転職したいなら知っておくべきシェフへの道とその内情
年々人気が出る仕事の一つであるのがシェフです。有名な方は花形シェフとしてTVなどでの露出も高くなり華やかな世界も想像されますが、実際は皆コツコツと努力してきた時代があります。今回はシェフという仕事について、実情と裏側を紹介します。
- 執筆者の情報
- 名前: 野田 麻衣子(仮名)
性別: 女性
年齢: 45歳
業界(歴): 外食産業 ホテル・サービス業界(20年)
職種(歴):調理師・料理長(20年)
具体的にはどんな仕事?
シェフは料理を作るだけでなく、実は厨房の責任者でもあります。シェフにとって最も大切なのは管理能力、つまり職場をマネージメント出来ることです。
料理が上手いだけではシェフになることは難しく、数字管理や人事的な事も含め一人で小さな会社を運営しているような人にならなければなりません。
シェフになるためには下積み時代がとても大切です。最初は皿洗いや野菜を洗って切るだけの毎日が続きますが、その時こそ全体の流れを見て把握するチャンスです。
下積み時代をおろそかにせず、しっかり料理の腕とマネージメント能力の両方を養っていきましょう。
就職方法と資格の話
シェフになるのに最も堅実な道と言えるのは、費用と時間が掛かりますが、調理師専門学校に行く事です。卒業と共に調理師免許を取得できますし、学校で就職先の斡旋もしてもらえます。
しかし必ずしも専門学校卒業証明書や調理師免許が必要ではなく、現場での経験を重視する会社や店舗が多く存在します。
その場合は調理師学校を卒業していなくても実際に飲食店などで修業してシェフとして即戦力となる力を付けることで就職に繋がります。
実際にはアルバイト入社して飲食店で働き、そのままシェフとして採用される人もたくさんいます。また、2年以上実務経験を積むと調理師試験を受けることが出来ます。
中には調理師免許が必要とされる職場もあります。病院や給食施設、もしくは大手のホテルや旅館などは特に免許保持者に特化して求人を行う場合が多いです。
しかし全く経験もなく専門学校も卒業していなければ、未経験者歓迎の飲食店などを探して見習いから始めるしかありません。
どこでも最初は料理の基礎や食材の扱い方などから覚えなければなりませんが、自分の努力次第でどんどん力がついてくるので、新しいことも任せてもらえるようになります。
給与と労働時間はどうなってるのか
シェフの給与は地域や会社によってかなり差があります。一般的には会社の規模や体力に正比例していると言っても過言ではないです。たとえば、地方の小さな個人店ですと高い年収は望めないことが多いでしょう。
一般によく耳にするような多くの店舗を抱える大手外食産業などでは経験者で月収25~40万スタートが目安です。
高級志向の店やミシュラン取得などステイタスのあるところだともう少し上限があって45~50万くらい出る場合もあります。いずれの場合も調理師スタッフのレベルだと20万程度から始めるのが普通です。
賞与は一般の企業のように○か月分/年と提示しているのは大手ホテルなど以外ではまだまだ少なく、実績に準じて支払う規定の会社が多いと思っておいてよいでしょう。修行時代は少し懐が寂しいこともあると思って下さい。
シェフになればやることが増えて自然と労働時間も増えてしまいます。昼も夜も営業している店であれば、平均10時間拘束で休憩が1〜1.5時間程度あるのが一般的です。立ち仕事ですので慣れないと足が疲れることもあります。
休憩時間はロッカールームなどがあれば横になって寝る人も多いです。
まとめ
この仕事の楽しさは段階を経て成長することです。体力勝負な部分もありますがやがて責任のあるポジションを任された時の達成感はデスクワークだけでは味わえない充実感に満ちた人生になるでしょう。
また後輩を育てて行く事で人間的にも成長する素晴らしい仕事となります。夢は大きく!
この記事の筆者
野田 麻衣子(仮名)
大学卒業後貿易会社で営業を経験したのち学生時代からなりたかった料理人を目指して各種レストランで数年修行。実力をつけた後オーナーシェフとしてレストラン開業。一時繁盛店となるが低迷期を迎え結婚を機に閉店。数年後離婚を経て再就職して調理師として再スタート。キャリアアップの為転職活動中に人材紹介のリクルーターの紹介でホテル業界へ入る。その後高級ホテルのシェフとして就職し勤務。独身子供なし。