公認会計士は転職では最強?
転職活動をされているみなさんのなかには、何らかの資格を持っている方が多いと思います。
保有している資格の価値についてよく考えている方もいると思いますし、資格を武器に転職することは全く考えていない方もいると思います。
私は現在、転職エージェントとして求職者の転職支援をしているのですが、多くの求職者の方が何らかの資格を持っています。
この背景にあるのは、一時日本で起こった資格ブームです。
資格が仕事や転職に有利ということで、多くの人が資格の取得に励んだのです。
今回の記事の目次
今回のテーマは?
資格が転職活動に与える影響は、希望する求人によってそれぞれ違います。
そのため資格が役に立つときもあれば、何ら役に立たないときもあります。
資格で企業に『お?すごいぞ』と思わせるポイントは、簡単に言えば難しい資格を取ることです。
資格は、どれだけ難易度が高いかにより市場価値が上がるということになります。
これは、転職市場では如実に表れています。
数ある資格のなかでも特に難易度が高い三大国家資格をご存じでしょうか。
- 医師
- 弁護士
- 公認会計士
これらのいずれかを取得していれば独立できることはもちろん、将来食いっぱぐれることはないと思います。
私の友人のなかにこの三大国家資格を持っている友人がいますが、全員社会的な地位を確保して順風満帆な人生を送っています。
今回は三大国家資格の一つである公認会計士を中心にして、転職市場、転職後の働き方などをご紹介したいと思います。
公認会計士とは?
公認会計士は会計関係で最高峰の資格で、日本にはそれ以上の会計系の資格はありません。
医師や弁護士と違い、公認会計士という資格は日常で関わりが薄いので知名度自体はそこまで高いとは言えませんが、ビジネスの世界では非常に需要がある資格です。
公認会計士になるためには
公認会計士になるためには、国が行う試験に合格しなければいけません。
毎年1回試験がありますが、1万人から2万人ぐらいの受験者が受験に挑み合格率は7%~8%となっています。
公認会計士のほかにも税理士など難易度が高い国家士資格はありますが、公認会計士は別格です。
一度の試験で合格する人はほとんどいませんし、独学で取得できるような資格でもありません。
公認会計士を目指す人は、ほぼ全員学校や予備校に通い、平均3年をかけて合格します。
あくまで平均年数であり、私が知る限りでは8年という人がいます。そういう人もざらにいると思います。
公認会計士と似た資格
公認会計士と税理士を混同している求職者の方も多いと思います。
公認会計士は税理士の上位資格です。
並列関係ではなく直列関係にあり、いくつかの試験科目は重複しています。
税理士と同じ範囲を管轄する部分もあるとは言え、合格基準も厳しく難易度は公認会計士の方が高いということになります。
その他、簿記という資格とも比較の意味で混同されやすいですがこれも違った資格です。
後述しますが、公認会計士と親和性のある求人の内容と税理士や簿記の範囲が似ているため、気をつけてください。
私の転職エージェントを利用した方で簿記の資格を持っている方がいまして、範囲が似ているとして公認会計士の求人に応募して墓穴を掘ってしまった例もあります。
逆に、公認会計士の資格を持っている求職者の方は税理士や簿記を必要とする求人に応募することはできます。
公認会計士の転職市場
公認会計士を取り巻く転職市場はどうでしょうか。
公認会計士の資格は取得難易度が高いため、転職活動のために資格取得を目指して勉強しても継続することが難しいです。
私の友人で、公認会計士を取得してから転職活動をする計画をした人達は、全員が途中で挫折してしまっています。
公認会計士の資格は転職活動においてかなり優位性がありますが、公認会計士の受験者数はここ数年減少傾向にあります。
言い換えれば公認会計士の資格を取得している人が減り、転職に有利ということになります。
転職エージェントとして、求職者の経歴や資格を拝見すると『この求職者の方はうらやましい』と思ってしまうことがあります。
公認会計士の資格は業界や業種に関係なくニーズがあるので、安心して転職活動をすることができると思います。
公認会計士の求人の探し方
公認会計士の資格を持つ求職者の採用活動は転職エージェントを利用することが多いです。
企業はその傾向を知っていて、数が少ない転職サイトに求人を掲載しても採用できる確率が低いため転職エージェントを利用します。
また、公認会計士は採用後に企業のお金の部分を担当し、事業の立ち上げに関わるなど重要な役割を任されます。
転職サイトに公認会計士の求人を掲載してしまうと、他の競合他社もその求人を見ることが可能であり、自社の経営戦略や事業戦略が筒抜けになってしまう恐れがあるのです。
転職エージェントを利用する方がこの観点でもリスクがないとされています。
小規模の転職エージェントは狙い目
公認会計士の求人は、なかでも小規模の転職エージェントに集まる傾向があります。
小規模の転職エージェントは企業の経営者と強いネットワークを持っていることが多く、人事を通さず経営者が直接転職エージェントに依頼することがあります。
公認会計士の求人はハローワークや求人情報誌にはまずありませんので、まず小規模の転職エージェントを利用するのが良いと思います。
普通は一気に複数の転職エージェントを利用した方が効率的なのですが、公認会計士の場合は保有者が少なく求人が多いので、活動の範囲を広げなくても転職することができる可能性が高いです。
幅を一気に広げて求人の確認の質を下げるよりも、少数の求人で活動の質を上げた方が良いと思います。
公認会計士の採用基準
公認会計士は超売り手市場ですので、採用基準は低いです。
低いというと誤解があるかもしれませんが、資格の難易度が高いため、資格を持っているだけで十分内定をもらえることができるという意味です。
ただし、人気がある監査法人については、レベルの高い公認会計士が競合しますので、相対的基準が上がります。
一方で、民間企業は応募数が少ないため、公認会計士の資格の範囲となる職種への転職は『楽勝』だと思います。
ただ、資格だけではなく人間性も採用基準になります。
自分の資格のレベルが高いことを知っていて、変に人を見下す方もいますが、それでは資格が無駄になることもあります。
公認会計士の採用基準は明らかに他の資格よりも有利で、親和性がある経理、財務、経営企画でも十分勝てる転職活動になると思います。
転職エージェントとして多くの資格に関係性する転職支援をしていますが、公認会計士の資格を持っていて転職活動に苦戦している求職者はいません。
公認会計士の働き方
求職者のみなさんは、転職後の働き方を転職活動中にイメージすることも大切なことです。
公認会計士として転職したあとにどのような働き方になるのかをご紹介したいと思います。
公認会計士の転職先の一つに監査法人があります。
監査法人は大手から小規模まで多くあるのですが、どの監査法人も人材不足に悩んでいます。
監査法人に転職すると監査部門に配属されますが、金融部門や会計部門の仕事もすることができます。
一般の民間企業への転職する公認会計士の方も多くいます。
上場準備中の企業へ転職した場合、上場に関する業務をメインで行うことができると思います。
それ以外の場合は
- 経理
- 財務
- 経営企画
といった間接部門でお金に関する業務を担当することになりますが、年齢に関係なく上位の役職が付きます。
私は年齢が若い公認会計士の資格を持つ方の転職支援をしたのですが、その方は20代後半で財務経理の本部長という待遇でした。
公認会計士に労働条件
私の友人にも公認会計士の友人がいるとご紹介しましたが、彼は若いときから部長で、今では上場企業の副社長です。
その友人は大学時代から公認会計士の勉強をしていて、就職後も勉強を続けて公認会計士の資格を取っているのですが、今ではそういった苦労の3倍、4倍の価値になっていると言っていました。
公認会計士の転職時の労働条件ですが、監査法人については人材不足とは言え、既に多くの公認会計士が在籍していますのでそこまで高い労働条件とは言えません。
年収としては800万円前が多いです。
ただこの800万円は年齢に関係なくですから十分高いのではないかと思います。
民間企業の場合は軽く1000万円を越えます。
公認会計士の資格を持つ求職者の方は監査法人へ流れる傾向があるため、民間企業での需要が高いのです。
また、一つの企業が複数の公認会計士を抱えるということはないので、民間企業では年収を引き上げて監査法人よりも良い待遇で採用することが多いです。
公認会計士の資格は最強
他の医師や弁護士は労働市場との相性がそれほど良くはなく、どちらかと言えば独立系の資格になります。
しかし、公認会計士の場合は医師や弁護士と同じく独立系の資格であり、労働市場とも相性が良い資格です。
その意味では、汎用(はんよう)性があり可能性のある資格だと思います。
公認会計士の資格を持ち独立しようか転職しようか悩んでいる方もいると思いますが、いったん企業に入り数年後に独立した方がキャリアとしては良いと思います。
企業に入ると経営の中心的な立場で仕事をすることになり、立場が高い方との人脈が増えると思います。
公認会計士の資格を持つ求職者の方は、自信を持って転職市場で転職活動を行って良いと私は思います。
最後になりますが、求職者のみなさんの転職活動が充実し有意義なものであることを祈り、これで話を終わりにしようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。