正社員経験が数年あったものの、転職ができずに派遣になった話
私は新卒での就職活動に苦労して50社ほど受けましたが、当初から希望していた事務系総合職へ就職することができました。
それでも、上司との相性が悪かったことや毎日12時までの残業、土曜出勤などに耐えかねて入社後2年4か月で退職してしまいました。
そうして私の初めての転職活動は始まったのです。
- 執筆者の情報
- 名前:大杉律子(仮名)
性別:女性
転職経験:5回
現在の年齢:37歳
転職時の年齢と前職:25歳 業務管理事務の派遣社員
今回の記事の目次
書類選考で落とされることにびっくり
仕事が忙しく、就業中の転職活動は難しかったために退職してからの転職活動となりましたが、すぐにでも働くつもりだったので、ハローワークへ手続きには行くことはありませんでした。
自己都合退職は3か月の給付制限があるので、それまでには転職先が決まるだろうと思っていたのです。
しかし、今思えばハローワークへ登録に行き、そこでも求人情報を探したり、キャリアカウンセリングを受けたりすれば良かったのです。
そこで客観的なアドバイスを受けることも転職活動には大切なことでした。
その当時の転職活動は転職サイトで求人情報を探して、自分にできそうな事務の仕事を探し、まずは書類選考を受けるという方法でした。
私は初めの会社で人事採用の仕事に就いていましたが、また残業の多い職場は嫌だったので採用を含まない社会保険や給与計算事務などの求人を探していました。
5~6社受けたところで書類選考だけでも落ちてしまい、若いからどうにかなると思っていた私は愕然としました。
そこで入社2年程度の別職種の経験ではどの会社にも相手にされないのでということを初めて実感したのです。
面接まで行くのはこちらの希望していない仕事内容だった
それでも、20社ぐらいエントリーしたところで3社ほどの面接を受けることができました。
1社目は全然これまでとは関係のない医療業界のコールセンターでした。
とても雰囲気の良い会社で最終面接まで行ったのですが、落ちてしまいました。
未経験職種であったことに加えて、外資系であったこともあり、雰囲気が合わないと思われたことが落ちた原因だと感じました。
次に受けた会社は人材派遣のコーディネーターの職種で、説明会の後にいきなり5人ずつの集団面接をされました。
一人一人、前の会社を辞めた理由と志望動機を聞かれただけでしたが、心の準備ができてないうちに、しかも集団での面接でとても緊張してしまったということもあり、落ちてしまいました。
3社目は大手派遣会社の採用関連の仕事でしたが、採用業務をやることにまだ抵抗があり、なかなかやる気を示せなかったので面接を落ちてしまいました。
面接に行けるようになったのは自分が応募する業界や職種の幅を広げたことでチャンスを得たのが理由だったと思います。
しかし、自分が希望する職種ではない為に、面接で効果的なアピールができず、受かりませんでした。
一人暮らしだったために派遣での就業を考える
私は当時一人暮らしだったために退職後二ヶ月しても就職先が決まらないことに焦りを感じてきました。
収入はないのにただお金が減っていく毎日に何とかしなければならないという気持ちが湧いてきました。
これまでのやり方では転職はできないのだと考え、自分が希望している社会保険事務や給与計算事務は経験年数がないので書類選考で落とされてしまうのだと気づきました。
派遣で経験を積めば次は効果的な転職ができるのではないかとも考えたこともあり、とりあえず3社ほど派遣の会社に登録に行きました。
派遣の会社はどこも登録時の対応が丁寧で紹介できる仕事も若いからたくさんあると言われました。
実際に登録した次の日から多ければ日に10件は紹介の話が来るときもありました。
それでもそれらは希望するような仕事ではなく、未経験でも良いコールセンターの業務や営業事務やもうやりたくない採用業務だったりしたので応募する気持ちが持てずに断ってばかりいました。
しかし、登録して2週間ほどすると派遣であっても自分の望んでいるような社会保険事務や給与計算事務の仕事はないのだと気づきました。
派遣こそスキルがあるかどうかということが重要であり、経験のない職種の紹介はなかったのです。
派遣で就業も数社落ちる羽目に
そうして私は派遣会社の面接を受けたのですが、2社落ちました。
派遣は面談にさえ行けば仕事が決まるものだと思っていたのでとにかくびっくりしました。
落ちた理由は他に条件のいい人が現れたとか、パソコンスキルが足りないとかで派遣でも就業するのはシビアなのだということを身をもって知りました。
その頃の私は会社を辞めてから3か月も経っており、とにかくどこでもいいから働きたいと考えるようになっていました。
退職してから転職活動をすると無職期間を長く続けられないために、転職活動の質が落ちていくというのはこういうことなのだと実感しました。
紹介案件の面談に落ち続けていくと紹介の話も減っていき、とにかく働きたい私は派遣会社のホームページを見て自分の希望の条件にあった紹介案件を探して、自分からコーディネーターにこの仕事を紹介してほしいと頼み込むことまでしました。
しかし、ネットに出ている情報はすぐに応募が殺到しているので、紹介するなら別の案件になると言われて別の案件を紹介されました。
紹介された案件は郵便仕分けや福利厚生などの業務管理でだれにでもできるような簡単な仕事でしたが、すぐに来てくれる人を探していたためにやっと無事にそこでの就業が決まりました。
就業が決まったのは退職後3か月と3週間後のことでした。
2年の事務経験しかなく、自分の経験がない職種への転職を希望していた私は結局正社員としての転職ができずに派遣社員として働くという結果になってしまいました。
転職活動にどう臨むべきだったのか
私が今当時の転職活動を振り返って思うことは転職活動を退職前にした方が良いということです。
退職すると収入がなくなりますし、ただ働き先をみつけるだけの転職活動になってしまいます。
また、スキルや経験がないと転職は難しいので募集職種に関連する資格や経験を身に付けてから退職をしても遅くなかったのではないかと思いました。
中途採用は新卒採用と違って即戦力を求めているので、未経験職種で採用されることは至難の業です。
転職するのならば自分のこれまでの同じ職種を目指した方が確実です。
それでもその際も自分よりも経験がある人が応募をして来たらその人の方が採用されやすいというのが事実なのです。
人物やポテンシャルを評価してもらえる新卒採用と違って中途採用は本当に状況が厳しいのだと知りました。
転職を考えているのならば就業中にできるだけ情報を集め、必要な経験やスキルを身に付けるなどの準備をした上で臨むべきなのだと初めての転職活動で学びました。
この記事の筆者
大杉律子(仮名)
1978年生まれの37歳。
大学卒業後にメーカーの人事採用業務を2年ほどしたのちに派遣社員として業務管理事務を1年。
派遣社員として就業中に社会保険労務士の資格を取り、労働保険事務組合に転職。
4年半勤務した後に結婚などの事情で退職。その後は独立行政法人や労働局などで社会保険労務士の資格を活かした仕事に就く。
出産のために一旦、働くことから遠ざかって3年後、採用業務経験により転職ノウハウなどの記事を執筆するライターとしての在宅業務を育児のかたわら行っている。