面接官が語る「自分の考えを自分の言葉で話す」大切さ
私自身も2度転職を経験しています。
転職時の面接では今までの経歴や転職理由など、どこまで話していいのか悩みました。
また年収などの待遇面に関してはどこまで要求していいのかわからず、具体的な話ができないこともありました。
しかし転職はキャリアアップのために行いたいものです。
今よりもいい環境で仕事をするために転職すべきです。
現在、私は転職希望者の1次面接官として面接を行っています。
みなさんの転職を成功させるため、面接官となった私が面接時に何を見ているのかをお話ししましょう。
- 執筆者の情報
- 名前:佐藤 幸助(仮名)
性別:男性
現在の年齢:48歳
面接の経験人数:20人以上
面接経験時の役職:課長補佐(1次面接官)
企業・業種:医療機器メーカー
なぜ転職したいのか、転職理由は?
面接官にとって、一番聞きたいことは一つです。
「なぜ転職を考えたのか。そしてなぜ弊社を選んだのか。」
これは職種に関係なく、面接官が一番気になるところです。
面接官が最初に聞く質問と言ってもいいくらいです。
転職のために面接に来ているのだから当たり前の質問ですが、この受け答えが一番大切です。
単純すぎるこの質問を、いかにわかりやすく、面接官が納得できるように伝えられるかが勝負の分かれ目と言っても過言ではありません。
転職理由が曖昧だと、転職そのものに疑問を持たれてしまいます。
過去に転職経験がある場合も同様です。
「なぜ転職したのか。なぜ退職し再度転職しようと思ったのか。」
この理由を理解してもらえるように、しっかりと説明する必要があります。
金銭面などが理由の転職でも、曖昧にせず伝えておくべきです。
「転職エージェントからいい会社があると紹介されたから」といった転職理由では、単に「仕事が長続きしない人」のような印象を持たれてしまいます。
自分に何ができるのか、何がしたいのか
次に大切なことは「何ができ、何をしたいのか」ということです。
あなたが今まで経験してきた業務を通し、何ができるのかを明確に伝えなければなりません。
自分のことをしっかり把握し、相手に理解できるように表現することが大切です。
そして、あなたが転職により何を求めているかをしっかりと伝えることも大切です。
これにより、あなたを採用した後にどのようなポジションで仕事をさせるかが具体的に考えられるようになるのです。
自分の良さを伝え、採用後に何がしたいのかを伝えていくことは、転職への熱意を伝えることでもあります。
一緒に働けるか
「あなたがこの会社で一緒に働くことができる人であるか」ということも重要です。
あなたが組織の中で周りと調和し、成果を上げることができる人材であることが必要になります。
どんなに優秀な人でも、その人が入社することで組織の秩序が乱れてしまうようでは困ります。
ましてや中途採用となれば入社後に年下の人から指導をうけたりすることもあります。
そういう環境の中で、しっかり仕事をしていくことができる人でなければならないのです。
社会人として問題なくやってきた人なのか、これからも問題なくやっていける人なのか、面接ではそういったところもしっかり見ています。
入退室、あいさつ、受け答え時の表情、言葉遣いなど、ちょっとしたしぐさも見ているのです。
まとめ:面接で何を見ているか
面接では全ての質問に対して正解を出すことが重要だと考えている人がいるかもしれません。
しかし、面接官にとって正解を出すことはあまり重要なことではないのです。
面接でのやり取りを通して自分の考えをまとめ、相手に伝える能力を見ているのです。
質問に対する答えが異なっていたり、長々と自分の考えを演説していてはダメです。
お互いの会話が成立するようなコミュニケーション能力を見ているのです。
製品に関する知識など仕事に関する知識は、入社後に勉強すれば習得することができます。
しかし、コミュニケーション能力は簡単に習得できるものではないうえに、中途入社の人材にそういったことを一から教えるつもりはないのです。
能力が高いことを自慢するよりも、自分の長所短所を把握し、しっかりと相手に伝えるのが大切なことです。
「自分の考えを自分の言葉で話す」
簡単なことのようですが、これができる人であれば転職で環境が変わっても問題なくやっていける人だと考えています。
最後に面接とは、転職希望先の企業にあなたのことを理解してもらうことだけでなく、あなたもその会社が自分の希望に合っているのかを確認することであることを忘れないでください。
この記事の筆者
佐藤幸助(仮名)
1967年生まれの48歳。
大学卒業後、大手医療機器メーカーに開発職として入社。
15年間研究所で材料の研究を担当。
外資の台頭により業績不振に陥り希望退職が募られたため、キャリアアップをめざし中堅医薬品メーカーに転職。
医薬品メーカーでも開発職を3年間経験するも、両親の体調不良もありUターンを決意。
大学時代の友人の紹介で医療機器メーカーに転職。
本社にて、開発職のリーダーとして勤務し現在に至る。