商社へ転職するとこんな世界が待っている

商社といってどのような会社をイメージされますか?給料が高い、世界を飛び回っている、大きなビジネスを手掛けているなどのイメージがあるかと思います。今回はそんな商社の実情、裏側について紹介します。

執筆者の情報
名前: 小林勇紀(仮名)
性別: 男性
年齢: 34歳
業界(歴): 商社(13年)
職種(歴):営業(13年)

商社の仕事とは

商社の仕事は多岐にわたりますが、一般的には、大きく分けると「トレード」と「事業投資」の2つの業務があります。

「トレード」とは売り手と買い手を結びつけるための業務です。「トレード」業務は自身で良いサプライヤーを探し出し、顧客へと提案して採用してもらうことが主な業務です。

そのためには日々の情報収集や顧客との関係強化が必要となってきますので、外回りをして自分の足で情報を集めてくるという作業が必要になってきます。

「事業投資」とは国内外の企業へ商社から人を派遣し、商社で培ったノウハウや人脈を活かして、その企業の価値を高めることで、利益を上げたり、配当を得たりするものです。

「事業投資」業務は自社以外の会社への出向という形も多いです。仕事に対する柔軟性や、周りを束ねてプロジェクトを推進していくリーダーシップが求められます。

商社の一日の業務内容

商社の業務は朝からかなり忙しいです。始業時から常に電話がかかってきて問い合わせや発注が入ってきます。

対応している顧客も数十社受け持つことも多いので、それぞれの顧客に合わせたプロジェクトの進捗把握と行動が必要になります。

また、顧客は日本国内だけでなく、海外からの場合も多いので、その対応も通常の日本国内の業務に比べると労力が必要です。

顧客訪問は平均すると1~2社/日行います。法人営業が多いので、訪問前には事前準備が必要で、訪問時には万全の体制で臨まなければいけません。商社は担当がそれぞれ担当顧客をもつことが多いです。

その場合は数社~数十社程度を対応します。

語学力と情報収集能力が重要

就職するにあたり特別な資格などは必要とされることは少ないですが、海外への赴任の可能性も高くなるので、語学力が必要です。

商社にとって情報はすごく重要で、自分で仕入れていく必要があります。

新聞をチェックすることは特に大切で、私は一般紙と経済新聞、業界新聞の3紙を定期購読し、そのほかは別の雑誌を購入するなどして情報を仕入れたりしていました。

商社の待遇

商社にもランクがあり、大手総合商社を頂上に、大手専門商社、特定の企業の専属商社、特殊品を専門に取り扱う商社、地域密着型の商社など様々です。このランクにより待遇に差が出ます。

私の勤めている会社は専門商社で、その業界ではNo1のシェアを誇っていました。待遇面も大手総合商社には及びませんが、30歳の時には、手取りで40万円ほどでした。また業績に合わせてボーナスも出ます。

ボーナスは平均すると3か月分の給料くらいで、それが年2回あります。

待遇面では地元の中小企業や、製造業サラリーマンの友人に比べると多いように思いますが、取引先との接待ゴルフや、食事会などもあり、お金がかかることも多いです。仕事も激務なので、一概にどちらが良いとは言えないです。

まとめ

いかがでしたか?以下に今回の記事のポイントをまとめました。

  • 商社の仕事は「トレード」と「事業投資」の2つがあり、共に情報収集と行動力が必要です。
  • 一日の業務は朝から電話対応、プレゼン資料作成などに追われ、忙しく過ぎていきます。
  • 待遇は他のサービス業と比べると良いことが多いですが、激務であり、仕事以外の付き合いも多い環境なので、浪費も増えます。
  • 仕事は国際的な展開が多く、一人に任せられる裁量も大きいので、やりがいがあります。

この記事の筆者

小林勇紀(仮名)
1981年生まれ。大学の情報系を卒業後、専門商社の販売部門(海外販売)に従事。主に中国に進出している日系企業向けに販売を行う。新規開拓営業や、商社としての幅広い対応を行う。主な顧客は自動車メーカー、電機メーカー、建築メーカー、物流メーカー等。

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