求職者は良い迷惑?選考を受けた企業から現職に在籍確認する企業がある

みなさんは現職には伝えずに在転職活動をされている方が多いと思います。

転職先が決まる前に、水面下で転職活動をしていることが分かると会社に居づらいなど、何かとみなさんの不都合になると思います。

求職者が細心の注意を払い現職に転職を隠していても、想定外のことで転職活動がバレてしまうことがあります。

選考を受けている企業の面接官と現職の同僚がたまたま友人関係にある可能性もゼロではありません。

今回のテーマは?

今回は在籍確認をする企業や、在籍確認をする際の法的なルールなどをそれぞれご紹介したいと思います。

私は現在、転職エージェントとして求職者のみなさんの転職支援をさせていただいています。

実際に登録いただいている求職者の方が、現職への在籍確認で上司に転職活動がバレて転職をやめるということになった方もいました。

転職活動をやめることになる理由が、選考を受けている企業からの在籍確認ということが問題です。

私は転職エージェントとして活動する前には企業の人事責任者として採用にも関わってきましたが、その経験も踏まえて在籍確認を取り巻く環境についてもご紹介できればと思っています。

在籍確認とは?

まず、在籍確認は、選考を受けている企業が、書類選考や面接などに虚偽がないかなどを確認するために行っています。

求職者のみなさんを採用する企業は、みなさんが提出した履歴書や職務経歴書を100%信用するしかないのです

私が企業の人事として中途採用に従事していた頃、時々『あれ?この内容の経歴はつじつまが合わないような気がする』というようなこともありました。

その際も、求職者の方に直接、確認して転職エージェント以外の誰かに確認するということはありませんでした。

大体の今の企業は在籍確認をすることはありません。

在籍確認をする理由

ストレートに言いますと、企業が求職者のみなさんの現職に在籍確認を取る理由は、求職者のみなさんが提出する書類の内容を信用することができないためです。

私が転職エージェントとして転職支援していた、ある求職者の話をします。

その求職者は企業の書類選考を通過して面接段階にあったのですが、明らかに経歴を詐称していると分かる点がありました。

そこで、紹介元である転職エージェントである私に前職確認したいと相談があったのです。

虚偽と思われる部分以外はその方を高く評価していたため、気になる部分だけをクリアにできれば選考は通過させたいとのことでした。

結果的に在籍確認はせず転職エージェントである私が問いただしたところ、疑われているその内容は虚偽でありその企業は辞退という形を取りました。

転職エージェントとしては非常に残念な結果です。

求職者のみなさんには、虚偽などはありませんか?

転職活動の性格上、自分の経歴は自己申告になります

極端な話、今までの経歴とは180度異なる内容を記載しても、疑われることなく内定をもらうこともできる世界です。

ただ、転職とは企業が求職者のみなさんの経験を買って即戦力として採用することです。

企業は転職者を即戦力と考え、転職後に経験が必要な業務を任せます。

ウソの内容は机上では通用するかもしれませんが、仕事ぶりですぐに発覚します

ウソをついて転職しても、一番困るのはその人自身です。
転職活動は転職のために行うものではなく、充実した働き方をするための手段です。

仮に前職確認を受けても、何ら問題ないようなクリーンな転職活動をしましょう。

在籍確認における今と昔の違い

さて、求職者のみなさんは転職活動をする中で在籍確認という言葉を耳にすることはありますか?

求職者の年齢によっては、前職確認そのものを知らないという方も多いと思います。

少し前までは前職確認をする企業が多くありましたが、今の転職市場では少なくなっています

その理由は転職活動の在り方そのものにあります。

昔の転職市場は、現職を持ちながら転職活動をすることに対して良いイメージがなかったため、きっぱり現職を退職してから転職活動をすることが多かったです。

しかし今は求職者が働きながら転職活動をしていることが多いですし、企業もその背景を熟知しているため、求職者に配慮して前職確認は行わないことが多くなっています。

面接時間帯も変わった

その大きな証拠が面接の時間帯です。

現職を持ちながら転職活動をすることがまずかった時代は、日中に面接が行われることが多かったです。

しかし、今は現職を持ちながら転職活動をしている求職者の方が多いため、企業は夜でも面接に対応することが多くなっています

転職活動を水面下で行っていることは企業も把握していますので、現職確認をする企業は少なくなっているのです。

在籍確認は、本人確認が必須の行為

求職者のみなさんは個人情報保護法という法律をご存じかと思います。

個人情報保護法

本人の同意なしに、本人の情報を取得している人(企業や団体を含む)が、第三者に本人の個人情報を提供してはならないと規定した法律

転職活動には、氏名・年齢・住所・電話番号・それまでの経歴など、多くの個人情報が飛び交っていて、自分の知らない範囲で何かに使われてしまえば不安に感じると思います。

企業側は個人情報保護法により求職者の同意なしに現職への在籍確認をすることはできないとされています。

このことは、採用する企業としては義務なのですが、中には求職者の方の同意なしに在籍確認をされる場合があります。

転職活動において、これ以上ない悲惨なこと

求職者のみなさんは、自分の不手際で転職活動が現職に発覚することは、ある程度仕方ないと割り切ることができると思います。

しかし、同意なしに選考を受けている企業が無断で現職に在籍確認を取ることで転職活動が発覚するということは、これ以上なく悲惨なことであり、想定外中の想定外のことだと思います。

私の転職エージェントを利用している求職者の方で、まさにそれをされた方がいます。

その求職者の方はある日いきなり上司から呼び出しされ、いきなり『転職活動してるの?』と聞かれてかなり焦ったそうです。

その上司は、その求職者の方に、『○○という会社から在籍確認があった』と教えてくれて、その企業には転職しない方が良いと丁寧にもアドバイスをもらい、発覚後もその上司は転職活動に協力してくれたそうです。

この方は理解のある上司がいて助かったと思いますが、問題は本人の同意なしに求職者の方の現職に在籍確認をした企業です。

私が転職エージェントとして求人を紹介しているため、その求職者には丁重に謝罪し、問題行動を取った企業に訪問しました。

確認をしたところ在籍確認をしたことは事実であり、人事課長代理が行ったとのことでした。

「絶対に言わないでほしいと求職者の方の現職の上司に伝えていたのでバレないと思った」などと意味不明なことを言っていました。

在籍確認をした人事担当者は個人情報保護法を違反してしまったので、減給と降格の処置を受けて人事からも異動になっています。

大げさにはしたくないとは思いますが、訴訟問題になってもおかしかくないことです。

本来、障害なくできていたはずの転職活動に支障がでた場合は、不利益被害ということで民法の規定でも争うことができます。

無断で在籍確認が行われていたことが分かったら、転職エージェントなどに相談して対応を考えてもらった方が良いと思います。

在籍確認と選考の評価

選考を受ける求職者の同意を取れば在籍確認をしても問題はないのですが、現職に伏せて転職活動をしている以上デメリットにしかならないことです。

しかし、在籍確認は求職者のみなさんを評価しようとする積極的な姿勢です。

通常、在籍確認は選考フローの後半で行うことが多いです。

在籍確認をしようとする企業は採用する意思があるという裏付けにもなりますので、不快に思うと同時に嬉しく思っても良いことです。

在籍確認を求められた場合、「内定を約束するのであれば」という条件を伝えておきましょう

その約束がないなかで内定前に在籍確認を現職にされてしまうと、確認の内容によっては選考見送りになることもあるでしょうし、在籍確認の内容に関係なく面接で見送りになることも考えられます。

そうなると結果的には在籍確認で転職活動が知られ、選考を受けた企業からは見送りにされるという、ダブルの痛手になってしまいます。

私は内定を確約されないならば拒否した方が良いと思いますし、今の時代で在籍確認を選考フローの一部にしている企業は転職するに値しない企業だと思っています。

在籍確認の可能性が高い業界

そうは言っても、在籍確認が普通にある業界や事業内容もあります。

在籍確認が文化になっている業界は金融関係です。

この場合は例外として考えて、在籍確認に応じなければ内定はないと思います。

金融業界は主にお金を扱う事業になりますので、100%信用できる人材でなければ業界で働くことが難しい業界です。

提出した書類に虚偽はないことはもちろんのこと、犯罪歴はないか、親族に犯罪歴がある人はいないかなども、その範囲に含まれています。

思春期時代の万引きなども犯罪歴に含みますので、その場合選考見送りになると思います。

在籍確認があるかどうか事前に確認

今の時代は転職エージェントを利用して転職活動を進める方が多いと思います。

そのため、キャリアアドバイザーを通してどのような選考が行われるのか知ることはできると思います。

転職エージェントを利用する求職者のみなさんは、在籍確認があるかどうかを事前に確認した方が良いです

先述でご紹介した通り、今も無断で在籍確認をする企業がありますし、それをされてからでは遅いです。

最後になりますが、求職者のみなさんの転職活動が充実し有意義なものであることを祈り、これで話を終わりにしようと思います。

最後までお読みいただきありがとうとございました。

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