外資系企業が変わった!!!外資系は、ドライ!?

みなさん、こんにちは。

求職者の方の中には、転職活動を経て外資系企業への転職を希望する方もいると思います。

では、日本に外資系企業と呼ばれる企業はどれぐらいあるのか?ある統計調査では、日本には企業規模は関係なく約3000社ほどの外資系企業が存在すると言われています。

私の転職エージェントにも外資系企業の求人はありますが、その多くの特徴は、日本企業よりも求職者に求める経験やスキルを高く求めています。もちろん、その分、高く買うということになりますので、日本企業よりも平均的に年収面では優遇される求人がほとんどです。

今回は、外資系企業を主人公として、外資系企業への間違った評判や認識を是正して正しい知識のもと外資系企業への転職が可能となるような内容をご紹介できればと考えています。

外資系企業の間違った認識

転職エージェントをしていると求職者から外資系企業への間違った認識や捉え方をされている場合がよくあります。

まずは、間違った認識などにより外資系企業への転職機会を失わないために、正しい情報をご紹介することにします。

日本の法令は適用される!

まず、外資系企業は、労働環境を基準とする日本の労働や社会保険に関係する法令が適用されないという認識を持った求職者がいます。

これは大きな間違いで、労働基準法など労働や社会保険に関係する法令は資本元に関係なく日本で事業を行っている企業は全て適用の範囲と定義しています。

かなり昔、日本では外資系企業は平気で、当たり前のように労働者を解雇したり契約解除したりする環境であるため、長期的に、安定的に就業を希望する日本人には不向きであるという誤報が飛び交ったことがありました。

近年では無期限の雇用契約を結ぶ外資系企業も!

今も外資系企業は成果主義を主に考えているため、契約更新や評価に対して厳しい側面を持っています。昔は特に、転職組である求職者の入社には1年契約とする場合がありました。

また、契約更新があったとしても、評価の結果によっては、前年を大きく下回る給与面を中心とした労働条件で契約する場合もありました。

この点が誇大的になり、外資系企業は労働者を平気で解雇するという噂になりました。あくまで、噂であり、解雇が頻繁に行われるということはありません。

また、契約期間が1年という内容は、昔の話であり、今は、無期契約の雇用契約を持つ外資系企業が多くなっています。

 

ファイヤーって何?!

たまに耳にする求職者もいると思いますが、外資系企業にファイヤーと呼ばれる用語があります。これは、日本語に訳すと『解雇』を意味します。

このファイヤーという表現が出回ったことにより、外資系企業は解雇が当たり前という印象を強く持った求職者も多いと思います。

今では、日本企業でも解雇をファイヤーと呼ぶ場合があるぐらい、一部の中では浸透しています。

先述の通り、外資系企業では、ファイヤーはほぼないと思って頂いた方が良いと思います。

社会保険は未加入

これも間違った認識です。社会保険関係の法令でも資本元に関係なく日本で事業を行う一定基準の超える企業は、社会保険に加入する義務があります。

試用期間中は、外資系企業は未加入で済むと、求職者自らの手取り額が減らないことをメリットとして希望する求職者がいますが、社会保険とは、年金や健康保険です。

年金の場合は、将来の受給する年金額に影響がありますし、健康保険の場合は、リアルタイムで病気やケガをした場合、実費負担となり、大きな医療費が必要になり労働者としてはリスク以外にありません。

これは、私の転職エージェントに登録にきた、ある求職者とのエピソードですが、『外資系企業の場合、社会保険料が高いと聞いたため、転職したくない』とありました。

どこからその情報を得たのか分かりませんが、外資系企業も日本企業も社会保険料は、標準報酬月額を基準に算出しているので、日本企業だから安い、外資系企業は高いという定義はありません。

外資系企業は福利厚生がない

これも間違った認識です。外資系企業の中にも、労働者保護の観点で日本企業よりも手厚い福利厚生を完備している企業があります。

そもそも、福利厚生とは法定外と法定内に分類されますが、法定外とは法律で定められた範囲外の企業に義務があるものではない範囲の内容を言います。

例えば福利厚生に住宅手当となっている場合は、これは法定外福利厚生です。現状の外資系企業の中には、日本企業が導入しているケースが多くあった住宅手当を福利厚生としている場合もあります。

外資系企業だから福利厚生がないとか、そのようなことはありません。ただ、総合的に鑑みると確かに日本企業の方が外資系企業よりも福利厚生が充実している場合が多いです。

外資系企業は風通しが悪い

外資系企業は風通りが悪く殺伐とした環境のため、働きにくいという認識がありますが、これも、外資系企業だから風通しが悪いということは全くありません。

転職エージェントとして、外資系企業の求人の企業へ何度も訪問したことがありますが、千差万別です。日本企業よりも風通しが良い環境の企業もあれば、日本企業よりも風通しがが悪い企業もあります。

また、日本企業独特の上司を○○課長や○○部長と呼ぶ文化が外資系企業にはありません。

日本企業にも外資系企業と同様に社長や上司にも○○さんという言い方が文化となっている場合ありますが、この文化は外資系企業の文化を日本企業が取り入れたという説があります。

男性には厳しく女性には優しい

外資系企業には、男性労働者には厳しく女性労働者には手厚いケアがあるという話を聞いたことはありませんか?男性の求職者からよく質問を受けます。

外資系企業は完全な成果主義がそもそもであるため、体力面や精神面で女性より強い男性には容赦ない環境があると。

そのため、男性の求職者は応募を見送ることがあるようですが、これも大きな間違いです。このような事実は一切ありません。

なぜか?先述の通り、外資系企業であっても法令は適用されます。日本には男女雇用機会均等法という法令がありますので、もし、外資系企業がこのような事実があれば法令違犯となります。

合併や吸収が多く不安

外資系企業には、同業者他社などの企業との吸収や合併機会が日本企業よりも多く不安定と聞いたことがあります。

しかし、これは誤報です。さらにこの点ではむしろ外資系企業の方が有利です。外資系企業の利点としては資本が大きいため、日本企業を吸収または合併する場合があるからです。

また、合併や吸収がなくとも、大きな資本を武器に日本企業へ資本提供するする外資系企業もありますので、安定していると考えることもできます。

部署異動が頻繁にある

外資系企業の場合、ある職種で入社しても適性によっては他部署、他職種への異動の
可能性があり、自分のやりたい仕事ができないという求職者がいました。

意外にもこの理由で外資系企業への応募を見送る求職者が多いのですが、この情報も信ぴょう性に欠けます。

外資系企業は、そもそもとして求職者の経験や知識などを高く買う文化があるため、高く買った求職者を経験の浅い他職種や他部署へ異動させるということは、その企業にとってプラスとは言えません。

選考フローが長い

外資系企業の場合は、選考基準が高いため、それを見極めるために、日本企業よりも選考フローが長く設定されているという話を聞いたことがあります。

これは、外資系企業だから選考フローが長いのではなく、日本企業でも選考フローが長い企業は多くあります。

ですので、外資系企業だからということは一切ありません。また、余談ですが、外資系企業では面接では英語がメインとなる噂を聞いたことがありませんか?

多くの外資系企業の求人を抱え、また、外資系企業への面接同行に同席したことが私はありますが、英語で面接ということは一度もありませんでした。

面接官が外国人ということはありましたが、その外国人も日本語が流暢で、日本人の面接官が同席していましたので。

外資系企業は激務

グローバル展開をしている、ある外資系企業で実際にあったことをご紹介します。その外資系企業はアメリカ資本の企業で日本のみならず世界中に拠点を構えるグローバル企業です。

確か、インドだったと記憶していますが、その外資系企業のインド支社で、ある職種のある労働者が激務から勤務先で亡くなっていたということがありました。

通常、このように亡くなることはかなり稀ですが、同じ社内で同僚の体調などに異変があった場合は、誰かしら気付くものですが、この企業の拠点では、同僚との会話は一切なく、同僚が何をやっているのか分からないぐらい、仕事量が多く、亡くなった労働者の異変に気付かなかったそうです。

ウソのような本当の話ですが、日本以外の外資系の企業では日本のように厳しい法令基準がある訳ではないので、このような事実もあります。

一時、この話が日本でも評判となり、その外資系企業はもちろん、日本にある外資系企業は激務という噂が出回りました。私も当時は、労働者で、『外資系って怖いところ』という印象を持った覚えがあります。

日本の厳しい法令規制が激務を防いでいる!?

日本にある外資系企業では、もとより、日本の厳しい法令の規制を受けることもあり、先ほどの例のような激務ということはありません。

むしろ、特に妊娠中や育児中の女性労働者には日本企業よりもしっかりした制度を持っている外資系企業の方が多かったりします。

また、労働時間が法定を超える場合には、しっかりと残業代を支給する文化が外資系企業にはありますし、日本企業の中には存在するブラック企業と呼ばれる企業もほとんどないと思います。

日本の転職市場では、優良企業の見極めの前提条件にブラック企業であるかどうかの見極めがありますが、この観点では、外資系企業に応募する段階でブラック企業のスクリーニングはできていることになります。

外資でも国により多少異なる

同じ外資でも例えばアメリカと中国で企業文化は事なります。国の文化がそもそもとして異なりますので当然のことです。

日本には、最近、中国企業の進出が目立っています。特にIT業界にはその傾向が顕著にあります。

中国系の外資系企業は、その他の国の外資系企業よりも自主独立性を重視する文化が比較的あるようです。

日本企業も同じですが、組織で成果を出すという文化が強く見られますが、中国系の外資系企業は、国柄も影響しているのでしょう、個人プレーが目立つことが特徴の一つです。

外資系企業は成果主義

日本企業にもベンチャー企業を中心として成果主義を重んじる企業が増えています。

このさきがけとなったモデル企業とも言えるものが外資系企業です。

外資系企業は、先述の通り成果には厳しい文化を持っています。特にアメリカの外資系企業はその傾向が強いです。

ただし、成果主義だからドライであるということにはなりません。

成果主義であるため、評価には厳しくプロセスがどれだけ良くても成果が出ていなければ温情的な要素は含まれないことが多いです。

今は、この成果主義も緩和されているようですので、過度に考えず、積極的に応募して選考内で、その外資系企業の成果主義のレベル感を確かめた方が良いように感じます。

外資系企業は、セルフマネジメント文化

日本企業は、マネジメントツリーという仕組みがあります。経営層をマネジメントのトップとして、いくつかあるそれぞれの部門の部長クラスが部門の業務や人材の管理監督を行う仕組みです。

外資系企業にも、もちろんマネジメントツリーは存在しますが、社風が自由であるため、また、定期的な評価期間で成果を出してくれれば良いという文化があります。

そのため、あまり管理監督されることはなく、労働者個人ごとに自分のペースで仕事を進めることが主流とされています。

つまり働き方の多様化を認めている文化が外資系企業にはあるということです。

外資系企業の働き方から導入されたフレックスタイム制

日本の労働基準法に、比較的新しい規定としてフレックスタイムという内容があります。

これは、出社時間や退社時間を、企業ごとに法令内であれば所定労働時間を自由に設定して、週または月単位で、労働者個々に清算期間を設けて、より労働者の自由意志で仕事ができるようにした仕組みです。

このフレックスタイムは、元は欧米の働き方を日本が取り入れたと言われており、外資系企業には、フレックスタイムを導入している企業が多く見られます。

フレックスタイムの他に、セルフマネジメントの象徴が有休の取得です。日本企業の中には、労働者の自由意志で有休を取得できない企業があります。

本来、このように労働者の自由意志で取得できない環境は法令違犯ですが、まだまだこの文化を隠し持つ日本企業はあります。

ところが、外資系企業の場合は、セルフマネジメントの象徴であるため、有休についての取得率も日本企業に比べるとはるかに高い事実があります。

求職者のキャリアアップで外資系企業

外資系企業の中には世界中に拠点を持つグローバル企業があります。

特にこのような規模の外資系企業は、世界中の情報や知識がナレッジとして豊富にあるため、求職者にとっては、外資系企業で働くだけでも自分のキャリアアップに繋がるとされています。

また、ここからは転職前提の話となりますが、転職市場の中では、求職者の経験企業の中で外資系企業が入っていると、優遇されるという場合もあります。

絶対とは言えませんが、外資系企業への転職は選考基準が高いため、入社した段階で、その求職者を転職市場ではハイスペックとする傾向があります。

日本企業でもセルフマネジメントスキルが求められている

近頃、日本企業も徹底した管理監督する文化ではなく、自主性を重んじる傾向が強いです。

昔は、徹底的な管理監督だった企業も外資系企業のマネジメントスタイルを踏襲して自立型人間の育成を重んじているためです。

徹底管理すると、どのような労働者でもある意味では楽であり、受け身体質の指示待ち人間になってしまい、マネジメント工数が増えて企業からするとデメリットです。

これを打開する方法としては労働者に働き方の多様化を認めてセルフマネジメントにより自主性を高めることにより、個人のスキルが上がり、マネジメント工数の最小限で抑えることができます。

また、セルフマネジメントは労働者個人が経営視点を養うことにも貢献しますので、どの企業も経営視点を持った労働者を増やすことは経営としては、かなりの強みとなります。

外資系企業は日本に馴染んでいる

日本にある外資系企業は、昔の間違った情報とは全く異なり、今も昔も日本には非常に馴染んでいるのです。

昔の情報や間違った認識により応募すら見送る求職者にとっては、可能性を狭くすることはもちろんのこと、日本企業よりも良い労働環境や労働条件を手に入れることがあるため、非常に勿体ないと思われます。

外資系企業も日本にある一つの特徴を持った企業と認識して転職活動を進めてみてはいかがでしょうか。

皆さんの転職活動が今より素晴らしい環境の企業への足掛かりとなることを祈り、今回はこれで話を終わりにしようと思います。

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