ブランド選びが肝心のアパレル業界! 転職に向けて働きやすさと将来性を見極めよう
華やかな印象で、多くの女性が憧れるアパレル業界。一方で、過酷な労働環境や低賃金などのブラックな面が語られることも多い業界です。では、実際のアパレル業界はどんなところなのか?
今回は、アパレル業界で2年間働いた私が、アパレル業界の裏事情をお伝えします。
- 執筆者の情報
- 名前:山本美紀(仮名)
性別:女性
年齢:36歳
業界(歴):アパレル(2年)、広告(6年)、IT(1年)
職種(歴):サービススタッフ(2年)、エディター(7年)
今回の記事の目次
アパレル業界の労働環境は、お店次第!?
まずはアパレル業界の労働環境をチェックしていきましょう。私の場合、わずか2年間で3つの店舗を経験しました。1店舗目は、レディース、メンズ、キッズ、雑貨まで扱う広いお店で、スタッフは15名弱。
そのため、朝番、遅番制があり、開店前から18時半までの朝番と、11時から閉店までの遅番がありました。ただし、遅番は家庭のある先輩方が希望していたので、私は基本的には朝番。
多忙な時期には通しと呼ばれる丸1日の勤務もあり。2店舗目は4名体制の超小規模店舗。そのため、基本は通しで、平日は2名体制のため、休憩を回す間はお店に自分1人なんてことも日常でした。
どちらのお店でも、夏休み、冬休みはしっかりと取ることができ、とっても働きやすい環境だったと思います。でも、これは実はとっても恵まれた環境だったのかも。
一部の店舗では、連休を取ることができなかったり、平日1人体制だったりするハードな労働環境に置かれる場合もあるんだとか。これは、お店の規模と体制によるところが多いと思います。
アパレル業界で働いてみたいなと思う人は、まずは希望のお店の様子を見に行くことをおすすめします。普段は何人で働いているのかを見るだけでも、そのお店の労働環境を知ることができますよ。
お給料は本当に安いの? それもお店次第
次に多くの人が気になるのが、アパレル業界のお給料水準です。私が働いていたのは、アパレル業界で知らない人はいない、トップ3に入るような大きな会社でしたので、お給料は“普通”。
決してすごく良い額ではないと思いますが、でも暮らしていけないほどの低賃金でもない、といったところです。私の場合、初任給は東京エリア、大卒で22万程度だったと記憶しています。
ボーナスも、ある程度の額はきちんと支払われます。私が勤めていたお店では、個人目標の達成率と店舗目標の達成率に加えて、勤務態度などの項目がボーナス査定のポイントになっていました。
これは私の勤めていた店舗が1,000名を超える従業員を抱える超大企業だったから、という点が大きいと思います。一部の小規模店や個人経営のお店では、給与体系があいまいな可能性も。
勤務前にそのお店の給与体系を知ることは難しいですが、お店の人と話をしていて、10年以上勤めているスタッフがいるお店は、安心して働ける給与体系が作られているかどうかを判断する基準になりますね。
女性だらけの世界ならではの働きやすさ
アパレル業界の特長として、圧倒的に女性が多いというものがあります。特に、レディースを扱う店舗はほとんどのスタッフが女性です。では、女性だらけだと働きづらいかというと、そうとも言い切れません。
実際に私が勤めていたお店は18歳から50代まで、幅広い年齢の女性が勤務していました。当然、独身の人もいれば、旦那さんや子どもがいる人も。
だからこそ、女性が働きやすい環境がきちんと整備されていましたし、自分のライフプランをさまざまな観点から考える参考例になる先輩もたくさんいらっしゃいました。
自分の5年後、10年後を想像しやすい環境こそ、アパレル業界の意外なメリットの一つかもしれません。ただし、女性同士の争いがないわけではありません。好き嫌いや妬みは日常茶飯事。
正直、意地悪をされたりすることがないわけではありませんが、それをどうこう言わせない圧倒的なシステム・売り上げ目標があるので、達成者はどんな風であっても、認められるという分かりやすさがあるのも事実です。
私の経験でも、ちょっと性格が悪いかなと思う女性でも売り上げ目標をきちんと達成している人には、それなりに学ぶところがあるので、尊敬されるという傾向がありました。
意外なメリット!? 流行を激安でゲット
アパレル業界で働く場合、店頭で販売している洋服を社販価格で購入し着用する必要があります。いくら社販とはいえ、それなりにお財布の負担にはなるこの制度ですが、実はいろいろなメリットがある場合も。
例えば、私服としても使用できる洋服であれば、最新の流行をお得な価格で手に入れられるということ。
また、私の勤めていたお店では、セール前に自分のほしいアイテムを取り置きしておいて、最安値になってから購入するという裏技をしている人もいました。
これはもちろん、本当はNG行為なのですが、せっかくアパレル業界に働くのですから、これくらいのメリットはあってもいいですよね? そしてもう一つのメリットは、ファミリーセールの存在です。
大手アパレルメーカーの大半は従業員およびその家族のためのスペシャルなセールを開催しています。今シーズンのアイテムからサンプルまで、ひょっとすると90%オフなんていうとんでも価格で購入することができるんですよ。
長く働くためには、ブランド選びが肝心
最後に、これからアパレル業界に転職しようかなと考えている人に覚えておいてほしい重要なポイントをお伝えします。それは、長く働ける環境かどうか。その判断基準はそのお店のラインナップにあると思います。
今の年齢でどんなに素敵なお洋服を扱っているお店でも、自分が5年後、10年後の年齢になった時に販売できるかが肝心です。
たとえて言うならば、可愛いギャル服のお店は若いうちは問題ありませんが、10年後、自分の年齢が上がった時には、少し浮いてしまいますよね? そこで私が提案したいのが、複数ブランドを持つアパレルメーカーでの勤務です。
今の自分に合うブランドだけでなく、数年後の自分にも似合うブランドを持っている企業であれば、年齢とともにブランドを移動するという選択肢があります。これなら、長く働き続けることができますね。
アパレル業界は楽しい!
いかがでしたか? アパレル業界の裏側をお伝えした今回。実際にアパレル業界で働いていた私のシンプルな感想は“楽しい!”の一言です。
もちろん辛いことがないわけではありませんが、毎日大好きなお洋服に囲まれ、刺激を与えてくれるスタッフやお客さんを接することができるこの仕事は、自分を成長させてくれるものでした。
アパレル業界への転職を考えている方はまず、希望するお店に足を運んで、その雰囲気をしっかりとチェックしてくださいね。
この記事の筆者
山本美紀(仮名)
1980年生まれです。大学卒業と同時に、アパレルメーカーに勤務。2年後に退職し、海外留学へ。その後、そのまま海外の日系企業に就職し6年間楽しい海外勤務を経験しました。現在は、東京のど真ん中にあるIT企業でエディターという名のなんでも屋さんをしています。ちょっぴり海外生活が恋しいところ……。でも、東京オリンピックまではこの街でがんばるぞ!