【転職エージェントに聞く】相談「だけ」したい利用者はどう扱われる？

「相談だけ」の人　エージェントはどう見る？

求職者のみなさん、こんにちは。

現在、私は転職エージェントとして求職者のみなさんの転職支援や企業の採用支援をさせて頂いております。

基本的には、転職エージェントを利用する求職者の方の多くは、真剣にと言いますか、転職を希望して登録し利用するケースが多いです。

しかし、なかには、単なる情報収集や転職活動における自分の相談として転職エージェントを利用する方もいます。

転職エージェントを利用するルールは特別に定めがなく、また、転職エージェントの規約にも相談だけはNGというような規程はありません。

ちなみに、私自身も以前は、求職者として転職している経験を持ちます。

私の職種が人事であり、採用関係にも従事していたため、転職市場の動向や、求職者の動き、採用活動を行う企業の求人の作り方、見せ方を知るために、転職エージェントを利用したことがあります。

転職エージェントは、民間の企業が運営しているため、また、転職エージェントのビジネスモデル上、求職者の方が転職しなければ利益になりません。

そのため、相談だけの求職者の方については、あまり快く思わないことが多いです。

しかし、求職者のみなさんは、このあたりの事情を踏まえても、転職活動をする前に転職市場の動向や転職活動の事情を把握することは、本腰を入れて転職活動をする際に、非常に便利な情報です。

現役の転職エージェントである私が言うのも何ですが、相談のためだけでも構いませんので、転職エージェントを是非、利用しましょう。

そもそも「相談だけ」で終わるケースはどれくらい？

そもそもとして、転職エージェントを利用する目的として相談だけで終わる求職者の方は具体的にどれぐらいの数や割合があるのでしょうか。

この記事を執筆するにあたり、私の転職エージェントのデータとある大手の転職エージェントで働く知り合いの担当者から、情報をマージしました。

まず、私の転職エージェントで言うと、登録しているなかで、約2割程度という実績です。大手の転職エージェントの場合もほぼ同じ割合です。

つまり、10人に2人は、相談だけで転職エージェントの利用を終えるということになります。

この数字は、あくまで求職者の方からの自己申告ですので、私の個人的な見解と、求職者の方を対応するなかで、求職者の方の反応を見ることが多いです。

もっと多くの割合で転職エージェントを相談相手として利用しているのではないかと思います。

先程、触れたように転職エージェントからすると相談だけでは利益になりません。

あまり嬉しくないことになりますので、求職者の方もそれを知っている方もいて、表向きは転職活動をするとしても、実際は相談目的であることもあるでしょう。

あくまで、私の推測ですが、表向きは転職活動に前のめりになっているような求職者の方は、ある意味、賢いのではないかと思います。

転職エージェントも、利益になりそうだと感じると、前のめりに転職支援をするでしょうし、相談だけと分かれば、そこまで力を入れて転職支援をしようとはしません。

その後のアプローチは？

転職エージェントが、もし、求職者の方が相談だけで利用していると知れば、どのような対応を取るかと言いますと、これは事実のことですが、急に素っ気なくなりますし、なかには、担当者変更を行います。

それまでは、転職支援実績が豊富なキャリアアドバイザーが担当していたところを、新米のキャリアアドバイザーにすることが多いです。

その際の転職エージェントの理由としては、急な組織変更で・・・などと言います。

ただ、例外として相談だけを目的にしている求職者の方のなかで、このキャリアはすぐに転職することができると判断した場合は、ごり押しではないですが、転職するように煽ります。

求職者のみなさんからすると、このときの転職エージェントの対応で、自分のキャリアが転職市場でどれだけ優位性があるのかどうかを知ることもできるでしょう。

相談だけでもメリットは大きい

先程、触れましたが、相談だけでも十分、求職者のみなさんからすると転職エージェントを利用するメリットは大きいと思います。

転職活動は求職者のみなさんが個人で行うことで、また、他の求職者の方がどのようなキャリアを持ち、どのような転職活動を行い、選考状況はどうかなど知る機会は少ないと思います。

また、自分が転職活動を本腰を入れて行っていると、自分視点、自分に立場を置き換えて考えてしまい、どうしても主観的な感覚になります。

ところが、相談ベースで気軽な気持ちで転職エージェントを利用すると、その場合は、求職者のみなさんは、ある意味、他人事として転職エージェントからの情報を得ることができます。

また、客観的に見ることができるようになります。

私は、このことを想定して、当時、相談だけで転職エージェントを利用したのではないのです。

ただ、自分の経験を踏まえると、結果的に客観的に転職市場を知ることができ、その後の転職活動に非常に役立ったと思っています。

ちなみに、余談ですが、相談目的で転職エージェントを利用する求職者の方を転職エージェント業界では、ダミー求職者と言います。

転職エージェントにどう思われても良いと思います。

所詮と言っては語弊を生むかもしれませんが、転職エージェントは求職者のみなさんを商品として考えている面もあり、自社の利益を優先することもあります。

求職者のみなさんとしては、転職エージェントに転職支援してもらっているという感覚ではなく、気持ちの面で、転職エージェントを利用してやるぐらいの方が良いと思います。

情報量の豊富さで言うのであれば、やはり大手の転職エージェントが良いでしょう。

大手の転職エージェントは、その規模に比例して当然に、多くの転職活動に関する情報を持っています。

また、更には、多くの求人を保有しているため、その分、多くの企業の情報も持っています。

もちろん、中小規模の転職エージェントを利用しても構わないのですが、相談だけであれば、情報量は必須ですので、その点については、十分な情報を得ることは難しいと思います。

質の面では、高い転職支援を受けることができますが、その範囲が狭いです。

そのため、もし、求職者のみなさんが、中小規模の転職エージェントを相談として利用するのであれば、複数社、同時に利用しなければ難しいと思います。

利用者の市場価値を説明し、そもそも転職するべきかどうかも教えてくれる

利用者である求職者のみなさんの転職市場における市場価値を説明し、また、それを踏まえて転職すべきかどうかを相談目的の求職者の方に転職エージェントが教えてくれる訳がありません。

もし、この点について、説明やアドバイスを求めるのであれば、絶対に、馬鹿正直に自分は相談目的で転職エージェントに登録したなどとは言わない方が良いです。

現役の転職エージェントである私が、もし、そのような求職者の方で、このようなリクエストしてきたのであれば、間違いなく、勘弁してほしいと思うでしょう。

転職エージェントは、労働集約型のビジネスモデルで、多くの人材が必要で、多くの人材を抱えても、仕事量は、増える一方です。

言ってみれば、転職エージェントの業務は、求職者の方や企業とやり取りする機会が多いです。

アナログ的な要素が多いため、このような業務量のなかで、利益にならないと分かっている求職者の方に対して丁寧にそこまで教えてくれることはないです。

もし、あるとすれば、それは、相当、暇な転職エージェントだと思います。

転職市場における市場価値や、転職するタイミングについて、アドバイスを希望するのであれば、ダミー求職者であることは絶対に伏せ、うまく立ち回り、うまく転職エージェントを利用してください。

転職エージェントは時間の無駄になるようなことは、極力避けるよう、社内教育を徹底されていますので、登録してもあまり役立つ情報を得ることは難しいはずです。

これは、求職者のみなさんが、逆の立場になってみれば、おのずと分かることだと思います。

求職者のみなさんが転職エージェントだとして、利益を得なければ、事業継続できないというなかで、利益には100％ならないと分かっている求職者の方に懇切丁寧にアドバイスするでしょうか。

ハローワークの相談とどう違いがある？

転職エージェントの他に転職方法はいくつかありますが、民間ではなく公的な機関としてハローワークがあります。

ハローワークを相談目当てで、利用すると、転職エージェントよりも情報の質が低いことが分かると思います。

なぜかと言いますと、ハローワークで働く求人紹介を行う窓口担当はは、公務員であり、転職支援のプロではないです。

もちろん、転職支援の実績はあるとしても、そのレベルが転職エージェントが行うそれとは少し違います。

ハローワークを利用する採用活動を行う企業の多くは、その求人内容は、事務担当者やパート、アルバイト、または、高齢者向けのものです。

もちろん、転職エージェントが保有するような求人の扱いもありますが、その割合は、圧倒的に少ないです。

そのため、どうしてもハローワークの相談に対する回答は、転職エージェントに比べるとレベル感で問題があります。

私も、仕事柄、ハローワークで窓口担当者と話をすることがありますが、自分の持つ転職支援の情報内容や質と対比で考えると劣る面が多いです。

転職エージェントは、本気で転職支援しているため、集まる情報の範囲や質が高いです。

しかし、ハローワークは片手間とは言いませんが、利益を生まなければ、倒産するというようなことはありません。

転職エージェントとハローワークで置かれた立場により、集まる情報の多さや質は大きく異なります。

一般的に転職エージェントで言われることですが、ハローワークに相談へ行くぐらいならば、インターネットの転職情報サイトから情報を得た方が良いとなっています。

転職サイトの診断とどう違いがある？

次に転職サイトの診断機能との対比です。最近、転職サイトでは利用価値を高めるために、サイト内に診断機能を持ち合わせることが多いです。

この機能が誕生したのは、今から十年ほど前のことになりますが、先駆けは、大手の転職サイトです。

当時は、物珍しさもあり、かなり多くの求職者の方が転職する気もないなかで、興味半分のなかで利用していたのですが、今は、この機能は使い古された感じが否めません。

また、信ぴょう性はどうかと言いますと、なかには当たることもあるでしょうが、大半が外れます。所詮、転職サイトが無料で提供する診断機能であるということです。

転職サイトは、この機能をどのような仕掛けを含めているかと言いますと、求職者のみなさんが現在、受けている年収よりも診断結果で多少、上振れするように仕組んでいます。

大半の求職者の方は、今より高い年収を得ることができるのであれば、心揺れるはずです。それが、転職サイトの診断機能の狙いです。

心を揺さぶられて、そのまま転職活動を行いたいと思った求職者の方は、転職サイトを利用する可能性もあります。

転職エージェントの相談は質も高く情報量も豊富にありますが、転職サイトの診断機能は、チープな感じがありますので、あまり、利用しても意味がないと思った方が良いです。

面白さ半分で、求職者だった私も、診断機能を利用したことが何度かありますが、そのすべてで、当時、受けていた年収より高い結果が出ました。

その結果は、非現実的な年収で、私は、人事でしたし、日ごろから人事として、人事も含めてどの職種のどのレイヤーがどれぐらいの年収を受けることが多いのか把握していました。

そのため、診断機能のものは、明らかにおかしいと気づくことができています。

また、診断機能は、利用した求職者の方に合致した職種まで教えてくれますが、これまた、信ぴょう性が薄いです。

転職エージェントとの対比で考えるならば、転職エージェントは企業や求職者の方の生の情報を持っていますが、転職サイトは、情報はあるとしても、生情報まではいきません。

「相談」時の服装は？

求職者の方のなかには、転職エージェントの面談において、どのような服装で行けば良いのか悩む方もいます。

私から言わせると、そのようなところで悩むべきではないと思っています。

普通に考えると、求職者のみなさんは、転職支援を受ける側で求人をもらう側ですので、そこまでカッチリした服装でなくても良い訳です。

ところが、なかには、異常に堅苦しい求職者の方もいて、まるで新卒採用の選考を受ける学生が着るリクルートスーツで面談に訪れる方もいます。

そこまでカッチリしなくても、普通の正装で十分です。

これは、相談だけでもOKとする転職エージェントに出向く場合も同じです。

基本は志望業界と親和的な服装

求職者のみなさんには、自分が希望する業界があるかと思います。

それは、今時点では相談だけと考えている求職者の方にも必ずあるでしょう。

その場合でも、服装は、その業界に親和性が高い服装である必要はありません。

相談だけであっても、本腰を入れている場合であっても、普通の正装で全く影響はありません。

ただ、相談だけだと言っても、かなりラフな服装は、転職エージェントである相手に失礼ですので、それなりの良識を持って頂ければと思います。

社会人として常識的な範囲であれば、服装としては問題ないと思います。

あまりに適当すぎるともったいない？

これまでご紹介したように、相談だけで転職エージェントを利用したとする求職者の方は、相談だけという目的を転職エージェントを伝えない方が良いです。

本心を伝えずに、相談だけを狙っている場合、服装で見透かされるということは、100％そうとは言い切れません。

むしろ、話す内容で見透かされることの方が多いと思います。

例えば、男性であれば、ピアスをして、切れたジーパンというラフな格好で転職エージェントに相談目的で出向いても、求職者のみなさんの話す内容が本腰を入れた場合と同様の内容でれば、見透かされることはないでしょう。

まとめ

相談だけと言っても、転職エージェントを利用するためには、まずは登録が必要で、そのためには、最近では普通になっています。

求職者のみなさんは、登録面談前にサイト上で、自分の履歴書や職務経歴書を添付し事前に送る必要があります。

相談だけということで、この部分を省略することできますが、その分、転職エージェントに本心を見透かされることも可能性としては高いです。

ですので、できれば、簡単で構いませんので、自分で空いた時間を利用しておくと良いでしょう。余談ですが、私のアドバイスとして、今の日本は転職することは普通のことです。

どのような方にもあり得ることですので、そのために、また、自分のこれまでの実績や経歴を自分が確認する意味でも、遊び半分で履歴書や職務経歴書を作っておくと良いでしょう。

そうすると、相談だけの際に、手間なくすぐに登録完了することができます。

最後になりますが、求職者のみなさんの転職活動が有意義なものであり、最高の転職ができることを心から祈り、ここで話を終わりにしたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。