面接官が語る!一問一答がダメなワケ
転職活動をすすめている方・これから転職を考えている皆さま。こんにちは。
転職したい企業から、無事に採用してもらえるかどうかは、ズバリ面接がうまくいくかどうかにかかっているといっても過言ではありません。
今回は「面接官」の視点で、面接ではどんな受け答えをするのが正解か、お教えします!
- 執筆者の情報
- 名前:永井 成果(仮名)
性別:女性
現在の年齢:47歳
面接の経験人数:約500人
面接経験時の役職:-
企業・業種:-
会話の弾まない一問一答
面接を受ける人はもちろん緊張しますが、面接官も実は緊張しています。
今日はどんな人が応募してくるのか、楽しみの一方で、限られた時間で的確な質問をし、見誤らないように神経を集中しているからです。
質問の仕方が悪いと、応募者がどう答えていいかわからなくなることもあります。
事前に、履歴書や職務経歴書には目を通し、一番いいところを引き出してあげる質問も用意します。
また、逆に不明な点や心配な点があれば、聞き忘れないように準備もします。
ところが、そこまで準備をしているのに、面接官を困らせる一番大きな問題は、面接が一問一答になってしまうことです。
一問一答について、具体的に説明するために、趣味について尋ねる質問を例に出します。
例えば、「趣味は何ですか?」という質問に「はい、趣味は映画です。」で終わったとします。
これが、一問一答です。
面接官は趣味の切り口で、オフタイムの過ごし方や、プライベートな広がりや話題をどれだけ持っているかを知るために質問するのですが、この答えが一言だけでは、まったく参考になりません。
面接官に追加質問をさせてはいけない
「趣味は、映画です。」
という返事で面接官が満足するわけがありません。
それぐらいの情報は、履歴書の趣味欄に書いてあるはずで、わざわざ聞くのは趣味について詳しく教えてください、という意味です。
面接官は、さらに聞きたいので、仕方なく「映画はよく行かれますか?」などと追加質問をします。
この答えが「はい、よく行きますよ。」としたらどうでしょう?
面接官のイライラは募ってきます。
もうちょっとしゃべってよ、と心の中で叫んでいます。
「どれぐらい行きますか?」
「そうですね、月に1~2回は行っていますね。」
「好きなジャンルは?」
「SFが多いですね。」と続くと、面接官はほぼ、不採用の意志を固め始めています。
理由は、会話ができない、愛想がない、口が重たいなど。
これが営業職採用だとまず浮上することはありません。
この応答は、趣味についてなので少し悪い例だったかもしれませんが、これが核心の「志望動機は?」「前職の退職理由は?」といった質問で、
「御社の業務に興味を持ちました。」とか、
「入社前に聞いていた労働条件が違っていたので退職しました。」
だけだと、まず救われません。
ひとつの質問で最低1分は語れること
面接での応答は、取調室での尋問ではありません。いかに自分をPRできるかです。
聞かれた質問に、自己PR含めて丁寧に答えようとすると、最低でも1分以上はかかります。
前段の趣味の質問だと、
「はい、私の趣味は映画です。月に2~3回は映画館に足を運びます。また自宅でDVDもよく見ますので、合わせて月に10本は見ていることになります。主に洋画が好きで、ジャンルとしてはSFやアクション系が好きです。ただ見るだけではなく、SNSでの洋画ファンの交流もやっていて、映画評をみんなで交換して人的なネットワークを作っています。あと、俳優の〇〇が大好きで・・・・。」
といったところです。
このように語ってもらうと、面接官は「人的ネットワーク」や「こだわり」に興味を示し、次の質問でさらに応募者のパーソナリティーに突っ込んだ質問に移ることができます。
例えば、
「交友関係は広いのですか?」
「ものごとには、こだわる方ですか?」
「その他、自慢できる趣味や特技はお持ちですか?」。といったように話が弾んで行きます。
あらかじめ答えるポイントを用意しておく
転職面接のポイントは、いうまでもなく「志望動機」と「前職の退職理由」と「自分のスキル」です。
一問一答にならないよう、あらかじめ答えるポイントを準備しておきます。それぞれ、3点ずつ用意します。
「志望動機」のポイントの例
- 会社の事業内容に興味
- 会社の成長性
- 募集の職種が自分に合っている
「前職の退職理由」のポイントの例
- 自分のスキルを生かしきれなかった
- 会社の成長性などに疑問
- 自分のキャリアアップ
「自分のスキル」のポイントの例
- 自分が持っているスキルや長所
- 前職での実績
- 募集職種で生かせる理由
などです。
面接の質問は、どこから来るかわかりません。
前段のように、3種類の質問のポイントを三つずつ準備していたとしても、質問が自分の考えていた順番通り来ないと、ついつい焦ってしまい覚えたことを忘れてしまいます。
そうならないために、多少忘れることを前提にしておきます。
二つしか思い出さなかったとしても、上出来と考えることです。
仮に思い出せなくなったとしても、あっさりと「すみません!緊張で忘れてしまいました。ちょっとお時間ください!」と言ってしまう方が好感度が上がります。
なぜなら、面接は、答える内容も大事ですが、応募者の人間的な側面も同時に見ようとするからです。
一番ダメなのは、苦し紛れにウソをついてしまうことです。
まとめ
ベテランの面接官は、うそっぽいなと感じたら、いくつか質問を重ねて
「前に言われたことと、矛盾してますよね?」となるので要注意です。
転職希望の会社の面接を何社も受け続けると、面接疲れが出てきます。
応募者にとってその会社が10社目の会社であっても、「私があなたと話すのは初めてなんですよ!」
と、言いたくなるぐらい、面接でのなんとも言えない脱力感のある応募者に出くわすことがあります。
大変ですが、1社1社、気持ちを切り替え準備をして新鮮な気持ちで応募することが大切です。
この記事の筆者
永井 成果(仮名)
企業で何人も転職者の面接をしてきました。その後、私自身が転職し、今度は反対にその経験から転職者を支援する仕事もしました。企業の面接経験では、こんな人は絶対受からない、逆にこういう人は非常に好感を持たれ面接をパスできる人だというのがよくわかり、一方、支援する仕事ではそれを転職者にアドバイスしてきました。この両経験から、転職者の役に立つ体験談とヒントを紹介したいと思います。