【転職エージェントが語る】IT業界に未経験で潜りこむための4つの秘訣

IT系の仕事が未経験でも、IT業界に興味がある、転職したいと考えている人は案外多いと思います。

普段からパソコンを使って作業をすることが好きで、簡単なプログラミングをしたりアプリを作ったりしているうちに、本格的にIT系の仕事をやりたくなる人もいます。

しかし、せっかくIT業界への転職を志しても「未経験からだとITの知識や経験がないからだめなのでは・・・」と、なかなか一歩を踏み出せない人がいるのも事実です。

でも、大丈夫です。未経験OKの求人が多いIT業界では、未経験の人が転職するための秘訣があるのです。

ここでは、IT業界に未経験で潜り込むための4つの秘訣をお教えしましょう。

そもそもIT業界の「未経験可」とはどういう意味かを知ろう!

IT業界では、意外と「未経験可」の求人が多いですね。でも、その「未経験」がどういう意味なのかを考えたことがあるでしょうか?IT業界でいう「未経験」とは、以下のような種類があります。

IT業界でいう「未経験」の種類

  • IT系の仕事の経験がなく、知識もない
  • IT系の仕事の経験はないが、工学系の大学や専門学校、または独学でIT系の知識を学んだことがある
  • IT系の別の分野の仕事をしたことがあるが、この分野は未経験

一言で「未経験」と言っても、このように色々な意味合いがあるのです。

未経験で中途採用する場合、給料を安くすることができるという企業の思惑もありますが、それだけではありません。

それぞれどのような意味があるのかを、ご説明します。

IT系の仕事の経験がなく、知識もない

プログラミングなどITの知識が全くなくて仕事の経験もない人でも、中途採用の募集が多く出ています。

全くの未経験の人を募集するのは、他の業界で得たスキルを持った人材が欲しい、という企業の思惑があるからです。

また、IT知識がなくても、他の職業の経験が生かせる場合もあります。

例えば、元銀行員が銀行システムを開発したり、元ファイナンシャルプランナーが煩雑な保険の知識を生かして保険のシステムを開発したり、などです。

もちろん、まったくの未経験からIT系の仕事を始めるためには、一から学び直す努力が必要です。

IT系の知識を学ぶことをいとわない人が、この職業に向いているでしょう。

IT系の仕事の経験はないが、工学系の大学や専門学校、または独学でIT系の知識を学んだことがある

仕事の経験はないけれど一通りの知識を体系的に学んだことがある、または資格があるという人は、IT業界に入っていきやすいです。

例えば、C言語などをある程度マスターしていれば、他の言語でも基本的な考え方が同じなので応用がききます。

コンピューターやネットワークの構造や基礎知識などは、どんな分野のシステムを構築する際にも役に立つのです。

ここに属する基礎知識がある未経験者を企業が募集するのは、転職後に基礎知識に関する研修や教育を省くことができるからです。

IT知識の素養がある人は、今後仕事をして行く上で技術を習得しやすいこともあります。

IT系の別の分野の仕事をしたことがあるが、この分野は未経験

このカテゴリーに属するのは、

例えば「ネットワークエンジニアの経験はあるが、アプリケーション開発はしたことがない」などという、

分野は違うけれどIT系の仕事の経験があるという人です。

上記の仕事の経験も知識もない、または知識はあるが仕事の経験がない人を「未経験」と呼ぶのとは、意味が異なります。

このようなケースも「未経験」になるので、注意が必要です。

「プログラミング」は必須ではない!未経験の人は「上流工程の仕事」を狙え!

IT系企業で働いている人がみんな、プログラミングをしているわけではありません。

ITシステムを作って売る仕事ですからプログラムを作ることは確かに必要ですが、それ以外にも多種多様な仕事があります。

ですから、IT業界に転職するからと言って、みんながみんなプログラミングの知識をマスターしなければいけないわけではないのです。

ではどのような仕事があるのでしょうか?システム開発の仕事の流れは簡単に言うと、以下のようになっています。

  1. 顧客との要件確認をする
  2. 要件を定義する
  3. 設計する
  4. プログラミングをする
  5. システムテストをする
  6. 顧客に納品する
  7. システムを維持・運用する

システム開発における二つの役割

上流工程と下流工程とは

・上流工程:顧客との要件確認、要件の定義、システムの維持・運用など顧客に近い工程
※「上流工程の仕事をする人の方が偉い」というわけではありません。
・下流工程:設計、プログラミング、システムテストなどシステム寄りの工程

当然、下流工程の仕事をする人の方が、より実践的なプログラミングの知識や経験が必要です。

未経験の人が入っていきやすいのが「上流工程」です。その中で顧客向けにITソリューションを提案するのが、ITコンサルタントの仕事です。

もちろん、システムやプログラミングの知識が全く不要なわけではありません。

例えば、顧客の提案が実現可能かを判断する際や、設計やプログラムが顧客の要望通りのものかをチェックする際に、プログラム寄りの知識が求められます。

しかし、一からシステム構築ができるほどの高度な知識はほぼ不要です。

IT職でも役に立つ文系の能力

必要なのは、顧客とのコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力、設計書などを書く文章能力などです。

特に、顧客からの要望をきちんと形にして文書化する能力は、どちらかと言うと理系と言うより文系の能力です。

システム開発に必要なのは理系寄りの知識だけではないのです。

また、システムの維持・運用の仕事も、内容によっては高度な知識が要求される場合もありますが、未経験の人でも出来る仕事が多いです。

マニュアル通りにシステムを運用したり、顧客からの問い合わせ対応をしたりします。

他にもホームページデザインなど深い専門知識が無くても未経験の人が入っていきやすい仕事がたくさんあります。

大企業では分業型・中小企業は一気通貫型

システム開発の仕事の分担方法は、会社の規模によって異なります。

規模の小さい会社では営業活動から上流工程、下流工程まで全て一人で担当するところもあります。

上記のように上流工程と下流工程は担当者が分かれているのは、規模の大きい会社です。

もっと大規模なシステムを扱う会社ではプロジェクトに関わる社員が多いため、顧客との折衝を担当するコンサルタントと、要件の定義、設計、プログラミング、システムテスト、維持運用の全ての工程が別の部署に分かれているところもあります。

ですから、「最初からいきなりプログラミングの仕事をする自信が無いな・・・」と言う人は、比較的規模の大きい会社の上流工程の求人を狙うのがおすすめです。

IT未経験だからこそ持つスキルをアピールせよ!

IT業界で必要なスキルはIT系の知識やスキルだけではありません。他の業界で培ったスキルや経験が役に立つことがとても多いのです。

IT系の知識は勉強すれば得ることができます。

しかし、実際に仕事を経験して苦労して得たスキルや経験、その人がもともと持っている特性や才能は勉強すれば得られるものでもありませんから、とても貴重なのです。

また、IT企業が新卒で理系の学生ばかり集めてしまった結果、技術力はあるがそれ以外の仕事のスキルがなかなか向上して行かない、文系のスキルが不足しているなどの悩みを抱えている場合もあります。

「IT未経験でもこの人はぜひ欲しい!」とIT企業に思わせるようなスキルや経験についてご紹介しましょう。

他業界の業務知識

例えば、元銀行マンが金融の知識を生かして金融システムを、、元証券マンが証券のシステムを開発するシステムエンジニアに転向するなど例は、とても多いです。

IT企業は様々な業界からシステム構築の依頼を受けてシステムを開発しますが、その業界については素人です。

ある業界についての業務知識が豊富で、ITシステムのコンサルタントやシステム構築をしてみたい、と言う人は採用されることが多いでしょう。

コンサルティング力

ITコンサルタントに必要なスキルは、顧客の業務や問題点を正しく把握し改善案を提案する力です。

さらに、顧客から要望をうまく引き出したり、顧客に専門性の高いシステムに関することをわかりやすく説明したりする、高いコミュニケーション能力も必要です。

これらはまとめてコンサルティング力と言うことができます。

ITコンサルティング会社や規模の大きいシステムを持つIT企業では、「顧客へのITソリューションの提案」などという業務を担当する中途採用の募集がよく出ています。

リーダーシップ力やマネジメント力

ある程度規模の大きいプロジェクトになると、複数のチームメンバーを率いるチームリーダーが必要です。

しかし、IT企業の中には技術力重視で人材を集めてしまったり、年を取ってもリーダーにならず技術寄りの仕事を続けたい人が多かったりして、チームリーダーやマネジメント層が不足している企業もあります。

また、若い人が集まってできた新しい会社だと、マネジメント層がいない場合もあります。

そのため、チームリーダーの素養がある人やマネジメント力が高い人を中途採用で募集しているIT企業は意外と多いです。

IT業界の経験がなくても、ある程度チームメンバーとしてIT業界の経験を積んだ後にIT企業のチームリーダーとして活躍する道もあるのです。

IT未経験でも採用される人の行動とは?

IT業界の人事担当が採用したいと思うような転職者の行動とはどのようなものなのでしょうか?

特に、IT業界未経験の転職希望者のどこを見ているのかをお教えしましょう。

勉強する習慣がある

転職希望者が勉強しているかどうかは、必ず見ます。未経験の人でなくても、IT業界で働くためには常に新しい技術に追いつくために勉強を続けなければなりません。

未経験の人は情報処理やHTMLなどの転職したい企業で使う知識に関する資格を取得することも一つの勉強方法です。

これらの資格は、ITの基礎知識や必要な事柄を体系的に学べるようにできていて、これからIT業界で働くための基礎になるものだからです。

企業の採用条件が資格取得でなければ無理して取得する必要はありませんが、資格を取得すれば勉強した事をわかりやすくアピールすることができます。

また、自分が自信を持つために資格を利用するのも良いでしょう。

成果物をアピールできる

自分で作ったソースコードやホームページなどを、自作サイトで公開してアピールすることは非常に強いアピールポイントになります。

「資格を取った」「勉強した」と説明するよりも、成果物を見せれば一目で勉強した成果を見ることができるからです。

ソースコードやホームページ、アプリケーションなどを作ったのならば、面接前に人事担当に見てもらいましょう。

ただし、企業が扱うシステムと全く関係の無い成果物や、あまりにレベルが低すぎる成果物をアピールしても意味が無いどころか、逆効果になる恐れもあります。

高いコミュニケーション能力を持つ

どんな職業でもコミュニケーション能力が高い人材は採用されやすいものですが、IT業界でも高いコミュニケーション能力が求められます。

システム開発の現場では、顧客だけでなく社内で分かれているコンサルタントチーム、設計チームやプログラミングチーム、維持・運用チームなど、様々な人達とコミュニケーションを取りながら仕事をします。

時には、他の会社のシステムと連携したり情報提供したりする場合もあります。一緒に仕事をする関係者が多いため、会議をしたり情報共有をしたりする機会も多いのです。

IT系の仕事というと一つの作業に没頭する仕事と言うイメージもありますが、人とのコミュニケーション能力が非常に重要なのです。

地頭力がある

地頭力

地頭力(じあたまりょく)とは、常識にとらわれずにシンプルに物事を考える力、あるがままに物事をとらえる力、与えられた情報を上手に使って論理的に結果を考え出す力です。

「IT知識がないとこのシステムの問題は解決できない・・・」と考えるのではなく、地頭力があれば「このエラーメッセージを見ると○○が問題部分だから、そこを調べよう」と問題を解決に導くことができます。

IT知識の勉強が必要と言っても、世の中には様々なIT知識が膨大にあふれていて、全てを勉強するのは無理です

IT企業の最先端で働く人も、全てを知っているわけではありません。

全てを詳しく知らなくても、地頭力を使って問題を突き止め、そこから必要な事を調べることが出来る力が求められているのです。

前向きで、粘り強い精神力がある

システムを作り上げる過程で、「納期に間に合わない」「システムトラブルが発生した」など、様々な困難に直面することがあります。このような困難を社員達の知恵を結集させて乗り切らなければなりません。

過去の仕事で、トラブルの対処や緊急事態に直面することが多かった人は、特にアピールポイントになるでしょう。

ここまで、未経験の人がIT業界に潜り込む秘訣を4つご紹介してきましたが、いかがでしたか?

「未経験だから不利だ・・・」と考えるよりは、「未経験だからこそ有利にアピールできることがある!」と考える方が採用されやすいのです。

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