アラサー女子、アイデムスマートエージェントで転職

私は田舎町に暮らす、31歳の女性です。

現在は設計士として隣町の不動産系工務店で働いており、充実した毎日を送っています。そうは言っても、この生活を手にしたのは3ヶ月ほど前。それまで勤めた工務店から、30歳にして転職しました。

結果としては年間休日も増え、お給料も上がり、産休や育休もキチンと取れる環境を手にする事ができました。今回はその時の事を振り返ってみたいと思います。

執筆者の情報
名前:山本 典子(仮名)
性別: 女性
転職経験: 1回
現在の年齢: 31歳
転職時の年齢と前職: 30歳(住宅設計)

居心地の良い会社

当時勤めていた会社は社員20名の小さな会社でしたが、5千万クラスの高級住宅も手がけるような建築集団で、建築棟数こそ多くありませんが、知名度もまずまずある建築工務店でした。

田舎の工務店なので年収300万、社長のワンマン経営という点に於いては少々不満もありましたが、5年勤めた会社ですし気心知れた仲間もおり、皆で愚痴を言い合いながらもずっとこの会社でいると思っていました。

転機

そんな私の人生を変えたのが、転職する1年半ほど前。婚約中の彼が仕事中に大怪我をして、しばらく仕事が出来なくなってしまったのです。彼は複雑骨折で何度も手術をし、1年たってもリハビリ生活から抜け出せずにいました。

労災だから何割かのお給料は出ていましたが、もし復帰できなかったらどうしよう。今の自分のお給料じゃ、2人で暮らしてはいけないし…。

結婚したら専業主婦にはならずに働こうとは思っていましたが、それも彼の年収460万の収入があってこそ。将来について漠然とした不安を抱えていたある日、お仕事情報誌のアイデムに掲載されていた記事に目がとまりました。

「アイデムスマートエージェント」

設計士募集、しかも年収を計算すると今よりも100万円は上がる事になります。隣町なので通勤時間は今より長くなるけれど、もし今後彼の収入が半減しても、自分が稼げるなら何とかやって行けるかも・・・。

話だけ聞いてみよう。別に採用されるかなんて分からないし。正直なところ、そんな気持ちで転職活動がスタートしました。

まずは登録へ

電話を掛けて応募したい旨を伝えると、会社で登録をしてからの応募になるとの事。自分の休日に予約を入れ、ドキドキしながら面談へ向かいました。登録は小さな個室で、親切そうな男性アドバイザーが担当してくれました。

今までやった事のある業務内容などを簡単に書いて、それを元にインタビュー。

このアドバイザーさんがまた聞き出し上手なので、提出した職務経歴書に「そう言えば自分にはこんなスキルもある」と思う内容をササッと書き足している様子でした。

応募したい案件の他にも何点が仕事を紹介してくれたので、とりあえず応募だけしてみました。この時は正直言ってまだ自分が本当に転職するとは思っていませんでした。

いざ面接!

とりあえずで申し込んだ企業は、翌日に締め切られたと連絡があり、結局こちらが希望していた企業へ応募。

2週間程で書類選考を通過し、企業セミナーを受け、アドバイザーさんとの電話だけで1次面接の予定があっという間に決まりました。

久々にリクルートスーツに身を包み、適正テスト、人事面接に臨みます。仕事の内容というよりも、人間性を試されているのかなと思い、終始笑顔で明るく会話したように記憶しています。

希望年収、もし受かったらいつから就職できるか等も確認される中で、こんな質問が出ました。

「当社以外にも就職活動をされている企業はありますか?」

この質問が心に刺さりました。

実は一次面接が決まる数日前、ひょんな事から別会社からの誘いがあり、軽い気持ちで話だけ聞きに行ったら「いつ来れる!?」となってしまっていたのです。返事は2週間待って欲しいと伝えていました。

この事はアドバイザーにも伝えていたのですが、転職を検討中の人が数社受けるのは当たり前だから大丈夫ですよと言って頂いたこともあり、一瞬躊躇しましたが、他社の内定が出ており返事を延ばしている事を正直に伝えました。

人事の方はすぐに次回面接の予定を組む段取りをし、それから更に2回の面接を、他社の返事を出す日までに行ってくれました。そのまま内定を頂き、あとは契約するか、しないか、という所まで来ました。

予断ですが、通常の場合は企業セミナーから内定まで1ヶ月以上掛かる所を、2週間でバタバタと動いて下さったアドバイザーさん、人事の方、双方に申し訳なく、また感謝の気持ちがいっぱいでした。

転職は悪いイメージ?

ここへ来ていよいよ転職話がかなり本格化して来て、ようやく両親(60代)に現状を報告しました。

すると、やはり昔のイメージで「転職するなんてみっともない!」と諭され、いずれ結婚もするのだし、今の会社で何とかやって行く方が良いのではないかと言われました。

また職場の同僚にも何度も相談し、居心地の良さを取るか、年収を取るか…という話をしましたが、同僚も「30歳で転職はしない方が良いのではないか」と言っており、キャリアアップという言葉は世間では通用しないんだなとしみじみ感じました。

実際、内定を貰っている企業2社は現状の工務店より規模が大きく、安定しています。それでも「転職」という言葉はイメージが悪いらしく、どうしたものかなぁと悩みました。

転職するか、残るか

今の会社に残るべきか、新たな会社どちらかへ行くか。人生の分岐点に立たされた私はノイローゼになるんじゃないかと思うほど悩み、アドバイザーに何度も相談しました。

  • 今抱えている仕事の引継ぎの心配
  • 同僚や社長の今までの親切を裏切る行為ではないか
  • 今は高級住宅メインだが、検討中の工務店はローコスト系。自分が仕事に満足できないのではないか

アドバイザーの助言は的確でした。

  • 仕事の引継ぎは何とでもなる
  • 逆に自分が同僚や社長の立場なら、応援したいと思うのではないか
  • 今の技術で、工務店のレベルを引き上げれば良い。向こうはそれを臨んで採用したがっている

彼は通勤時間の心配はしていましたが、拘束時間が短くなる事や休日が多くなる事は賛成、収入は自分も早く復帰できるように頑張るからそれ以外の部分で決めて欲しいと言われました。

彼も自分の事が情けなく感じているだとうと思い、収入の話は今まで避けて来ましたが、やはり先立つものがなければ生活も出来ないし、今後も何かあった時に彼を支えられないのではないか。

彼に養ってもらおうと心のどこかで思っていた自分にも気づき、悩んだ挙句、不動産系工務店への転職を決意しました。

他に声を掛けて下さっていた会社には丁重に断りを入れ、今の会社社長へ辞表を提出。社長も彼の怪我の事を知っていたので、給料を出来るだけ上げるからという引止めには合いましたが、最終的には受け入れてくれました。

そして今

仕事の引継ぎは物件のきりが良かったので何とか済ませ、送別会も終始みんな笑顔でした。本当に楽しい会社生活だったなぁと幸せな気持ちになりました。そして退職後1週間後、新たな会社へ出勤。

社員100名程で支店が何店舗もある会社です。分譲地がたくさんあり、モデルハウスも勢い良く建てているので即戦力として仕事に加わりました。1週間経たずに「自分のスキルが生かせる」。そう確信しました。

事務所の人たちも面白くて良い人達で、すぐに打ち解けることができました。

もうすぐ転職して4ヶ月が経とうとしていますが、自分が手がけた家が早速完成を迎えようとしています。

ローコスト系だから…と失礼な心配もしていましたが、実際は今までそんな図面を書く人がいなかっただけで、自分がより良い提案さえすれば先輩たちはそれを受け入れてくれ、建物の完成度を上げる事ができるという事が分かりました。
背中を押してくれたアドバイザーの方にも感謝しています。

現在転職を悩んでいる方は、自分の将来にとって何が一番大事か、今後どういう自分になりたいかをじっくり考えてみて下さい。

それを踏まえてチャンスが目の前にあるのなら、年収、やりがい、居心地の良さなど、自分に合った新たな幸せを見つけて頂きたいと思います。

この記事の筆者

山本 典子(仮名)
31歳女性。幼少期から住宅のチラシを集めては家や間取りのお絵描きをしており、将来の夢は「モデルハウスのお姉さん」だった。高校や大学で芸術を学ぶ一方、陸上で県大会入賞など活発な青春時代を過ごす。新卒で地元建築会社に入社し、営業事務を経て意匠設計を手がけるようになる。休日は旅行や日帰り温泉、夜は晩酌がデフォルト。現在は転職し、結婚の予定もあるが、専業主婦にはなれないであろう仕事大好き人間。

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