転職活動でも経歴詐称は立派な犯罪です!!

みなさん、こんにちは。

みなさんは転職活動をしていて、『自分の職歴や実績が、もっとこうだったら良かったのにな』と思ったことはありませんか?私は求職者時代に何度も思いました。

しかし、現実は違います。過ぎ去った過去は二度と戻りませんし、求職者としては過ぎ去った過去の実績や経験は変えることはできません。

今回は、転職活動において、転職活動を有利に運ぶために、良からぬ行動を取らないようにするためのアドバイスをご紹介したいと思います。

まずは、転職活動における法的規制と職歴内容に着色することはどうなのか?このあたりから話を起こしていこうと思います。

転職活動の法的規制

転職活動ではどのような方法を使っても、紳士協定として求職者自身の主張を信じることが多く、また、法的な規制はありません。

労働基準法は雇用契約があって適用される労働者としてですから、求職者である身分で転職活動には適用外です。

例えば、転職サイトに求職者自身の経歴を記載する欄がありますが、この欄に何を書いてもそれを転職サイト側が審査することはありません。

また、転職サイトに掲載している企業も、何ら疑うことなく、そこに記載された経歴を見て、スカウトメールを出したりします。

転職エージェントについても、そうです。キャリアアドバイザーは、その内容についてヒアリングはあるものの、疑うことはありません。

どのような方法においても求職者が主張する経歴が正となるのです。そのため、求職者はその経歴に責任を持つ必要があります。

職歴内容に着色

求職者の中に、自分も経歴にウソではないものの実績などで着色したことがある人はいませんか?

例えば、ある営業成績で本当は90万円のところをキリの良い100万円にしてみるなどです。

90万円でも100万円でも、求職者以外は誰も真実を知りませんし、疑うこともありません。

着色することはあまり良くはありませんが、ある意味、テクニックとして一つの方法ではあります。

ただ、90万円と記載するのではなく、100万円としたいのであれば、約100万円としてはいかがでしょうか?

転職エージェントをしている私からすると、着色もできれば控えた方が良いものです。

では、転職活動において、絶対にやってはいけないことを、このあと、ご紹介します。

経歴詐称

先述の通り、求職者は転職決定を希望して転職活動を行うのですが、思うようにいかない場合が多々あります。

人は追い込まれると、その状況を何とか打開しようとする習性がありますが、求職者にとっても同じことが言えます。

求職者の一部では、転職成功の裏ワザとして経歴詐称をテクニックと考えている人もいるようですが、これは絶対やめましょう。

学歴の詐称

誰しも、学歴があると思います。履歴書には、基本的に高等学校以上から記載することが一つのルールとなっています。

転職では学歴はあまり関係ない企業も多くありますが、中には、企業での経験と共に学歴も重視する企業も多くあります。

求職者は転職エージェント、その他からこのことを知り得ているため、転職に有利になる、または、応募基準を超えようとするために学歴を偽る求職者がいます。

ある企業は、応募資格に1流大学卒の求職者のみとあるとすれば、その企業に応募したいがために本来の大学とは異なり1流大学卒業として記載する求職者がいると聞いたことがあります。

これは、立派な学歴詐称です。本来、応募資格がない状況を応募資格があるようにしているのです。

また、本当は中退であるところを卒業したと履歴書に記載するのも学歴詐称です。

 

職歴の詐称

次に職歴です。転職活動において職歴が多ければ多いだけマイナス評価であり、1社に長く勤務した職歴は逆にプラス評価です。

また、若いうちに転職経験がある場合これも転職活動においてはマイナスとなります。

転職回数の改ざんは職歴詐称です!

このマイナス評価をプラスに変えて、企業に印象良く見せるために本来の職歴を変えて職歴が少ないように見せる求職者もいます。

転職エージェントをしていると色々なタイプや考えの求職者がいますが、私が担当した求職者から、『私は転職回数がたぶん多いと思うのですが、3年の経験がないので、履歴書に書かなくとも良いですか?』という質問がありました。

答えがノーです。確かに履歴書には、その求職者が言うように3年未満の在籍年数の場合は、記載してもあまり意味がないのですが、では、その3年間をどう伝えるのでしょうか?

履歴書には職歴とありますので、記載することは必要です。

社会保険に加入せず退職しても職歴にカウントされる!?

また、このような求職者もいます。履歴書上の職歴の定義はその企業に在籍したかどうかですが、中には入社してすぐ退職したため、社会保険に加入しないうちに退職した場合は職歴に入らないと間違えて認識している求職者がいます。

例えば、転職した先の企業がブラック企業で、入社して数日で退職したため、社会保険の加入をする前に退職した場合などです。

この場合でも、立派な職歴になります。

職歴を記載しなくても良いのは、社会保険未加入かつ給料を受け取っていない場合

しかし、この場合は、例外パターンがあり、記載する必要がないときもありますので、参考までにご紹介します。

転職した企業に入社して数日で退職したため、社会保険は未加入、かつ、その数日間の給料も受け取らない場合は、職歴に記載しなくとも問題ありません。

また、その企業に提出した入社書類を全て回収していれば、入社したとは言い難いため、履歴書に記載する必要はないと思います。中には、この間の内容を履歴書に記載する求職者もいますが、それはそれで良いと思いますが、特に記載はいらないようです。

社会保険に加入していなくとも、数日であっても、その企業から給料の支払いがあった場合は必ず職歴に入れた方が良いと思います。

無職期間(空白期間)の詐称

転職市場では、無職期間が長ければそれだけ、マイナスになります。

人事の間では、無職期間が6カ月を超えている場合は、書類選考はその段階で見送りにすることが一般的と言われています。

もちろん、6カ月を超えている場合でも内定を貰えることはありますが、可能性は低くなります。

この企業状況を知っている求職者は、自分の転職活動が退職後にそこまで長引くものとは思っていなかったのでしょう。また、空白期間を何とかして埋めて見栄え良いものにしようと考えてしまうようです。

この無職期間を作らないために、求職者の皆さんは、転職先が決まってから現職を退職した方が良いです。

在籍期間の詐称

転職活動では1社に長く勤務した経験は強みです。求職者本人にもこの自覚はあるのだと思いますが、在籍期間を詐称する求職者がいます。

これは立派な経歴詐称です。

例えば、ある求職者が30歳だとして、それまで8年間の社会人経験があり、本当は8年で1社目は1年、2社目は3年、3社目は4年とそれぞれの在籍期間があったとします。

この求職者は、1社目の1年の退職は転職活動には不利だと考え、2社目の期間に1社目の1年を吸収させて2社目が1社目として1社目は4年、3社目を2社目として4年と履歴書に記載したとします。

このようなことがないようにするためには、新卒で入社した会社や、一度、入社した会社では最低3年は在籍することです。

役職の詐称

役職は求職者や労働者にとって、自分の身分を高めるため転職活動においては有利に働きます。

役職はその求職者がその企業に貢献した証拠にもなりますし、求職者からしてもアピールの一つになります。

このため、その役職ではなかったにも関わらず、役職があったように記載する場合が多くあるようです。

役職があれば、より条件の良い求人にも応募することができるため、可能性は広がりますが、偽りの役職をしても意味がないです。これもやめましょう。

保有資格の詐称

履歴書には資格欄があります。この資格は、転職活動をする求職者にとって武器の一つです。

職種によっては、資格がなければ応募資格がないものもあります。

例えば自動車を使って営業する職種の場合は、求人内容に普通自動車免許は必須と書いていることがあります。

本当は、免許を持っていないにも関わらず、入社したいがために、偽りを書く求職者もいるようです。

家族環境の詐称

企業の中には、扶養家族がない求職者を優先する企業もあります。

また、企業には扶養家族がいる求職者の方が背負うものが大きいため、扶養家族がある求職者を優先的に採用しようとする場合もあります。

これらの状況を何かしらの方法で情報として入手した求職者が本来の家族状況とは異なる内容を履歴書に書く人がいます。

実際、私が人事時代にこの求職者がいました。正直、家族状況に関係なくその求職者を見て採用、不採用を決めていたため特別なおとがめはなかったのですが、その求職者に対して信用というものは低くなりました。

業務経験の詐称

この詐称は、非常に多いと言われています。業務経験はどの職種も多岐に渡りますので、そのうちの1つや2つぐらい偽ってもばれないだろうという求職者が多いです。

また、実際に人事担当者も、選考においてそこまで細かい業務内容を書類選考や面接で知ることはないため、ばれないことの方が多いです。

しかし、中には中核的な業務内容を偽ったりする求職者もいます。

企業がその業務内容の経験が必須として、その業務経験があるために採用したとすれば、これは最悪です。

大して経験がない求職者に企業はそれを信じて給料を支払う訳ですから。求職者の前に人としてやってはいけないことです。

営業成績の水増しは絶対にやめましょう!

この業務経験ですが、営業系の求職者は特に気を付けましょう。営業成績を偽り、見栄え良くして事実と異なる内容を書き易いのです。

ということは、追い込まれた状況になると、詐称し易いと言えます。あとで何があるか分かりませんので、絶対に営業成績の水増しなどの詐称はやめた方が良いです。

詐称はテクニックではないのですから。

年収の詐称

転職を希望する求職者の中で、年収面に不満を持ち転職活動を行う求職者が多くいます。

転職においての年収の決定は本人の年齢や経験も加味されますが、それ以上に、現職または前職での年収が大きな基準になります。

この基準が高ければ、転職先での年収も比例して高くなる可能性が高いため、事実と異なる年収を記載する求職者がいます。

給料に関する詐称は、内定取り消し・懲戒解雇につながりやすい

労働基準法では、労働時間、休憩、休日、賃金(給料)について、かなり重きを置いた規制を敷いています。

そのため給料に関係する内容での詐称は、企業がそれを知ると恐らく内定取消、入社後であれば、懲戒解雇という事態になる場合があります。

転職活動における最大のダメージ『懲戒解雇』

懲戒解雇となれば、次の転職活動に大きなダメージをもたらし、最悪は正社員の仕事はできないこともあるでしょうし、もっと最悪は社会に復帰できないことにもなりかねない内容です。

なお、退職理由を偽ること、特に懲戒解雇など、自分の悪態で懲戒解雇となったことを偽ることもだめです。懲戒解雇は、転職活動では最低と言っても良いぐらいのマイナス要素です。

しかし、これを隠して入社して、転職先でばれたら、また同じように懲戒解雇が必定です。過去は変えることはできませんので、ここは諦めて違う人生を模索する他ないと思います。

残業代は転職先の月給決定として考慮されない

年収詐称については、例外があります。参考になればと思いますが、年収面の内訳です。企業によっては、年収や月収の内訳を聞いてきます。

月収であれば基本給、その他の手当、残業代というような括りです。例えば、月給は30万円だとして、そのうちの残業代の比重が多ければ、転職先での月給決定としては、考慮されません。

30万円の月給としても残業がなければ、25万円だとしますと、転職先では25万円で条件提示となるでしょう。

これは、ちょっと厳しいでしょうし、交渉の一つとして、月給30万円とした方が良いです。これには転職エージェントの力が必要ですので、是非、活用しましょう。

病歴の詐称

この内容は、私個人の見解としては、気持ちが痛いほど分かります。病歴、特に精神疾患などの経験を持つ求職者は、転職活動では不利です。

精神疾患は、誰に完治したかどうかが分かりませんし、完治しても再発のリスクがあるため、転職先の企業に在籍している期間に、過去の完治が再発すると、労働環境に問題ありとして行政の臨検対象になる恐れがあるため、企業は、精神疾患の経験がある求職者を敬遠する傾向があります。

精神疾患の経験がある場合は健康状態をチェックしない企業への応募を要検討

ただ、精神疾患の経験があっても、今はしっかり働ける求職者が、過去の精神疾患が理由で不利に扱われることは、ちょっと納得できないと思います。

だからと言って、病歴を聞かれてなかったと偽ることもまずいです。この場合は、企業によっては、健康状態についてチェックしない企業が今もたくさんありますので、その企業への応募や入社を狙いましょう。

なお、転職エージェントも病歴については聞きませんし、自ら墓穴を掘るような病歴の紹介をする必要もありません。

詐称は発覚するリスクがある

これまでいくつもの詐称内容についてお話してきましたが、求職者は人生が掛かっての転職活動で、その転職活動で追い込まれた状況になると詐称をしてしまう場合もあります。

そして、詐称は、何らかの形で発覚することがありますので、私が知り得る範囲でご紹介しようと思います。

なお、今回の内容は、詐称を助長するものではなく、してはいけないという意味での紹介になりますので、趣旨や目的をはき違えないようにお願いします。

転職先に知り合いがいた

友人の友人がいたことにより発覚した詐称

自分が思うより世間は狭いものです。職歴を詐称し経験した企業があるにも関わらず、その企業の職歴を履歴書から消して選考中に発覚せず入社した人を私は知っています。

入社後に、その方の友人の友人が在籍しており、何でもない会話の中で、その方が消した企業に在籍していたことが発覚してしまったのです。

幸い、その企業のトップは、仕事を頑張ってくれたらその詐称は容認するということで大きな問題になりませんでしたが、このような容認されるケースはあまりないと思います。

前職の職場が同じだった派遣社員がいたことにより発覚した詐称

次は、聞いた話ですが、転職先に前職の元派遣社員がいて発覚した場合です。

その方は、経験したことのない職種を経験したことがあるように職務経歴書に記載して、選考途中に何事もなく内定をもらい入社したようです。

しかし、非常に運が悪いことにその方の前職で派遣スタッフして働いていた人が、転職先で派遣スタッフとして働いていたのです。

それにより発覚して、入社取消です。詐称した結果、発覚した場合はこれが普通です。

源泉徴収票で発覚

所得税で発覚した年収の詐称

所得税の年度は1月から12月で、その年度に2社以上で勤務している場合はその2社の源泉徴収票により年末調整が行われます。

これは私が人事担当だった時代に私が最初に気付いたのですが、その方はある年の6月に私が勤めていた企業に転職してきました。

当然、年度途中での入社になりますので、年末調整のために前職から発行される源泉徴収票の提出を依頼しました。

その源泉徴収票を見ると明らかに自己申告の年収とは食い違いがあり、これは前職の年収を高く申告したのだろうなとすぐに分かりました。

この人は入社の取り消しはしませんでしたが、収入を下げた形で、再度、雇用契約を結ぶことで落ち着いています。

住民税で発覚した年収の詐称

このように源泉徴収票で発覚することの他、住民税でも発覚する可能性があります。

住民税は求職者が企業に勤めていると、特別徴収ということで、本来、求職者が自ら納める住民税を企業が給与から天引きして各役所に納付する方法を言います。

住民税の額は前年の年収に対して決まるため、前年の年収が高ければ住民税が高くなり、逆に低ければ住民税は安くなります。

中には、もし特別徴収をしなければ住民税から発覚することはないと思う求職者もいるでしょうが、特別徴収が義務化される動きがあるので発覚する可能性はあります。

詐称は立派な犯罪です

これまで紹介してきた詐称内容は全て大きな犯罪です。正式には私文書偽造となります。

詐称して入社しても恐怖で仕事にならない!?

私の知り合いに詐称して転職した人がいましたが、その人は、詐称したことがいつどこで発覚するか、冷や冷やして仕事にならなかったと言っていました。

詐称することで転職はできても、転職先では仕事に集中できずに良い成果を得ることは難しいと思います。

企業側の立場になって考えてほしい

また、企業のことを考えてみてはいかがでしょうか?企業は、その求職者に給料を支払っているのです。

いくら弱者たる求職者、労働者だからと言っても、金銭のやり取りがある雇用契約では、詐称は許されることではありません。

この詐称は転職活動に追い込まれた転職回数の多い求職者や、年齢が高い求職者に多くあると耳にします。

詐称して犯罪リスクがあるならば、私であれば、そこまでして転職しようとは思いません。

詐称の道に走らず正々堂々と転職市場で勝負しましょう

発覚するリスク、発覚したら犯罪者。比較すればだれでもわかることです。求職者ではなく、犯罪者になりますよ!!

詐称して転職した先の人生に良いことは一つもありません。詐称なく正々堂々と転職市場で勝負しましょう。

最後になりますが、皆さんの転職活動が良いものとなるよう祈り、今回はこれで終わりにしようと思います。

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