【転職エージェントが語る】税理士の転職先【BIG4?コンサル?】

業界内ならBIG4税理士法人を目指せる

求職者のみなさん、こんにちは。

今回は、税理士資格を保有する求職者の方の転職事情について、いくつかの視点からご紹介したいと思います。

まず、税理士とは、三大国家資格には該当しないものの、非常に取得難易度が高い国家資格であることはご存知かと思います。

今、この記事を読んで頂いている求職者の方のなかにも、税理士資格を保有している方もいらっしゃるかと思いますが、その難易度は取得に平均3年から5年必要と言われる難関の資格です。

税理士の資格を持っていれば、企業や税理士事務所に在籍して仕事をすることはもちろんのこと、自分で起業することもできる世間的に優れた資格とされています。

私は、税理士の資格は持っていませんが、職業柄、税理士の資格を持つ方とのネットワークが濃く、また、転職エージェントとして税理士資格を保有する求職者の方の転職支援をしてきた実績がありますので、今回の記事は、求職者のみなさんにとって有益な情報となるのではないかと自負しています。

さて、まずは、税理士業界についてですが、既に税理士業界で仕事をされている方であれば、聞き慣れた言葉かもしれませんが、業界内には、BIG4と呼ばれる税理士法人があります。

具体的には、PwC税理士法人、デロイトトーマツ税理士法人、KPMG税理士法人、EY税理士法人の4つになりますが、どれも大手の税理士法人です。

税理士の資格を持つ方であれば、だれしも一度は耳にしたことがあるでしょうし、だれしも、一度は、この税理士法人で仕事をしてみたいと憧れを持つのではないかと思います。

この4つの税理士法人は、当然、税務関係の事業を主に扱い、多くの税理士が在籍していますし、税理士の他にも複数の職種が存在し、税理士の資格を持っていなければ、この4つの税理士法人に転職することができないということはありません。

ただ、そうは言っても、税理士法人ですので、その主人公とも言える社内の中心的存在は、税理士です。

税理士として、これら4つの税理士法人に転職することができれば、大げさ化もしれませんが、将来安泰で、しかも、社会的な信用も勝ち取ることができると言われています。

公務員は倒産や解雇がなく、安定した社会的信用を勝ち取ることができますが、収入面においては、優遇されているということはないのですが、これら4つの税理士法人に転職すると安定+高収入+社会的信用という3つの財産が一気に身に付けることができると言われています。

それほど、この4つの税理士法人は、税理士業界のみならず、世間一般的にも知名度がある存在になっています。

BIG4税理士法人の業務内容とは

BIG4の税理士法人だからと言って、他の税理士法人や税理士事務所と業務内容が大きく変わるということはありません。

なぜならば、税理士は国家資格であり、税理士法という法律により、一定の基準が設けられているため、その領域を超えて、税理士として利益を得ることは禁止になっているためです。

具体的な業務内容は、法人や個人を相手にした、税務対策や税務コンプライアンスの整備、また、税務コンサルティングが中心になります。

この他、国際関係税務も範囲にあり、法律に整備されているとは言え、その範囲はかなり多岐に渡ります。

BIG4も含めてのことですが、税理士法人の場合、基本的には法人を相手にしていることが多いです。

個人の税理士事務所を除いた大半の税理士法人や税理士事務所は、利益を得ることが法人存続の必須要件ですので、民間企業と同じように大きな利益を得ることができる大手企業やその他の法人をクライアントにしていることが多いです。

年収等待遇面はどうか

今回の記事は、既に税理士としてキャリアを積み、税理士事務所や企業で税理士として仕事されていて、今後、BIG4も含めた他の税理士法人や民間企業への転職を希望されている方を中心にお届けしています。

そのため、税理士としてどこかに在籍されている方であれば、何となくイメージできるのかなと思いますが、BIG4の年収などの待遇面は他の税理士法人よりも優遇されています。

ですので、多くの税理士の方々は、BIG4に対して憧れや入社志望を持つのですが、具体的に年収や休日、休暇など、福利厚生面はどうかについてご紹介していきたいと思います。

私は、転職エージェントとして、実際にBIG4のうち2つの求人で転職支援を行ったことがありますし、BIG4のすべての求人を扱っています。

また、以前、人事として、経理や財務の求人を公開した際に、BIG4から転職を希望された方の面接も行ったことがあります。

是非、この点を参考にして頂き、自分に待遇面において自分が納得できるものかどうかをご判断して頂ければと思います。

まず、年収面ですが、当然、BIG4にも役職やグレードがあり、在籍期間や実績に応じて、平社員から課長以上の管理職のポジションがあります。

それにより、年収も変動するのですが、課長以上になると、年収は軽く1000万は超えます。

また、部長や本部長クラスになると高い場合は、2000万程度になるとも言われ、その数は、社内でもごくわずかですが、存在する事実は変わりません。

次に、休日や休暇については、税理士法人と言えども、また、税理士の資格を持っていると言えども、労働者を雇用する組織であり、労働者です。

そのため、労働基準法やその他の労働、社会保険関係の法令の適用があります。

1日8時間、週40時間を超える場合は、別途、残業代の支給がありますし、休日や休憩についても、法令通りになっています。

しかし、休日や休暇をしっかりと取れるかと言いますと・・・この続きは、このあと、詳しくご紹介します。

福利厚生については、やはり大手の税理士法人ですので、優遇されています。

福利厚生には、法定内の福利厚生と法定外の福利厚生があります。

法定内は、社会保険加入など労働者を雇用する組織としては当たり前の内容を指しますが、法定外の部分は、その組織や企業ごとに特徴があり、BIG4については、現金給与以外の現物支給として手厚い制度があります。

実は激務すぎる?

休日や休暇については、法定通りと説明し、その都度、しっかり休みが取れるかどうかにつついては、ここで詳しくご紹介したいと思います。

税理士法人や税理士の仕事は、年中多忙となることはあるのですが、その多忙のなかでも、繁忙期があります。

求職者のみなさんも、企業に在籍しているのであれば、年末調整ということで所得税の申告をされるかと思います。

法人や個人事業主の場合は、年末調整ではなく確定申告ということで、その年度に得た所得に対する税金を計算し、税務所へ納付することが義務になっています。

私も、これについては、当事者として非常に苦戦した経験があります。

素人では恐らくミスや漏れが発生し、企業税務となれば会社の問題になるリスクもあります。

経理担当者ができる場合もありますが、込み入った内容であれば、やはり、税務関係のプロである、税理士に委託する企業が多いです。

その時期はと言いますと、1月から3月で、この時期は、BIG4の税理士法人も含めて、自宅に帰れることは月に数日程度で、相当な激務期間になります。

私は、人事系の国家資格を保有してる身ですので、仕事がら税理士法人内部の労働環境についてもよくヒアリングをしています。

ある中堅クラスの税理士法人では、ニュースにはなっていませんが、労災認定されるぐらいの過重労働があったとのことです。

この章で『激務過ぎる?』と表現しましたが、はっきり言いますと、BIG4のこの時期の業務は、『過ぎる』のレベルをはるかに超えていると言われています。

その理由は、業務の内容というよりも、業務のボリュームが半端な量ではないからです。

どの企業も、税務実績が少ない税理士法人や税理士事務所に委託するよりも、社会的に立場のある実績が豊富なBIG4に依頼したいと考えるもので、取引数が他の税理士法人や税理士事務所よりも多いです。

BIG4と言われるぐらいですので、当然と言えば当然のことですが、そのしわ寄せは、在籍する税理士に向き、特に平社員クラスの税理士については多忙を極めると思ってください。

ただ、税理士として、この経験が今後に非常に生きてきます。

業務の量をこなすことで、自然と質が上がり、税理士としての知識や経験、何より自信に繋がり、税理士として、社内でも重宝され、クライアントから名指しで指名が入ることもあります。

民間では会計職、税務職に有利

税理士として民間企業へ転職を考えている求職者の方は、なかなか珍しいと転職エージェントである私は思いますが、自分のキャリアや今後を見据えて民間企業へ転職した方がメリットがあるということであれば、それは問題ないことかと思います。

私の転職エージェントとしての経験上、税理士資格を保有する求職者の方の大半は、民間企業へ転職するというケースはあまりなく、大体の場合、税理士法人や税理士事務所への転職を優先しています。

そのなかで、民間企業へ転職する際に、会計職と税務職の2つが大きくありますが、民間企業では、税理士の業務範囲を管轄する部署は経理や財務、特に経理は親和性が高いため、税務職の方が有利とされています。

ただ、一概に言えないことが、企業の特徴や方向性により会計に力を入れている場合があります。

いずれにしても、税理士資格を保有する方であれば、民間企業の会計職、税務職ともにすんなりと業務に入ることができ、そこまで苦戦することは想定できません。

税理士の有利な職種とは?

税理士に有利な職種について、ご紹介しますが、これは何と言っても経理だと思います。

経理の求人を扱うことも良くあるのですが、さすがに、民間企業の経理職で取得難易度が高い税理士資格を必須要件にしていることはないです。

しかし、尚可要件には必ずと言って良いほど、税理士資格があります。

その他、あれば歓迎、優遇という項目にも必ず税理士資格があります。

それだけ、経理と税理士は一体的な立場にあるということです。

また、この他に、財務という職種があります。

財務については、お金の管理という経理とは違い、銀行などと交渉を行いお金を増やすということが主な仕事になります。

その意味では、税務業務を主に扱う税理士との相性はそこまで色濃くないと思います。

あと1つ、税理士との相性を考えるのであれば、経営企画があるでしょう。

経営企画は、事業を企画する業務もありますが、一方では、お金をどこに投資し、事業をどのようにすればレバレッジが効くモデルにするか考える部署でもあります。

その意味で、事業を行う上では、どうしても税務的な観点が必要になってきますし、税理士の資格を保有している場合は、優遇されると思います。

さらに、もう一つ、なかなか難しいことではありますが、企業の顧問税理士として転職することがあります。

これは、個人が企業に社員として転職するのではなく、顧問として転職する訳ですから、雇用契約の締結はありません。

実際に私は、この案件を手掛けたことが転職エージェントとしてありますが、税理士としてかなりの実績を積んだ方であれば、十分、その対象に入ります。そこの年齢は関係ないです。

今、転職エージェントのなかで税理士顧問の求人を多く公開している企業群は、ベンチャー企業です。

ベンチャー企業は、経営者がまだ若く、税務関係のことを良く分かっていないため、顧問税理士を置くことが、ある意味、トレンドになっています。

税理士の有利な業界は?

税理士の転職で、有利な業界について、ここではご紹介したいと思います。

どの業界でも、税理士のニーズは高く、どの業界が有利ということは一概に言い切ることはできないのです。

ただ、そのなかで、私の個人的な見解で語ると、待遇面で優遇されるのは、外資系の税理士法人やコンサルティング企業です。

今の日本には多くの外資系企業が参入していますが、税理士法人についても同様の動きがあります。

恐らく今後はもっと増えてくると予測されていますが、外資系企業やコンサルティング企業の場合、転職エージェントとして最も特徴的な要素が年収です。

この両者は、他の業界や業種に比べても一般的に高い年収を提示される言われていて、税理士においても同様です。

税理士の場合、世間的ニーズが高く、ただでさえ、高い年収を提示されることが確実です。

そのうえ、さらに、外資系企業やコンサルティング企業ともなれば、その額は・・・。

十分、期待できる年収提示を受けると思います。

その代わり、社内的な雰囲気はドライです。

この点が注意点で、業務内容や範囲は、他の企業などとほとんど変わりませんが、アップorアウトという文化を持っています。

このアップorアウトという文化を具体的に説明しますと、人事評価制度のことです。

通常、日系企業であれば、給与や役職は、上がることもあれば下がることもあるでしょう。

外資系企業やコンサルティング企業の場合、上がることはあっても下がることはない、許されないということで、その代わりにアウト、つまり、退職という選択肢があります。

上がるか辞めるか・・・という選択肢しかない人事評価制度です。

そのため、退職する人も多くいますし、かなり人間関係も大半の人が自分の利益を最優先するため、ぎくしゃくするようです。

また、外資系企業やコンサルティング企業については、取引先に特徴があり、クライアントの約半分が外資系企業であることがあり、その分、英語を活用するシーンがあります。

税務関係のビジネス英語は特に難解とされていますので、語学力に自信がない方は、語学力をしっかり身に付けてから転職を考えた方が良さそうです。

そうしないと、アップorアウトのアウトの対象になる可能性が十分にあります。

外資系対策

先述の章と若干、重複する部分もあるかもしれませんが、ここでは外資系へ転職する際の対策についてご紹介したいと思います。

税理士として外資家企業へ転職する場合、コンサルティング企業も含めて、英字の履歴書や職務経歴書を用意してください。

また、できれば、外資系の転職エージェントを利用した方が、転職活動はスムーズに進むと言われています。

私の転職エージェントは、日系の転職エージェントですが、それなりに外資系企業、かつ、税理士資格の求人を持っています。

ただ人事交流会で、いろいろな転職エージェントの方と情報交換をした際に、やはり、外資系企業の求人は外資系の転職エージェントが多いと実感させられます。

また、真逆の意味での対策になりますが、日系の転職エージェントのなかに、税理士の求人や税理士の求職者の方の転職支援に特化した転職エージェントがあります。

私の私感になりますが、はっきり言いますと、大したメリットはないです。

実際に行う転職方法の比較

税理士の資格を持つ求職者の方は、ヘッドハンティングの対象になることも良くあるのですが、ヘッドハンティングの場合は、企業からオファーがなければ、転職することができないため、運も必要です。

自分のタイミングで転職をしようとする場合、やはり、転職市場に自ら出て、いくつかある転職方法を使った方が良いと思います。

通常、転職市場に自ら出ると、年収面は特にですが、現職や前職よりも下がることがありますが、税理士資格を保有する求職者の方はそのようなこと可能性として低いと思います。

今の転職市場には、転職エージェントの他、転職サイトやハローワーク、求人情報誌という転職方法が確立されている訳ですが、それぞれに分けて、専門性、案件の特徴、倍率、生産性(現職との並行の可否)の視点でご紹介していきたいと思います。

ハローワークの利用

まず、ハローワークを使っての転職活動ですが、これは、専門性は低いと思ってください。

最近、企業は助成金を狙ってハローワークを積極的に利用することが増えていますし、私も職業柄、ハローワークに出向くことがありますが、税理士という資格を十分、活かせるレベルの求人は皆無に等しいです。

案件の特徴は、経理の求人はありますが、残念ながら、経理と言っても、事務処理がメイン業務になり、税理士のノウハウを活かせるとはお世辞にも言えない内容になります。

それに伴い、求人に記載されている収入も月収で20万前後が多く、税理士の資格を持っているのであれば、勿体ないと思います。

続いて倍率ですが、これはハローワークが管轄するエリアにもよりますが、首都圏については、そこまで高くありません。

と言うより、税理士資格を持っている場合、鬼に金棒というぐらい、かなりの確率で内定を貰えると思います。

なぜかと言いますと、ライバルとなる他の求職者の方は、税理士資格を持っているということはゼロに等しいですし、年齢が若い求職者の方や高齢の求職者の方だからです。

生産性の意味では、ハローワークを使っても特に現職に支障がでるということはないと思います。

ただ、選考前のレジュメの確認や選考中の面接対策はすべて自分で行うことになりますので、その意味ではあまりお勧めできない方法です。

転職サイトの利用

転職サイトの利用については、案件の特徴から説明すると、大体の場合、役職なしの案件が多いです。

また、専門性については、転職サイトの場合、職種限定というサイトはあまり見られず、あったとしても、求人の数に問題がありますので、転職サイトを利用したからと言って、税理士の求職者の方への転職情報のインプットは難しいと思います。

生産性については、求人の検索、応募手続き、レジュメ作成、その他、すべてのことを求職者の方が自ら行うことになりますので、かなり手間だと思います。

倍率については、絶対にこうということは言えないのですが、求人が求めるレイヤーが低いため、多くの応募数があると思った方が良いですし、その場合、倍率も高いと思います。

まとめ:転職エージェントを活用して

最後に、まとめとして転職エージェントを活用した場合ですが、まず、結論から言いますと、すべての視点において、転職エージェントを利用して転職活動をした方が良いと私は判断します。

専門性については、税理士や税理士と親和性がある経理などの職種の専門キャリアアドバイザーがいますので、十分、質の高い情報を得ることができるでしょう。

また、生産性の意味でも、応募手続きなど事務処理はすべて転職エージェントで行ってくれますので、現職に支障が出ることは少ないと思います。

倍率については、クローズ案件、独占案件などが転職エージェントにはありますので、転職サイトのようにだれでも閲覧でき、だれでも応募できる状況ではないため、その分、応募数は限定され、倍率は下がるでしょう。

案件の特徴は、自分の希望条件に合致した求人のみを紹介されますし、また、転職エージェントごとに独占求人を持っているため、いくつかの転職エージェントを同時に利用して案件の特徴を見極めた方が良いと思います。

また、転職エージェントで紹介を受ける税理士資格の求人は、ハイクラス求人に該当しますので、実務はもちろんのこと、部署のマネジメントにも携わることができると思います。

今回は、税理士の転職事情について、ご紹介してきましたが、いかがでしょうか。税理士という資格は、転職市場において、労働市場において、ニーズが高い資格ですので、他の求職者の方よりも保有している段階でアドバンテージを持つことができると思います。

是非、自信を持って転職活動して頂ければと思います。最後までお読み頂きありがとうございました。

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