面接官が気になる「言葉尻や口癖が耳障りな人」

面接の基本は、尋ねられたことに対していかに的確に答え、自分をPRするかです。

しかし答えた内容はそれなりに評価できるにもかかわらず、その言葉が耳ざわりで興味が薄らぎ、結局不採用になった体験談を紹介したいと思います。

執筆者の情報
名前:永井 成果(仮名)
性別:女性
現在の年齢:47歳
面接の経験人数:約500人
面接経験時の役職:-
企業・業種:-

内容がよくても興ざめする言葉グセ

言葉グセで嫌な印象を受けたものに、「っていうか~」というのがありました。

例えば、「当社の志望動機を言ってください」という、よく聞かれる質問に対して、

「御社のビジネスっていうか、やっておられる内容をホームページで見たんですが、最近流行の太陽エネルギーっていうか、省エネルギー対策にものすごく事業を広げておられ、これからどんどん発展していかれる会社かなって思い、応募しました。」

応募者は20代後半で、前職での営業経験を生かして当社でも同様の営業をしていきたい、というものでした。

太陽エネルギーについての知識もそれなりに持っていて、それほど不満はなかったのですが、どうもこの「っていうか、…」が耳をついて離れません。

ひとつの質問で1~2回出てくるので、5つ程度質問する間に10回ぐらいこの「っていうか~」を聞くことになりました。

言葉グセというのは文字通り「クセ」なので、聞いているうちにそろそろ出てくるんじゃないかって思ったら、案の定出てきて「あ、来た来た!」って感じになってきます。

言葉グセの背景を見てしまう

こういった言葉グセは、心のどこかで違和感を持たせる言葉グセなのです。

先ほどの例で言うと、「ビジネスっていうか~」「太陽エネルギーっていうか」と言われると、自信の無さにも聞こえるし、いったん否定したようにも聞こえる中途半端な言い回しなのです。

さらに言えば、応募者は気を付けながら話しているかもしれないけれど、この人の日常の言葉グセは「ってかさ~」かもしれないと思ってしまったのです。

真偽はわからないし聞くわけにもいかないけど、あえてこの面接場面で邪推されるような紛らわしい言い方はすべきではありません。

前職でのセールストークでこんな言い方を頻繁にしていたとしたら、営業マンとしては失格だなという結論でした。

面接者への最後の質問で、「今お聞きしていたら、〇〇さんは、『っていうか~』という言葉グセがあるのにお気づきですか?」と尋ねたら、

「え?言葉グセですか?う~ん、あまり気付かなかったですね、…っていうか~、あ!!すみません!」

「ハイ!」、といい返事なのだが…

言葉グセの中でも、まだ印象のいい部類のものもあります。

例えば、「はい!」という返事です。

面接スタートで面接ルームに入室してきて、面接官が最初にいう言葉で、

「どうぞご着席ください。」という言葉がありますが、このひと言だけの返事でも大きな声で「はい!」と返事されると気持ちのいいものです。

その面接者は声の大きさも良く、印象よくスタートしたのですが、途中からちょっとニュアンスが変わってきました。

「では、最初の質問ですが、自己PRをしてください。」

「ハイ!まず、私の長所は非常に何事にも積極的だということです、ハイ!前の職場でもみんなの先頭に立ち、職場の問題に挑戦してきました、ハイ!特にチーム力ですね、ハイ!私はこれを大切にし、頼られる存在だったと思っています、ハイ!」

このように話すたびに『ハイ!』がくっついてくる人がいました。

『ハイ!』自体は、なんの問題もないのですが、このようにわずか十数秒の話の中で何回も『ハイ!』と言われると嫌になってきます。

ハイ!の言葉グセ以外は悪くなかったのですが、『ハイ!』を繰り返すたびにどうも“前のめり”感というか、焦っている感じがして合格圏にはもう一歩というところでした。

面接の終盤にきて、ズバリ聞いてみました。

「ところで、〇〇さんはせっかちですか?」と尋ねると、『あ、ハイ!』との返事で、すかさず「それで失敗したことはありますか?」と聞くと、

『ハイ!よく叱られます、もっとゆっくり話を聞けと、ハイ!』と、白状してしまいました。

それまでの内容が良かっただけにずいぶんと迷ったのですが、この返答で確信が持てて採用を見送ることとしました。

『ハイ!』は確かにいい返事だが、ビジネスマンたる者そうそう『ハイ!』を乱発していては勤まらないというのが理由でした。

きっと『いいえ』という返事の後にも、この言葉グセが出て、『いいえ、ハイ!』と言うんだろうなと思いました。

面接に普段の会話をもちこむな

言葉グセの中でも、このように言葉の後ろに付くのが言葉尻ですが、話す前に言ってしまう言葉グセもあります。

よくあるのが、「え〜っと…」「あの〜」です。これも連発されると大変耳障りです。

また、相手の発言中に相づちを入れてしまうクセのある人がいます。

「趣味が映画っていいですね。ということは…」

と質問がすべて終わらないうちに「そうそう、そうなんです。」と口を挟んでくる人がいます。

きっと、面接がいつの間にか普段の会話と同じようになってしまうのでしょう。

「…じゃないですか?」も、イラつくだけです。

例えば、前職の退職理由を尋ねた時、

「ほら、職場でなんでも自分の言う通りにしないと気に入らない上司がいるじゃないですか?その上司が…」

と、しゃべり出す人がいました。

いきなり質問されても困るんだけど…と言いたくなる言葉グセで、もう最悪です。

「そうだよね!」って返事して上げれば満足なのかもしれないけれど、こちらは早く切り上げることしか考えていませんでした。

言葉グセは治せる!

こういった言葉グセ、口癖はしょっちゅう言うから「クセ」なのであって、時々タイミングよく出てくるのはあまり気になりません。

しかし、度が過ぎると耳障りという悪印象に加え、応募者の日常を連想してしまうのと、これがビジネス場面で出てしまった時のリスクも考えます。

つまり、大事な顧客への悪印象につながりかねないという心配です。

言葉グセを直す方法は、それが「言葉グセ」であるということを第三者に指摘してもらうのが一番です。

「あ、それまた言ったよ!」と言ってあげます。

何度か指摘されると、本人もだんだん意識し出し、確実に少なくなりそのうち気にならなくなります。

第三者に指摘してもらう方法は、模擬面接を受けることです。

これは、人材紹介会社経由の応募なら頼めばやってくれるし、公的機関でも実施してくれるのでおススメです。

この記事の筆者

永井 成果(仮名)
企業で何人も転職者の面接をしてきました。

その後、私自身が転職し、今度は反対にその経験から転職者を支援する仕事もしました。

企業の面接経験では、こんな人は絶対受からない、逆にこういう人は非常に好感を持たれ面接をパスできる人だというのがよくわかり、一方、支援する仕事ではそれを転職者にアドバイスしてきました。

この両経験から、転職者の役に立つ体験談とヒントを紹介したいと思います。

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