過去に精神疾患による休職を経験した求職者の方を精神面が弱いと、ある意味、決めつけているため、採用を見送るケースが目立ちます。
しかし、営業職でも、不動産業界については、全くの真逆の状況で、過去に精神疾患による休職を経験した求職者の方であっても、完治さえしていれば全く問題なく採用するという文化を持っています。
今、この内容を読んで、求職者の方のなかには、『不動産業界の営業職はチャンスなんだ!』と思った方もいるでしょうが、確かに採用という一点だけ考えるのであれば、チャンスです。
他の業界や職種に比べると転職決定することはできると思います。しかし!!求職者のみなさんは、何のために転職するのでしょうか。転職のために転職するのですか?違いますよね?
転職は、あくまで手段であり、転職を手段として、転職後に長期的に活躍し自分のキャリアを高め、生計を維持するために転職するのではないでしょうか。
この観点で考えれば、採用という一点だけでは確かに良いとは言っても、転職後にハードワークで、ノルマや数字など強いストレスを感じる業界の職種で仕事をしても、あまり転職前の課題を解決する術にはならないと思います。
多少、時間はかかっても自分が転職後に長く安定的、働ける職場環境を持つ業界や職種、または、企業に転職した方が長期的な視点で考えれば絶対に得策だと私は思います。
最後に・・・
休職経験を持つ求職者の方、または、現在、休職をされていて転職活動をされている求職者の方は、今回のテーマは、非常に自分事として感じることができたのではないかと思います。
なかなか、自分と同じ休職歴などを持つ他の求職者の方が、どのような転職活動をしているのか、また、状況はどうなのかなど知る機会は少ないと思いますので、是非、今回のテーマを参考にして頂き、ご自身の転職活動に役立ててほしいと思います。
文中でもお伝えしましたが、休職してしまっては、なかなか転職活動で短期的に終わるということは難しいですが、対応策としては、軽度の症状であるならば、軽い気持ちで病院に行かないということです。
これまで、多くの精神疾患による休職を経験した求職者の方の転職支援をしてきましたが、軽い症状で病院に行き、必要以上に休職期間が長くなり、それがダイレクトに転職活動に影響することは決して良いとは思えません。
薬漬けになり、転職活動はおろか、社会復帰にも時間がかかるよりも、自宅療養を行いながら、転職活動をした方が絶対に良いです。
休職をしてはいけないとは言いません。個人ごとに事情があると思います。ただ、無駄な休職は転職活動において好転することはないと、今回のテーマで再認識してほしいと思います。
多少、厳しい発言になったかもしれませんが、求職者のみなさんの転職活動で苦戦するよりも、ある程度、早期に終了した方が良いと思うので、ご了承頂ければと思います。