正社員での転職はその後の人生に大きな影響をもたらす!
みなさん、こんにちは。
求職者の皆さんの中には、民間企業で働いた経験を持ちながらも転職で公務員となることを目指している方もいますが、大体の求職者は、民間企業で働いた経験をもとに民間企業を目指すという方の方が多いと思います。
ちなみに、労働者とは何も正社員だけを意味するのではなく、アルバイトやパート、派遣も含めて労働者と言います。
転職市場で転職先を探す求職者の多くはアルバイトやパートなどではなく正社員として直接雇用を目的としていると思います。
では、なぜ皆さんは正社員として企業から直接雇用を受けることを目指しているのでしょうか?
今回は、労働者の中でも正社員に特化して、正社員で転職することで考えることができるメリットやデメリットについてご紹介したいと思います。
まずは、正社員とはそもそも何なのか?より具体的に、法的な観点も踏まえつつお話ししようと思います。
今回の記事の目次
正社員とは?
日本語は、不思議なもので正社員とは『正』と『社員』をつなげて『正社員』となります。
正しい社員?ということに直訳するとなりますが、この観点から考えると正社員以外は正しくない社員となってしまいます。これでは意味が通りません。
企業と結ぶ雇用契約上、有期的な契約ではなく、何ら契約において何ら縛りを持たない社員のこと。
法令的には労働基準法にある三六協定の適用範囲であり、かつ、フルタイムで働く労働者のことである。
正社員として雇用されることで、有期契約やアルバイトやパートとは異なり、安定的な収入の確保が期待できます。
一応、補足でお伝えしますが、正社員にあえてならない、希望しないという方ももちろんいますし、自分の働き方に合わせてアルバイトやパートを選ぶということも正しい選択です。
中には、正社員が正しく、それ以外の雇用形態は間違っているというような解釈をする求職者もいますが、決してそのようなことはありません。
企業における正社員の立ち位置
企業の中には皆さんのように正社員として現職で仕事をしている人もいれば、アルバイトやパートなどのように非正規雇用として仕事をしている人もいます。
企業は求職者である皆さんを正社員として迎えるために転職エージェントなどに求人を発注して採用活動を行っています。
どの企業でも同じことが言えますが、皆さんを採用するためには、必ず採用コストが発生します。求職者の方は転職活動において費用の発生はありませんが、その分、企業は採用する上でのコストを負担する義務があるのです。
転職活動は、同時に企業の採用活動でもあり、この両者は一対の関係性にあります。
このように大なり小なりの採用コストを掛けて求職者である皆さんを正社員として採用するのですから、当然、企業としては皆さんの労働力を期待します。
企業には中心的な業務とサポート的な業務の大きく二つがありますが、求職者の皆さんは正社員としてその企業へ入社するために、企業内における中心的な仕事を担当することが想定されます。
アシスタント求人をはき違えてサポート的な仕事であるため、気楽に仕事ができると勘違いしている求職者もいますが、そうではないです。
例えば、営業部署には営業マンと営業事務がいますが、求人にあるアシスタントとは、営業マンが取引先との交渉の結果、受注した契約書などの書類を作成し管理することが仕事です。
サポートとは営業事務が作成したり、管理したりする書類に対して、入力業務を意味します。アシスタントとサポートを一色単に考えてはいけないです。
正社員雇用は企業としては経営リスクを伴う
求職者の皆さんは、転職後に雇用契約を結び無期契約でその企業で仕事ができることで、まずは一安心だと思います。必ず内定が出るという保証がない転職活動を頑張ったのですから当然のことだと思います。
しかし、企業は採用すればそれで良いという訳にはいきません。
皆さんが企業から受ける給料はもちろん、原資は企業のキャッシュです。企業経営は、このキャッシュがなければ、また、減少すると倒産したり、事業を縮小したりすることになってしまいます。
そのため、どの企業でも絶対に言えることですが無駄なコストは使いたくないのです。
皆さんに支払う給料は、企業からすると人件費というコストになり、このコストは、無期契約である皆さんが労働者として在籍している以上、絶対に発生するコストです。
業績が良いときは高い給料、業績が悪いときは低い給料と柔軟に変更できれば企業のリスクは少なくなるのですが、企業は労働基準法から強い規制を受けております。
業績に関係なく企業は皆さんに必ず転職時に交わした雇用契約通りの給料を支払う必要があるのです。
業績が悪いときでもこの給料の額は変わりません。企業からするとそう簡単に解雇することができない時代ですので、正社員として皆さんを雇用するだけで経営リスクが一つ増えたということになります。
企業で働いている求職者の皆さんは現職で、上司や社長に『経営視点を持ってほしい』などとアドバイスや指導を受けたことはありませんか?
「経営者視点を持ってほしい」という言葉の意味
この意味は、労働者として現職で働く皆さんに経営してほしいと言っているのではありません。
視点を経営よりにしてほしいと言っているのです。
経営視点とはいろいろありますが、どの企業の経営者も当然、自分が大事ですので、自分の身を削るような正社員はできれば辞めてほしいと本音では思っています。
人件費としての経営視点とは、
『あなたが在籍していると必ず人件費が発生する。ですから、ただ、時間が過ぎるのを待つような働き方ではなく、成果を出してほしい』
ということを意味します。企業の経営者は労働者である皆さんに経営視点を持ってもらい、支払った給料以上の成果を期待しているのです。
営業の世界では、『給料の3倍の利益を会社にもたらさなければ給料泥棒』と言われることがあります。これもまた経営視点を意味する一つの表現方法です。
営業マンは、企業に直接利益の貢献ができるポジションにあるため、自分の給料分は自分で稼ぐ、さらに他の2人分の人件費分も稼いで本当の営業マンとして認める文化が営業セクションにはあります。
企業貢献として営業利益を稼ぐことができない営業マンは必ずと言って良いほど、企業が業績不振の場合は、リストラの筆頭候補として名前が挙がります。
営業成績の悪い正社員はそのまま企業が雇用し続けても人件費分に相当する利益貢献は期待できないと判断してリストラ候補に名前が入っていましたし、実際リストラを受けています。
このようなケースは、どの企業でもありますし、求職者の中には私と同じように現職で人事を担当している方もいるでしょう。
もしかしたら、実経験としてリストラ対象者の名簿作成やリストラ面談をしたことがあるかもしれませんね。
どの企業もサービスボランティアで経営し、皆さんの給料を人件費として支払っておりません。
営業成績の悪い営業マンのようにリストラ対象になったり、リストラを受けたりするということも当然あり得ますので、経営者がいう経営視点を持ち転職先で仕事をした方が良いと思います。
強者と弱者・・・
正社員の労働者は、アルバイトやパートとの対比で考えると強者に該当します。
同じ労働者であっても正社員は、企業内における立場がアルバイトやパートの労働者よりも高いことが普通です。
しかし、視点を変えて相手が企業や経営者となれば、話は全く別物になります。
すなわち、正社員であっても企業や経営者との対比では弱者になります。これは、労働者としての身分を保有する限り、絶対に変わることはないと思った方が良いです。
企業は、労働者に対してそれが正社員であっても『あなたの代わりはいくらでもいる』と本音としては思っています。
しかし、弱者である労働者や求職者はどうでしょうか?
求職者の場合は、今は売り手市場で求職者有利となり、求人や内定先を選べる権利を持つ求職者もそれなりにいると思いますが、全員がそうとも限りませんし、買い手市場となったら大変です。
内定先を選ぶという以前に求人を選ぶということすらできない状態に陥り、仕事がないという状況になることも想定できるでしょう。
先述の通り、企業は採用活動で苦戦しているのであれば、条件を引き上げることでこの課題は解決できますが、求職者が転職活動で苦戦している場合、条件を引き上げるという要素はどこにもありません。
なぜならば、求職者は転職市場で自分のこれまでの経験を売ることが必要で企業にその経験を買ってもらう必要がある立場だからです。
この力関係により、どうしても企業との対比でみると正社員だったとしても弱者となってしまいます。
この弱者である労働者を企業から保護する観点で作られたものが労働基準法になります。
しかし、現在、施行している労働基準法は、盲点があり、法の抜け道としてグレーゾーンを持つことができてしまい、労働者保護としての役割を全うしているとは言いがたい存在です。
ですので労働基準法はある程度の範囲で保護はしてくれますが、正社員として働く、正社員として転職を希望する求職者の皆さんは、自分の身は自分で守るということは原則です。
正社員として転職するメリット
アルバイトやパートではなく正社員に執着して転職活動を行っている求職者の皆さんは、正社員で転職するメリットがアルバイトやパートで転職するよりも多いため、正社員での転職を希望するのだと思います。
実際に私の転職エージェントにも、求職者は多くいますが、その全員が転職先への雇用形態は正社員を希望しています。
正社員で転職できれば、自分より弱者のアルバイトやパートが労働者よりも立場をたもてるからでしょうか?ちがいますよね。
もっと違った意味でメリットがあるため、求職者の皆さんは正社員として転職することを希望するのでしょう。
正社員は安定がある
これは非正規雇用のアルバイトやパートの労働者と比較することが最も分かりやすいと思います。
もちろん、アルバイトやパートの方も自分の価値観や生活環境やその他の理由で非正規雇用を選ぶ方もいると思いますが、正社員として転職するということは、同時に安定を確保することができるのです。
一番安定的なものは公務員ですが、公務員ではちょっと味気ないと感じ、民間企業で安定を図ることができる立場は正社員として捉えていると思います。
現職を退職して起業するとなればどうでしょうか。
当然、自分が稼がなければ利益は生まれず、誰も自分の働きに対しての給料を支払ってくれません。つまり、すべてを自分ひとりで行う必要があります。
起業するということはリスクが大きく安定はほぼないに等しいです。
求職者の中には起業するということも選択として考える方もいると思いますが、起業するには起業後のリスクに対して勇気が必要で、当然、事業がうまくいかないということもあるでしょう。
そのリスクを考えると、やはり正社員で転職した方が安定を担保できると考える方が良いと私も思います。
正社員で転職できれば企業の倒産など以外は、無期契約を企業とかわし安定的な収入を確保できますのでこの点も安定の一つだと思います。
有期契約となれば、その期間を超えると再雇用してもらえるかどうか不安になるでしょうし、再雇用がなければ再度、転職活動をしなければいけないため求職者からするとメリットがあるとは言えないと思います。
社会的な信用がある
正社員として転職すると、企業内だけではなく、社会的な信用も得ることができます。
その際、自分が雇用の安定がない非正規雇用だったとすれば相手のご両親は快く賛成はしてくれないと思いますし、また、そもそも結婚相手となる女性も非正規雇用の男性に対して結婚を考えるとはあまり思えません。
このように結婚という人生の節目でも正社員で転職して企業で働くことはメリットがあります。
このほかにも住宅ローンや自動車ローンを組む際にも、正社員と非正規雇用では審査基準にも差があります。
どの金融機関でも一時的に消費者である皆さんに多額の資金を貸すことになりますので、将来にわたっての返済能力があるかどうかは審査の対象です。
非正規雇用の労働者は安定的な労働者としての立場はないために、審査が通らないということもあります。
一方、正社員であれば安定的な収入を確保できる立場ですので金融機関も審査で難色を示すことはないと思います。
求職者は労働者であると同時に社会としては人です。人は信用があるかないかで、その人を取り巻く社会環境は大きく違います。
求職者の皆さんも社会で自分を取り巻く環境をよくするためもあり、社会的な信用が高い正社員にこだわるだと思います。
昇給や昇格、賞与がある
正社員として企業に転職が決まった際に、必ず書面で内定通知書を受け取ると思います。その内定通知書には、転職後に労働条件が記載されていますが、昇給や昇格、賞与についても記載があるでしょう。
一方、アルバイトやパートなどの非正規雇用の場合は、時給として少額の昇給基準はあったとしても、昇格や賞与については一切の記載がありません。記載がないということは対象外という意味です。
正社員の場合は、個人の業績や実績に応じて、企業内で、ある定期的な査定の土俵に上がることができて、結果次第では、転職時よりも給料が上がったり転職時の役職から昇進したりすることもあるでしょう。
また、毎月の給料とは別に賞与の支給もありますので、経済的な意味でもメリットはあると思います。正社員で転職するということは、この経済的なメリットも手に入れることができるのです。
挑戦もできる
正社員と同じく企業で働き給料を受ける立場と同じように公務員にもこの要素はあります。
公務員は、比較的、決められた時間内で決められた仕事をこなすというルーティンが多く人によっては仕事がつまらないと感じる場合もあるでしょう。
その点、正社員であれば企業で安定的な収入を確保しつつ、企業の社風にもよりますが、自主的に仕事を生み出すこともできる挑戦も可能な環境を手に入れることが可能です。
特にベンチャー企業では、自主的な人材を必要としている傾向が強く、収入も確保しながら、一方では個人としてチャレンジもしたいという求職者にとっては最高の環境だと思います。
挑戦の結果、結果もよく企業から評価を受ければ、その評価は昇給や昇格賞与で自分に返ってきます。
仮に自主的に挑戦して失敗したとしても大体の企業は個人に責任を問うということはなく、むしろ若いうちであればナイスチャレンジとして励ましてもらえたりもします。
起業する勇気はないにしても、ビジネスマンとしてチャレンジはしてみたいという希望を持つ求職者の方にとっては、ベンチャー企業を中心に民間企業で正社員として働くことは非常に有利になっています。
可能性が広い
正社員で働くということは、業務についてもその企業の中心的な仕事に携わることができますし、幅広い領域で仕事をすることも可能です。
最近多くなっているのが新規事業の社内公募制です。
どの企業でもビジネス市場に対して新しい価値を提供し、その価値の結果が業績として反映されることを望んでいます。
その企業側の考えが前提にあり、正社員として働く労働者には本来の担当領域を超えて新しいビジネスモデルの提案ができる機会もあります。
その提案が企業内で高い評価を受ければ、新規事業責任者として新規事業に中心的な人材としても携わることができます。
ビジネスの中心は正社員にあり!
転職市場でも言えることではありますが、ビジネスの中心的な存在は企業内も含めて正社員です。
正社員で転職することができれば、ビジネスの中心的な役割を当然の権利として得ることが可能です。
正社員の中にも役職やグレードなどにより担当できる業務レベルに違いがあることはありますが、そのような中でも正社員として働き続けることでいずれ高いレベルの業務に携わることもできると思います。
私は転職エージェントとして正社員の求人を多く扱いますが、その求人を依頼していただくどの企業でも、転職して正社員として入社する求職者には新卒にはすぐにできない即戦力として労働力の質を期待しています。
企業は、求職者である皆さんを採用することで、業務としての貢献だけではなく、組織や新卒への影響力も期待しているのです。
市場価値の高い正社員としての転職
求職者は転職エージェントからすると、求職者でありその転職エージェントの商品です。
求職者の多くは転職活動では転職エージェントを利用して活動することが多いと思いますが、転職エージェントとしては転職市場で高い価値を持つ求職者を優先的に転職支援しますし求人の紹介も行います。
求職者としては、『そんなのはずるい』と思う方もいると思いますが、転職エージェントもビジネスです。ビジネスのために求職者の皆さんを集めて、企業に対して自社商品として紹介するという側面ももちろんあります。
ビジネスですので、求職者と言っても転職エージェントからするとビジネスチャンス、つまりは利益になる求職者を優先的に支援することは当然にあり得ることです。
市場価値の高い求職者であれば、転職エージェントの中でも支援実績豊富なキャリアアドバイザーが担当してくれます。転職市場でも、差別化はありますし、格差社会の動きもあります。
正社員を希望して転職活動するということは、転職市場で値打ちが高い状態で活動した方が絶対に得です。そのためには、何より経験が重要です。
転職市場にはたくさんの求人がありますが、その求人のすべてに同じ数の応募があるということはありません。
良い意味で求人に対して応募数が少ないのであればそれだけ内定チャンスが増えるということです。
その求人は、応募資格を満たす求職者が少ないため応募数が少ない場合と、単純に人気がないだけの場合があります。
ここでは前者の求人を指していますが、その求人の応募資格を満たす条件をぜひ、身に付けてほしいです。
それだけでマーケットバリューの高い求職者となり、正社員でその企業に転職できれば、今までご紹介したメリット以外のメリットも手に入れることができると思います。
正社員での転職はその後の人生に大きな影響をもたらす!
転職活動では妥協は禁物です。しかし、正社員として転職することは人生に大きな影響をもたらし、労働者そのものとしてのメリットが大きいため、ライバルが多く、また、企業の採用基準も高いです。
何の保証もない転職活動になりますので、うまくいかない期間もあると思いますが、自分の将来や人生に与える影響を忘れずに正社員として転職することをかなえてほしいと思います。