アデコの強み弱みを8つのポイントで徹底検証
みなさん、こんにちは。
求職者のみなさんが転職活動において利用することが多い転職エージェントは、人材業界に属していますがその範囲はかなり広いです。
求職者のみなさんが当事者になる採用関係の事業はもちろん人材業界に入りますし、もしかすると、転職後に受講するかもしれない教育事業も人材業界になります。
転職エージェントを事業にしている人材系の企業は、日本に非常に多くありますが、入れ替わりが激しく、事業として成功している企業はそんなに多くはありません。
今の転職市場は売り手市場になり、転職エージェントとしては利益確保のチャンスとなっていますので、多くの企業が転職エージェントとして新規参入する傾向にあります。
今回の記事の目次
アデコの会社概要
それまでは、人材系の事業をしている企業が、転職エージェントに新規参入する事も良くあるのですが、その1社が今回紹介するアデコという企業です。
アデコ株式会社は、外資系の企業で、世界で最も売上が高い総合人材サービスを手掛ける企業です。アデコ株式会社は、日本には1980年代に人材派遣事業者として参入しています。
ですので、アデコ株式会社=人材派遣企業というイメージを持つ方も多いと思います。
企業規模が大きく地方の求職者も利用可能!
今も、アデコ株式会社は、派遣事業をメインに企業経営していて、その他としては人材関係のアウトソーシング事業と転職エージェント事業を行っています。
数年前からアデコ株式会社は、人材事業との連動として転職エージェント事業にも力を入れています。
資本金や従業員数から見てもアデコ株式会社は非常に大きな企業で、日本全国に転職エージェントとしても展開しているため、地方の求職者の方が利用することも可能です。
従来は組織内部で行っていた、もしくは新規に必要なビジネスプロセスについて、それを独立した外部組織からサービスとして購入する契約である。
アデコが得意なジャンルは管理部門系の職種と大手企業と外資系企業の求人である。
アデコ株式会社、転職エージェントとして得意なジャンルを最初にご紹介したいと思います。
アデコが得意にするジャンルは管理部門系の職種、大手企業、外資系企業の求人を得意にしています。
ただ、先にお伝えしておきますが、転職エージェントとしてはまだまだシェアは少なくこれからという転職エージェントです。
そのため、全体的に見ても求人の数は少なく、求職者のみなさんが転職エージェントを利用して転職活動をする場合、アデコだけでは厳しいものがあると思います。
アデコには得意とするスキームがある
アデコの場合、転職エージェントとして、少し変わったスキームで求職者のみなさんを支援しているので、このあたりについては、後述で詳しくご紹介したいと思います。
アデコの場合、今ご紹介した3つの得意ジャンルについても、後述でご紹介するスキームで転職支援することもあり、ジャンルと言うよりも、得意なスキームがあるということになります。
これは、他の転職エージェントよりも、かなり優位性があることで、派遣事業で業績を拡大してきたアデコだからこそできることだと思います。
管理部門系の職種
アデコの得意ジャンルとして、まず、管理部門系の職種について、ご紹介したいと思います。管理部門系とは、間接部門のことを言います。
具体的には、人事、総務、経理、財務、法務など企業において、その役割や責任が直接、売上や利益に貢献するのではなく、企業を裏方として支える職種のことを言います。
アデコがなぜ、この職種を得意としているのかですが、アデコはもともと事務系の職種の派遣事業を得意としており、事務系の職種とも関連性があるのです。
それにより、アデコは人材派遣から管理部門系の職種の知識や情報を蓄積して、管理部門系の職種に強みを持っているのです。
アデコに独占求人はないと思ったほうが良い!
実は、私も、求職者として以前、転職活動をしたことがあり、多くの転職エージェントを利用しても、なかなか転職活動が思うように進まず、苦肉の策としてアデコを利用したことがあります。
このことから分かるように、あくまで個人的な意見ですが、他の転職エージェントでは対応できない場合、『もしかしたら、アデコには新しい求人があるかもしれない』というぐらいのスタンスになると思います。
当時の私のアデコを利用した結果については、アデコから紹介を受ける求人のすべては、他の転職エージェントから既に紹介があったものばかりで、意味が全くありませんでした。
先述で求人数が少ないとご紹介しましたが、アデコには独占求人はないと思った方が良いです。
大手企業の職種
次にアデコが得意とする大手企業の求人についてです。アデコは会社概要のところでもお伝えしたと思いますが、企業としては非常に大きな規模です。
転職エージェントの一つの特徴は、大手企業が大手の転職エージェントを利用することがあるということになり、この特徴により、アデコには大手企業の求人があるということになります。
ちなみに、同規模となる大手の他の転職エージェントに比べると、確実にアデコが抱える大手企業の求人は少ないです。
大手企業がアデコに正社員求人を依頼するのは付き合いのため!?
大手企業は、アデコにも求人を公開する理由のもう一つは、付き合いのためです。
アデコは派遣事業においては、日本でもトップクラスのシェアを誇り、派遣スタッフを多く雇用する企業は大手企業になります。
大手企業は、アデコから多くの派遣スタッフの紹介がなければ、経営としてはデメリットになることもあり、アデコは派遣企業の取引においては欠かせない企業です。
そのため、正社員の求人を公開しても、そこまでメリットを感じる採用支援をしてくれるとは考えていなくても、派遣事業でメリットがあるため、アデコにも求人を公開するのです。
アデコは派遣領域では絶大な信頼を得ている!!
ちなみに、補足としてアデコの派遣事業は、ある大手の外資系企業の派遣スタッフの枠をすべてアデコで補うというぐらい絶大な信頼を得ています。
派遣事業については、アデコに匹敵する派遣会社はないのではないかと言えるぐらい、独占取引が多くなっています。
元アデコのキャリアアドバイザーから聞いた話によると、転職確度はかなり低く、登録者も少ないため、紹介する前に、その求人がクローズになってしまうことが多いそうです。
なお、大手企業の求人についても、アデコが独占ということはなく、他の転職エージェントを利用しても必ず拾うことができると思います。
外資系企業の求人
アデコが得意にするジャンルの最後は、外資系企業の求人です。アデコは世界で事業展開するグローバル企業で、外資系の資本が入っています。
今の日本のビジネスシーンは、多くの外資系企業が参入しているため、転職市場においても外資系企業の求人が多くあります。
外資系企業は外資系の転職エージェントを利用することが多く、そのため、アデコには外資系企業の求人が多いということになります。
アデコの外資系求人はIT業界の大手企業が多い
今、ご紹介している得意ジャンルのなかで、私から見てアデコが本当の意味で得意にしているジャンルが外資系企業の求人ではないかと思います。
転職エージェントとして、アデコの転職エージェント活動の情報を知ることがありますが、外資系企業の求人については、他の転職エージェントよりも、若干ですが求人数は多いと聞きます。
もちろんと言ってはアデコに失礼になるかもしれませんが、外資系企業の求人についても、アデコが独占で持っているということはレアケースです。
アデコの外資系企業の求人については、派遣事業からの恩恵をもろに受けているため、求人の内容を見るとIT業界の大手の外資系企業の求人が多くあります。
転職エージェントとしては可もなく不可もなしという立ち位置
ちなみに、アデコからその求人に応募することで、書類選考や面接など選考過程において、他の転職エージェントから応募するよりも通過率が高いということはありません。
外資系企業の求人も含めてアデコが持つ求人は、求職者のみなさんにとってメリットはもちろんありますが、他の転職エージェントからも簡単に拾うことができます。
貴重な求人かというとそのようなことはなく、転職エージェントとしては可もなく不可もなくという立ち位置になります。
アデコは紹介予定派遣を得意とする転職エージェントだ。
今回のアデコを紹介する上で、ここでお話する内容がポイントです。
転職市場には、正社員を希望して転職活動をしても何らかの理由により、正社員として転職することが難しい方や不可能に近い方がいます。
そこで、派遣という雇用形態です。派遣には、通常の派遣とアデコが得意なスキームである紹介予定派遣があります。
紹介予定派遣は、比較的、新しい雇用形態になりますし、求職者の方からすると新しい転職方法の一つになります。
転職時は派遣、最長6ヶ月で企業から評価を受けた場合は正社員に切り替わる
そのため、紹介予定派遣を知らないという方もいると思いますが、是非、これを機会に紹介予定派遣を知って頂き、その際にはアデコをご利用頂ければと思います。
他の転職エージェントでも紹介予定派遣というスキームを持っているのですが、アデコは派遣事業でかなり企業から信頼を得ていて、派遣のなかに含まれる紹介予定派遣についても強みを発揮します。
必ず、求職者のみなさんに役立つ転職エージェントだと思います。紹介予定派遣についての詳しい内容は、インターネットなどで検索して頂ければと思いますので、ここでは簡単に説明します。
紹介予定派遣とは、転職時は派遣という雇用形態になりますが、最長6カ月という期間内で、企業から評価を受けた場合、転職後に正社員へ切り替わる仕組みです。
転職時は派遣という雇用形態になるが、最長6カ月という期間内で、企業から評価を受けた場合に転職後に正社員へ切り替わる仕組み
アデコの紹介予定派遣の実績
アデコは、正社員向けの転職エージェントとしては、少し他の転職エージェントには劣りますし、デコを利用してもあまりメリットを感じる事は少ないと思います。
しかし、紹介予定派遣の場合は、十分な威力を発揮するはずです。派遣で最も多い職種は一般事務と呼ばれる職種です。
先述でアデコが管理部門系の職種を得意としているとご紹介したと思いますが、紹介予定派遣をアデコが得意とする理由は、このことから必然と言えることです。
『ローラー』と呼ばれる営業方法で多くの案件を獲得してきた
求職者のみなさんは、営業において、『ローラー』という言葉をご存知でしょうか?『ローラー』とは、アデコの社内的な営業用語です。
今では他の企業でも使っているのですが、元々はアデコが発祥と言われています。
『ローラー』とは、アデコが得意とする営業手法で、大きなビルの1階から最上階まで、すべての企業に飛び込み営業することを言います。
かなり非効率なやり方ですが、受注確度も高く、派遣事業においてアデコはローラーにより多くの案件を獲得してきました。
転職ハードルの低い紹介予定派遣を利用してみることもオススメ
その案件を転職エージェントにも移行させているため、紹介予定派遣の実績が非常に豊富になっています。
紹介予定派遣の場合、転職時は派遣という雇用形態になりますが、将来的に正社員に形態変更することができる可能性があるので、私はオススメです。
一時期、転職市場が冷え切っていて正社員での転職が難しい求職者の方が非常に多くいました。
その時に、多くの求職者の方は転職ハードルが低い派遣の道を一旦選び、将来的に正社員になる紹介予定派遣を活用していたのです。
担当者の対応レベルは…高いような低いような・・・
アデコのキャリアアドバイザーの対応レベルについてご紹介しますが、正社員を対象とする場合と紹介予定派遣を対象にする場合で違いがありますので、それぞれに分けてお話したいと思います。
正社員を対象とした場合キャリアアドバイザーのレベルは低い
まず、最初は正社員対象にした場合のキャリアアドバイザーのレベルですが、はっきり申し上げると、レベルは低いです。
アデコは転職エージェントとして事業展開していると言ってもメインは、派遣事業になりますので、キャリアアドバイザーを担当する従業員数が少ないです。
全体の約8割程度が派遣事業に関わる従業員になっているようです。このことから分かるように、アデコは転職エージェントとしては、急激な成長を求めているということではないようです。
転職支援実績も少なくキャリアアドバイザーの数が少ないため、キャリアアドバイザーとしての経験が浅く、良質な転職支援を受けることは難しいと思います。
紹介予定派遣の場合担当者のレベルは高い
しかし、紹介予定派遣となれば、アデコは実績が多数あり、人員数も非常に多く、担当者の対応レベルも高いです。
アデコは転職エージェント部門のキャリアアドバイザーと紹介予定派遣部門の担当者は異なります。
求職者のみなさんは、是非、アデコを利用する際には、自分の転職状況に合わせて両方に登録した方が良いと思います。
アデコのキャリアアドバイザーは、男性のキャリアアドバイザーが多く、全体的な対応をみてもがさつです。
担当者はどこまで求職者をサポートしてくれる?
アデコのキャリアアドバイザーが求職者のみなさんの転職支援をどこまでサポートするのかについてですが、他の転職エージェントと内容は変わりません。
ただし、アデコのキャリアアドバイザーは、内定時の条件交渉はしません。求職者のみなさんが、企業からオファーを受けた際に条件がそのままだと思ってください。
それと、アデコの場合は、登録面談についても、かなり雑で、電話で終わらせることも多いです。
どこまでサポートするのかということについては、一般的な転職エージェントとほぼ変わりませんが、その対応レベルは非常に低く雑です。
利用者の視点で思うアデコ
私がアデコを利用したなかで感じたことは、転職エージェントとして、あまり機能していないのではないかということです。
社内の転職エージェント事業に従事する割合、実際の転職支援の質、すべてをみても、片手間な気がしてなりません。
その意味でも、アデコを利用して転職活動をするということは、時間的な工数も取られますので、生産性が高いとは言えないと思います。
キャリアアドバイザーも同時に複数名の求職者の方を担当しているのですが、それぞれの求職者の進捗状況をしっかりと把握しているということはないようです。
アフターフォローは充実しているのか?
アデコの転職支援そのものが、かなりレベルが低いですので、アフターフォローが充実している訳がないのです。
私はアデコから紹介頂いた求人で内定を勝ち取ったことが1社だけありますが、その際、内定後は、完全放置でした。
通常、転職エージェントは、転職日の前日にキャリアアドバイザーからリマインドの連絡があるのですが、アデコのキャリアアドバイザーからそのようなこともなかったです。
辞退したとしても、アデコのキャリアアドバイザーは、特別な理由は聞かず、かなり淡泊で了解しましたということだけで終わります。
紹介予定派遣のアフターフォローは手厚い!!
一方、紹介予定派遣になると同じ企業なのか?と思うぐらいアフターフォローが充実しています。
これは、私が企業の人事として従事していた頃にアデコから派遣スタッフを受け入れたことがあり、その際、1週間に一度、派遣スタッフと面談をしていました。
その派遣スタッフが正社員になれるように人事である私に営業担当者がかなり交渉してきました。
営業担当者の人事への交渉が、求職者のみなさんからすると自分が正社員になれるようにするアフターフォローになりますので、心強いと思います。
アデコに向いている人の特徴
アデコに向いている求職者の方は、アデコが得意とするジャンルとなる管理部門系の職種、大手企業、外資系企業の求人を希望する求職者の方だと思います。
しかし、メリットを感じることができるかと言われると利用した経験があり、転職エージェントとしての経験もある私としては、微妙な回答しかできません。
アデコが得意とするスキームの紹介予定派遣で正社員を目指す求職者の方にとっては非常に有効な転職エージェントですので、是非、登録して支援を受けた方が良いと思います。
紹介予定派遣についてのアデコの実績は非常にありますので、求職者のみなさんは高い満足を得ることができるのではないかと思います。
その他(アデコはワンストップ型の転職エージェント)
アデコの転職エージェントとしての仕組みを最後にご紹介したいと思います。
アデコは、ワンストップ型の転職支援を行う転職エージェントになりますが、ワンストップ型のメリットをアデコは活かすことができていません。むしろ、ワンストップ型のデメリットが目立ってしまっています。
恐らく、一人で裁き切ることができない数の求職者の方を同時に担当し、しかも、企業に対して営業しなければなりませんし、求職者のみなさんへの対応が雑でスピード感もありません。
なお、今回は、アデコについてあまり良い話をすることはできませんでしたが、アデコを私が嫌いとか、そのような理由ではありません。事実をご紹介しましたので、ご了承頂ければと思います。
紹介予定派遣については、アデコはうまく利用することでメリットもある転職エージェントですので、求職者のみなさんの転職活動にも役立つと思います。
それでは、最後になりますが、求職者のみなさんの転職活動が最高のものになるように祈り、今回はこれで終わりにしたいと思います。最後までお読み頂きありがとうとございました。