リクルートエージェントでの転職経験
- 体験者の情報
- 名前: 荒木二朗(仮名)
性別: 男性
転職経験: 1回
現在の年齢: 39歳
転職時の年齢と前職: 24歳(メーカーIT技術職)、38歳(ITベンチャーIT技術職)
早期希望退職を経て初めての転職活動
私が転職活動を始めたきっかけは、当時勤めていた会社が早期希望退職を行うこととなったためです。当時38歳、転職するならばこれが最後のチャンスと思い、退職願いを出すと同時に転職活動を開始しました。
実際の転職活動は、退職金の上乗せと会社都合退職による失業保険により、多少の金銭的余裕があったため、退職直後からじっくりと行うこととなりました。
会社を辞める機会もあまりないのだから、しばらく自由な時間が欲しいという思いもありましたね。
また、私の職務であるIT関連の技術職は、当時、2014~2015年頃の話ですが、売り手市場となっており、40歳前後でも、最悪仕事にあぶれることはないだろうとの思いがありました。
さて、転職エージェントとしてどこを使うべきだろうか・・・当時の私は、大手のリクルートエージェントが真っ先に頭に浮かびました。
活動を進めるに従って、世の中にはこんなにエージェント会社があるのかと、視野の狭さに気づかされることとなるのですが。
リクルートエージェントへの登録を依頼したところ、すぐに先方より、エージェント担当者との面談を設けたいとの連絡がありました。
事前に、職務経歴書を作成してきてほしいとのことでしたので、エージェントのWebページ上から、過去の経歴を簡潔に記入していきます。
そして、三日後にはリクルートのオフィスのある東京駅八重洲口方面へと、足を運ぶこととなりました。
エージェント担当者との面談
私の担当コンサルタントは、30代前半くらい(私より若い!) の前職がIT企業勤めのオシャレスーツが似合う男性でした。リクルートでは、職種によって担当が分かれているようです。
担当者からは、パンフレットを用いながらエージェントの説明を受けます。サービスを受けられるのは原則3ヶ月だがあくまで目安とのこと。
また、私の場合は、これまでの大手企業での経歴から、10社応募すれば1,2社は内定は取れるでしょうとのことでした(この見通しはずいぶんと楽観的なものでした) 。
さらに、「あなたは既に退職されているため、他の転職希望者よりも時間的に有利ですよ」と、大変甘い言葉もいただきました。
同時に、既に退職されている場合は、離職期間は短ければ短いほどよいとの警告もいただきます。離職期間が半年を超えると、前職の年収よりも下がることがほとんどのようです。
私としても、そこまで離職期間を伸ばしたくはありませんでしたので、遅くても半年以内にとの思いがありました。
職務経歴書についてもアドバイスをいただきます。転職先は、これまでと同じくIT業務を希望していたため、IT業種向けの記述方法等を教えていただきました。
こちらの希望職種や条件(勤務地、年収等)を伝えると、15分ほど席をはずされた後に、20件ほど求人を持って再登場しました。
その中からいくつかの企業をピックアップして概要を紹介しながら、「職務経歴書を仕上げた後、早速応募しましょう」と。そして、担当者との面談は幕を閉じました。
担当者推薦に疑念を抱く
さて、担当者から推薦された20件ほどの企業から7,8件程度を選び抜き、面接依頼をすることとなります。しかし、その結果はなんと「全て面接お断り」。お断りの連絡はメールにて。
応募の翌日から2週間以上経過してからのものとまちまちですが、全て、書類審査で落ちました。うーん、担当者推薦とは一体何なのかと、このときは大変落ち込んでしまいました。
また、書類審査に落ちた理由も、「経験やスキルがミスマッチ」といった、いかにもありそうな定型文が添えられるだけ。たくさんの案件をさばいているので仕方がないのかもしれませんが、受ける側としてはさびしいですね。
さて、その後も担当者からは定期的に、具体的には週に2,3件程度の求人を紹介してもらいました。しかし、これまで一件も面接を勝ち取っていなかった私はこう思いました。
担当者の推薦よりも、自分で求人から探したほうがよいのではないのかと。
リクルートでは、担当者の推薦以外にも毎日のように新着求人があり、これは、エージェント登録をしたときに準備していただいたWebの個人ページから検索できるようになっています。こちらからも求人を探すようになりました。
そして、こちらには、まだ紹介されていないけど私に合った求人がたくさんあったのですね。最初の面接で私の希望条件がちゃんと伝えられていなかったためでしょうか。担当者が雑だったためでしょうか。
こちらからも面接の応募を行うようになり、気がつけば数件、めでたく書類審査通過となりました。
面接対策は自分次第?
書類審査通過となれば次は面接です。リクルートでは、エージェントとは別に面接セミナー(無料)も行っており、こちらにも参加してきました。面接の心構え等のレクチャーを2時間程度受け、特に実践等はありませんでした。
転職者がよく聞かれる質問を教えてもらえるので、初めての転職の場合は、一度は話を聞いておくことをお勧めします。
エージェント担当者から面接のレクチャーを受けることはありませんでしたので、最初の自己紹介や簡単な質疑応答は個人で練習をしていました。
新卒とは異なり、社会人としての経験も豊富なので、後は自分たちでがんばってくれということでしょうか。これはリクルートに限りませんが。
面接を勝ち取った企業の中には、これまでのノウハウが溜まっている場合は、「△△社の面接対策集」といった面接マニュアルを渡されることがありました。
この会社は、過去の困難を乗り越えた話を聞きたがっているといった内容が盛り込まれていました。リクルートの中でそういったデータベースがあるのか、単にエージェント担当者のスキルに依存するのかは不明であります。
面接通過と内定とその後
さて、ある一次面接を終えたあとに、面接通過のお知らせをいただいたのですが、年収の条件面が合わなかったため辞退をしようとした時の話です。
辞退をエージェント担当者に伝えると、30分に渡って電話で「辞めるともったいない。ぜひここに決めるべき」と延々と説得され続けました。なかなか内定をもらえない私もいけないのですが、やりとりに疲弊してしまいました。
面接が終わると、面接の感触をアンケート方式でエージェントに伝える必要があります。
企業にどれくらいの熱意で入社したいかといった質問(選択肢あり)もあるのですが、「すごく入社したいわけではない」と答えたらどうなるのでしょうか。
一度、そう答えて一次面接後にゴメンナサイをされたことがありましたので、とても気になるところです。そんな私からのアドバイスは、全て無難に「ぜひとも入社したい」と回答することです。
そんなこんなで私は、リクルートエージェントへの登録から数ヶ月後、1件の内定をいただくことができました。しかし、同時期に別の転職サービスからも内定をいただき、リクルートでの内定はお断りすることとなりました。
そして再び、電話での説得を受けることとなります。普段はそれほど親身になってくれないのに、ここぞとばかりに大変しつこい担当者でした。
まとめ
リクルートエージェントは老舗でもあり、多くの求人数を売りとしていますが、現在は、転職エージェントは会社間での競争が激しい状況となっています。必ずしも老舗のエージェントが良いとは限りません。
同時にいくつかのエージェントを利用していくことで、自分に合った担当者が見つかるのではないでしょうか。
相性の悪いエージェント担当者は思い切って代えてもらうことも手です。(リクルートからも、相性が悪ければ変更してもらっても問題ないと言われていました) 転職エージェントに気を遣う必要はありません。
相性が悪いのはエージェント担当者が雑な仕事をしていることが原因だと思い、是非とも罪悪感は持たないようにしましょう。
また、リクルート以外のエージェントもいくつか利用しましたが、担当者の年齢層は20代後半から30代中盤くらいが多いようです。ご自身の年齢が高い場合、価値観が合わずアドバイスが的を射ないこともあるかもしれません。
ご自身の年齢に近い担当者に合わせてもらうこともよいかもしれませんね。
この記事の筆者
荒木二朗(仮名)
1976年生まれ。1年前に10年以上勤めた一部上場メーカーを退職後、半年の転職活動を経て、外資系IT企業にプロジェクトマネージャーとして転職。本社の開発メンバーと英語で格闘する毎日。新米ライターです。