転職と年齢・性別・経歴・etc…の関係性【第二回】

みなさん、こんにちは。

前回は、第1回として、転職希望者にとって、重要な要素と、その背景についてご紹介してきました。

今回は、第2回として、更に転職希望者の要素で、重要なものについて、いくつかご紹介しようと思います。

転職希望者の多くは、これまでの経験を活かしたいという思いと、新しいチャレンジをしたいという理由で転職活動することが大半です。

しかし、採用するのは企業です。今回は、転職活動の主役は誰か、このあたりから話を起こしていこうと思います。

転職活動は実は企業が中心人物!?

転職活動の中心は、転職する求職者が中心と思いがちですが、それは表向きの話であり、本当の中心は採用する側の企業です。

求職者自身がどんなに優秀でも、どんなに熱意があっても、採用する企業がなければ転職活動は出来ません。

また、転職サイトや転職エージェントも、利益は、求職者ではなく、企業から得る為、転職市場としては、企業ありきにならざる得ないのです。

企業へ入社する為には、いくつかの障害がありますが、それは、これまで求職者がどのような人生を、ビジネス人生を送ったか極めて重要です。

転職においては、経験や職歴などが重要になってきます。具体的にこの後、それぞれの要素の重要性を説いていこうと思います。

企業の人事担当者が重視するのは求職者の出身業界と業態

転職希望者には、それぞれ、どの業界で仕事をして経験を積んできたのかがあります。

どの業界出身なのか、転職希望する業界と親和性がある場合とそうでない場合、つまり、転職難易度に関しては、重要な要素です。

業界・業態にはそれぞれ、特徴がありますが、まずは、業界について触れたいと思います。

ポイントは業界間の親和性

多くの業界がある中で、特にこれとこれは親和性が高い、少ないを例にしたいと思います。

親和性が高い業界は、不動産・金融・人材です。この3つは、いずれも離職率が高く、業界特徴が良く似ています。

私も転職エージェントとして、何人もの求職者を不動産業界出身の方を他の2つに、また、同じように金融業界出身の方を他の2つに、人材も同様です。

これらの業界は、労働時間が長く、扱う商材も、人・家・金と、比較的分かり易い為、扱う商材は違えど、動き方は類似していることから、戦力となるだろうと判断されます。

この他でも、女性をターゲットしている為、女性の能力を活かしたい業界同士も同じことが言え、例えば、ファッションアパレル業界と化粧品業界です。

それぞれに、良く人材が行き来します。

このように親和性がある場合は転職難易度が低い為、求職者にとっては好都合かと思いますが、この逆は、デメリットになる為、厄介です。

親和性がない業界への転職は高難度

ファッションアパレル業界から他の業界、不動産・金融・人材業界から他の業界となれば、難易度が高いです。

これは、今、挙げた業界は、仕組みがそこまで難しくないのですが、この他の業界は、仕組みが難しい場合が多いです。

中途採用は、求職者の経験や知識を想定して、企業は、求職者を買う訳です。

また、企業は、転職エージェントにも、『この業界以外は、紹介しないで欲しい』という依頼をしていますので、経験業界でも既に絞り込まれます。

この為、良く聞くと思いますが、新卒で入社する業界は重要だと言われます。

転職市場では、相性の良い業界とそうでない業界があり、転職において、相性が合わない業界経験を持ってしまうと業界を変えるということ自体が難しくなります。

ですので、経験ですから、新卒の段階から、安易に業界を決めるのではなく、いつか自分が転職するかもしれないという仮説も踏まえて業界選びをしなければいけません。

誰が顧客でどう売るか?あなたの経験業態が問われます

次に業態ですが、業態は、どのように商品やサービスを消費者に売っているかという定義になります。

これが、同じ業界であっても、法人を相手にするBtoBと個人を相手にするBtoCでは、この業態が違ってきます。

営業スタイル、マーケティング手法など、特に利益を生み出す部門においては、これは重要です。

顧客1名または1社と規模も違いますし、当然、扱う金額も全く違います。

企業は、転職活動する求職者には、経験を求めますので、ここでもエントリーマネジメントが入ります。

潰しが効く管理部門、選択肢の少ない営業職、経験職種はどう生きるか?

次に、転職希望者の経験職種です。営業職から他職種は特に難しいです。

それが、年齢が上がれば上がるだけ、他の職種への転職はまず不可能と思った方が良いでしょう。

逆に、良く、潰しが効く商売と言われますが、管理部門系の職種は、転職希望する職種が同じ管理部門系はもちろん、離職率の高い業界であれば営業職で転職ということも比較的年齢に関係なく可能です。

深掘営業は苦戦、新規営業はチャンスがあるかも!

営業職の場合は、大きく2つの仕組みがあり、新規取引先を獲得することがミッションの新規営業と、既存顧客をルートする深耕営業があります。

正直、どちらもスキルや経験というよりも、気合と根性という要素が強い為、他の職種への転職は難しいです。

また、同じ営業職でも、新規営業よりも深耕営業の方が、気合と根性が尋常ではないぐらい必要なものになります。

転職活動の選考で、企業は深耕営業の経験のみしかない求職者を新規営業の求人では見送ることが多いですが、新規営業の経験がある求職者については、深耕営業の求人は採用され易いです。

この職種経験は見送りということは当然に採用する企業は持っていますので、もし、営業経験のみの経験で、他の職種へチャレンジしたい場合は、自分の付加価値として何らかの資格が必要でしょう。

経験しておきたい大企業での管理職、高評価の理由は位置づけの重さ

転職において管理職経験が問われる2つのパターン

  • 経験として管理職の経験があり、転職希望は管理職未満のレンジを探す場合
  • 理職の経験はこれまでないものの、転職希望では管理職を経験する場合

前者は、給与との関係もある為、ほとんど例はないと思いますが、あるとすれば、転職活動に苦戦して、希望条件を下げた場合です。

この場合は、企業のエントリーマネジメントが入りますので、自分の年齢を考慮して、あまり、希望レンジを下げない方が良いです。

下げることにより、企業は、『この人は、なかなか内定が出なくて、条件を下げてでも内定が欲しいのだろう。』

と思いますし、そうなると、企業はなかなか内定が出ていない求職者に対してマイナス的な疑問を持ち、その段階で、エントリーマネジメントされます。

後者の転職希望の方が経験よりレンジが高い場合は、その求職者の経験した企業規模が重要です。

ベンチャー企業は、若い段階から管理職となるケースが多いのですが、大手企業の場合は、ある程度、年齢を重ねなければ管理職以上となることは難しいです。

つまり、大手企業の方が管理職の位置づけが重いと言われています。

例えると、ベンチャー企業で課長職だとしても、大手企業であれば、主任クラス。逆に大手企業で主任クラスでも、ベンチャー企業では課長職ということになります。

その為、経験企業規模との関係性が、ポジションは大きく左右します。

ベンチャー企業で高い地位のポジションだからと言って、大手企業の同じポジションは、難しいと言われています。

自分の今、属する企業の企業規模とポジションを世間一般で比較するとどうなるのか、しっかり把握することが重要です。

新卒採用時だけじゃない!転職時にも重視される学校歴と学歴

この要因は、求職者の中には、新卒採用には関係するかもしれないが、転職にはあまり関係ないのでは?と大きな勘違いをしている方がいると思います。

私が、転職エージェントをしている中で、転職希望者にとっては、非常に重要です。

企業が転職エージェントへ発注する求人票に、このクラスの大学未満は不可という表記はありません。しかし、水面下では、ばっちりあります。

大手商社や大手外資系企業には特にこの基準が目立ちます。これらの企業には、社内に学閥と言われるものが存在するからでもあります。

地頭とサバイバル力を示す卒業学校歴

卒業した大学が、名が名のある場合、高ければ地頭が良い、また、妥協せず、受験戦争を突破してきたというサバイバル力もあるだろうという仮説からです。

企業は、学校名だけで選考をしている為、学校名がその企業が求める基準未満であれば、

どれだけ個人業績が良くとも、人間性に優れていても、書類選考で通過することは、奇跡が起きない限り、あり得ないと考えた方が良いです。

学校歴よりは救いがある最終学歴

次に学歴です。学校名基準は、学歴に比べるとまだ、救いがありますが、高卒や短卒、専門学校卒以下は、応募も不可という企業がまだまだあります。

求人票にも記載していることが、これについてはあります。この段階で、大卒以上でなければ、応募することすら叶いません。

学歴や学校名で判断する企業は、少しずつ減ってきていますが、まだまだ日本にはこの採用文化があります。

転職エージェントから求人を紹介された場合など、キャリアアドバイザーに、この企業は学歴、学校名基準はあるかどうかを聞いた方が良いです。

そうでなれければ、書類選考で落ちますので、自信喪失になるでしょう。

そんなところまで!?企業はあなたの経験社風も見ています。

企業には業界ごとの業界文化や、業界が同じでも企業によって社風があり、求職者がどのような社風で仕事をしてきたのかも、転職には重要な視点です。

最も、この重要性が顕著にあり、また、企業もエントリーマネジメントし易い場合は、固い社風と風通りの良い社風です。

この社風は水と油と言っても過言ではないぐらい、相性が悪いです。

これは、転職の採用においても同じです。

業界や企業で、各企業の人事は、それぞれの社風をある程度、情報として把握している為、

『この会社は風通し良いらしいけど、うちは、真逆だからな。社風に合わないからパフォーマンスも出ないだろう。』

ということで、エントリーマネジメントの結果、不採用となることも少なくありません。

風通しの良い社風の企業からすると、固い社風の企業を時代遅れと取ったり、軍隊文化と取るようです。

また、逆に、固い社風の企業からすると、風通しの良い社風の企業を、従業員教育が行き届いていない適当な社風と取るようです。

それぞれの社風は、相性が良くない為、採用においても、『この社風経験のある求職者は、うちとは合わない。面接しても意味がないな』という判断で、書類選考で見送りにしたりする場合もあります。

私は、転職エージェントとして、このような理由で、書類選考結果を受けたことがあります。

経験により、馴染んだ考えは、なかなか取れないということで、見送りにしているようです。

正直なところ、社風は、企業の性格でもある為、自分の性格と企業の性格が合わなければ、確かに、どんなに優秀な人材でもその力の半分も出せずに早期退職することが多いです。

あながち、この社風の重要性については、間違えていませんので、求職者の皆さんも、自分がどのような社風を経験して、また、どのような社風が合うのか判断することが重要です。

転職は2回まで、3回以上は不利になるかも!?

この要素は、求職者それぞれの年齢と転職回数により違いますますので、下記で参考指標を紹介します。

ただ、転職回数は、企業のエントリーマネジメントにしっかり入っています。

中には、年齢は関係なく、転職回数は2回まで、3回以上の転職経験を持つ、求職者は応募すら不可という企業も多くあります。

この理由で、エントリーマネジメントしたり、スクリーニングすることは企業ごとに決定して良い要素で、法令その他の規定に、一切触れません。

ですので、求職者の方も、キャリアアップやキャリアチェンジを目的に転職することは、今の時代、当たり前ですが、転職を趣味とするような転職回数は、かなりのマイナスですので、重要に考えた方が絶対に良いです。

ちなみに、私が企業の人事担当だった時代、同じように求職者の転職回数でのエントリーマネジメントはしていました。私の場合は、30代で4回以上の転職経験を持つ場合は、応募不可としていました。

転職回数を気にする企業は他にもかなり多く、やはり、入社してもすぐ辞めそうというマイナスイメージが強くある為です。

各年齢と転職回数は以下の通りです。

各年齢 転職回数の上限
20歳から25歳まで 0、または、1回まで
26歳から30歳まで 1回、または2回まで(※1回までが理想)
31歳から35歳まで 1回、または2回まで
36歳から40歳まで 2回、または3回まで
41歳以降の年齢 多くても4回まで

このように5回、6回を超えてくると、企業は転職回数だけで、その求職者を前向きに捉えることは難しいと思います。

その為、転職サイトなどでで、書類選考で、自分のフォローがないような自己応募はやめましょう。

必ず、書類選考の際、転職回数について、企業へフォローしてくれる転職エージェントを活用すべきです。

私が、転職エージェントとして求職者を見ていると、転職回数が少ない場合の方が、書類選考の通過率も高く、また、転職活動の期間も短いように思います。

企業は、転職回数は、数ある要素の中で最も気にするエントリーマネジメントのうちの1つにしている場合が多いです。

ただ、高学歴だったりすると、転職回数が平均より高くても、それを排除する企業もあります。

IT分野、事務系職種では資格が有無が重要

求職者には、資格をたくさん持っている、取得難易度が高い国家資格を持っているという方も多いと思います。

転職で資格は重要です。極論、業務経験がなくとも、その資格を保有していることで、未経験ということよりも優先され、選考通過や内定ということがあります。

IT分野に関係するエンジニアやデザイナー、管理部門系でいうと、経理、人事は特に、資格が武器です。

営業事務などの事務系の職種はマイクロソフト系の資格が有利に働きます。

ですので、資格も転職には大きな重要ポイントです。

人事職なら社会保険労務士資格が強い

私は人事経験を持ちますので、人事を例に取ると、人事の場合は、社会保険労務士資格は強いです。

人事には、採用・教育・制度企画・労務(給与計算含む)の4つの業務カテゴリーがありますが、大半の企業は、人事に対して労務知識をまず求めます。

労務知識は、人事業務には欠かせないことであり、この知識がなければ企業としては労働リスクを抱えることになる為です。

労務知識は、社会保険労務士を取得することで、全て網羅されますので、この資格があるだけで、人事経験がなくとも採用に至ることがあります。

経理や財務職なら税理士資格が強い

経理や財務については、税理士資格は強いですし、これがあると、経験がなくとも、顧問として採用に至り、また、年収も高いことが特徴です。

未経験職種でも、その職種と関係性の強い資格を武器にすることで、求職者にとっては転職活動を有利に運べる為、重要です。

企業は、転職市場において、求職者に専門性を求める場合があり、この資格はその意味では、企業のエントリーマネジメントを突破する最高の武器です。

面接官に、その資格を保有している場合も少ない為、面接で専門的な知識をアピールすることで、一気に優位になります。

私は転職エージェントとして、未経験で他の職種へ希望する求職者の方には、必ず資格を取得してから、転職市場で戦わなければ、恐らく負けますと伝えます。

こればかりは運次第、転職市場の状況

私も、皆さんと同じように、これまで3度の経験を持ちますが、そのうちの1回は、30代に入ってからです。

年齢とそれまで2回の転職経験があった為、また、最後にお話する、『転職市場』が最悪でしたので、非常に苦労しました。

転職市場とは、企業が有利の買い手市場と、求職者が有利の売り手市場のことです。前者であれば、これまでいくつか紹介した重要ポイントを突破したとしても、内定率は一気に下がります。

ただ、後者であれば、逆にこれらの重要ポイントに自分が該当して、企業のエントリーマネジメントが入ったとしても、企業も人材を多く採用する為、それぞれの基準は下がります。ということは、内定率が高まるということです。

前提条件の市場規模により、重要度や影響度は前後すると思いますが、基本的には、これまで紹介した内容を念頭に入れておいてください。

この転職市場については、日本経済の状況により変わりますし、求職者個人でどうにか出来ることではありませんので、『運』も重要なポイントです。

最後になりますが、皆さんの転職が色々な局面を乗り越えて最高の形で終われることを祈りながら、今回はこれで終わりにしたいと思います。

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