未経験から保育士に転職するには?
温かくて優しい保育士さんは、永らく女の子が憧れる職業のひとつです。
特に保育士不足が叫ばれている近年においては、女性のみならず男性にとっても「保育士」という職業は魅力的な選択肢となっています。
では、実際に保育の道を志すとなったき、具体的にはどのようにすれば保育士になれるのでしょうか?
今回は、他業種からの保育士への転職や、資格取得の方法、また男性が保育士を目指すための考え方など、保育士への転職に関するもろもろについて解説します!
- 筆者プロフィール
- 名前:諏佐諒次
保育業界専門の転職エージェントに勤務
転職経験:2回
現在の年齢:29歳
他業種から保育士に転職というケースは実際にあるのか
まず、保育士とは関係のない仕事をしていた方が、保育士に転職するというケースについて解説します。
保育士は子どもの命と健康を守り、心身の成長を促す専門職=エキスパートです。
ゆえに、一般的なイメージでは、他業種から保育士へキャリアチェンジすることは難しいのではと思われていることが多いようです。
しかし、実際は他業種から保育士へ転職する方は少なくありません。
資格だけ持っているというケースも多い
もっとも多い事例としては、「保育士資格を持っているものの、別の仕事に就業して保育士としての実務経験がない方が、なにかのタイミングで保育士へチャレンジする」というケースです。
保育士資格はなんといっても国家資格ですから、学生時代に“将来仕事に困ることがないように”と、いわば保険的に資格をとる方も少なくありません。
そうした動機から保育士資格を取得した学生などは、実際に社会に出ても直ちに保育士になるケースは少ないのです。
ただし、例えば他の業種で社会経験を積む中で、自分に合わないことが多いなと感じると、「そういえば保育士の資格を持っている…ここでチャレンジしようか」と、保育士に転職をすることがしばしばあるのです。
必要な資格はどうやって取得するのか?
では、上記のような例ではなく、保育士資格を持たない方が保育士への転職を志す場合、どうすればよいのでしょうか?
当然ですが、まずは保育士資格の取得に励む必要があります。
厳密にいうと、保育士資格がなければ保育業務ができないというわけではありません。
認可外の保育園では、実際に保育士資格がない方でも保育業務を行っている方が少なくないのです。
しかしながら、国が認める認可保育園に勤務する場合は、保育士資格は当然に求められますし、きちんと保育士としてキャリアを積みたいのであれば資格取得は必須です。
専門学校か、独学か
資格取得には大きく2つの方法があります。
まずは専門学校に通い、定められた単位を取得して保育士資格を取得する方法。
もう一つは、独学で年2回実施される保育士試験を受験し、合格することです。
前者の場合は、学校側が提供する授業や研修、試験を順当にパスすれば必然的に保育士資格は取得できますので、確実に保育士を目指すのであればこちらがよいでしょう。
しかし、通学は2年もしくは3年は必要となりますので、すでに社会人である方がこの手段を選択するのは困難でしょう。
そうした場合は、後者の独学で試験を受ける方法が適しているいわれます。
しかし、保育士の勉強はボリュームが相当あり、合格率も10%ですので、独学の場合は通信教育などをうまく利用し、効率的に勉強管理を行う必要があります。
保育助手→保育士という経路は?
さて、保育士資格を取る方法として、専門学校への通学と保育士試験の受験の2種類を挙げました。
しかし、例えば保育士試験を受けたいと思った場合も、学歴によってはただちに受けられない場合があるのです。
例えば、一般の高校卒業が最終学歴の場合は、保育士試験の受験資格がありません。
そのような場合は、保育園や乳児院などの児童福祉施設で2年以かつ2880時間以上の実務経験を積まなければならないのです。
実務経験を積んでいる間は、保育士ではなく保育助手として、現場の経験を習得する必要があります。
研修の受け入れ先はすくない……
もしもこのルートとなる場合、研修先(勤務先)の選定は簡単ではないでしょう。
受け入れ先は、正直あまり多くはないと思っていた方がよいです。
しかし、真に保育士の道を目指すのであれば、こうした困難も乗り越えて、チャレンジしていこうという強い心構えが求められます。
男性だと難しい?
また、一般に男性には保育士は適さないといった声もしばしば聴かれます。
これはある意味で正しい部分があり、それはとりもなおさず「保護者の目線」に理由があります。
というのも、男の子に接することはまだしも、男性保育士が幼い女の子に接するという部分が、ご時世的にも、保護者から物議を醸すケースが少なくないのです。
当の男性保育士本人にはなんら含む部分がなくとも、周りの目を意識した時に、やはりリスクがあることは否めません。
潤滑剤的な役割も?
ただし、職場内での人間関係や業務配分ということを考えると、男性保育士の存在は非常に貴重でもあります。
女性だけの職場は、ややもすると人間関係が複雑になり、それをストレスに退職する女性保育士は非常に多いのです。
しかしそうした中に、ひとりでも男性保育士が混じっていると、職場の人間関係が相当程度改善されるようです。
また、保育士の業務には力仕事も多くありますから、男手がひとつあると女性保育士には大変助かることも多いといわれています。
この記事の筆者
名前:諏佐諒次
保険業界においてバックオフィスや営業など、様々な職種で7年間勤務。
その後、保育業界の転職エージェントを約1年間経験。
多くの保育士から転職相談を受け、よりよい職場を提供できるよう、転職理由の根本の把握に努めた。
現在は民間の教育機関の運営に携わり、主に人事関連の業務を行う日々。