証券会社への転職は!?【転職エージェントが語る】
今回は証券会社の転職を取り巻く環境について、いろいろな視点からご紹介したいと思います。
証券会社は就活生には人気があります。
証券会社は新卒採用戦略がうまいため、多くの就活生が初めは志望企業に入れていなくても企業説明会や選考フローを通じて志望度を上げて、そのまま内定・入社というケースが多いです。
就活市場と転職市場は人気がほぼ比例することが多いのですが、今回の主役である証券会社は真逆の状況になります。
就活市場では人気がある証券会社ですが、実は転職市場では人気がありません。
証券会社の業界文化とは?
証券会社についてまだ研究が浅いという求職者の方はぜひ、これから私が言うことを今後の参考にしていただければと思います。
証券会社は、新卒入社者の9割以上を営業部門に配属させます。性別に関係なく、新卒のほとんどは営業職としてスタートします。
特に大手は全国展開しているため、ほぼ全員が本社に付けず支店・営業所に配属されるといったところもあります。
新卒採用に限らず組織全体としても営業職がほとんどで、証券会社は営業中心の文化を持っています。
かなりの体育会系で、縦社会です。上司や先輩のいうことは絶対であり、基本的にイエスしか言えません。
パワハラ上等の世界
いきなり辛辣(しんらつ)な刺激的な言葉を出してしまいまいたが、証券会社の文化は完全に上下関係がはっきりしています。
上司や先輩に対して絶対服従といった状況は、他の業界から見ると異常です。
特に男性の労働者については、営業職以外の職種でも強い上下関係が浸透していますので、他の職種でも安心することはできません。
証券会社では営業職で成果を出した人材が他の職種に異動することが多く、営業職としての文化を異動やキャリアチェンジ後も踏襲しているのです。
通常の感覚で考えるとパワハラで、経験のない方が証券会社に転職してもすぐ退職することがよくあります。
しかし証券会社の文化は通常の感覚が通じませんので、当人からするとパワハラの自覚が全くなく、悪気もないのです。
証券会社に転職する方は、通常の感覚が通じないということを前提に転職するかどうか熟慮した方が良いと思います。
ある会社のエピソード
私の学生時代に同じ部活動だった仲間が何人も証券会社に就職して情報をもらっていますので、ここでご紹介したいと思います。
友人の同僚は体育会系の文化を好むタイプの上司の元に配属され、ささいなミスを犯した際に丸坊主を命じられました。
しかも、謝罪は基本土下座。猶予などはなく、その日の業務時間中に外出して理髪店で丸坊主にして帰ってきたそうです。
また、丸坊主と言っても髪の長さに違いがあります。五分刈り、三分刈りなどが普通ですが、その上司は『剃厘』という髪の長さを再指令したそうです。
一般の方はご存じない髪型だと思います。五分刈り、三分刈りのさらに短いバーションで、バリカンの刃を取って刈り上げなければその長さにはなりません。
『剃厘』と土下座が誠意!?
『剃厘』とは一厘刈りのさらに短い丸坊主を意味していますが、もはや髪型とは言えず『頭の形』そのものです。頭をそり上げているお坊さんとほぼ同じです。
その方は、再度理髪店に出向いて『剃厘』で帰社してきたそうです。
上司は満足げな表情をして、かなり大笑いしたそうです。今の教育文化であれば、いじめと言われても不思議はないことです。
ただ、証券会社の文化は普通にこのようなことがあります。ミスの謝罪と誠意の方法は基本的に、『剃厘』と『土下座』です。
証券会社は、このようなレベルのことが普通にあります。
転職活動において、『剃厘』はNGの髪型です。丸刈りはまだ良いとしても、『剃厘』はビジネスマナーとしてまずいのです。
やむを得ない結果として坊主になってしまった方は問題ありませんが、人工的な『剃厘』は全く良い印象を与えません。
極端な「成果至上主義」?
他にも紹介したいエピソードは山ほどありますが、それを紹介すると今回のテーマがそれで埋まってしまいますのでこれで終わりにします。
証券会社、特に営業の世界では結果がすべてで、結果さえ出るのであれば何でもありという文化があります。
それに違和感を持つ他の労働者もほとんどおらず、証券会社での就業経験・営業職の経験がない方が証券会社に転職すると自分の身に危険が及ぶことになります。
営業ですので、暗いよりも明るい方が良いですし元気があった方が良いのですが、証券会社の明るさはちょっと普通では考えにくいようなものです。
証券会社への転職活動
証券会社は一般的に大きな資金を持っていますので、倒産リスクは低いと思います。
ただ金融業界は経済の波に影響を受けやすく、会社自体が経済に影響を与えることもありますので、そういう意味では注意が必要です。
そのような証券会社ですが、新卒市場とは違い転職市場では人気がありせん。
証券会社は転職市場でも、その多くの求人は営業職が中心になります。
営業職以外の職種については、大手の転職エージェントを利用して可能性を広げた方が良いと思います。
なお、証券会社の営業職以外の職種で目立つ職種は営業事務です。
証券会社は営業職の数字を追いかける点には配慮があり、営業時間を確保するために事務を中途採用していることが多いです。
事務職は女性・・・
証券会社は今までご紹介した通り、通常にはない世界観を持っています。
事務職についても転職後は容赦はありませんが、事務職は女性の場合が多いですので無理な文化の押し付けはそこまでないようです。
ただ、ある程度は証券会社の文化を踏襲することにはなるようです。
仕事自体は他の企業の事務職とは何ら変わりませんが、環境になじめるかどうかがカギだと思います。
営業職の転職方法
転職エージェントにも証券会社の求人はありますが、その多くは管理監督者の求人になります。
営業職については一度の求人で複数の人員を採用することが多いですので、転職サイトで公開されることが多いです。
営業職を志望している場合は、転職サイトを中心に転職活動をした方が良いと思います。
そしてご安心いただきたいのですが、よほどのことがない限り、どこかの証券会社から内定をもらえると思います。
新卒採用だと証券会社の採用基準は高いのですが、中途採用になると基準は明らかに下がっています。
また、知名度の高い証券会社は中途採用において学歴を選考基準に入れていることはないです。
採用基準の中心は何より営業素養があるかどうかです。
あいさつ、礼儀、言葉遣い、元気など一般的なビジネスマナーのことを言います。
営業職ですので、やはり人間力がなければ売れるものも売れません。
証券会社への転職は広い門
営業職以外の職種は、営業職からのキャリアチェンジが基本となっています。
欠員が出たとしても社内異動でカバーすることになりますので、あまり営業職以外の求人が出回ることはありません。
そのため、営業職以外の職種については狭き門となります。
営業職はある意味でそのバランスを取っています。
求職者のみなさんのなかで、自分の力を営業主体の証券会社で試してみたいという方がいましたらチャレンジすることもありだと思います。
証券マンの営業力
証券会社には普通では考えにくい側面がありますが、その営業力は確かです。
起業を考えているならば、証券会社で働くのが最も良いと言う人もいます。
営業ノウハウや数字への執着という意味では相当鍛えられる環境です。
ブラック企業の雰囲気もありますが、営業力を磨きたい方は証券会社がオススメです。
私も顧客として証券会社の営業マンから営業を受けたことはありますが、営業力が半端ではないと感じました。
日頃から徹底的なロープレを重ねているので顧客の課題解決力にも長けています。
マシンガントークで営業するようなスタイルではありません。
本物の営業マン
証券会社は、その独特な世界観や価値観になじめずに転職しても退職する労働者が多いです。
平均を上回る離職率を持ちますが、業界として今も残り確固たる地位を確立しているということは、それだけ優秀な人材が多いとも言えます。
証券会社の営業職として数年頑張った営業マンは本物です。
証券会社の離職は1年以内が多く、1年を超えて在籍している人は鬼門を超えたと言われ、2年、3年と継続できることが多いです。
3年、4年と頑張っている人は、本物の営業マンであり顧客としても安心して任せられると言えます。
本物の営業マンを目指している求職者の方は、チャレンジしがいがあると思います。
成功するという強い覚悟
どの求人にも共通で言えることですが、どれだけ実力があっても社内環境になじめなければ転職成功とは言えないと思います。
証券会社は独特の社風を持っていますし営業職が中心です。営業職の求人は豊富にあります。
そして、証券会社の営業職の転職することの最大のメリットは年収だと思います。
基本給は低いですが、頑張った社員には報いる文化があり、厳しい分見返りも大きいです。
証券会社の営業職として働いている私の友人は年収が2000万前後をもらっています。
こういった、普通ではあり得ない年収を得られることが証券会社の魅力だと思います。
この高い年収を得るためには努力も必要ですから、絶対に成功するという強い覚悟が何より大切です。
最後になりますが、求職者のみなさんの転職活動が充実し有意義なものであると祈り、これで話を終わりにしようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。