やりたいことと違った…日系企業から外資系企業へ転職成功した体験談

海外の大学院を卒業しいわゆる「グローバル人材」として東証一部上場の大企業に入社したものの、私自身のやりたいこととの相違があまりにも大きく転職を決意。

転職後は外資系企業でマーケティング職に従事し、自分のやりたいことをやれるようになった転職体験をお話ししたいと思います。

執筆者の情報
名前:白山 愛菜(仮名)
性別:女性
転職経験:1回
現在の年齢:30歳
転職時の年齢と前職:26歳(製造業・経営企画)

転職のきっかけ

企業風土があわない

私が転職を考えだしたきっかけは、入社して1カ月もたたない新人研修でした。

大多数の日本企業では、人事部というのは出世街道の一段階として設定されています。

そういった人事部にいる方達が行う新人研修は、尊敬できる先輩方からビジネスについての経験をご教示いただける貴重な機会、というのが通常の場合ですが、私が入った会社は違いました。

人事部=出世街道ではなく、新人研修のすべてを子会社が担当しており、お世辞にも尊敬できるとはいえない経歴の方々が「講師」となって研修を行っていました。

研修の内容もお粗末なもので、会社の社訓を毎日唱える、お辞儀の練習、電話対応のロープレなど大学や大学院を卒業した者に対して行うには幼稚すぎるものでした。

「まだ触っていいって言ってないでしょ!」など新人を幼稚園児のように扱う講師の姿勢、東証一部上場の大企業とは思えない旧態然の企業風土にあっけにとられた時から「こんなところで働きたいわけじゃない」と思い出すようになりました。

やりたいコトがあわない

1カ月の新人研修が終わった後は、新人には珍しく1人だけいきなり経営企画部に配属されました。

「すごいじゃん」と言われることは多々あれど、実際には新卒の新人が経験もなしに経営企画をするなんて到底できません。

まして私の専攻はマーケティングで、経営とは少しずれています。

その会社に入った理由も、その会社の商品を学生時代に使い続けてきたほど大好きだったので、もっと世界に広めたいという思いがあったからでした。

人材のアンマッチ

その当時の私の経歴は国内で大学、海外で大学院を卒業して少しインターンシップをしたインターナショナルな若者というかんじでした。

そのため、英語が流暢に話せるいわゆる「グローバル人材」として入社しました。

企業側もそのような人材を欲して、海外で行われるジョブフェアなどに出展して新卒人材の募集をしていました。

しかし、中で働いている方のマインドはグローバル思考ではありませんでした。

社内の「グローバル人材」は「異端児」でしかなく、どのように生かせばいいのかを分かりかねているような状態でした。

「白山さん、英語ができるのよね?じゃあこれ翻訳しておいて」

こういうことが日常茶飯事でした。

”英語ができる”と”英語で仕事ができる”には大きな違いがあります。

私にとって英語というのはコミュニケーションツールでしかなく、英語自体が最終成果物ではないと考えているのですが、企業側は私に英語が最終成果物である仕事ばかりをやらせることが最良であると考えているようでした。

ここにいては自分自身が思い描くような成長はできないと思い、入社3年を待たずして1年で転職を決意し、動き出しました。

日本には「石の上にも三年」ということわざがあるとおり、まずは3年働いてみろとよく言われますが、結局は人それぞれなので早く動き出すことは大切だと思います。

転職を成功させるには

転職するにはまず

最初の転職の場合、転職エージェントに登録するのが一番良いかと思います。

転職エージェントにもいろいろな企業があり、外資系の求職が多い、ファッション系に強い、スタートアップに強いなど多種多様です。

「強い」という意味は、

  • リクルーターがその業界とのつながりが強く、多くの案件をひっぱってこられる
  • 必要とされている人材について正しく理解して教えてくれる

ということです。ここは非常に重要なポイントです。

リクルーターといえど人は人。クオリティーも千差万別なので、とりあえず転職させて紹介料を得たい人から、求職者の転職を真剣に考えている人まで色々です。

3社以上登録して面談し、純粋にフィーリングの合う人、信頼できる人、友人となってもいいような人、などの基準でどの方に任せていきたいかを選ぶのが良いと思います。

ただし、あくまでも転職する側である私たちはリクルーターにとっての「商品」であるので、そこは常に忘れずにいたほうが懸命です。

ちなみに登録をする際に履歴書の作成が必要となる場合が多いですので、事前に作成をしてください。

やりたいことを考える

転職エージェントに数社登録をすると、リクルーターから面談をしましょうと連絡がきます。

リクルーターは面接官ではないので必要以上に緊張する必要はないのですが、デキる人と思われない限り良い案件を紹介してくれません。

内定が決まらなければ彼らの儲けにならないからです。

そこでデキる人と思わせるために、きちんと前向きに「やりたいこと」を考える必要があります。

自分がやりたい仕事でない限り人はやる気は出ません。

「好きこそものの上手なれ」とはよく言ったもので、好きなことは上達が早いですしやる気も違います。

そんな風に思える仕事は何か、しっかり自己分析することが必要です。

自分のやってきたこと、強みを考える

何をすれば良いのか分からないという方は、自分の今までの歴史を振り返ってみてはいかがでしょうか?

自分が興味のあるものを明確にします。

やり方は単純で、小さい頃から好きだったこと、聞くと心躍ること、時間を割いてでも知りたいものなどを書き連ねてみれば、なにか傾向が見えてくるはずです。

それと同時に、職歴・学歴から浮かび上がる自分自身のスキルも列挙してみてください。

プログラミングができる、ずっと営業を行ってきた、留学していた、数学が得意などいろいろなことがあると思います。

そのスキルと、好きなものがクロスすると一番説得力のある「強み」となります。

ジョブディスクリプション(職務記述書)を読む

自分の強みとやりたいことが明確になったらリクルーターにその旨を伝えます。

そうすると彼らから案件が紹介されます。

そのときに、外資系であると必ずジョブディスクリプションとよばれる仕事内容を明文化した書類を渡されます。これは熟読してください。

日系企業は職務内容がはっきりしていない場合も多いので、これがない場合もあるかもしれませんが、その時はリクルーターに何回も質問して、企業側からの回答を得るのが無難です。

紹介された案件に興味があるものが出てきたらそのエージェントを通して応募します。

エージェントは履歴書を企業側に渡すだけではなく、特筆するスキルや人間性などもあれば同時にあなたのことをおすすめしてくれます。

書類審査が通過すれば、ついに面接です!

転職と新卒の就活は違う

転職は自分のキャリアを向上させるものです。

「私という即戦力が欲しいでしょ、一緒に働いてあげるよ!」くらいの気持ちで挑むことが必要です。

強みを生かすために職種はしぼって受ける方が良いですが、特に初めての転職の場合は受ける企業は1社だけにはせず、何社も受けて転職市場と自分の価値を客観的に見極めることが肝要です。

また、やりたいことの他に職場の雰囲気、職場の上司となる人の人柄も非常に大切です。

私が経験したように、人材の使い方がわからない人が上司にいても自分は成長できません。
日系企業と外資系でもやはり全く雰囲気は違います。

どちらも一長一短ですが、どちらがより自分に合うかを理解して転職することが重要です。

転職の面接は新卒の時とは違うので、職場の雰囲気や仕事の進め方、上司となる人の価値観なども話して引き出し、自分がその職場で働きたいかじっくり観察しましょう。

面接は自分と新しい職場の適合性を見極める時間

私の場合は4社くらい面接を受けました。

新卒採用のようなグループワーク形式の面接もありましたが、おおむねは普通の面接形式でした。

一番びっくりした面接は、「うちはBtoCじゃない、BtoBよ。そんなこともわからないの?」と消費財の企業で言われたことでしょうか。

その時は面食らいましたし、自分の理解が間違っているのかと不安にもなりましたが、後で冷静になるとその企業で働く人のレベルがわかり本当に入らなくてよかったと安心しました。

面接は自分と新しい職場の適合性を見極める時間でもあります。

さらに人事評価システム、転勤の有無、福利厚生などの働く上での基本情報は面接時に聞いて確認してください。

入ってから思っていたシステムと違った、お給料が思ったほどあがらない、などのミスマッチが出てしまってはせっかくの転職がもったいないです。

無理せず作らず、自然体の自分で気が合う仲間と、納得できる職場で働くことが大切です。

仕事において助けてあげたいと思える人たちと働くと、自然と効率も結果もアップします。

常に前向きでいられる職場を探してください。

論理的で前向きな人でいる

面接では「現状がなんとなく合わない」「嫌だからやめたい」などと決して言わないでください。

どんなに前職がブラック企業でも上司が最悪でも、それは転職してから飲み会で言えばいいのです。

辞める論理的な理由付けをすることは大切です。
面接でもよく聞かれる質問です。

その理由に自分自身で矛盾が見えてしまった時は、まずはその矛盾に真正面から立ち向かって考え解決してみてください。

とはいえ無理して嫌な職場にいる必要は全くありません。

日本社会では我慢が美徳である傾向もありますが、少しずつ変わってきていると思います。

終身雇用も壊れてきていますし、じっくりゆっくり進むやり方では競争に勝てなくなっています。

ただし、今の会社で必要ない人は他の会社でも必要ありません。
無駄な我慢をする必要がないだけです。

転職をして

私は転職をしてから4年がたちます。

日系企業から外資系に行き、不満も大なり小なりありますが、おおむね楽しくいきいきと仕事をしています。

職場の人間はほぼ全員が英語ができるので「翻訳しておいて」なんて言われることもないですし、仕事さえできればあとはそれなりに自由であったりします。

それが良い悪いではなく、私に適合しているというだけです。

みなさんがそのようなご自身に合った職場に巡り会えることをお祈りしています。

この記事の筆者

白山愛菜(仮名)
1985年生まれの30歳。

海外の大学院にてマーケティングを専攻。

卒業後は日本に戻り、得意の英語とコミュニケーションスキルを生かし、外資系企業にてマーケティング職に従事。

日々アンテナを高くして、一流のマーケターになれるよう精進中。

好きな言葉は、”This is your life. Do what you love, and do it often.”

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