土木作業員から異業界、異業種への転職する可能性は?

転職市場には、多くの求職者が自分の希望する条件に合致する企業に転職することを目的に転職活動をしています。

私は、現在、転職エージェントとして求職者のみなさんの転職支援をさせていただいているのですが、登録いただく求職者にはそれぞれ個性や特徴があり、全く同じ経歴を持つ方はいません。

そういった中で、他の職業より頑張る必要がある求職者もいて、今回はその求職者に特化してご紹介したいと思います。

今回は土木作業員の転職活動について、転職市場の動向や転職職活動の方法など、いくつかの視点からご紹介したいと思います。

最近、これまで一貫して土木作業員として仕事をしてきた方が転職市場に増えてきています

転職市場に求人を公開している企業の多くは、土木作業員とは浅い関係にある民間企業です。

そのため、現在の転職市場にはサラリーマンやOLとしての経験を持つ求職者が非常に多く、増えているとは言え土木作業員としての経験を持つ求職者は明らかに少ないです。

ただ、転職市場では意欲があれば、誰でも自由に転職活動をすることができます。

土木作業員とは?

まず本題に入る前に、今回のテーマの主役である土木作業員の仕事について紹介していきたいと思います。

土木作業員とは、広義の意味では建設業界に属する職種を指します。

みなさんの自宅の近所で家を建てる現場やマンションを建てる現場があると思うのですが、そこには、当たり前のように土木作業員がいます。

建設業界は非常に範囲が広く、設計事務所などのプランを実際に建設する役目が最も末端となる下請け、孫請けと言われる土木作業員となっています。

土木作業員の働き方

土木作業員は、建設業界では必要不可欠な建物を実際に関わる職種です。

しかし、日本の全体的な労働職種の割合を見ると、土木作業員の割合はサラリーマンやOLよりも少ないです。

土木作業員は、慢性的な人材不足に悩まされている職種の一つで、特に若者の土木作業員からの離脱が多かったり、そもそも就職が敬遠されがちです。

土木作業員という職種が人材不足に悩まされている原因は、その社会的な立場と働き方にあります。

まず、土木作業員の働き方の特徴に、天候に関係なく外で仕事をするというものがります。

何十キロもの重たい荷物を持ち運ぶことは当たり前ですし、道路を工事する際に、工事道具を使って舗装することもあります。

夏の暑い日も冬の寒い日も、また、雨のなかでも普通にその仕事はあります。

かなりのハードワークで肉体労働が中心で肉体的な疲労が多い職種です。

また、人材不足に悩まされる原因に、休みがあります。

基本的に週に1回の休みで、休日祝祭日も休みではありません。

労働量が売り上げや利益に直結するビジネスモデルになっているため、そこで雇用される土木作業員は、それに合わせて働く時間や日数が多いのです。

肉体労働で休みが少ないということで、疲労が取れず労災頻度も多いと言われています。

低賃金、重労働

こういった過酷な労働環境である一方で、土木作業員の給料は安いです。

この労働条件を見れば、なぜ若者が土木作業員を敬遠するのかお分かりいただけたと思います。

土木作業員は、年齢が若いうちから土木作業員として働くため、土木作業員として1回、2回程度転職しても、年齢が20代~30代前半と若めであることが多いです。

私の転職エージェントにも土木作業員の求職者の登録があるのですが、年齢を見ると全員が25歳前後です。

土木作業員として転職しても『低賃金、重労働』という環境は改善されないため、土木作業員の求職者は他の業界や職種でキャリアチェンジしようとします。

PCを使わない、インターネット環境がない!?

そこで一般の転職市場です。

土木作業員の求職者を卑下するつもりはないですが、一般的な労働社会や転職市場の情報をキャッチアップする環境があまりありせん。

インターネットを使うとしてもスマートフォンが中心で自宅にパソコンを持っていることはあまりないようです。

私の転職エージェントを利用していただく土木作業員の求職者は全員自宅にPCがないと言っています。

一般的な仕事ではPCを使い、当たり前のようにインターネット環境が整備された環境にいると思います。

このように、一般の労働市場と違いが多い土木作業員の求職者であれ、サラリーマンやOLとしての転職を希望して転職活動をするのです。

一般的な企業で一般的な職種として働くことができれば、土木作業員時代の『低賃金、重労働』という環境から脱することができると考えているのです。

私はこの考えや行動については賛同です。

一般的、平均的な給料や労働をすることができますし、将来的に腰を痛めて働くことができないなどの不安もなくなります。

土木作業員の転職方法

土木作業員はインターネットに不慣れで、一般的な転職市場の情報をキャッチアップすることが難しいとご紹介しました。

私の転職エージェントをよく見つけたなぁと個人的に思い、余談の範囲で聞いてみたところ、民間企業で働いている友人の情報から私の転職エージェントを知ったということでした。

そのため、転職エージェントとはどのような存在で、どのようなことをしてくれるのか大ざっぱにしか把握していませんでしたし、他の転職エージェントには一切登録していないとのことでした。

転職市場や転職エージェントの情報がほとんど情報がない土木作業員の求職者でも、何とか希望通りに転職決定させてあげたいと思い、通常だと1時間で終わる面談を3時間くらいかけて一通りのことを説明してきました。

転職エージェントによっては、時間をかけて支援するだけの利益がないとして登録を拒否する転職エージェントもあるので、土木作業員の求職者はその点は気をつけてください。

ハローワークや転職サイト

土木作業員の求職者は一般的な転職市場の情報をあまり理解していないため、古くから求職者の転職支援をする機関であるハローワークを利用することが多いです。

しかし、今のハローワークは、求人の数や質という面で、求職者のみなさんの転職にそれほど役立つものではありません

ハローワークを利用することは否定しませんが、より効率的に求人を集めるのが転職決定のポイントですので、転職サイトや転職エージェントを利用して転職活動をしましょう。

また、土木作業員の求職者はスマートフォンから求人を拾うことができる転職サイトを利用する傾向もあるのですが、それだと転職活動の一切をすべて自分でやらなければなりません。

転職活動の基礎知識があまりない土木作業員の求職者には少しハードルが高いように思いますので、転職エージェントを中心に転職活動をした方が効率的な活動ができると思います。

土木作業員の求職者は苦戦必至

今の転職市場は、学歴偏重を強く持つ企業もありますし、また、学歴偏重を持たない企業であっても、大学卒業以上を応募資格にする企業が多いです。

私の転職エージェントで扱う企業の求人を見ると、ほとんどは大卒以上、最低でも高卒以上の学歴は必要です。

この点から考えると、土木作業員の求職者は転職活動で苦戦すると思った方が良いと思います。

今までは土木作業員として働いてきたと思いますが、土木作業員に学歴は一切不要で、中卒でも入社することができます。

残念な話をしてしまいますが、中卒の学歴の場合は一般的な転職市場にある求人に応募しても100%に近い確率で書類選考の段階で見送りになると思います。

また、学歴不問の求人に応募したとしても、ある程度の経験がなければ難しい結果になると思います。

私の転職エージェントを利用していただいてる土木作業員の求職者には中卒の学歴を持つ方も多く、大卒の土木作業員の方は1人もいません。

全員が高卒までの学歴で、転職活動では苦戦していました。

土木作業員の求職者も転職はできる!

ただ光もあり、ホワイトカラーの企業であっても学歴一切を不問として選考をする企業もあり、私の転職エージェントを利用して転職活動をする土木作業員の求職者はその企業に転職することができています。

土木作業員の求職者は、自分の経験が少し違うことを良くも悪くも把握して、活動量を増やして転職市場の情報を多く得た方が良いと思います。

土木作業員の求職者が転職決定するためには、いくつか準備がありますの、このあたりについて、ご紹介したいと思います。

PC操作に慣れる!

土木作業員の求職者は、まず何よりPC操作に慣れてほしいと思います。

一般的な労働市場では仕事をする上でPCは必須のスキルです。

これまでの土木作業員としてPCを使っていないということは転職活動では言い訳にしかなりませんし、転職市場で採用活動をする企業は、PC操作のスキルは最低条件です。

同時にインターネットの基礎知識もぜひ、習得してほしいと思います。

スマートフォンでは検索することはできても、転職後に仕事でスマートフォンを使うことはあまりありません。

その意味でも、ぜひインターネット環境を用意してパソコンに慣れてほしいと思います。

土木作業員の求職者のようにPC操作が不慣れ、インターネット環境がないという求職者は、雇用保険法で職業訓練を受けることができます

ハローワークに問い合わせすることで職業訓練所の場所や訓練内容を知ることができますので、ぜひ利用してみてください。

営業職はチャンスあり!

一般的に、営業職はハードワークとして知られますが、完全に実力主義で、基本給は低いものの、高い業績をたたき出すと他の職種では得ることができないような給料を得ることができます。

土木作業員の求職者は、『低賃金、重労働』の世界で仕事をしてきたため、体力的には自信があると思います。

営業職は、ハードワークで肉体的な負荷がかかりますが、土木作業員の方がそれまで経験してきた肉体労働よりも間違いなく軽易だと思います。

また、営業職は学歴不問である場合が多いので、土木作業員の求職者と親和性があると思います。

ただ、営業職で気をつけてほしいのは、業界です。

特に生命保険業界は、転職後数カ月で基本給がゼロになり完全歩合給になりますし、雇用形態も個人事業主のような形になりますので、よほどのことがない限り控えた方が良いと思います。

営業職に魅力を感じて土木作業員の求職者は、それまでの経験が生かせると考えているのであれば、生命保険業界ではない営業職の求人に応募してみてはいかがかと思います。

一応、補足で言いますが、実力主義で文化も厳しいため、離職率が高い職種ですので、このあたりも注意しながら転職活動を進めていただければと思います。

土木作業員の求職者も転職できます!

土木作業員の求職者が、一般的な転職市場で一般的な企業に転職することは不可能だと言う転職エージェントもいますが、私は転職エージェントとして真逆の意見を持っています。

実際、私の転職支援で転職決定した土木作業員の求職者もいます。

苦戦はすると思いますが、苦戦と不可能は意味が全く違います。

土木作業員の転職は長期化することが予想され、苦戦するとは思いますが、信念を強く持って転職活動を行い転職成功してほしいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

サブコンテンツ

絶対に外せない転職エージェント3社

    ランスタッド

このページの先頭へ