同族企業への転職は慎重に!同族企業から内定を貰った求職者は必読!

みなさん、こんにちは。

転職市場で採用活動を行う企業には、規模、社風など、企業ごとにそれぞれ特徴や文化があります。

社風や特徴は、企業の性格とも言える要素になりますので、企業選びや内定承諾するかどうかのタイミングでは一つのベクトルになるのではないでしょうか。

現在、私は転職エージェントとして転職支援をさせて頂いていますが、求職者の方のなかには、社風や文化を転職テーマの重要な要素と考えている方が多くいます。

この考えは否定するどころか、かなり的を射た転職テーマで私も個人的には大賛成のことです。

今回のテーマは?

求職者のみなさんが行う転職活動は、人生に直結する大事なターニングポイントですので、企業選びは慎重に行う必要があります。

また、企業を選ぶ上で何より大切なことであり、是非、中心的な要素にして頂きたいことが、企業の社風です。

社風は冒頭で申し上げた通り、企業の性格や価値観、考え方が含まれたものであり、その企業の経営者の思いが含まれています。

社風は企業理念や行動指針を中心に作られる

社風は企業理念や行動指針を中心に作られることがほとんどですので、社風を言い換えれば、企業理念や行動指針となります。

企業理念や行動指針を策定した経営者のスタイルや性格なども含めて判断して欲しいと思っているのです。

転職市場にある求人を公開している企業には、この社風などがそれぞれ違いますし、多くの企業は、経営陣やマネジメント層が血縁関係を持たない場合こともあります。

同族経営の企業は独特のスタイル!?

しかし、企業のなかには、経営陣やマネジメント層の人材を自分の身内でかためる企業、つまり、同族経営をスタイルにしている企業があります。

私の転職エージェントにも同族経営のスタイルを持つ企業の求人はありますが、同族経営ではない企業と比較すると、やはり、独特のスタイルと言いますか、企業文化や社風があることが多いです。

今回のテーマは、転職市場で採用活動を行う企業のなかでも、同族経営を行う企業にスポットライトを当てて、同族経営の企業性格や働き方などをご紹介できればと考えています。

同族経営とは?

まず、そもそもとして同族経営の企業とはどのような企業なのか、このあたりから軽くご紹介しようと思います。

求職者のみなさんは、転職エージェントなどから求人を拾った際には、必ずと言って良いぐらい、その企業のトップである社長と経営陣のプロフィールが紹介されていると思います。

もし、求人に会社概要がなく経営陣のプロフィールがない場合は、企業のホームページなどには必ず記載がありますので、一度、ご確認ください。

経営陣に社長と同じ名字の人物がいる場合は同族経営の可能性がある!

その経営陣のプロフィールに着目して欲しいのですが、社長の名字と全く同じ名字の経営陣で組織されている場合があります。

また、経営陣の全員が同じ名字でなくても、経営陣のなかに、社長と同じ名字の経営陣がいる場合は、同族経営の企業と思って頂いて良いと思います。

同族経営とは、先述でもご紹介した通り、企業の中心的な立場にあるポジションを自分の血縁関係でかためた経営を行う企業を言います。

同族経営と言えば、地方の小さい○○商店や○○工務店という場合もありますが、最近は、都心部で業績を上げている企業にも同族経営のスタイルを取る企業があります。

同族経営の特徴

私は転職エージェントとして、同族経営のスタイルを持つ企業は、ちょっと違和感を覚えることや、この企業で働いたらなかなか自由が利かないだろうと思うことが多いです。

まだ、同族経営の企業での在籍経験がないという求職者の方、今まさに選考を受けている方、内定をもらったという方は、今回の記事を参考にして欲しいです。

まず、私が日々、取引するなかで感じる同族経営の企業は、かなり独特であり、他の同族経営ではない企業と比べると社風そのものが、偏った感じがあります。

同族企業は従業員にとって窮屈な労働環境であることが多い!?

大体の企業は、同族経営ではないため、トップである社長を中心に、色々な価値観や考え方をうまくマージしてそれを企業理念や行動指針に落とし込んでいます。

そのため、その企業で働く従業員についても、ある程度、自由の範囲で企業理念や行動指針に則り日々、仕事をしています。

しかし、同族経営の企業の場合は、中心的な立場にある経営陣やマネジメント層の全員または多くが血縁関係にあります。

そのため、企業理念や行動指針においても、かなり独特であり、同族経営の企業で働く従業員には、窮屈な働き方や労働環境であることがよくあります。

かなりのワンマン経営

同族経営でなくても、ベンチャー企業には創業者の力や意見が強くワンマン経営であることがあります。

しかし、ベンチャー企業と言っても、従業員の意見をうまく取り入れ、それを経営に役立てるボトムアップ型の経営を行う企業もあります。

そのため、小規模であり経営者の力が強いワンマン経営が、ベンチャー企業のすべてに当てはまるとは言い切れませんが、同族経営の企業は、かなりの確率でワンマン経営であることが多いです。

その場合、ボトムアップという要素はほぼなく、経営の意思決定や、日々の業務は大体トップダウン型、つまり、経営者などの上層部から指示があり、それに則り仕事を進めることが多いです。

ボトムアップ型とトップダウン型の違い

・ボトムアップ型:下の者が様々な意見を出し合い、物事を決めて広めていくこと
・トップダウン型:上の者が物事を決め、下の者に指示して実行させること

ほぼ100%のトップダウン!

同族経営の場合は、現場となる従業員の方の意見や提案は一切、聞き入れない場合が多いです。また、もっと言いますと、意見や提案することすらできない場合が多いです。

同族経営の場合、企業内の労働環境や仕事の進め方の一切について、血縁関係のなかですべてが決まっているため、意見や提案することはできません。

決まった内容を社内に公表し、それが文化になり浸透していくことが多いです。自由度が低いと単なるオペレーション部員と感じるかもしれません。

自由度が低いとオペレーション部員になってしまう?

この状況を求職者のみなさんは、どのように感じますか?日々の業務ですら、自分のやりたいようにできない、意見や提案することができない、改善点があっても、それを言うことすらできない。

このような状況は、単なるオペレーション部員としか感じないでしょうし、やりがいがあるとは言えないでしょう。

同族経営のスタイルを持つ企業への転職は慎重に!?

同族経営の企業の社風云々は関係なしに、求職者の方の希望条件の一部である業界や職種が合致すれば、求職者の方には紹介します。

ですが、その求人が同族経営の企業であった場合は、リスクも当然、お伝えしています。

この記事を読んで頂いて、何となく同族経営のスタイルを持つ企業の特徴を把握して頂いていると思いますが、実際に働いたり接したりすると、かなり窮屈感があると思います。

私は、個人的に同族経営のスタイルを持つ企業への転職は慎重に慎重を重ねる必要があると心から思っています・・・。

同族経営の企業の労働環境

同族経営という名前自体が、何となく窮屈感を覚える言葉に感じませんか?何か、民族に近いイメージはないでしょうか?

同族経営のスタイルを持つ企業は、最近、言葉を換えて家族経営という言い方をする企業もあります。

今、お話した通り、同族経営という言葉の響きが自分たちでもあまり好まないということで、より温かみのある家族経営という言葉に言い換えて表現することが増えています。

家族経営とは従業員を家族同然と考える企業

家族経営とは、最近使われることが多く、社風がフラットで風通しがよく従業員でも気軽に経営陣などに対して意見や提案ができる、そして、従業員を家族同然と考える企業を言います。

同じ家族経営という言葉でも、同族経営と同族経営ではない企業では、労働環境や社風などは雲泥の差がありますし、天と地の違いがあるぐらいの大きな差があります。

同族経営ではない企業の場合は、家族経営をその企業の一つの性格として持っているため、それはそれで、求職者のみなさんは前向きに考えて良いと思います。

同族経営が意味する家族経営は要注意!!

しかし、同族経営が意味する家族経営とは、社風や労働環境を言っているのではなく、まさに実態として血縁関係で経営層を固めるだけのことで、単純に言い方を変えているに過ぎません。

同族経営の労働環境については、転職後から必ず、少し違和感や窮屈感を覚えることは間違いないでしょうし、トップダウンが非常に強いため、自由意志を持てないことが多いと思います。

求職者のみなさんは、転職後にそのような労働環境でも我慢できる、十分に頑張れるという場合は、同族経営のスタイルを持つ企業へ転職しても何ら問題ないのです。

同族経営の実際のスタイル

これは、私が転職エージェントとして取引し、採用を支援している同族経営の企業の、実際の構成についての話になります。

ある意味、同族経営の典型とも言える構成ですので、求職者のみなさんは是非、参考にして欲しいと思います。これからご紹介する構成が、『THE・同族経営』です。

まず、社長は当然、その企業の家族の父親で、役員は、その社長の妻であり、他の役員陣は、その社長と妻の子供です。

そして、経理の責任者は、その企業の社長でもある父親の母親で、総務の責任者は、社長である父親の父親という構成です。

経営陣全員に全員血縁関係がある!?

この構成を見て、求職者のみなさんはどのように感じますか?私は、この企業と初めて取引をする際に、役員構成を確認したのですが、その場で結構焦りました。

全員が同じ名字を持っていましたし、経営陣の全員が血縁関係あることに少し異常さを感じました。

そして、私のそれまでの経験上、同族経営であるこの企業は、きっと、かなり独特な偏った社風や文化を持っているはずだと思いました。

この企業の人事担当者は、同族経営の血縁関係とは無縁の方で、つまり、社長からすると身内以外の従業員ということになります。

必要なのは窮屈感に耐えられるメンタル力!?

人事担当者から、『ここだけの話』ということで聞きましたが、これまで私が今回の記事でご紹介した内容通りに、かなり窮屈感があるということでした。

そして、その人事担当者が言う、この企業に求める人物像は、『窮屈感に耐えることができるメンタル』と『オペレーションだけでも良いと思える』人材ということでした。

正直、採用要件としては、オペレーションだけでも良いという内容はかなり簡単なものですが、メンタル力があるという点においては、難しいものです。

通常のメンタル力とは?

同族経営以外の企業が求めるメンタル力とは、ハードワークに耐えることができるということや、苦難から逃げず、その仕事を最後までやり抜くということです。

それと比べて頂ければ一目瞭然ですが、同族経営の企業が求めるメンタル力とは、単純に同族経営のスタイルに馴染めるかどうかということです。

これまで同族経営のスタイルや社風、労働環境についてはご紹介してきた通りですが、この社風や労働環境に馴染める人は決して多いとは言えません。

同族経営の恐るべき離職率

転職市場にある求人は、求人を公開する企業が新規人材を確保するためにあるのですが、その募集背景は、大きく二つです。

企業が新規に人材を募集する2つの背景

  • 経営好調、事業拡大に伴い増員
  • 現任の担当者が退職し、それに伴う欠員補充

少し話がズレますが、求職者のみなさんは、自分が転職エージェントや転職サイトから拾った求人の募集背景が増員なのか欠員補充なのかは、大事なポイントです。

欠員補充の場合は、必ず、現任の担当者の退職による募集背景になりますので、離職するということは、それなりの理由があってのことです。

どの企業でもこのことは共通で、退職や離職に前向きなことはないはずです。どのような求職者の方も、現職や前職に見切りをつけて違う企業で心機一転頑張りたいと願っています。

同族経営企業の人材募集理由は欠員補充!!

同族経営の企業においても、募集背景は同様で、増員か欠員補充のどちらかになるのですが、同族経営の企業の場合は、欠員補充による採用が大半を占めています。

私の転職エージェントでも数社、同族経営の企業の求人を扱っていますが、私の転職エージェント限定の話をすると、同族経営の企業の求人の募集背景は、100%、欠員補充です。

しかも、同じ職種やポジションの求人が短期間に何度も受けますし、最高では1年間に4回、同じ内容の求人を受けたことがあります。

そのすべてが増員ではなく欠員補充ですから、イコールで、それだけその求人の現任の担当者が退職しているという何よりの証拠です。

50%を超える離職率!?

日本の労働市場における平均の離職理は、15%から20%と言われています。各論でお話しすると、大手企業の場合の離職率は平均を大きく下回り5%前後と言われています。

ベンチャー企業の場合は、20%から30%が平均となりますが、同族企業の場合の離職率はどれぐらいだと思いますか?

データを抽出していませんので、全体的な話は分かりませんが、私の転職エージェントが取引する同族経営の企業の平均の離職率は驚異の50%を超える数字が出ています。
企業選びの基準として離職率は重要

もちろん、同族経営の企業のなかには、独特の窮屈な社風ではない企業もありますが、その数は、全体の同族経営の企業の数からみると、少ないですし、離職率についても同様のことです。

私は転職エージェントとして求職者のみなさんに是非、アドバイスさせて頂きたいのですが、同族経営の企業も含めて企業選びの際には、離職率は大きな指標の一つになる要素です。

転職エージェントなどから必ず求人元である企業の離職率を年度単位で確認するようにしてください。

同族経営の企業に悪意はない!

企業のなかには、悪意を持って労働者に窮屈感や厳しい労働環境を強いる企業もありますし、それが、俗に言うブラック企業です。

しかし、今回の主役である同族経営の企業には悪意はないです。単純に、自社を血縁関係以外の人に取られたくないという保身的な意味が強いのです。

その結果、同じ企業の仲間である従業員であっても、従業員の意見を取り入れず、すべて血縁関係にある家族で決定しようとします。

ですから、同族経営の企業に悪意があるということはないということをお伝えしたいと思います。

同族経営の企業の選考について

さて、今回のテーマの最後に、同族経営の企業の選考についてご紹介したいと思います。通常の選考は、どの企業も書類選考や面接数回というフローの結果、内定があると思います。

同族経営の企業の場合の特別、このフローと変わりはないのですが、面接官に特徴があります。

経営や日々の業務についての意思決定は、血縁関係にある家族で行うことが同族経営の一番の特徴ですが、採用においても、このことは同じです。

面接官は社長と血縁関係にある人物が担当する!?

どのフェーズの面接においても、必ず面接官には血縁関係である家族の誰かが担当する可能性が高いです。

求職者のみなさんのなかに、同族経営の企業を希望する方がいる場合は、面接官はその企業の経営者の血縁関係者ということを想定しておいた方が良いと思います。

同族経営のスタイルに理解を示すことがポイント

同族経営の企業の選考難易度については、それほど高いものではないですが、選考基準は、同族経営という経営スタイルにどれだけ理解を示すかどうかという点です。

求職者のみなさんは、同族経営というスタイルについて、面接前に把握して良くも悪くも同族経営の特徴を知る必要があると思います。

いずれにしても、同族経営の企業への転職は慎重に慎重を重ねた上で決断して欲しいですし、仕方なく同族経営の企業への転職はやめた方が良いでしょう。

最後になりますが、求職者のみなさんの転職活動が充実し有意義なものであり、転職後も自分らしく仕事ができることを祈り、今回の話を終わりにしようと思います。

最後までお読み頂きありがとうとございました。

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