第二新卒だけが持つ転職活動のリスク!!
みなさん、こんにちは。
近年、若年層の仕事離れや就職しても早期退職するという状況が社会問題になっています。政府が発表する統計調査によると、現在の日本では大学や専門学校を卒業して、企業へ
入社しても3年以内にその企業を退職する割合は新卒入社者全体の3分の1です。
この数は、かつての終身雇用制度を持っていた日本の労働市場では考えられない数値です。
なぜ、このように若年層の早期退職が増えているのか、色々理由はあります。また、若年層は早期退職に伴い、仕事を失いますが、当然、生活がありますので、大体の若年層は、再度、就職先を探すために転職活動を行います。
このように転職市場で仕事を探す若年層で転職活動を行う求職者を第二新卒と言います。若年層の早期退職に伴い同じ求職者であっても第二新卒者向けの転職市場が拡大していますので、今回は第二新卒と呼ばれる求職者についてご紹介したいと思います。
若年層の早期退職は、国や企業にとっても大きな痛手となるのですが、その理由から今回の話を起こしていこうと思います。
今回の記事の目次
第二新卒と国の関係性
まず、国の視点からですが、日本に国民が相互に助け合うということで相互扶助という概念があります。この相互扶助の概念に則り、社会保障制度が成り立っています。
この社会保障制度は、求職者である皆さんも毎月、給料から天引きされる形で健康保険や国民年金などの保険料を支払い、それを減資として、保険が必要になったその他の国民に役立てる仕組みです。
特に年金制度については、最近、大きなニュースになっていますが、保険料により徴収した財源と年金対象となる方が支給される金額のバランスが崩れ、将来的にはほぼ崩壊すると言われています。
年金の仕組みは、労働者として働く期間は病気やケガ以外では支給されることはなく、大体が高齢の元労働者が定年退職後に受ける老齢年金が基本です。老齢年金を受ける方はそれまで労働者として仕事をし、現在の皆さんと同じように毎月、保険料を支払っていたために受給することができます。
この年金制度の財源は保険料であり、保険料を支払う労働者が少なければ当然、財源の確保も難しくなります。もとより現在の日本は少子高齢化により若年層となる労働力人口がすくなくなっている中で、若年層が早期に企業を退職して働かなくなると年金制度の財源となる保険料は必然的に減少することになります。
今はまだ何とかこの均衡を保っていますが、将来的に財源の確保が難しく高齢者の数が今より増えるために、今の労働者が高齢となり年金支給年齢になっても今のような年金額を受給できるということができない状況になると予測されています。
このような状況を回避するためには、若年層が企業を早期退職して仕事をしないということになると国が非常に困るのです。そのため、国は早期退職する第二新卒者と呼ばれる求職者に対して早期に新しい仕事を行い年金の原資を確保するため、色々な施策を行い第二新卒者の転職をサポートするようになっています。
第二新卒と企業の関係性
企業には経営を行う上でどのようなジャンルにおいても必ずコストが発生します。新卒採用を行う企業は多いのですが、その全ての企業で新卒採用活動を行う上での媒体費などの活動費が必要になります。
また、採用した新卒者を雇用するためには毎月の給料を人件費として支払う必要もあります。このように高い費用を支払い採用し、また、毎月給料を支払ってこれから企業に貢献して欲しいと考えていた若手人材が企業貢献なく早期に退職してしまっては、それまで苦労やコストが水の泡になっていまいます。
また、特に企業規模が小さく、新卒者を即戦力と考えて入社してすぐに主業務に就かせることが多いベンチャー企業では、採用コストや毎月の給料はもちろんのこと、その間の業務経験からなるナレッジやスキル、ノウハウも同時に失うことになります。
また、若年層の退職という形になると、今まで積みかさねたノウハウというものが喪失されてしまうことはもちろんのこと、そのポジションの業務に穴が開くことになりますので、そのポジションを業務の穴を埋めるために、また、採用活動を行い採用し、更に一から育て直すとなれば、コストや教育工数という観点で企業としては二重の手間になってしまいます。
採用し直すとなれば、その求人に関する採用コストも必要ですし、中途採用となれば大量採用ということにはなりませんので、1名の中途入社者に対してマンツーマンで教育プログラムを施すという非常に非効率なことを行わなければなりません。
大手企業であればまだ良いのかもしれませんが、経営資源があまりなく非効率な業務を行うことで他の業務に支障が出るような環境にあるベンチャー企業ではこのような若年層の早期退職は非常に困るものです。
第二人卒という言葉
かつての日本では若年層の早期退職は極めて少なかったために、現在のような早期退職した若年層を表現する第二新卒という言葉はありませんでした。
ちなみに私が、新卒時代にもこのような言葉はありませんでしたが、いつの頃からかこの言葉が人材業界では当たり前になり、今では日本社会の中でも当たり前に通じる言葉になっています。
そもそもこの第二新卒という言葉の語源やどのようにして生まれたのかご存知ですか?この語源やどのようにして生まれたのかを知ることで、第二新卒が文化になっているという誤解をして、喜ぶまではないとしても変な余裕を持っている対象となる求職者の方は是非、目を覚まして頂きたいです。
某大手人材総合企業が作った!!
この第二新卒という言葉は、比較的新しい言葉ですが、今では辞書にも載っているほど
普通の言葉になっています。第二新卒という言葉は、もとは某大手人材総合企業が作ったまさに造語です。
ちなみにこの某大手人材総合企業は、第二新卒以外にも『フリーター』という言葉も作ったと言われています。
第二新卒という言葉は、最初の頃はどういう意味か良く分からない、社会的にも認知されていないことが多かったのですが、この言葉が今では普通になるぐらい、対象となる第二新卒の求職者が増えています。実は、このように昔の日本ではかなり少なかった第二新卒者がここまで増えた理由には、この言葉が若年層を煽ったということも言えるのです。
若年層の方は、年齢的な特徴として流行やトレンドに敏感であり、言葉の意味を深く理解しない中で、最近流行っているという安易な理由で、新卒で入社した企業を早期に退職することに対して抵抗感をなくし、簡単に退職して、第二新卒として転職活動を行うことになってしまっているのが現状です。
しかし、この言葉の語源や意味を理解することで容易な考えは消え去ると期待して次に語源と実際の意味についてお話したいと思います。
第二新卒に語源
第二新卒という本来の語源ですが、某大手人材総合企業が人材業界のビジネスチャンスを拡大するために作ったのです。つまり、自社の業績拡大、事業拡大が主な目的です。当然、若年層が早期に退職すると生活のために新しい職場を探すために転職活動します。
この言葉が出回った当初は、現在のように転職エージェントは流行っていなかったですし、今のように転職活動の主流という立場でもなかったです。
当時の経済状況は今も記憶していますが、日本経済が冷え切っていて、どの企業も採用を渋る状況でした。この某大手人材総合企業は、当時は転職事業よりも新卒採用事業に力を入れていたために、日本経済の不況により新卒採用を行う企業が激減し、そうなると、某大手人材総合企業も業績を下げていました。
そこで新卒採用市場のほかに、転職支援事業として転職エージェント事業を世間に押し出すよう広告宣伝を多く行ったのです。当時の日本の転職市場は、今ほどではありませんが、転職ということが文化になりつつあり、市場が拡大傾向にありました。
しかし、既に同業他社は転職事業に力を入れていたために差別化を図ることがその某大手人材総合企業は難しく、そこで同じ求職者でも若年層に特化した事業展開を考えたのです。
その事業展開として対象となる若年層の求職者が増えなければ市場拡大は見込めませんので、第二新卒という言葉を生み出し、日本の文化として転職が定着しつつあり、その文化をトレンドとしてはき違える若年層に広がり、現在のように転職市場として、また、求職者としても第二新卒という市場がここまで膨れ上がったのです。
第二新卒という言葉はビジネスモデルを構築し新しい市場を創造することを目的に作られた造語であり、早期離職する若年層の方を助けようとしてできた言葉ではないことを知った方が良いです。
人材業界では、この第二新卒という言葉について、良い印象を持っていない転職エージェントが多く、この言葉が若年層を更に煽り、今後も若年層の早期退職は増える一方だと考えている場合が多いです。
第二新卒の求職者として既に前職を退職して転職活動している方は仕方ないのですが、現職に在籍しながら第二新卒として転職活動を行っている方は今一度、今、ご紹介した言葉の語源を考えて本当に今のタイミングで転職すべきか熟慮した方が絶対に良いと思います。
第二新卒という言葉の意味
第二新卒という言葉の意味は、企業は人により異なるでしょうし、立場によっても異なります。そもそも、造語ですので、辞書に記載されている内容はあくまで表面的なもので本当の意味は視点によって異なります。
社会的には、『新卒で入社した企業を3年以内に退職した人』ということで当たり障りない意味合いになっていますが、これが採用する企業となれば、話は大きく変わります。
この後、第二新卒に関して実際の企業の声も紹介しますが、採用する企業が第二新卒をこのように解釈しています。
『新卒で入社した企業をすぐ辞めた、使えない人材』
この意味を理解して欲しいのですが、企業は社会の当たり障りない意味ではなく、このように解釈していることが多いです。
ここ最近、第二新卒に入る若年層の求職者が多く、私が抱える求人には第二新卒は応募ができないという制限のある求人がほとんどだったこともあり、何とか第二新卒対象の求人は貰えないものかと思い、受注確度が高そうな取引企業に提案に出向いたことがあります。
この数値は生のデータですが、10社提案して第二新卒も求人に含めて良いとなった企業は1社だけです。しかも、その1社も渋々であまり前向きな感じではなかったです。
そして、10社の全ての企業で第二新卒に対して、『使えない人たちでしょ』という意見がありました。第二新卒であれ、何であれ転職を希望して登録に来た求職者には変わりはないので、このような意見は転職エージェントの私としてはかなり衝撃のあるものでした。
この10社の他にも多くの企業がいずれかの転職エージェントを利用して採用活動を行っていると思いますが、恐らくこの意見は大半の企業で大なり小なり持っていることだと思います。
第二新卒の方は、転職活動をする上で、このような衝撃的なマイナスイメージの中で活動して内定を勝ち取らなければなりません。現在は、第二新卒対象の求人も増えて、また、第二新卒専門に転職支援する転職エージェントもありますが、実際の転職市場はこのようにある意味では冷えているために、新卒で入社した企業を早期退職することに対してそれなりの覚悟を持って行動しなければ、転職活動での苦戦によりそのままニートとなってしまう可能性もあります。
ある企業の経営者と採用に関して話をする機会がありましたが、この意見は正論で恐らくどの企業でも優先順位はその企業と同じだと思います。
その企業は、第二新卒者を採用するのであれば、ほぼ変わらない人件費の新卒者を
採用した方がメリットは大きいと考えていました。新卒者であれば他の企業の色も入っていないため、文化を乱す可能性が軽減され、組織の人員構成上も中途半端に若年層を採用してもその人材が組織で年齢が若い中で同期がいないために浮いてしまう可能性もあるため、採用の優先順位としては低いとのことでした。
企業の中途採用では転職エージェントを活用して採用活動することが一般的ですが、第二新卒を採用する場合でも転職エージェントへ成功報酬という採用費を支払う必要があります。
新卒採用であれば毎年、活動することができ、企業によっては確実に優秀な学生を採用することもできますし、第二新卒を採用する際の採用コストは1名に対して発生するため、効率が悪く費用対効果も低いため、それであれば、同じ時期に複数名を採用できる新卒採用にコストを回した方が1名あたりの採用単価は下がり費用対効果も高いのです。
第二新卒はブラック企業との親和性が強い
このように第二新卒に関する転職市場はイメージとして冷えている中でも、第二新卒を積極的に採用しようとする企業群があります。
どのような企業かと言いますとブラック企業です。
ブラック企業とは業界や企業規模に関係なくどのカテゴリーにも多かれ少なかれ存在する労働者からしてみると天敵と言っても良いと思います。ブラック企業は、企業の業績だけを主に考えて、労働者についてはほとんど考慮せず、労働力としか思っていないため、労働者に対して長時間労働や残業代の未払いという労働環境です。
また、上司や先輩からの怒鳴りに近い叱責を強く受けて、この状況を国も問題視してパワハラやセクハラへの規制を強めています。しかし、ブラック企業ではこのようなパワハラやセクハラは当たり前にある環境です。
このような労働環境を持つブラック企業も企業であることに変わりなく、企業であるということは人材が必要です。当然、新卒採用や中途採用も行っています。
ブラック企業と第二新卒は非常に親和性があるため、ブラック企業は第二新卒者を積極的に採用しているのです。
ブラック企業が新卒採用を行ってもこのような労働環境ですので、新卒者がすぐに退職する確率が高いです。そうなるとそのポジションを埋めるために中途採用を行うのですが、経験や一定以上の年齢の求職者を採用することは年収がそれなりに高いことがあるために、より安いコストで済む第二新卒者をターゲットにします。
第二新卒者は、3年以内に退職した求職者であるために、転職市場では未経験者という扱いになることがあり、そうなると経験に応じて年収が決まりますので、経験がないと判断されれば、第二新卒者の転職時の年収は新卒とほぼ同じか少し毛が生えた程度です。
ブラック企業は、コスト意識は非常に強く持っているために、より少ないコストで中途人材を採用したいということで第二新卒に目を向けます。
第二新卒者の心理をうまく利用する
何度も言っていますが、最近は、第二新卒者も対象にした求人も増えつつありますが、それらの求人は、第二新卒者『も』対象としているだけであり、第二新卒限定という求人は数としては少ないです。
そうなると、経験がなく、そもそもとして企業から『使えない人材』という悪いイメージを持たれている第二新卒者は転職活動で苦戦します。同じ求人に経験のある人材と経験もなくイメージが悪い第二新卒者が同時に応募した場合、どちらを優先的に選考するか予想はつくと思います。
このように応募できる求人は増えたとは言え、第二新卒者が応募する求人には第二新卒ではない若手の求職者も応募しますので、当然、自分よりも経験のあるライバルがいるということになります。
このような状況で第二新卒者が、自分が思う転職活動ができると思いますか?当然、自分も思うように活動することができず、転職条件の基準を下げたり、または、本来は希望としていない条件も含めて転職先を幅広めに考えるようになります。
この基準を下げることや条件を広げるタイミングは、求職者としては転職活動に対して悲観的になり、諦め状態になっているときです。そうすると、転職エージェントを利用しているのであれば、当初は見向きもしなかった求人に応募したり、または、転職エージェントでうまくいかない求職者の傾向としては、転職サイトを利用するようになります。
そのタイミングで拾った求人にはブラック企業が多かったりするのですが、それでも、選考を受けてみなければ分からない、入社しなければ分からないという風に、変に前向きになってしまいます。
こうなるとこの心理状態は抑えることが難しいです。ブラック企業の採用活動の特徴は、選考フローの面接の対応が非常にうまく面接ではブラック企業かどうか見極められないということがあります。
企業事情や面接に不慣れであり、そもそもとして社会人経験が浅い第二新卒の求職者がブラック企業のテクニカルな面接技術を見抜けるはずもないのです。むしろ、ブラック企業は面接で求職者に対して良い印象を与えることが上手で、求職者はブラック企業に対して世間の勝手なイメージということで自分が感じたことを優先的に判断しそのまま転職してしまうことが良くあります。
私も求職者として何度か転職活動をしたことがありますが、ブラック企業の選考にも進んだことがあり、ブラック企業の選考フローの全てでブラック企業とは感じることはありませんでしたし、それ以上に好印象だったことを覚えています。
当時の私は30代だったのですが、それなりに社会人経験があったにも関わらず、しかも、それまでの担当職種は人事だったにも関わらずブラック企業であることを見抜くことができなかったのです。
第二新卒者は転職活動で苦戦するとブラック企業はその心理状態をうまく操り、その企業へ転職するようします。この採用方法を企業の人事的には、ラポールをかけると言いますが、ブラック企業はラポールが非常にうまいです。
選考に進み面接を受けるとラポールにより逆に好印象となることが多いため、第二新卒者の方は是非、気を付けて欲しいと思います。
歴史は繰り返される・・・
求人には第二新卒者限定や第二新卒者歓迎という第二新卒者にとってはありがたいと思える求人があります。しかし、この実情を今からご紹介しますので、要注意です。
第二新卒者となる前に当然にどこかの企業で働いていたと思います。そうするとその企業は欠員となり、中途採用を行う必要があります。もちろん、新卒採用期間であれば、新卒採用でカバーするということも考えることは可能です。
ただ、このように新卒者の欠員補充を新卒採用や第二新卒以外の求職者で埋める企業は良いとしても、この欠員を第二新卒で埋める企業があります。
第二新卒者は企業からすると中途採用でありながら安い給料を支払うことで雇用することができます。企業としては安い買い物です。
歴史は繰り返されると言いましたが、新卒者が辞める企業は新卒者が辞める理由があるのです。その企業は安い買い物を求めて第二新卒で採用しようとしますが、その企業でもかつては新卒が入社していましたが、第二新卒者の皆さんが企業をすぐに辞めたようにその企業も新卒が定着していないのです。
転職エージェントの中ではこのサイクルをイタチごっご採用と呼んでいますが、第二新卒者を限定したり優遇する求人の企業は新卒がすぐ辞める環境であり、第二新卒となる皆さんが転職しても長続きできるような文化ではないということです。
ですので、一見、ありがたいと感じる第二新卒者限定や第二新卒者優遇という求人には毒があると思って慎重にことを運んだ良いと思います。
第二新卒者の方は労働市場では、もうあとがない状態ということを忘れないでください。と言うのは、どの企業も転職回数が多ければそれだけマイナスと評価しますので、第二新卒者の皆さんは既に1社退職し2社目の入社を目指して活動するのですが、転職活動を経て転職できても、その企業をすぐに退職すると若い年齢のうちに2社を退職したということになります。
こうなるとその後の仕事はあまりうまくいかないことが私の転職エージェントとしての経験上、感じるので第二新卒者としての転職活動は焦る気持ちも分かりますが、慎重に行ってください。
特にブラック企業に転職してしまうと若くして転職活動のベテランという意味不明な状況になりますので、ブラック企業だけは転職しないようにしましょう。
そのための補足的なアドバイスは、転職サイトは使わない方が良いです。転職サイトは、求職者がアドバイスを貰えるキャリアアドバイザーが担当としていませんので、企業選びや選考に関する情報は全て自分で仕入れることになります。
社会人経験が浅い第二新卒者の方が企業選びから何から何まで全て自分ひとりで行うことは容易なことではないですし、非常にテクニカルなブラック企業を見極めることも至難の業です。
第二新卒と職種の関係性
続いて職種との関係性についてご紹介します。転職サイトをご覧頂ければ最も分かりやすいのですが、転職市場の中で一番、多い求人職種は営業職です。
この営業職の場合は、比較的スキルや経験なく転職後も業務に従事することができるため、営業職の求人を発注する企業の多くは、未経験者歓迎としていることが良くあります。
未経験者ということは、未経験として転職市場では扱われることが多い第二新卒者も当然に対象になります。第二新卒者の中には、このように未経験者歓迎ということで営業職の求人に流れる傾向があります。
営業職にもジャンルがあり、未経験者歓迎としている営業のスタイルは新規営業です。新規営業は経験のある求職者の方もいると思いますが、営業の中でも厳しい環境にあり、離職率も高いです。
私も新卒時代に新規営業の経験がありますが、今考えても絶対にやりたくないと思う仕事です。もちろん、新規営業の見返りは大きい報酬になるのですが、なかなかその機会は少ないです。
その企業だけが顧客対象となる企業や個人へ新規営業する訳ではなく、同業他社の多くの営業マンが同じように新規営業を仕掛けています。新規営業は数の勝負と良く言われますが、新規営業は、一日中、新規営業をすることになることが一般的で、個人的な意見としては心が病む状態になることもあります。
第二新卒者の方は、未経験者歓迎ということで営業職に安易に応募したり、転職したりしてはいけないです。一般的に第二新卒者に限らず、どの求人でも選考基準や入社ハードルが低い求人は入ってからが大変ということがあります。
営業職はこの典型ですので、私は転職エージェントとしては営業の中でも新規営業や未経験者歓迎という求人には第二新卒者の方へあまり勧めないにしています。
経験上、その求人で転職してもその求職者のその先が何となく悪い方向に進むと想像できるからです。
第二新卒にはなるな!!!
ここまで第二新卒の求職者を取り巻く環境についてご紹介しましたが、どうでしょうか?少しは、今まで安易に感じていた第二新卒者という立場をご理解頂けましたでしょうか。私は第二新卒者となり若年層で転職活動することは反対ですが、第二新卒者を専門に扱う転職エージェントにビジネスチャンスがなくなるということで怒られそうな気もしますが、これが現実です。
第二新卒として転職活動する前に、是非、今の職場でもう少し頑張って欲しいですし、もし、退職したとしても、戻れる状況であればプライドは捨てて前職に戻った方が良いです。
もちろん、若年層で転職活動する求職者の中にはどうにもできない理由で転職活動せざる得ないという場合もあると思いますが、その場合は、面接でしっかり伝えることで考慮はされますが、それ以外の例えば単に上司と相性が合わないとか仕事が向かないとか労働事情からするとどの企業でもあり得ることを理由に退職することはナンセンスです。
第二新卒のなってはいけないという理由のもう一つは転職癖です。若いうちに転職を覚えてしまうと、転職がキャリアアップとしての手段ではなく現状の厳しい状況から逃げるための手段になってしまい、その後、転職した企業でも厳しい状況になるとすぐに転職が浮かぶということになりかねません。
そうなると転職回数が多くなりどの企業も相手にしなくなるでしょうし、転職エージェントの中には転職回数が多いことで転職する可能性が低いと判断し積極的に転職支援すらしてくれない場合もあります。
第2新卒におすすめの転職エージェント
どうしても第2新卒として転職活動を始めるのなら、マイナビ20’sやハタラクティブといった若年層向けの転職エージェントがおすすめです。
通常の転職エージェントよりも挨拶、礼儀、レジュメの書き方などの基本的な部分を詳しく教えてもらえます。
ただ、根本的な機能や求人の質などは他の転職エージェントとそれほど違いはありません。
大企業のエージェントなどでは求人が結構被っていたりしますね。
仕事は我慢の連続です
どの業界や企業、職種でも役職であっても、仕事は自分の思い通りにできないことの方が多く、納得いかないことの方が多いです。その都度、退職してはキリがありませんし、キャリアになりません。
全てが思い通りにやりたいことだけやれる環境は企業の経営者になっても不可能です。是非、仕事とはどのようなものか考えて頂き、自らご自身のキャリアや職歴に傷をつけるようなことはやめた方が良いと思います。
私も皆さんと同じ若い時代に何度も嫌なことがありましたが、その都度、我慢を重ねて今に至ります。我慢できることはビジネスマンにおいて最も大切なスキルだと私は思います。
第二新卒という今流行りの言葉に踊らされて無意味なビジネスライフは送って欲しくないのです。我慢の連続の先に必ず道は拓けると思います。私もこれまで上司として何名もの部下をマネジメントし、また、転職エージェントとして企業や求職者と接してきましたが、我慢できる人はそのうち嫌でも成功が向こうから寄ってきます。
是非、自分の人生を真剣に考えて人材業界のビジネスの波に乗ったりすることがないようにして欲しいです。現職や前職で、転職市場で戦える武器を身に付けて、転職市場で勝ち組となり転職成功することを祈り、今回はこれで話を終わりにしたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうとございました。