【転職エージェントが語る】埼玉県の求人はどこで見つけるのか?
首都圏ではビジネスの中心はやはり東京ですし、東京で働きたいと考える求職者は多くいます。
東京の方がアクセス面で何かと便利ですし、東京で働くことがステータスだと考える方が多いためです。
私は現在、転職エージェントとして求職者の転職支援を行っていますが、東京以外に本社を構える企業にもチャンスが広がっている中でどうしても都内の求人に人気が集まってしまっています。
今回ご紹介する埼玉県の求人は首都圏の中では最も苦戦していて、人気も一番ないのが事実です。
企業や求人内容というよりも、埼玉県に対するイメージはあまりプラス要素がないと考えるためです。
労働を取り巻く環境
埼玉県には東京と直通の路線が数本通っているため、通勤に不便ということはさほどありません。
しかし東京に住む求職者は埼玉県の求人を控える傾向にありますし、埼玉県に住む求職者も埼玉県で転職することを控える傾向にあります。
よく聞く話ですが、『さいたま』という言葉をアレンジして『ださいたま』という表現があります。
こういった言葉が求職者の中でも転職として考えにくいイメージを付けてしまっています。
埼玉県は池袋を東京の玄関口としていますが、この池袋という土地柄もあまり良くなく、そのイメージがそっくりそのまま通じてしまっている点もあります。
求人の特徴は?
次に埼玉県内の企業の求人についてはご紹介したいと思います。
埼玉県の企業にはちょっと良くない特徴がある企業が多かったということも、転職市場であまり人気がない理由になっています。
ブラック企業!?
今はそうでもないですが、かつてはブラック企業の宝庫と言われていたのです。
私が20代後半で転職活動したときは、転職エージェントからブラックとされている企業を紹介されることが多いように感じましたし、転職サイトから応募した際も結果的にブラック企業に近い求人が多かったです。
かつて友人や知人が感じた埼玉県のイメージが残り、求人の人気がないということになっています。
現在は全国的にブラック企業撲滅を図っていることもあり、埼玉県のブラック企業はかなり減っています。
転職活動をしていても高い可能性でブラック企業とは出会わないと思います。
県が取り組む企業向上の施策
各都道府県でも、労働環境保護を目的として企業に色々な施策を提案しています。
例えば、ワークライフバランスやそれに伴うくるみんマークなどがあります。
ワークライフバランスは働き方を改善して仕事とプライベートの両立を図る動きです。
日本の労働時間は世界の中で異常とも言えるほど長く、精神疾患や過労死となってしまうこともあったことからこういった施策が始まりました。
くるみんマークは女性が働きやすい環境を整備している企業が国から使用許可を得たものです。
企業PRや優秀な女性求職者の応募につなげる仕組みになっています。
県で「多彩な働き方実践企業」という取り組みがあり、いくつかの認定基準を設けています。
例えば
- 女性が多様な働き方を選べる企業
- 男性社員の子育て支援等を積極的に行っている企業
などが主な基準になります。
県としても、県内の企業の人気が低い事実を把握しているために、こういった施策で企業を盛り上げようとしているのです。
特に女性から不人気?
埼玉県の求人企業は、特に女性からの人気がかなり低いです。
女性はどうしてもイメージ先行で企業選ぶ傾向にあり、埼玉の求人企業は応募を控える傾向にあります。
そのイメージを払しょくする施策として、上記のように女性が働きやすい環境をアピールしているのです。
女性の求職者は転職市場において男性よりも不利になっていることがあり、転職後も昇格が難しかったり、妊娠や出産をきっかけに労働条件を低下されてしまうことも多くありました。
この状況を行政で解決することができれば、求職者からの人気も上昇すると考えています。
実際のエピソードのご紹介
私は埼玉県内にある企業に対しても採用活動の支援を行っていますが、私の転職エージェントに登録に来たある女性との実際にあった話をご紹介します。
このような話はどの転職エージェントでもよくある話です。
その女性の求職者は、
- 現職の職場環境が男性中心の労働環境で、出産や育児に不安を持っている
- 妊娠や出産の後も就業可能な企業で働きたい
と考えて転職活動を行っていました。
最近は女性が働きやすい環境づくりを積極的に行う企業は増えてきているものの、まだまだ数は少ないのが現状です。
その女性は他のエージェントで内定は出ていたものの、条件に見合った求人を企業を見つけられず転職活動に苦戦していました。
希望勤務地はまさに東京であり、埼玉は希望対象外でした。
しかし、埼玉県内の求人に応募しない理由は単純にイメージだけの問題でしたので、私が知る範囲で現在の実情を伝えました。
そうすると少しだけ前向きになったようで、後日、埼玉県のある求人に応募する連絡をもらいました。
書類選考が通過して、面接のために実際にその企業に訪問したのですが、その女性の求職者から感謝の言葉をいただきました。
女性が働きやすい環境を整備していて、社内の環境も非常に良かったとのことでした。
結果的にその求職者は見事に内定を勝ち取り、そのままその企業へ転職しています。
この他にも、埼玉県の企業にブラック企業のイメージを持っていた求職者に対して実情を説明することが多いのですが、応募してみると悪いイメージは無くなったという方は多いです。
求人企業の探し方は?
埼玉県内の求人企業は転職サイトはもちろん、転職エージェントにも数多く求人案件があります。
それぞれの転職方法で埼玉県内の求人企業をうまく拾う方法についてご紹介したいと思います。
転職サイトを有効活用
最近の転職サイトは転職エージェントに押され気味ですが、埼玉県内の求人は比較的拾いやすくなっています。
埼玉県内の求人企業は中小企業が多く、成長中のベンチャー企業が少ないため採用活動の情報があまり流通していないのと、採用に予算を割かない企業文化があるためです。
私の知人も転職エージェントと同時に転職サイトを活用して埼玉県内の企業から内定をもらった人がいます。
県内の傾向を掴んで転職サイトを採用したことで、短期間で転職活動を終えることができたようです。
転職エージェントは鉄板
現在は、埼玉県内にも転職エージェントを積極的に利用して採用活動を行っている企業は多いです。
数としては転職サイトよりも転職エージェントの方が求人が多いと思います。
転職エージェントでより正確な細かい情報を得たいという求職者は、埼玉県の支店や営業所で登録した方が良いかと思います。
私の友人が大手の転職エージェントに勤めていますが、その友人から求人を発注する企業の地域にある営業所の方がより細かい情報を把握していたり、選考に有利となる情報をたくさん知り得たりすることができると言っていました。
侮ってはいけないハローワーク
東京都内のハローワークには正社員を対象とした求人はあまりありませんが、埼玉県のハローワークは正社員用の求人も多く保有しています。
そのため、ハローワークに求職者が出向いても転職エージェントと同じような求人を拾うことができる可能性があります。
これには先ほども触れましたが、企業の採用予算の兼ね合いがあります。
ハローワークは無料の国が管理する機関ですので、求職者はもちろんのこと採用活動を行う企業も費用負担がありません。
埼玉県内の求人企業は、採用予算を少額としている企業がまだ多く残っています。
求職者の方はこの事情を把握することで、「転職=転職エージェントや転職サイト」という固定概念を捨てることできると思います。
直接応募も有効
先述の通り、埼玉県の企業の中には採用予算を少額と設定しているところがあります。
採用コストがゼロ円であれば最高の形です。
そう考えると、企業ホームページの採用欄から求職者が直接応募を待つといった方法を取っている場合も多いです。
一般的にはこの方法を活用する求職者は少ないのですが、埼玉県内では直接応募で転職している求職者も多いようです。
私が担当する埼玉県の企業の人事担当者は、直接応募で採用した従業員は多いと言っていました。
求職者の方で気になる企業を見つけた場合は、遠慮することなく直接応募して良いと思います。
県内の求人企業で転職する求職者
自ら希望して県内の企業に応募する求職者もいますが、心理的には「仕方なく埼玉の企業に応募する」という求職者も少なくありません。
では、どのような求職者が埼玉県内の求人企業に応募・転職したりするのかご紹介したいと思います。
都内の企業では内定をもらえない求職者
まず最も考えられるのは、本来は東京で転職したいと考えているものの転職活動がうまくいかない求職者です。
転職活動が長期化すると、求職者は希望条件を下げようとしたり、妥協したりする傾向が多く見られます。
その対象となるものが埼玉県内の求人企業です。
埼玉県の求人企業は、都内に比べても明らかに応募数が少なく採用活動で苦戦している状況ですので、選考基準も低くなっています。
この両者の思惑が合致するために、求職者は埼玉県の求人企業に良い印象を持ち、結果的に転職成功しているケースも多いです。
地方出身の求職者
地方では仕事がなく、首都圏で転職を希望する求職者もいます。
この場合の求職者は東京以外の首都圏で転職する傾向があります。
東京は人口密度が多く、高層ビルやマンションが多く立ち並んでいて物価が高いため、地方から出てくると生活が難しい場合があるのです。
埼玉県内にアパートやマンションを借りれば、家賃が安く済みます。
選考で多くの費用を使っている地方出身の求職者からすると、安い土地で通勤時間も短い企業であれば満足のいく転職となると思います。
紹介予定派遣の求職者も多い
紹介予定派遣とは、正社員になることを前提として最長6カ月間派遣として働く仕組みです。
企業側は雇用契約がないため社会保険料の負担もありませんし、何か軽微な問題があった場合でも派遣契約を解除することができます。
求職者視点で説明すると、正社員として入社して早期に退職となった場合にキャリアに傷がつくのを防げるメリットがあります。
また、本来は正社員で転職したい希望があるものの、なかなか転職活動がうまくいかずハードルを下げて転職したいと考える求職者もいます。
この両者のメリットがあることから、特に埼玉県の企業では紹介予定派遣を積極的に活用することが多いです。
求人企業のイメージを変えよう!
埼玉県の企業には上場企業も多くありますし、企業規模が大きい企業も多くあります。
都内とのアクセスがよく物価が安く、女性の社会進出を積極的に応援する企業も増えています。
転職エージェントの私からアドバイスさせていただけるのであれば、埼玉県の企業は穴場が多いです。
特に女性に対して優遇する動きが強いため、結婚や出産のあとも仕事を続けたいと考える求職者はぜひ検討してみてはいかがかと思います。
埼玉県の求人企業は今、良い意味で大きく変わりつつあります。
皆さんの転職活動がうまくいくことを祈り今回はこのあたりで話を終わりにしようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。