転職者が知っておくべき高額教材会社の裏側

私は19歳から21歳まで高額教材を訪問販売する会社で働いていました。最初はアルバイトのアポインターでしたが、二十歳になると同時に、そのまま契約社員として就職しました。

社員になると、内勤の電話営業職はアポインターではなく「クローザー」という肩書きになります。「アポインター組織を統括して管理する」、「アポインターと外勤営業のつなぎ役になる」、このふたつがクローザーの主な仕事です。

具体的にはどんな業務内容なのか?また、気になる待遇面や給与面に関しても詳しく書きました。電話営業やテレマーケティング業界に興味のある人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

執筆者の情報
名前: 西畑せい子
性別: 女性
年齢: 43歳
業界(歴): テレマーケティング(19年)
職種(歴):コールセンター(19年)

クローザーの業務内容とは?

アポインター組織は、一日に数百件の勧誘電話をかけながら、少しでもニーズがありそうなお客様を探します。そのお客様を引き継いで、アポを固めるのがクローザーの仕事です。

引き継ぎ方法は、アポインターの電話を途中で替わるか、改めて折り返し電話をかけるかのどちらかです。

営業が訪問したら留守だったなんてことが無いように、日時を確認します。キャンセルやクレームにならないように、お客様のニーズを確認しておきます。ニーズが薄いようなら、サービス内容やメリットなどを、再度説明し直します。

お客様によっては、断る口実として適当に相槌を打っていただけで、全くニーズがなかった!という残念なケースもあります。

また、アポインター組織のシフト管理や、営業成績の集計、定期的な個別面談もクローザーの仕事です。トークマニュアルも随時クローザーが更新していかなければなりません。

アポインターは学生や副業が多いため、シフト管理が一番大変な作業です。

クローザーになるプロセス

アポインター組織があるところには、たいていクローザーという存在があります。

私の場合は教材の訪問販売をする会社でしたが、物販に限らず、通信サービスの契約、化粧品やダイエットサプリの通信販売、保険代理店なども同様です。

男性のクローザーの場合は、外勤営業として入社したけれど、対面営業が向いていないので内勤営業のクローザーになったというケースが非常に多いです。

女性クローザーの場合は、ほとんどアポインターがスカウトされて社員になります。

サービスや商品に関する知識、クレーム対応の経験は絶対に必要です。したがって、新卒で入社して、いきなりクローザーになることは稀です。

その場合は、まずは一人で確実なアポ取りが出来るようになるまでの修業期間が必須となるでしょう。私の場合も、アルバイトのアポインター歴があったからこそスカウトされました。

待遇や給与面など

勤務時間は朝10時から夜20時までの通し勤務と、たまに17時までの早番もありました。これは、一緒に働いていたクローザー同士でシフトをやりくりしました。

アポインター10人程度のグループに一人のクローザーで、私を含めて当時は3人のクローザーがいました。

クローザーは内勤営業ですから、事務や総合職と違い、基本給プラス歩合計算です。歩合は自分が受け持っているアポインターグループの売り上げ成績によって決まります。

雇用保険と厚生年金、有給、残業代もつきました。残業することは実際あまりありませんでしたが、それでも月に手取りで18万から23万ほどにはなりました。

内訳は、基本給16万にその都度の歩合です。外勤営業のように大きく稼ぐことはなくても、頑張った分のメリハリがつくのは嬉しかったです。

ちなみに、クローザーの服装は、ジャケット着用のオフィスカジュアルなら問題ありませんでした。ずっと内勤ですから、デスクに専用の健康サンダル(?)を常備している人が多かったです。

これは、クローザーに限らず、コールセンター勤務ならどこも同じでしょう。

教材販売ならマーケティング能力が必要

私が働いていた会社で販売していた教材は、小中高校生を対象にしており、20万から50万以上もするセット教材でした。

営業が訪問してクレジットローンの契約を結ぶのですが、金額が大きいため、保護者のニーズが高くなっているタイミングでないと、なかなか契約には至りません。

そこで、クローザーはマーケティングをします。各学校の定期テスト、学力テストの日程を調べてリストアップし、ちょうどテスト前の地域に、アポインターが電話をかけるようにするのです。

また、各学校の特色もリサーチしておくのが大切です。例えば、小学校の総合学習という科目がありますが、この総合学習に英語をしているならレベルの高い小学校で、社会見学がメインならノンビリした校風というようにです。

高額教材会社の裏の顔

すべての高額教材会社がそうとは限りませんが、私の勤めていた会社はアルバイトやパートとして勤務している人達には知らせていない裏の顔がありました。

私たちが販売していた教材は、実際にはクレジットローンを組まなければいけないものでしたが、アポインターには月々4000円くらいの月謝制と思わせておくというのが会社の方針でした。

アポインターには、とにかく感じ良く勧誘の電話をしてほしいので、会社に不信感を持たせてはいけないというのが、その理由です。

また、社内の掲示板には、保護者や子どもからのお礼の手紙や写真が飾られていましたが、それらは営業社員がねつ造したものでした。アポインターのモチベーションを保つためです。

ベテランアポインターになると、薄々違和感を覚えはじめ、面談で「教材は総額でいくらなのか」という疑問をぶつけて来る人もいました。クローザーだった私は、総額を答え、やんわりと退職をすすめます。

これも、罪悪感を持ったアポインターはもう使えないから、という会社の指示でした。

この面談がストレスとなり、私は退職することにしました。

もちろんすべての電話営業サービスがこうだとは思いませんが、テレマーケティング業界に興味のある方は自分の行きたい会社の実情をしっかり調査することをおすすめします。

まとめ

昭和の昔には、営業が自分で電話をして、自分で商品やサービスを売っていました。その後、NTT民営化をきっかけに、通信会社同士のマイライン戦争があり、テレマーケティング営業は市民権を得ました。

自社でアポインター組織を持つ企業も多くなりました。

でも、あまりにも漠然としたアポや、強引な勧誘は、結果的にキャンセルやクレームにつながります。これを防ぐために生まれた職種が、クローザーという仕事です。

いまや、どんな業界のアポインター組織にもつきものとなったクローザー職。ストレスは多いですが、顧客対応能力は間違いなくレベルアップする仕事です。

この記事の筆者

西畑せい子(仮名)
1973年生まれ。19歳で高額教材アポインターのアルバイトから契約社員のクローザーとなるが、神経を病みかけて退職。21歳でまともなテレマーケティング会社に就職。大手プロバイダーのカスタマーサービス、設備の修理受付センターなどに配属され勤務する。電話案内業務は、アウトバウンドとインバウンド、両方を経験した。30代後半で結婚し、現在は専業主婦兼ライター。

このページの先頭へ