転職エージェントが教える転職エージェントと企業の関係性!
みなさん、こんにちは。
このように超が付くほどの売り手市場となると、求職者のみなさんが転職活動をする市場となる転職市場には、大きな変化が起きます。
それは、求職者のみなさんが転職活動をする際に、利用することが多い、転職エージェントの数が急激に増えるという現象です。
インターネットなどで、転職エージェントを調べてもらえれば一目瞭然として分かりますが、非常に多くの転職エージェントがヒットします。
転職エージェント以外の人材業界に属する企業も、転職エージェントと同じく景気の事変同をもろに受けるのですが、転職エージェントは、そのなかでも強い影響を受ける立場にあります。
今回の記事の目次
今回のテーマは?
今回のテーマは、転職エージェントと求職者のみなさんが転職活動する上で必ず必要となる求人を公開する企業との関係性についてです。
企業とエージェントの裏側の事情や、求職者のみなさんが一般的には知り得ない範囲まで、ご紹介できればと考えています。
転職エージェントである私がこれまで経験した企業とのやり取りでは、求職者のみなさんからすると、『え?』という驚きになるようなこともあります。
私も、以前は、求職者のみなさんと同じように求職者として転職活動をした経験があり、転職エージェントをしてみて分かる企業と転職エージェントとの関係性もありました。
転職エージェントとは?
転職エージェントとは、どのような存在であり、どのような立場にあるのか、ここで改めて正しい情報という意味で、整理したいと思います。
転職エージェントとは、その名の通りという言い方が適さないほど、名前からは活動内容を理解することは難しいでしょう。
転職エージェントは、別名、有料紹介事業者と言いまして、法的に認可、許可された事業者が行うことができるサービスです。
国から認可を受けた企業には認可(許可)番号が発行されている
是非、確認して頂きたいのですが、転職エージェント事業をしている企業のホームページには、国から認可や許可を受けた際に取得する認可番号、または、許可番号があります。
この番号がなければ、転職エージェントとして活動することはできないということになります。
なかには、無許可で転職エージェント活動をしている企業もあるようですので、求職者のみなさんはご注意して欲しい点です。
転職エージェントは求職者からではなく企業から報酬を得るビジネスモデル
法的に認められた転職エージェントは、求職者のみなさんの転職支援をするだけでは、利益を得ることができないビジネスモデルになっています。
求職者のみなさんの転職支援をすると同時に、企業の採用支援を行い、企業が転職エージェントからの採用支援を受けた結果、採用に至った場合に、はじめて利益を得ることができる立場です。
この利益を、成功報酬と言いますが、転職エージェントであれば、例外なく、求職者のみなさんから報酬を得ることは出来ませんし、必ず企業から報酬を受けることが決まっています。
法律には、有料紹介事業者は、利益を得てその活動をする場合、求職者のみなさんから一切の利益を得てはいけないという規定があります。
金銭以外の授受も禁止
求職者のみなさんのなかには、転職エージェントへ面談向かう道中でジュースや軽いお菓子を購入して、それを面談のお礼という意味で転職エージェントに渡そうとする方もいます。
私も、求職者の方からこのようなことはありましたが、受け取ることはありませんでした。その理由は、転職エージェントは一切の報酬を得てはいけないという規定があるからです。
金銭以外の物品などについても、報酬の範囲に入ります。缶コーヒーぐらいは良いではないか?という感覚もありますが、法律的には禁止行為になっています。
そのため、求職者のみなさんのなかで転職エージェントを利用する際に、『ついで感覚』でも、転職エージェントに何かあげようとする必要もないです。
転職エージェントのビジネスモデル
転職エージェントは採用活動を行う企業から成功報酬を得るということは先述でお伝えした通りですが、ポイントは、いつの段階でその成功報酬を得るかという点です。
先程も軽く触れましたが、成功による報酬ですので、採用に至った場合のみ、転職エージェントは、企業から報酬を得ることができます。
つまり、採用支援に必要な取引契約、企業に求職者の方を紹介、紹介した求職者の方が書類選考や面接を通過、これらの段階では企業から報酬を得ることはできません。
内定しただけでは報酬は発生しない!
また、紹介した求職者の方が企業から内定を得たタイミングでも報酬を得ることができませんので、内定=採用ということではないです。
企業が内定を出しても、その求職者の方が、その内定を辞退した場合は、転職エージェントは採用支援において報酬を得ることはできません。
自分が企業に紹介した求職者の方が、企業から内定を貰い、その内定を承諾して、入社しなければ成功報酬を得ることはできません。
転職エージェントのビジネスモデルにより裏事情
転職エージェントからすると、顧客と言える立場の存在が転職活動をする求職者のみなさんと採用活動を行う企業の二つとなります。
しかし、利益を得ることができる対象は、この二つのうち企業だけですので、本当の意味での顧客とは企業ということになります。
一方で求職者のみなさんは、転職エージェントからすると顧客であるとともに、自社の商品という立場になります。
転職を強要する悪徳業者が存在する
人であるため、自分が商品となることは、あまり快いことではないと思いますが、転職エージェントのビジネスモデルの仕組み上、このことは事実としてご理解頂きたい点です。
国からの認可や許可を得る必要がある理由も、人身売買のリスクがあるということで、転職市場においては、弱者となる求職者のみなさんの保護をするために、法律でいろいろな規定を設けています。
このような事情があるため、求職者の方が希望しない求人を無理矢理に紹介したり、内定辞退を希望しているなかでも、無理矢理に内定承諾させて、転職させる悪徳業者も存在します。
転職エージェントの見極め
求職者のみなさんは、自分の将来や自分の身を保護するために、転職エージェントを利用しようと考える際は、転職エージェントの見極めがポイントになります。
そのために、どこか1社だけの転職エージェントを利用して転職活動するのではなく、絶対に登録して頂きたい転職エージェントは、大手の転職エージェントです。
大手の転職エージェントを利用しつつ、転職エージェントを相対的に比較することができます。
その転職エージェントの転職支援が適正かどうかを見極める判断材料にするためにも、他の転職エージェントも数社同時に、登録した方が良いと思います。
転職エージェントは有利な転職方法でも1社だけはリスクもある!
転職エージェント同士の適正を見極めることと同時に、複数の転職エージェントを利用することで、求人を拾うことができる可能性も広がり、転職活動の幅も広がることに繋がるからです。
転職エージェントを利用して転職活動を行うことは、今の転職市場においては、当たり前と言えるぐらいメジャーなものになっています。
また、転職エージェントである私も、転職エージェントだから言う訳ではないですが、他の転職方法に比べると、色々な意味でメリットが大きいです。
1社だけの転職エージェントを専門的に利用して転職活動をしてしまうと、転職活動の幅は狭くなりますし、その転職エージェントの言いなりになってしまう可能性もあります。
転職エージェントの営業方法
転職エージェントは、求職者のみなさんの転職支援をするためには、転職エージェント自身に、求人がなければ、転職支援することはできません。
そのため、転職エージェントは当然に求職者のみなさんが知らないところで、求人元になる企業に多くの営業を行い、求人を受注して紹介しているのです。
ここまでは、何となく想像できる範囲のことだと思いますが、転職エージェントの営業活動の実際の方法については、なかなか知り得ないことだと思います。
転職エージェントの営業は登録者の履歴書を使う
企業での営業では、求職者のみなさんからすると自分が、転職エージェントの営業活動の資料になっていることもあります。
具体的には、登録者の履歴書や職務経歴書を営業先である企業に持ち込み、自分の転職エージェントを利用すると、このような求職者の方を紹介できると営業するのです。
個人情報ですので、履歴書や職務経歴書には、求職者のみなさんからすると、自分が知らない相手に対して公開したくない情報が満載だと思います。
通常は機微情報となる範囲の氏名や住所、社名などはマスキングし、個人を特定できないようするのですが、酷い転職エージェントの場合は、一切マスキングしない場合もあります。
個人情報の同意書
転職エージェントを利用する際に、面談が必ずあると思いますし、履歴書や職務経歴書の提出とともに転職エージェントから説明を受けて、かつ、個人情報の同意書にサインをすると思います。
個人情報保護法の制定、施行により、どの転職エージェントも求職者のみなさんの個人情報を扱い事業であるため、個人情報の利用の説明などは必須のことになっています。
同意書の内容には、『企業の選考以外に利用しない』、『本人の同意なく個人情報の共有は行わない』という文言があると思います。
自分の知らないところで個人情報が公開されているかも!?
求職者のみなさんも、同意書があるからということもなく、普通の感覚であれば、自分の同意なく自分が知らない相手に、自分の情報を転職エージェントが公開することはないだろうと思うでしょう。
しかし、なかには自社の営業活動の進捗を高めるだけのために、求職者のみなさんの同意なしに、個人情報を公開して営業活動に役立てている場合もあります。
先程、転職エージェントの見極めが大切だとお話したと思いますが、このことも含めて、求職者のみなさんは、転職エージェント選びは大切です。
登録の際に、求職者のみなさんが伝えるべきこと
求職者のみなさんは、個人情報保護についての同意書にサインすることで、十分、個人情報漏えいのリスクを軽減できると思うでしょう。
通常は、それで十分なのですが、転職エージェントのなかには、世の中の普通や常識が通じない転職エージェントがあります。
自分の個人情報の徹底管理をするために、登録時に転職エージェントに対して、自分の個人情報を営業の材料にしないで欲しいということを伝えた方が良いと思います。
ツーフェイス型の転職エージェントの場合は注意が必要
転職エージェントの転職支援と採用支援のスタイルは、キャリアアドバイザー、一人が企業の採用支援と求職者のみなさんの転職支援を行うワンフェイス型。
企業を担当する営業担当と求職者のみなさんを担当するキャリアアドバイザーのツーフェイス型があります。
ワンフェイス型であれば、このようなことは可能性として少ないのですが、ツーフェイス型の場合は、情報の齟齬があり、危険性があります。
企業を担当する営業担当は、自社の管理ツールから、みなさんを担当するキャリアアドバイザーが知らないところで、自由に個人情報の抽出ができる環境があるのです。
転職エージェントは、あくまで中立の立場であるはずが・・・
転職エージェントのなかには、利益を得る対象が企業であるために、中立的な立場ではなく、企業に肩入れする転職エージェントがあります。
同じ転職エージェント内であっても、キャリアアドバイザーが同じスタンスを持っているということもなく、中立の立場で仕事をする方もいれば、そうでないキャリアアドバイザーもいます。
この傾向は、転職エージェントの社風が営業体質の場合によくある現象で、営業体質の転職エージェントは、キャリアアドバイザー個人の業績が本人の評価にかなり影響します。
その結果、昇給や昇格にも大きな影響を持ちますので、求職者の方を商品としか考えていないのです。
転職エージェントにより人生が狂うこともある!
どのようなことでもメリットとデメリットがあり、表裏一体の要素を持つかと思いますが、転職エージェントの利用も同じです。
転職エージェントを利用する求職者の方の中には、転職エージェントを利用したことで、本来、希望していない企業へ転職してしまい、人生そのものが狂ったという方もいます。
これは、本来あってはいけないことですが、転職エージェントは法律的な認可や許可を受けた立場とは言え、民間企業です。
民間企業である以上、自社の利益も当然、考えなければいけません。このあたりのバランス感覚を失うと、最終的に求職者のみなさんが損をしたり、被害者になることもあります。
転職エージェントは便利な転職方法ですが、リスクもありますので、そのリスクが顕在するような転職活動をしてしまっては転職活動の意味がありません。
最後になりますが、求職者のみなさんの転職活動が充実し有意義なものであり、転職後も自分らしく仕事ができることを祈り、今回の話を終わりにしようと思います。
最後までお読み頂きありがとうとございました。