正社員から転職しようとし、2社最終面接まで行ったが結局転職できなかった話

私は2度転職をして労働保険事務組合の事務に3年ほど勤めていましたが、前職の派遣時代に取得した社会保険労務士の資格を活かしきれていないことで転職を考えるようになりました。

同じ業界の転職ではあるものの、希望の職種は未経験という微妙な立場での転職活動のスタートでした。

執筆者の情報
名前:大杉律子(仮名)
性別:女性
転職経験:5回
現在の年齢:37歳
転職時の年齢と前職:25歳 業務管理事務の派遣社員

まずは転職エージェントに登録

正社員としての転職ということで、条件の良い求人に応募するために、私は3社の転職エージェントに登録をしました。

転職エージェントの登録では登録先によって特色が異なりました。

初めに行ったところは若い男性の担当者の方が出てきて、とても話しやすい雰囲気で進み、最後に求人案件を何件か見せてもらいました。

しかし、希望に合うような条件の物がなく、また似たような案件があればご紹介くださいと言って別れた後、案件紹介の連絡は一切ありませんでした。

2社目は業界最大手とも言える会社で、担当者の方にはそれなりに厳しい目線でアドバイスをもらいました。

職務経歴書も詳しく添削して頂き、未経験業務への転職が難しい旨、私の適正年収についてアドバイスを頂きました。

実際に紹介される案件も大手企業が多く、すぐにでも応募をお願いした案件が数件ありました。

3社目に登録した会社はこれまた大手会社で社屋が豪華すぎて気おくれしてしまいましたが、出てきたアドバイザーの方は自分よりも若い女性でした。

ここでは面接が決まった際に模擬面接もしてくれましたが、面接の際は管理職のような男性社員が対応してくださってとても良い練習になりました。

しかし、受けた会社を落ちた際に担当者の退職を告げられ、その後紹介案件の連絡が一切なかったのであまり良い印象は持っていません。

転職エージェントは非公開求人を紹介してくれますし、キャリアに関するアドバイスも受けられるので登録をして損はないと感じました。

また、会社によって対応が異なるので複数に登録をしておくべきなのだとも学びました。

社会情勢により求人紹介が激減する

転職エージェントに登録をした時は5件前後の求人案件を紹介頂きましたが、その後は良い案件があればメールなどで連絡をもらうという仕組みでした。

登録時に応募した会社はすべて書類選考で落ちてしまったので、次の求人案件の紹介を待ち続ける日々になりましたが、紹介の案件があまりありませんでした。

実は2年前にも一度登録したことがあり、その時には毎週のように紹介案件が10件近く来ていましたが、2週間に一度数件あるくらいに激減しました。

担当の方にお話を聞いてみると社会情勢などにより求人数も大きく影響を受けるので、最近は紹介できる案件がかなり少なくなってきたと言っていました。

また、非公開求人では採用基準が高いことが多いので書類選考で落ちる機会が多いと言っていました。

更に書類選考の結果が出るまで1~2週間ほどかかることも多く、私の3度目の転職活動はなかなか進まず、手ごたえを感じられないまま日々が過ぎていきました。

二社最終面接まで行く

それでも同業界の経験があるということで社会保険労務士事務所と、募集人数を多めに設定している給与計算の代行会社から、求人案件の紹介を頂き、面接まで進むことができました。

案件を紹介頂けた理由は登録から3カ月以上は経ってからだったと思います。

すぐ良い案件がなくても飛びつかずに、良い案件を紹介してもらえる時期を待って良かったと思いました。

これはそれぞれ別の転職エージェントから紹介を頂き、並行して選考を進める形になりました。

1社目の一次面接は対応に出てきた人の雰囲気があまり良くなく、あまり深く突っ込んだ話も出なかったのでまた落ちたなあと思いました。

しかし、二次面接へのご連絡を頂いて俄然やる気になり、2次面接で対応してくださった方はとても良い方だったことと、面接終了後に職場の案内もしてくれたことで私の中で勝手に合格を確信してしまいました。

もう1社目は結構大手の企業で募集人数が多い分応募者も多く、筆記試験と一次面接が同時に行われました。

いかにも管理職という感じの男性に志望動機やこれまでの仕事のことなどを詳しく聞かれて、とても厳しい面接だと感じました。

しかし、ここでも最終面接まで進んだことと仕事上でのやりがいを感じたことで志望度合いが上がりました。

最終面接もさらに上の管理職の方が面接官で「あなたの短所は何か?」「短所を克服するためにどう工夫しているのか」「その工夫がうまく行かない場合にはどうしているのか」と厳しく突っ込んだ質問をされました。

ここは合格できる自信はなかったのですが、希望職種に関われることでぜひここで働きたいという気持ちが強くなり、厳しい面接だったにも関わらず内定したらどうしようかという気持ちにもなってしまいました。

内定を確信して退職を願い出た結果

二社最終面接まで行ったこともあり、私はすっかり舞い上がってしまいました。

面接が厳しかった方の会社の方が志望度合いは上だが、そこがダメでももう一つの会社の方には内定できるだろうという変な確信を持ってしまいました。

転職活動の場合は新卒採用の場合と違ってたくさん受けてたくさんの内定を取るわけではないので、最終面接には本当にその会社に入社しても良いのか自問自答をしながら望むことになります。

私は気持ちの上ですっかり転職できる気になってしまい、辞める一カ月前には退職を願い出なければならないことを考えて社長に退職の旨を告げました。

理由は希望の仕事につけなかったことと、結婚生活と並行しているのでもう少し軽易な業務に就きたいということでした。

しかし、申し出た翌日に両社とも落選の連絡がありました。

理由はもっと経験のある人が現れたことと、少人数の会社の経験しかないので臨機応変な対処に期待できないとのことでした。

当時結婚していたので、すぐに生活に困るということはなかったのですが、まだまだ働こうと思っていた時期だったので今の会社を辞めるのも惜しく感じられました。

辞める気になれば何でもできると自分の気持ちを奮い立たせ、今の会社を辞める前に試して見たいことあったのでもう一度社長と話をしました。

社長に「希望の仕事に就けなかったことが退職理由だったので、もし配置転換してもらえるのならやはり続けさせてほしい」というずうずうしいお願いをしました。

辞める気になれば人間は本当に勇気が出るものです。

その結果、社長は私の要求を受け入れ、私は職場を変えずに希望の仕事に就くことになりました。

会社としても全く新しい人が入って来るよりもある程度わかっている人の方が良いし、私がこれまでやってきた業務の後継者を育てたいという考えがあったようでした。

最終的に私は転職をせずに希望の仕事に就くことができたのです。

それでも社内の人間関係などに問題があったのでできれば他の会社で希望の業務に就けることがベストだったのですが、転職に失敗した私には最良の判断だったのかもしれません。

どうすれば成功させることができたのか

正社員として転職活動をする際に何に気を付けることが大切なのでしょうか。

まずは内定を完全に取れてから退職を申し出ることが一番ですね。

私の場合は早とちりしてしまいましたが、どれだけうまくいきそうでも直前で何があるかわかりませんし、できれば記録に残るメールや書面などをもらって内定が確実にわかってから退職を現職場に伝えるべきです。

退職するということになると周りを巻き込むことになりますので、選考が進んでいる段階でも安易に転職活動中であることは周りの人に言わない方が良いでしょう。

私の場合は少人数の会社で社長との距離が近かったことから退職の撤回と配置転換を実現させることができましたが、なかなか普通の職場では難しいのではないでしょうか。

今回のように未経験の職種に正社員で転職したい場合にはもっと自分でも行動を起こすべきでした。

連絡が来るのを待っているばかりではなく、転職エージェントにももっとアピールをしたり、自分なりに経験の足りない部分を埋める努力をしたりした方が良かったと思います。

正社員の転職は採用側の基準も高いのでそれに見合う努力が必要なのではないでしょうか。

この記事の筆者

大杉律子(仮名)
1978年生まれの37歳。

大学卒業後にメーカーの人事採用業務を2年ほどしたのちに派遣社員として業務管理事務を1年。

派遣社員として就業中に社会保険労務士の資格を取り、労働保険事務組合に転職。

4年半勤務した後に結婚などの事情で退職。その後は独立行政法人や労働局などで社会保険労務士の資格を活かした仕事に就く。

出産のために一旦、働くことから遠ざかって3年後、採用業務経験により転職ノウハウなどの記事を執筆するライターとしての在宅業務を育児のかたわらで行っている。

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