【転職エージェントが語る】関西の中心地、大阪の転職市場は?
みなさん、こんにちは。
求職者のみなさんが行う転職活動は、『転職市場』という市場で行う行動になります。
転職市場は、東京を中心として日本全国が対象エリアになります。日本のビジネスの中心地は東京になりますので、当然、東京には企業が多く転職市場の中心も東京です。
関東の次に大きな転職市場のマーケットは関西です。関西のなかでも特に大阪が中心になります。
最近は、関西を本社にして関東に進出する企業が多く、マーケットの対象とているケースが目立ちます。
今回は、転職市場としても日本の大きなマーケットになる関西の中心地、大阪を主役にしていろいろな視点から転職市場についてご紹介できればと考えています。
今回の記事の目次
転職の候補地……大阪?
求職者のみなさんはご自身の転職活動のエリアをどのように設定していますか?
私は現在、転職エージェントとして求職者の方の転職支援をしているのですが、その活動範囲は関西方面もエリアに入っています。
転職エージェントとして感じることは、大阪にも多くの求人があるということです。
求職者のみなさんは、転職活動を有利に進めるためには、何より求人の豊富さが重要になります。
確かに東京にも多くの求人がありますが、大阪も豊富に求人がありますので、転職市場のマーケットに含めても良いと思います。
私は東京を中心に転職エージェント事業を展開していますが、大阪は新幹線で、約2時間半で移動することもできます。
また、出張や転勤などで大阪に住んだことや働いたことがあるという求職者の方は多いと思います。
転職活動は人生に大きな影響を与えます。転職を機に居住地を変えるということに難色を示す求職者の方がいることも理解しています。
しかし、生活の基盤は何より仕事でお金を稼ぐことであり、それにより生活は成り立ちますので状況によっては大阪も含めて転職活動をした方が良いと私は思います。
転職を機に都心部ではない地方へ移住するとなれば雰囲気も変わります。
大阪は都会で東京と同じようにビジネスの中心地です。情報も多く仕入れることができますし、私は転職活動の範囲に含めても特別、大きな支障があるとは感じていません。
大阪の転職市場の状況
さて、大阪で転職活動するにあたって、転職市場を把握することが必要だと思います。
ここでかの土地の転職市場についてご紹介したいと思います。
先述の通り私は転職エージェントとして、関西方面の求人も多く扱っています。特に大阪の転職市場は今、盛り上がりを見せています。
この背景は、今の日本の経済状況が大きく影響しています。
今の日本は、アベノミクス政策や東京オリンピック招致、また、多くの外国人観光客が日本に来訪すること等で好景気の状態にあります。
求職者のみなさんが転職活動する転職市場は、経済の影響を大きく受けますが、日本の中心地のひとつになっている大阪も例外ではないです。
この経済の恩恵を受けてビジネス状況が上向きで、それに比例する形で大阪の転職市場もにぎわっています。
大阪の転職市場にビジネスチャンスがあると考えたため、多くの転職エージェントが対応を進めている状況です。
エリアごとの転職市場の判断をする上で、指標になる材料は求人の多さも当然ありますが、人材業界の企業がどれだけ多いかということです。
求職者のみなさんが転職活動をする際にはいくつかの方法があります。最近は転職エージェントが最もメジャーな転職方法になっています。その次は転職サイトです。
転職エージェントは、日本全国に規模は関係なく考えると100社、200社の数ではなく非常に多く存在しています。
ただ、大手と言われる転職エージェントは数社しかありません。
大手の転職エージェントが支店や拠点を新設するエリアは、転職市場が盛り上がっていると考えた方が良いです。
転職エージェントが多い
大阪は大手の転職エージェントの支店や拠点が多く、また、かの地を本拠地とする大手の転職エージェントもあります。
ただ求職者のみなさんが大阪を転職活動のエリアにする場合、必ずしもローカルな転職エージェントを利用する必要はありません。
東京にある大手の転職エージェントを利用することで、十分、大阪の求人を拾うことが可能になっています。
大手の転職エージェントには、どの拠点からでも閲覧することができるデータベースがあります。
そのデータベースから求職者の方が希望する条件に合致した求人を求職者のみなさんに紹介する形になります。
このデータベースを使うことで、東京で活動する転職エージェントのキャリアアドバイザーは、全国の求人も検索することが可能です。
東京にいる求職者の方でも、大阪の求人を紹介してもらうことが可能になっています。
私の転職エージェントは大阪に直轄拠点は持っていませんが、それでも関西方面の求人は扱っています。
私の転職エージェントを利用していただいている求職者のなかにも、転職活動のエリアとして大阪を含めている方がいます。
そんな場合も、データベースから求人を検索して求人を紹介しています。
東京に住んでいる場合、物理的に求人は大阪でなければ拾うことは難しいと考えることは必要ありません。
東京にいながらでもまたは東京以外にいながらでも、求職者の方が希望するのであれば転職エージェントから十分、大阪の求人を拾うことは可能です。
求職者のみなさんは、エリアを広げて転職活動することで可能性は広げることができます。
違った視点を持って転職活動をすることもできますので、ぜひ、エリアを広げて活動しても良いと思います。
大阪の転職市場にある求人
大阪の企業の求人を探すことはどこでもできるということはご理解いただけたと思います。
では、そもそもとして大阪の求人にはどのような特徴があるのでしょうか。
この都市は商業の街で昔からビジネスにおいては、発展のエリアです。
江戸時代前から商人の街として栄え、その名残は今の時代も残っています。
そのため、求人を公開する企業の特徴は、売り上げや利益に強い意識を持つ企業が多いです。
私の転職エージェントで抱える大阪の求人を見ると、売り上げや利益に関して意識している文言で自社をアピールする傾向が目立ちます。
求職者のみなさんには、売り上げや利益にあまりにこだわる企業は控えたいと考える方も多くいます。この点について補足したいと思います。
まず、大阪の企業に限らず、どの企業も民間企業であり、どの企業でも売り上げや利益を追求する営利集団で、利益がなければ企業を経営することはできません。
これらの企業はいやらしい不快なイメージを与えるような売り上げや利益だけを意識しているのではありません。
本音で求人に記載しているだけですので、求職者のみなさんも誤解ないようにしていただければと思います。
私は転職エージェントとして多くの企業と取引していて、求人には書かない企業の本音を耳にすることが多いのです。
大阪の企業が傾向として持つ求人の内容は他地域とそれほど変わりません。
ただ、それを求人に記載するかどうかの違いだけです。
「本音」と「建前」という意味では、大阪の企業は求人の段階から本音で求職者の方と向き合う姿勢があり、私は好感を持っています。
企業の中には、本音を求人・選考中は隠し続けて、転職後に本音を伝える。
求職者の方からすると、転職後に想定外の事を聴かされてモチベーションを下げることもあります。
大阪の企業は、傾向としてこのようなことがほとんどないと思います。
選考の特徴 ホンネが出やすい?
大阪の企業は、求人の段階から良い意味で正直な内容を記載する企業が多いです。
そのため、選考においても非常にストレートに表現することが多いです。
もちろん面接官により、その違いは多少あります。
私は転職エージェントとして大阪の企業の面接に何度も同席したことがありますが、今ご紹介したように表現がストレートで『面接段階で、社外となる求職者の方にここで言っても良いのか?』
と若干、違和感を持つぐらい企業の状況を求職者の方に伝えていました。
東京と大阪では、文化が違うとよく言います。転職市場においても、この文化の違いがあります。
ビジネスも転職も人が行うことですので、ベースになることは人の特徴が大きく影響します。
面接の他の特徴は、やはり関西弁です。関西弁が常用語となるため、ビジネスや転職でも関西弁が普通になっています。
関西弁に対して苦手な印象を持つ求職者の方は、威圧感があるかもしれません。ただ、面接官に悪気があることはなく、日常の言葉を使っているだけです。
求職者の方で大阪の企業の面接を受けて、その企業のイメージが下がったという方もいます。
その理由のなかには、今ご紹介した言葉の問題があることもあります。
求職者のみなさんは、転職後にその言葉と触れ合うことが多くなります。面接官にも悪気はないですので、言葉においては許容範囲と考えた方が良いと思います。
人間味ある企業が多い
書類選考において特別変わったことはないですが、大阪の企業の書類選考は、平均より通過率が高いと感じます。
ある大阪の企業の経営者や人事担当と話をする機会があり、書類選考についてお聞きしたとき、このようなことを仰っていました。
『人は人を判断する上で、机上だけで判断することはなるべくしたくないです。採用活動においても、それは同じことで、まずは会うことを前提に考えています。』
書類選考において、大阪の企業は求職者の方となるべく会って判断したいという思いが強いです。
基本的に書類選考だけで判断することは少ないと思います。そのため、よほどのことがない限りは面接をするというスタンスにあるようです。
大阪にある企業の書類選考の通過率が平均よりも高い理由はここにあると思います。
この地域は人間味あふれる人情深いエリアです。ビジネスや転職市場においても、この影響は強くあり机上だけで人を判断することを嫌う傾向にあります。
一応、補足します。そうは言っても大阪の企業も限られた時間のなかで採用活動を行っていますので、書類選考が必ず通るということはありません。
大阪の企業であっても平均的な通過率である場合もあります。
ここで私がご紹介した内容は「傾向」という意味であり、絶対ということではありません。
このあたりを勘違いないようにしていただければと思います。
転職サイトも多用する傾向! 人材採用でも「根切り」の文化が?
大阪といえば、言葉を選ばず言うと『値切る』という文化があることは求職者のみなさんも一度は耳にしたことがあると思います。
日常生活でもビジネスでも、同じ商品でも安い値段で購入できれば、それだけキャッシュが減ることはなくなります。
ビジネスでも高く仕入れて販売するよりも、安く仕入れて販売した方がキャッシュは増え、利益率も高いです。
企業の採用活動にこれを置き換えてみると、求職者のみなさんは仕入れです。
いかに安く求職者を仕入れるか(採用費を抑えるか)が採用活動においては肝心です。
同じレベルの求職者を採用するにしても、採用費が安く済めば、企業はそれだけキャッシュが減ることはありません。
転職市場では転職エージェントが主流になっていて、多くの企業も採用活動の効率化を図る意味で転職エージェントを利用していることが多いです。
大阪の企業の場合は、採用コストが高い転職エージェントよりも、安い転職サイトも多く利用していることが目立ちます。
求職者のみなさんもぜひ、インターネットなどで転職サイトを見ていただきたいのですが、大阪の企業の求人掲載は多くなっています。
大阪は商人の街で、いかにキャッシュアウトの額を減らすかは優先順位として高くなっています。
よって、転職サイトを利用して採用活動を行うことが多くなっているのです。
求職者のみなさんは、企業の動向に合わせて転職活動をすることが大切です。
大阪を転職活動のエリアに入れている求職者の方は、転職サイトも並行して利用した方が効率的な転職活動ができると思います。
労働条件は?
まず、言いたいことは大阪の企業の労働条件は、東京よりも給料面では安いということです。
大阪もビジネスの中心地であり経済の主要な都市になりますので、給料も高いと考える求職者の方は大きな勘違いをしていることになります。
既に大阪の求人を拾っている求職者の方は、ご理解いただけると思いますが、求人のほとんどは東京よりも給料面では安いです。
これにはやはり物価が影響しています。給料は物価に比例して高い、安いが決まりますが、大阪の物価は安いのです。
東京と同じく主要都市でありながら大阪は物価が安いこと疑問を持つ求職者の方もいると思います。
厳密に言いますと大阪の物価が安いのではなく、東京の物価が異常に高いだけです。
そう考えるとご納得いただけるものと思いますが、大阪は平均よりもやや高いという状況になります。
ただ、給料は東京に比べると物価の影響により安いですが、その分、物価も安く家賃なども安いですので大阪の中心地に居住しても十分生活できる範囲です。
労働時間については、東京に比べると明らかに短いです。
とはいえ大阪もビジネスの中心地。
業績を伸ばす企業が多いため、繁忙期には残業時間も長く労働時間が長くなることはあります。
但し、恒久的に長いということはあまりないと思います。
ベンチャー企業の労働時間
最近、大阪でもベンチャー企業と呼ばれる企業が増えています。
大阪のベンチャー企業は、東京のベンチャー企業とは違い、そこまで労働時間が長いということもありません。
私自身も転職エージェントをする前に、東京のベンチャー企業で仕事をしたことがあります。
その経験や、転職エージェントとしての経験から、東京のベンチャー企業の求人や働き方を知っています。
そこからいえるのは、大阪のベンチャー企業は東京のベンチャー企業に比べてかなり短いといえます。
求職者のみなさんは労働時間については、長いより短い方が労働環境としては良いと思います。
労働時間の観点では求職者にとってはありがたいことだと思います。
休憩や休日については、東京の企業とほとんど変わらないと思っていただいて大丈夫です。
東京と大阪の違い
他のエリアで転職活動や仕事をしている求職者の方には申し訳ないのですが、大阪と比較対象になるエリアは東京ですので、大阪と東京の違いについて特化してご紹介させていただきたいと思います。
東京も実績や成果に厳しい企業がありますが、大阪の企業は特別、実績や成果に厳しい企業が多いと私は感じています。
転職エージェントとして企業から求人を受けた際に、求人内容のすり合わせや転職後の働き方などを把握するために、打ち合わせすることがありますが、転職後の働き方を聞くと、大阪の企業は、実績や成果に厳しい評価制度を持っていることが多いです。
求職者のみなさんは、企業で働いた経験があると思いますし、どの企業でも最近、評価制度を導入して適正に個人の評価を行うため、MBOと呼ばれる人事評価制度を導入しています。
この評価制度により、求職者のみなさんは転職後に評価を受けて、その後の給料や役職に変更があるということになりますが、大阪の企業は普通という評価結果ではなく、良いか悪いかの両極で評価することが多いです。
言って見れば、普通という評価は評価する側からすると波風が立たない、逃げ道ともなることですが、良い悪いを明確にすることは、ダイレクトに給料や役職に影響します。
土地柄として、物事に白黒はっきりさせる文化もあるようで、この文化が企業内にも浸透していますので、評価結果についてはかなりシビアだと思います。
大阪の転職が向いている求職者のタイプ
求職者のみなさんは、自分が大阪の企業でやっていけるかどうか不安な部分もあると思います。
私も初めて大阪に仕事で行ったとき、言葉が違い話し方が違うと感じて、少し尻込みしたことがあるのですが言葉の違いは大きいと思います。
大阪の企業で働く労働者は、頭の回転が速い印象を受けます。
大阪の企業と打ち合わせをする際に、いつも思うのですが、彼らは頭の回転が速いのです。
それについていくことは大変だろう思っています。
ただ最近、東京から大阪に転勤で異動する場合も多く、社内に関西人でない人がいる場合も多くありますので、このあたりは安心感を持てることだと思います。
- ストレートな表現に抵抗を持たない方
- 機転の利く方
それと、冗談半分で言いますが、笑いにうるさい方が大阪には多いです。
笑いのセンスがあると、宴会などで活躍の場もあります。それによりコミュニケーションも円滑にできると思います。
大阪の経済成長
日本の経済に引っ張られていることで、大阪の企業の多くは業績を伸ばしています。
また、大阪を拠点にする大手の企業や上場企業も多くあります。
求職者のみなさんは、大阪への転職も良い方向に進むと思っています。
大阪のメーカー系は、特に成長しています。メーカーを転職希望にする求職者の方にとって、大阪は転職活動として良い環境にあると思います。
大阪で転職成功する秘訣
大阪と東京には文化の違いがあります。同じ日本でもエリアが違うため、労働文化にも違いがあります。
大阪で新たに働くことを希望して転職活動をする求職者の方は、大阪の労働文化になじむことが何より大切です。
どのような求職者の方にも同じことが言えますが、是非、転職後の自分が働くイメージを持って転職活動をしていただきたいです。
大阪で働いたことがない求職者の方は、特に転職後のイメージを強く持ってほしいと思います。
人柄は非常に温かみがあり人情が深いです。
なじみやすいと思いますが、文化の違いは個人の対応力や柔軟性に起因することです。
文化になじめなければ、いくら実力のある求職者の方でも実力を発揮できません。
求職者のみなさんは、大阪を転職エリアにする場合、労働文化と成果や実績にシビアであることを理解した方が良いと思います。