転職活動で有利な資格は?資格ごとの転職後の働き方について

今回は、資格が転職市場でどのような価値を持ち、どのような効果をもたらすのか、いろいろな視点からご紹介できればと考えています。

今の時代の転職市場は、資格も企業が評価する一つの材料になっています。

資格と言っても、世の中には様々な資格があり、どのような資格でも転職活動に有利になるということはないです。

私は現在、転職エージェントとして求職者のみなさんの転職支援をさせていただいていますが、登録にいらっしゃる求職者の方で、

『○○の資格を持っているので転職には有利ですよね?』

などと、自分の資格のニーズを誤解している方がいます。

実際のところ、転職活動で有利になる資格というのは数が知れています

また、それらの資格も職種によって全く役に立たないこともあります。

求職者のみなさんは、今一度、自分が保有している資格の価値を調べてほしいのです。

確かに実務で役立つ知識は持っていると思いますが、企業としては資格から得た知識よりも実務から得た知識を求めている場合もあります。

資格を上回るスキル

今の転職市場は、資格が中心の環境ではありません。

どちらかと言えば、どの業界・職種でも満遍なく利用価値がある英語の方がよほど価値があります

日本国内であれば、英語の利用価値はそれほど高くないのですが、これだけグローバル化が進み、多くの外国人労働者も日本で仕事をすることが普通になりつつある状況ですので、英語は非常に武器になります。

最近、多くの企業の求人の応募資格に英語の記載が増えています。

経験や能力など、その他の応募条件は満たしていても、英語ができないという理由だけで、その求人に応募することができない場合があるのです。

資格を取り巻く転職市場

一方、今回の主役である資格はどうでしょうか。

確かに専門職についてはその職種で仕事をするためには資格がなければ不可能ということで、資格が必須という求人もありますが、資格は必須という求人は英語必須の求人に比べると圧倒的にその数は少ないです。

一時の資格ブームの際も、ちまたで転職に有利ということで資格取得を推進するようなCMが多くありましたが、転職市場では、昔からそこまで資格が求職者のみなさんの転職活動に有利、という状況はありませんでした。

今も昔も転職市場において、資格はそこまで重宝されるスキルではないです。

そのため、求職者のみなさんは、転職活動をするための計画的な準備に資格を検討することは良いのですが、転職市場のニーズまでしっかり見ることが必要です。

転職活動にあまり役立たない資格

保有していれば書類選考を通過しやすくなる資格もありますし、履歴書や職務経歴書に記載しても意味がない資格もあります。

転職活動であまり役に立たない資格を簡単に言うと、知名度が低い資格や取得が簡単な資格です。

簡単とは言え、その取得に必要な時間やお金を考えると、その時間やお金は転職活動そのものに費やした方がよほど、プラスです。

履歴書や職務経歴書に記載するだけの資格は取得損

無駄とは言いませんが、履歴書や職務経歴書に記載するだけの資格は、転職活動においては取得損です。

もっと言いますと、求職者の方が希望している業界や職種と関係が薄い資格はさらに取得損です。

私は企業の人事として採用に関わった経験がありますが、人事担当者は書類選考を行う際に、大体の場合、資格欄を見ます。

仮に、経験など他の部分を評価して書類選考が通過したとします。

恐らく、面接官は資格についても質問するでしょう。

その際、取得した理由を聞かれた場合、求職者のみなさんはどのように答えますか?

求人に関係がない資格を取得した背景や理由を説明しても、特別な効果はありません

書類選考だけではなく面接でも無意味に近いものになりますので、転職活動のために簡単な資格などを取得することは控えましょう

どんな資格でも3級は!?

『級』がある資格があります。

『3級』というレベルは、まさに、その資格の中でも最下位のレベルです。

私は転職エージェントとしては思うのですが、『3級』というレベルは面接で突っ込まれる可能性が大きいと思っています。

私も、以前は人事として面接官をしたことがありますが、特別、興味を持っていた訳ではないのですが、『3級』というレベルの資格を持っていた求職者の方に

『3級』ではなく、もっと上の『級』は目指さないのですか?
なぜ、その上の『級』ではなく、『3級』なのですか?

と今思えば、かなり意地悪な質問をしてしまったことがありました。

その求職者の方がどのように答えたかは別にして、このように人事担当者から『3級』というレベルについて、突っ込まれる可能性がありますし、その場合、求職者のみなさんは『3級』について、どのように前向きに答えるのでしょうか。

これは正解ではないですが、もし、私が求職者であるならば、『3級』は履歴書や職務経歴書の資格欄に記載しないかもしれません。

それだけ、『3級』という意味は転職活動では意味がありませんし、むしろ、突っ込まれる可能性があるからです。

私であれば、答えににくい部分は、自分の履歴書や職務経歴書から省略して、自分が面接官に聞かれても自信を持って答えることができる内容に厚みを持たせると思います。

転職活動では、どのようなテクニックを使うのかも求職者のみなさんの自由です。

私の意見は参考レベルにしていただき、最後はご自身で判断することが後悔しないことだと思います。

転職活動に役立つ資格

転職活動に役立つ資格は一般的に知名度が高く、取得が難しい資格です。

また、その資格を保有していることで、知識や技術を証明できるレベルにある資格は転職活動では役立つ可能性が高いです。

ただ、注意点は自分が希望する仕事と関係があることが大前提になります。

例えば薬剤師の資格を持っている方が、金融業界の営業職として転職を希望する場合、薬剤師の資格は全く意味が無いものになります。

ただし面接の際に、取得背景など興味本位で聞かれることがありますので、アイスブレイクのネタとしての効果はあります。

ただ、そのためだけに難易度の高い資格を取得するというのは、あまり賢いとは言い難いと思います。

公認会計士と税理士

具体的に資格名をご紹介します。

公認会計士と税理士は経理、財務など企業のお金を扱う職種においては、かなり強力な資格となります。

この資格に加えて英語力があれば、黙っていても簡単に転職できるレベルではないかと思います。

公認会計士と税理士は、お金の扱いについてはプロ中のプロで、そう簡単に取得できる資格ではありません。

資格の難易度としても最上位になります。

転職エージェントとして、この二つの資格を持つ求職者の転職支援をしたことがありますが、全員、短期間の転職活動で転職が決まっています。

それだけ、経理や財務などのお金を扱う職種とは親和性が高いと言えます。

MBA

MBA

MBAとはMaster of Business Administration の略称。
日本語では経営学修士と呼ばれる学位であり、経営学の大学院修士課程を修了すると与えられる。

MBAプログラムの目的は、経営者や経営をサポートするビジネスプロフェッショナルを短期間に育成することにある。

MBAプログラムを提供している大学院は、通称としてビジネススクールと呼ばれている。ビジネススクールでは、主に社会人を対象に、経営に必要な知識や能力を修得するためのプログラムを提供している。

MBAは、日本で取得するよりも、アメリカで取得した方が企業からのニーズは高いです。

もちろん、日本のMBAも難易度が高いのですが、アメリカの方が注目度はあると思います。

また、この資格は経営全般に関係する資格ですので、この資格を持っていれば企業経営のコンサルタントとして独立することも十分できる資格です。

転職においては、経営企画との親和性が高いです。

経営企画は、企業内の職種のなかでも、ハイレベルな職種で経営者の右腕と言っても良い立場の職種です。

私は、実際にMBAを取得している知人がいますが、会う度に『この人は頭がキレるなぁ』と思わされます

他にも転職活動で役立つ資格はありますが・・・

今、三つほどの資格をご紹介しましたが、他にも業界や職種によっては役立つ資格があります。

ただ先述でお伝えしたように、それぞれの資格が役立つかどうかは業界や職種で限定されます。

資格は、『狭く深く』ですが、最近、資格以上に需要がある英語は『広く浅く』です。

転職市場では『広く浅く』働ける人材が必要とされる傾向にあります

私が在籍していたことがある企業の経営者から、

『資格は守備範囲が狭い。経営は浅いとは言え、守備範囲が広い』
『資格で得た知識を日常的な業務で使う機会はほとんどないと思う』

という話をされたことがあります。

私も人事の仕事に役立つ資格は持っていますが、仕事をしている上でその知識が役立つ機会はあまりありませんでした。

転職活動は、いかに企業のニーズと合致できるかという勝負ですので、以上の点を考慮して本当に資格を取得するか決めた方が良いと思います。

薬剤師のように「その資格がなければ仕事にならない」という場合は資格取得が絶対だと思いますが、転職市場全体で見れば資格を必須にしている求人の方が圧倒的に少ないです。

今は資格よりも英語を必須とする求人が明らかに多いので、下手な資格を取得するようであれば英語の勉強をしたほうが良いように思えます。

資格に偏り過ぎた転職活動は危険

転職活動は資格ありきで行うことはやめましょう。

転職市場は少しずつ変化し、ニーズは常に変わります。

まずは現在の企業のニーズを理解することが何より大切です。

また共通して言えることは、資格取得から得た知識を実務で使うことはあまりないということです。

私は今の時代、資格よりも英語だと思います。

資格がなくても応募できる求人は多くありますが、英語ができなければ応募できない求人はもかなり多くあります。

求職者のみなさんは資格の力を過信せず、プラスアルファ程度に考えておくのが良いと思います。

転職活動のためだけに資格取得することはあまりオススメできません。

最後になりますが、求職者のみなさんの転職活動が充実し有意義なものであることを祈り、これで話を終わりにしようと思います。

最後までお読みいただきありがとうとございました。

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