転職後に失敗した場合のリカバリー方法
求職者のみなさんが行う転職活動は、求職者のみなさんからすると不安が常に付きまとう行動だと思います。
どのような求職者の方であっても、必ず転職できるという保証はありませんし、転職先である企業が本当に自分のキャリアにつながるのかどうかは不透明な部分がおおいからです。
転職活動はその特性上、誰かに指示を受けて強制的に行うものでなく、自ら転職を希望して転職活動する訳ですから、求職者の自己責任であり自由意志の下で行う行動です。
見えないライバルを意識するあまり、必要以上に自信をなくしてしまう求職者の方も多くいます。
それでも転職活動を頑張り、内定を勝ち取ったとすれば頑張った報いとなることでしょう。
しかし、問題は、内定をもらい転職した後の話です。
今回は、転職後を題材として『転職失敗した場合のリカバリー方法』についてご紹介したいと思います。
転職活動の不安要素と転職の意義
現在転職活動をされている求職者の方はご理解いただけると思いますが、求職者としては求人の企業情報を知る機会が非常に少ないことがあります。
人生において仕事とは重要なファクトとなりますし、その重要な仕事を変える活動の転職活動で転職先の情報があまりに少ないことに違和感を持つ求職者の方はいませんでしょうか。
転職活動では情報が少ない!
転職活動に限らず、どのようなことであっても判断材料が豊富であれば的確な判断、そして決断ができます。
まず求人を拾い、それに応募するかどうかの判断が第一歩ですが、その段階の情報量が明らかに少ないです。
転職エージェントを利用されている求職者の方は、キャリアアドバイザーから紹介される1枚、2枚程度の求人票からしか人生を左右する情報を知れません。
もちろん、企業の情報はホームページなどから今の時代は情報を仕入れることはできます。
しかし、企業のホームページは基本的に良いことしか書いていません。
企業を経営する側であれば、自分のマイナス面を世界中の誰でも閲覧することができるインターネットのホームページに書かないと思います。
そして、企業の情報が少ないばかりに面接を受けて求人内容とはイメージが違ったとすれば、その面接にかかった時間やお金は無駄になる訳です。
まずはリスク回避を!
求職者のみなさんは転職活動をする上で、いきなり『こんな会社で働きたい』とか『こんな仕事をしたい』とか考えますか?
いきなりこのような楽観的とも言える思考を持つ方がいるのであれば、その考えは改めたほうが良いと思います。
転職エージェントとして多くの求職者の方を見てきましたが、転職に失敗してしまう方は共通して危機回避能力に欠けています。
特に年齢が若い方は転職について深くまで理解していないこともあり、この傾向が顕著にあります。
若くても転職失敗は失敗であり、その転職から得られるものはありません。
求職者のみなさんは、転職活動をする前に、転職失敗のリスクを極限まで減らした方が良いと思います。
そのためにも、まずは情報量が必要で転職活動が初めての方は特に難しいのですが、インターネットなどを利用して徹底的に企業情報を調べた方が良いと思います。
求職者の方が本当に知りたい情報は?
先ほどご紹介した危機回避とは、分かりやすい例を挙げるとブラック企業を避けることです。
私を含め、転職エージェントが、求職者が絶対に転職したくないであろうブラック企業を扱っているというのは悲しい現実ですが、現実的にそうなります。
求職者のみなさんは、ブラック企業がどのような求人の特徴を持っているのかご存じでしょうか?
ブラック企業に転職したくないと考えるならば、ブラック企業を知ることが必要です。
特徴や性格を理解すればブラック企業への応募をすることがなくなり、危機回避ができるということになります。
どの企業も面接では自ら自社の悪い面を洗いざらい教えてくれませんし、転職エージェントや転職サイトから拾う求人票にも企業のマイナス面については記載がありません。
転職エージェントや転職サイトの求人は、内容を企業にチェックしてもらっているので、採用にマイナスになる内容を記載することはありません。
そのため、転職エージェントや転職サイトの求人にはマイナス面は一切、記載されていないと思います。
転職成功よりも転職失敗を考えること
転職活動はあらゆる面で情報量が少ないために、自分が希望しない求人には応募しない・転職しないということを考えて危機回避する行動を取ることが先決です。
危機回避をせずに、自分が全く希望しない企業へ転職してしまい失敗と言える転職をしてしまっては、その後のキャリアについて非常に悩むことになるでしょう。
本当の転職活動の成功とは?
本当の転職活動の成功とは一体、どのようなことでしょうか?
一般的に転職活動とは、転職を希望~実際に転職までの工程を言います。
しかし、本当の意味での転職活動は、転職後に実際に仕事をするまでです。
求職者のみなさんは、この考えを持つことで転職活動のゴールがより先にあることが分かると思います。
「転職決定」は転職成功とは言えないのです。
転職成功とは?
転職成功とは、転職後に充実したビジネスライフを送れることです。
この視点を持つことで、希望の企業から内定をもらったというぐらいでは心の底から安心することはないでしょうし、喜びも半減するのではないかと思います。
希望の条件の企業から内定をもらったとしても、それは、もらったというだけです。
転職前の少ない情報量から判断した自分の希望と企業の条件をかけ合わせたレベルですので、実際に働いたイメージが本当の意味でその通りかどうかは内定時では分からないのです。
しかし、現状は少ない情報のなかで内定を勝ち取り、その段階では企業の本当の姿を知る術は実際に仕事をしていないので分かりません。
転職前に少しの期間、インターンなどで働かせてほしいということも現実的には不可能でしょう。
本当の意味での転職成功は、転職後に待っていると思います。
転職の失敗・・・
求職者のみなさんにとっては、この言葉ほど、苦痛に感じることはないと思います。
何の保証もないなかで内定を勝ち取ったなかで、転職してみたらイメージと違うということです。
求職者の方の中には、このように転職後にひどい状態に陥る方も少なくありません。
転職失敗は、年齢が上がれば上がるだけ人生に直結し、家族の人生や生活にも大きなマイナス的な影響をもたらします。
転職失敗する傾向が高い職種や求職者のタイプがありますので、ご紹介したいと思います。
転職失敗の傾向が高い職種
まずは転職失敗の傾向が高い職種ですが、これはズバリ言いますと『営業職』です。
営業職と言っても、いろいろな業界の営業職があります。
営業職は転職失敗の可能性を秘めた職種で、以下の業界や企業規模の組み合わせにより転職失敗のリスクは高まります。
営業職+この業界には気を付けろ!
- 人材業界
- 不動産業界
- 金融業界
以上の三つは、日本の労働市場統計において離職率が高いとされる業界です。
離職率が高い三兄弟とも言われていて、新卒では入社してはいけない業界とも言われています。
私は企業の人事として新卒採用に関わった時代に、新卒採用の合同企業説明会にその業界の採用担当者として参加したことがあります。
大きな施設に多くの新卒採用を行う企業がお祭りの出店のごとくブースを構える。
合同企業説明会に参加する就活生に声を掛けて、ある程度の人数が集まった段階で、即席の企業説明会を行う。
たまたまある業界の企業と隣同士のブースになったのですが、その企業の人事担当者は今私がご紹介したことと同じことを言っていて「三つの業界は絶対に入社してはいけないです」とアドバイスしていました。
離職率が高い業界と営業職のある意味、最強の組み合わせ
求職者は直接知り得ることではないと思いますが、人事内ではこの三つの業界と営業職の組み合わせは転職失敗のリスクが大きいとされています。
この三つの業界×営業職はどちらも離職率が高い要素を含んだ業界・職種です。
そのため、三つの業界で営業職の採用活動を行う企業は、離職する前提で一度に複数の人材を中途採用で採用します。
そのため、求職者が知り得る情報量は少ないのです。
また、この業界の人事担当者は、どの企業でも、現場からのたたき上げでキャリアチェンジをして人事になっています。
採用は営業という意識が高いため、面接は求職者を見極める場とともに、口説く場としても考えられています。
私も転職エージェントとして、この三つの業界の中途採用における面接に同席したことがありますが、非常に面接トークが上手で驚きました。
面接後に、『面接のトークが上手ですよね』と聞いたところ、毎日ロープレをして口説いていないように見せて口説くトークを練習しているとのことでした。
企業規模と営業職の組み合わせ
次は企業規模ですが、ベンチャー企業クラスの100名以下の従業員を抱えている企業には注意しましょう。
ベンチャー企業はハイリスクハイリターンの環境で、ハードワークが基本の労働環境です。
ベンチャー企業の経営者のなかには『結果が出ていないのであれば、結果が出るまで働け』精神を持っている方もいます。
これは明らかなる労働基準法違反になりますが、ベンチャー企業規模で営業職の場合はこういった状況はそこそこあります。
この組み合わせも求職者の方にとっては、選考中と転職後で条件などに大きなズレがありますので、ご注意ください。
転職失敗のリカバリー
転職失敗のリカバリー方法ですが、多くの方法があるということはありません。
転職するということは、その企業の雇用保険や健康保険などに加入員として加入することになるためです。
転職後に条件が違う・イメージが違うということで雇用契約を破棄することはできますが、一度加入してしまった社会保険を取り消すことは難しいです。
アブノーマルな方法ですが転職日から1カ月や3カ月ぐらいまでは業務委託契約として契約して、社会保険に加入せずとも良い契約を打診するのもよいでしょう。
「転職しても大丈夫かどうかまだ不安がある」と正直に伝える必要はなく、
「前職との雇用契約が残っていて社会保険に加入しているため」「今は有休消化中で、少しでも早く御社の環境になれたい」などを理由にすることで転職先となる企業に変な印象を与えず、前向きな印象を与えることができます。
結果的に、やはり転職したくないということで業務委託契約を満期で終了して、社会保険上も加入することなく退職することができ、履歴書や職務経歴書にその職歴を記載する必要はなくなります。
この方法しか求職者の方にとって傷を負わずに転職先をすぐ辞める方法はないと思います。
『転職しても社会保険に加入しないでおけば良いのでは?』という率直な質問がありそうですね。
企業は労働者と雇用契約を締結して入社に至った場合は、加入日は転職日、そして加入月は転職した月から加入させる義務があり、必須の条件になっています。
まずは転職に失敗しないように危機回避の徹底を!
今ご紹介したリカバリー方法は転職に失敗した場合の唯一の方法と言っても良いと思います。
しかし、この方法も現職に在籍しながら転職活動を行い、内定をもらった企業への転職を機に現職を退職していることがあると思います。
いかに前職となる企業を円満退社したとしても「転職先が条件と違ったためにもう一度働きたい」とそう簡単に言えるものではないです。
このように職歴に傷を残さない形で転職先との雇用契約を白紙にできたとしても、既に前職を辞めてしまっている状態で無職になってしまいます。
このリスクを回避するために、転職活動中の危機回避から始めた方が良いと思います。
この視点を忘れることなく、危機回避を徹底していただければリカバリーをする必要はないと思います。
最後になりますが、求職者のみなさんの転職活動が有意義なものになり、転職後も充実したビジネスライフを送り、人生にも転職が好転することを祈りこれで話を終わりにしようと思います。
最後までお読みいただきありがとうとございました。