エージェントは転職サポートをしないことがある!その訳は一体?

転職エージェントは、誰でも登録することができる手軽な転職方法です。

私も求職者時代には転職エージェントを利用して転職活動を行いました。

現在は転職エージェントとして活動していますが、利用するエージェントによって転職サポートの範囲や質は変わります。

今回は、転職エージェントのサポートにスポットを当てて、ご紹介したいと思います。

求職者の転職サポートをしない転職エージェント!?

中には、職者の転職サポートをしない転職エージェントというものがあります。

どのようなときに転職サポートをしないのか、私の経験も踏まえていくつかの状況をご紹介します。

時間にルーズな求職者

求職者の中には、約束を守れないだらしない求職者もいます。

例えば、

  • 面談の時間に遅刻する
  • 遅刻しても連絡の1本もない
  • 面談自体を忘れる

などです。

これは、転職サポートを受けようとする求職者にとっては致命的です。

転職エージェントからすると、顧客となる企業の面接にも遅刻するのではないかと不安に思うでしょう。

転職エージェントからすると、顧客は企業であり、求職者は商品です。

求職者が企業の信用を失ってはその後の取引に影響を及ぼしますので、その求職者には求人の紹介をしなくなります。

転職エージェントもボランティアではなくビジネスです。

商品となる求職者は何万人もいます。時間にルーズな求職者に時間を割く必要性はどこにもないのです。

求職者の方も、自分の人生がかかった転職活動に関して初歩的な時間すら守れないのであれば、転職活動はしない方が良いです。

私の経験上、まず間違いなく内定はもらえません。

態度が悪い求職者

態度が悪いとは、これまた当たり前のあいさつや礼儀ができないことです。

転職エージェントは無料のサービスで面接をする企業ではないため気楽に対応してしまう求職者もいますが、はき違えてはいけません。

皆さんは態度が悪い人と良い関係性を築ける自信はありますか?私はないです。

態度が悪い求職者を、自信を持って企業へ紹介することはできません。

紹介したとしても、「なぜあのような求職者を紹介したのか」とクレームになる可能性があります。

私は礼儀や挨拶を重く受けて止めているため、面談時にしっかりできない求職者には一切、求人の紹介はしませんし登録も断ります。

同じ転職サポートであるならば、態度が悪い求職者よりも態度の良い求職者を手厚くサポートした方が気持ちの良い仕事ができます。

清潔感のない求職者

この場合は、ある意味最悪です。

転職エージェントは人材業界であり、人材業界には女性の方が多く在籍しています。
女性は清潔感のない人間を嫌がります。

清潔感とはTPOに合わせた服装や髪形の話です。

初対面の面接官に清潔感のない印象を与えては内定が出るわけもありません。

面談時に何の連絡もなく、当たり前のように私服で来社する求職者がいますが、これはよくありません。

現職を持っている求職者の場合、面談の時間帯は夜になることが多いと思いますが、キャリアアドバイザーも定時を超えて求職者のために待っているのです。

ビジネスの初対面である中で、私服で来社はいけませんよね。

もし、現職が私服OKの企業であれば、その連絡を事前にキャリアアドバイザーへするべきです。

この配慮がキャリアアドバイザーのモチベーションを上げ、この求職者に最高の転職サポートをしようと思うものです。

キャリアアドバイザーも人間ですから、このあたりのことを理解した上で接するようにしたいものです。

病歴を持つ求職者

これは転職エージェントとして苦肉の策です。

登録は問題ないのですが、顧客である採用する企業から病歴のある求職者の紹介は避けるように言われています。

特に精神疾患の病歴を持つ場合は避けられる傾向が強いです。

企業は、精神疾患を経験した求職者を採用するとそれだけで経営リスクになるのです。

精神疾患は外傷ではないため、治っているかどうか分かりません。

もしかすると、仕事をしたいがために無理やり完治していると言っているのかもしれません。

万が一、働いている途中に疾患がぶり返すと行政から調査が入る場合もあります。

こういった自体は、どの企業も嫌がることですので、精神疾患の病歴を持つ求職者を受け入れたいとは思えないのです。

しかし、求人票にはこういった記載はありません。

証拠として残すと差別と疑われることも想定されますので、採用する企業と転職エージェントの中での内密のようなものです。

面接時間に遅刻した求職者

面接時間に遅刻することは、キャリアアドバイザーとの面談に遅刻することよりも重いことです。

遅刻だけで、面接を受けることができない厳しい企業も多くあります。

遅刻すると、紹介した転職エージェントにも責任がありますのでクレーム対象になります。

1回の遅刻で登録解除という厳しい転職エージェントもいくつかありますので、面接の遅刻だけは絶対してはいけません。

登録解除にならなくとも、明らかに求人の紹介数は減り、転職サポートの質も下がります。

複数の転職エージェントを利用している求職者

本来、何社でも転職エージェントを利用して構わないですし、これまで複数利用で転職サポートをしない転職エージェントの存在を知りませんでしたが、つい最近、ある会合でこういった話を聞きました。

その転職エージェントは、他に3社以上を登録している場合は転職サポートの優先順位を下げたり、登録すらできなかったりするようです。

あまり聞かない対応ですが、転職エージェントも少しずつ変化しているのかもしれません。

企業へ求職者を紹介する際の重複を防ぐためと、転職エージェントだけしか登録していないことを売りにするため一定以上の登録をしている求職者の登録を避けるのだそうです。

求職者の中には、同時期に同じ企業へ複数の転職エージェントから多少のタイムラグを設けて応募する人がいます。

企業が応募者の管理をしていないだろうという想定のもとで、ダメ元で応募するのです。

確かに企業の中には書類選考段階では応募者の管理を行っていない企業もあるので、この作戦は間違いではないのですが、仮に応募者管理をしていた場合は単純に仕事が増えるだけですし、企業からお叱りを受ける対象になります。

このお叱りを受ける可能性を下げるために、同時登録をしている求職者を敬遠するようです。

また、転職エージェントとしては、優秀な求職者は自社だけからの紹介ということで、他の転職エージェントとの差別化を図りたいのです。

同時登録が不可という転職エージェントは、現在は数える程度しかないようですが、求職者も頭の片隅に入れておく方が良いと思います。

キャリアアドバイザーが求職者

キャリアアドバイザーも転職を考えますし転職をします。

転職エージェントの中には、同業他社のキャリアアドバイザーを転職サポートしない場合があります。

大体は一般の求職者と同じように転職サポートを受けることができるのですが、中には情報漏えいを懸念して登録すら不可とする転職エージェントもあります。

転職エージェントの中には、他社の状況や戦略を知りたいがためにダミーで求職者となり、面談や求人の内容、その他の転職サポートを把握して、自社のサービスに取り入れようとする場合もあります。

同業他社を知り、差別化を図る情報収集として良いことだと思いますが、中にはこれを嫌う転職エージェントもあるようです。

ハローワークの転職サポート

次に、ハローワークの転職サポートについてご紹介します。

ハローワークの転職サポートの範囲は、求職者の簡単な相談と求人紹介だけです。

面接調整や内定時の交渉はありません。

転職エージェントはビジネスとして紹介事業を展開していますが、ハローワークは国の管轄のもと求職者を減らすボランティアのような存在です。

ハローワークの転職サポートを一度受けてみるとわかりますが、非常にあっさりしています。

サポートはあっさりしているにも関わらず、転職サポートを受けるまでの待ち時間が異常に長いです。

ハローワークは残念ですが、本気で求職者の内定をサポートしようとする気概は感じられませんでした。

ハローワークが転職エージェントよりも人気

企業が集中している都心は転職エージェントが中心ですが、地方は転職エージェントが拠点を出していることが少ないです。

そのため、求職者は転職エージェントを利用することができませんし、ハローワークは日本全国の各都道府県に必ずありますので必然的に人気があります。

地方に住んでいる私の友人は、転職エージェントよりも、まずはハローワークに求人を出す文化があると言っていました。

求人内容も、都心のハローワークは非正規の求人が多いのですが、地方では正社員の求人も多くあるそうです。

また、情報によると東日本大震災のあった地域のハローワークには、雇用の創造や地域活性を目的として、都心の企業の正社員の求人が多くあるそうです。

求人企業も転職サポートをする場合がありますが、どんな時か

転職サポートを行うのは基本的には転職エージェントになりますが、ある状況によっては、求人企業も積極的に求職者の転職サポートをする場合があります。

ここからは、求人企業が転職サポートを行う各状況についてご紹介します。

なお、転職サポートには求人紹介の他に、内定交渉や入社後のケアも含みます。

人事担当者が転職サポート

企業の面接では数回の面接がありますが、1次面接では大体が人事担当者であることが多いです。

人事担当者は企業の窓口であり、自分が良いと思った人材に入社してほしいと思っています。

しかし、2次面接以降では人事担当者の決裁権はありませんので、良いと思った人材ではない求職者が入社に至ることも多くあります。

人事担当者はそれを防ぐために、良いと思った求職者を選考中に教育するのです。

これはどの企業でもよくある話で、エントリーマネジメントと呼ばれています。

2次面接以降の面接官のタイプを共有したり、2次面接以降で質問される内容を求職者に事前に共有し、面接前に練習までしたりします。

この人事担当者からの教育を受けるためには、1次面接で良い印象を残す必要があることは言うまでもありません。

面接教育の他に、適性検査の出題内容を全て教えてくれる人事担当者もいます。

どのような企業がこういった面接教育をするかですが、大手企業は少なくベンチャー企業では多くあるようです。

企業が求職者を口説く

この事例は求職者からすると非常にうれしい、誇りに思って良い転職サポートです。

求職者はいくつかの企業の選考を同時に受けると思いますが、優秀な求職者であれば同時に内定をいくつもホールドする状況になるでしょう。

企業も優秀な人材であれば絶対に入社してほしいと思います。

そのため、内定後に積極的にコミュニケーションを図るため、何度も会食のオファーがあります。

この会食で求職者の動機づけを行い、入社してもらうように口説くのです。

その際、ベンチャー企業であれば社長自ら会食に出席するのもよくある話です。

私も転職エージェントとして優秀な求職者を知っていますが、何人かは企業から口説かれています。

入社後の転職サポート

人事担当者の評価は離職数や離職率による場合もあります。

そのため、人事担当者は入社した求職者を退職させたくないのです。

特に入社して数か月間は、人事担当者がかなり密にコミュニケーションを図りサポートすることが多くあります。

この人事担当者の裏事情を知らない求職者は、人事担当者の転職サポートを非常にありがたいものとして捉え、その企業に好感を持つと思います。

ただ、人事担当者が必要以上に関わる場合は自らの評価を気にしている場合がほとんどですので、過度な好感は持たない方が良いかも知れません。

ブラック企業の転職サポート

ブラック企業は、新規に人材を採用すると助成金が支給される制度があり、入社前後に強いサポートを行うことがあります。

インターネットなどの情報サイトにブラック企業という評判がある企業でも、この手厚いサポートにより錯覚を起こして、そのまま入社してしまうこともあるようです。

助成金は一定期間以内に入社した労働者が退職した場合は支給の対象外になりますので、その一定期間までは入社前と同様に手厚いサポートがあります。

しかし、一定期間を超えると手厚いサポートは手のひらを返したように全くなくなります。

求職者は、自分が入社することで助成金の対象となることもあると想定して、転職サポートにより自分の転職軸を見失わないようにしなければなりません。

まとめ

転職エージェントは利益集団です。

利益につながる可能性が少ない求職者にはサポートをしなくなる場合が多いです。

転職エージェントとしての私の経験上、転職サポートの優先順位が下がったり、満足いくサポートを受けられていない求職者は若年層に多く見られます。

若年層の方は転職を甘く見ている場合が多く、適当に活動してもいつか決まるだろうと考えているようですが、転職活動はそこまで甘くないです。

ぜひ当たり前のことを当たり前に行い、転職エージェントに変な誤解を与えないようにしましょう。

最後になりますが、皆さんの転職活動が最高のものになることを信じて、今回はこれでおわりにしようと思います。

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